LIFE OF FIRE 命の炎〔文章リメイク中〕 作:ゆっくん
物語の登場人物は皆、道化である。
台本の上を歩かされる、愉快なピエロ。
糸で吊るされた、安物のマリオネット。
糸を断ち切れば、動かなくなるだけ。
闇に近付きすぎれば、呑まれるだけ。
太陽に近付きすぎた、イカロスのように墜ちるだけ。
『America』
Washington D.C. , the United States in 2620.
Six persons gather to the U-NASA.
『China』
2620年的美国,华盛顿DC。
六个人物,向(到)U-NASA集会。
『Germany』
In den vereinigten Staaten in 2620, und Washington, D.C.
Sechs Personen versammeln sich zu U-NASA
『Russia』
В Соединенных Штатах в 2620, и Вашингтон, D. C.
6 личностей собираются к U-NASA.
『Rome』
Negli Stati Uniti nel 2620, e Washington, D.C.
Sei persone raggruppano ad U-Nasa.
『JAPAN』
2620年のアメリカ、ワシントンDCにて。
六人の人物が、U-NASAに集う。
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物々しい警備の中、無駄に広い会議室の中にて。
六人の人物は、巨大な円卓を囲う。
世界を揺るがす力を持った六人。
この六人の気紛れで、世界は返されたちゃぶ台の如く崩壊する。
「………皆さん。ごきげんよう」
口火を開いたのは、落ち着いた様子の老紳士。
老いても尚、その牙と威厳は衰退を知らず。
──────────────『
「いやはや。緊急会議とは何事かと思いましたよ」
笑みを浮かべ、決して崩さない柔和な表情。
その能面の下には、底の無い欲望の井戸が潜む。
───────────────『
「『地球組』から裏切り者が出るとは…想定の範疇とはいえあまり喜ばしくありませんわね」
女王。その冠は彼女にこそ相応しい。
その戦略は絶え間なく形を変え、常に利を得る最適の形となる。
──────────────『
「それを早急に手を打つ為に本日集まった。という訳だろう」
堀の深いその顔。まるで軍人であるかのような、厳格な表情。
その凍てつく程の冷静さ、祖国の大地の如く。
──────────────『
「………こう言うのもなんだが、襲撃されたのが『アンタ』で良かったぜ。少なくともオレ達五人は『アンタ』みたいに不死身じゃねぇしな。…今ので気ぃ悪くしたらすまねえ」
顎に髭を蓄えた、〝良い意味〟で適当な印象を受ける人柄。
その人物像と不釣り合いな頭脳の回転速度、疾きこと風の如く。
──────────────『
「いいえ。構いません。我々の一人でも欠ければ世界は荒れる。むしろ私が狙われたのは不幸中の幸いであったと言えるでしょう」
その蓄えられた筋肉、不動明王の如し。
【ネムリユスリカは死ぬ】
【しかしこの男は死なない】
─────────────『
六カ国の首脳。
この六人を中心に、惑星開発計画『テラフォーミング計画』の事は運ばれる。
当然、『地球組』に関することもこの六人が管理している。
今回は地球圏で起こった度々の事件のこと並びに、『とある計画』に関することについて話し合う必要が出た為に集結したのであった。
そんな六人の内、三カ国だけは付き人が寄り添っていた。
『日本』首脳である蛭間一郎の傍らには、蛭間七星。
『アネックス一号計画』副司令官及び『地球組』〝臨時〟司令官にして一郎の血を分けた兄弟。
『ロシア』首脳、スミレスの傍らにはユーリ・レヴァテイン。
『地球組』唯一無二の『
今回は、度々の面識があるスミレスのボディーガードを担っている。
重要人物が六人も集えば何が起こるかわからない上に、ユーリの意見を今回の『会議』にて参考にしたいそうだ。
そのそしてもう一人、誰の眼から見てもこの場で最も浮いてる人物に視線が集まる。
「お、おい。大丈夫かよ?椅子持ってきて貰ってやろうか?」
『ローマ』代表ルーク。
そのルークが、心配そうに声をかけた『優男』。
「いえいえ!僕は平気ですよ!!」
ニコリと、包み込むような笑顔でそれを返した人物。
クリーム色の髪の、フワッとしたクシャクシャの天然パーマ。
眼鏡をかけたその青年は、見るからに温厚そうな印象が見受けられる。
しかし、頼りないというネガティブイメージもまた然り。
青年の蚊も殺すことが出来なさそうな人柄に加えて、松葉杖を地面につき、入院患者が着用する『病衣』を着用していたことも相乗効果を生み、その印象をより一層引き立てていた。
U-NASAと隣接した病院から抜け出してきたような印象を受けるが、まさしくそうなのであろう。あんな体調ではボディーガードも出来なさそうだ。
「大丈夫ですかな?『手術』が終わった直後でお辛いでしょう?」
『中国』首脳は、あからさまに作り物の笑顔でその青年に笑いかける。
散々、人を疑ってきたユーリにはそれが見えすいている。
クーガが人の『外面』から客観的な事実を切り取ることが得意なのに対して、ユーリは人の『内面を疑う』ことに長けていた。
時にそれは居もしない仮想の敵を作り出し、まるで風車を巨人と勘違いして闘いを挑んだ男、ドンキホーテのような状況に自らを追い込んだことがある。
しかし、その用心深い性格のお陰で自らの身に降りかかる危機から逃れたらことが何度かある。
ユーリは、その生き方を変えるつもりもなかった。
皮肉にも、それは兄貴分の『裏切り』によって得た強さではあったが。
「ありがとうございます。…僕のような者を心配して下さるなんて…感謝の気持ちで一杯です!」
そんなユーリから見ても、ペコリと頭を下げるその青年の笑顔は本物であった。
まるで、人には悪意がないんだという生善説支持者であるかのように、相手を信頼しきっている様子だ。
そんな彼からは、心の濁りが全く感じられない。
彼は、自分と違って他人の中にある善意を『信じる』ことが得意なようだ。
そんな考察をしながら青年を見つめていると、こちらに向かって手を振ってきた。
……………呑気なものだ。
「………さて。肝心の話し合いに入りましょうか」
痺れを切らした『アメリカ』首脳、グッドマンが話し合いの場へと空気を引き戻す。
「まずは『地球組』を襲撃した、『バグズ二号』のベースを持つ『死刑囚』についてです」
敵の雑兵。死刑囚であるその身を買い取られ、旧式である『バグズ手術』を受け『地球組』に牙を剥いてきた者達。
「その名称が今更ながら決定しました。身も蓋もないですがこれを『バグズトルーパー』としておきましょう」
が、とグッドマンは付け加える。
「恐らくこの名称が使われることはもうなくなるでしょう」
「恐らくその『在庫』が尽きるから…でしょうか?」
『ドイツ』首脳ペトラは、グッドマンに尋ねる。
グッドマンはそれに頷き、言葉を続ける。
「ええ。買い取られた『死刑囚』は調査の結果…おおよそ九千人。それに『死刑囚』ではない単なるゴロツキも加えればおおよそ、その数一万人」
「その中から〝間引いて〟大体五百人って結果が出たんだっけか。敵ながら上出来だな」
ルークの言葉に、全員が頷いた。
全世界からかき集めたであろう死刑囚達。
それにゴロツキも加えて、一万人もの数。
しかし、ここからが問題である。
手術のベース生物にも相性がある。
一種類ずつパッチテストの如く、その生物とその人物が適応するかどうか、ローラー作戦を実行するしかないのである。
一種類しか適合しない人間も、複数種類適合する人間もいれば、〝一種類も適合しない〟人間も存在する。
そして、敵はどうやら『バグズ二号』搭乗員の手術ベースに用いられた生物しか使用する気はないようだ。
狭き門は、より狭くなるだろう。
U-NASAの見積りでは、この時点で最低でも二千人に数を減らす。
貴重な『
狭き門をくぐれなかった残りの八千人は、予定通りに〝刑を執行〟されたのだろう。
そしてそこに、手術の成功確率も絡んでくる訳だ。
『MO手術』の成功確率は、約『36%』。
『バグズ手術』の成功確率は、もっと低い『30%』。
その二千人の中から、二割強である五百人も生き残れば上出来だろう。
しかし、その五百人も度重なる闘いで恐らく底を尽きようとしている。
残っている残党は、おおよそ百人程度ではないだろうか。
しかし、問題はここから。
〝何故敵は、わざわざバグズ二号搭乗員の生物だけに固執したのか〟
敵が『バグズ手術』の原理を理解しているなら『MO手術』も可能なのだ。
正確に言えば、『プロトタイプのMO手術』だろうか。
『MO手術』と『バグズ手術』の違いは二つ。
昆虫以外の生物もベースとして使えるか否か。
ツノゼミによる筋力上乗せがされているか否か。
生物のDNAなど、簡単に入手出来る。
それを用いて『バグズ手術』と同じことを行えばいいだけ。
例えツノゼミによる筋力上乗せの技術がなくとも、それは『MO手術』。
その最たる例が、アドルフ・ラインハルト。
彼が持つ特性は、『デンキウナギ』のみ。
しかし、強力。火星のテラフォーマーをあっさりと殲滅してしまう程に。
昆虫でなくとも、ツノゼミによる筋力上乗せがなくとも、強力なベースもあるのだ。
何も『バグズ二号』のベースに固執する必要など無い筈。
確実に何か裏がある。
「ユーリ・レヴァテイン。君はどう思う」
グッドマンは、ユーリに話題を振った。
実際に戦場に立った者にしか、見えない景色があるだろうから。
「…………私は、個人的な憶測や推測が非常に多い。それでも宜しいでしょうか」
各国首脳は、ユーリの言葉にYESと頷く。
それを確認すれば、ユーリは静かに口を開く。
「恐らくこれは『実行犯』の個人的な趣向でしょう」
「趣向…かね?」
「恐らく『バグズ二号に何らかの因縁がある』『バグズ二号のベースを研究する必要がある』の二つのどちらか、或いはその両方でしょう」
「ほう…では、大局から見れば些細な問題かもしれませんね」
『中国』代表がそう口を挟んだ。
それを聞いてユーリは内心溜め息をつく。
〝些細な問題〟として『バグズ二号』の件を世界が片付けてしまっているから、『実行犯』は『バグズ二号』に固執した事件を起こしているのではないだろうか。
とどのつまりは復讐。世界への。
恐らく『バグズ二号』関係者の。
しかし、そこを指摘すれば場の空気は悪くなる。
この場の人物、特に『中国』の首脳が怒らせれば戦争が起こるかもしれない。
ユーリは口をつぐむ。
「問題は『実行犯』の手口ではありません。その裏にいる『依頼主』の思惑ではありませんか」
『中国』首脳のその言葉を聞き、ユーリは内心二度目の溜め息を吐く。
よく言えたものだ。
恐らくこの一連の事件、犯人は『中国』だ。
実行犯は恐らく『花琳』。
依頼主は『中国』首脳。
『集会』のあの日、花琳が現場にいなかったことをクーガから聞いた。
アズサとレナの『サポーター』である彼女には、監視義務があるにも関わらずにだ。
『帝恐哉』の件の後、花琳について個人的に嗅ぎ回った。
データによると、『集会』当日に本国より呼び出されるという大義名分を与えられていたらしい。いくらなんでも都合の良すぎるスケジュールではないだろうか。
そして、もう一つ。彼女は三歳から五歳まで、南アフリカにて行方不明になっていたらしい。
『バグズ二号』搭乗員で南アフリカ出身と言えば、一人だけ心当たりがある。
ヴィクトリア・ウッド。
広大な南アフリカで彼女と花琳が出会ったかどうかは知らないが、可能性はなきにしもあらずだ。
もしそうであれば、怨む理由も存在する。
また、彼女も『桜唯香』と同様に22歳で生物学の博士号で取得している。
彼女ならば、理論さえわかれば『バグズ手術』が可能ではないだろうか。
また、一連の事件を引き起こす為に必要なもの。
【膨大な金銭】・【人員】。
その両方を兼ね備えているのが、彼女の出身国である『中国』。
蓄え続けたその資源であれば、間違いなく可能。
恐らく、他国の首脳も内心疑っているだろう。
「『依頼主』…か。確かに目的がイマイチわかりませんな」
グッドマンは溜め息をつく。
どうせお前だろう。そんな愚痴を溢すかのように。
ルークもよく言えたものだと言わんばかりに中国代表に目をやっている。
案の定、少なくともこの二人に関しては自分と同じことを考えているようだ。そんな風にユーリが考えを巡らしていたまさにその時、『日本』首脳である蛭間一郎は核弾頭を投下する。
「いやはや。さぞかし『依頼主』は幼稚と見える」
「ブフォ!?ゲッホ!ゲッホ!」
一郎の一言で、ルークは飲んでいた水を気管に詰まらせる。
ペトラと、『ロシア』首脳も僅かに凍り付く。
グッドマンは顔を歪ませる。
〝それは言わない約束だろうと〟
『中国』が一連の事件の犯人であることは大体検討がついている。
また、
「一連の事件の作戦内容が雑すぎますな。まるで構って欲しさに赤ん坊返りしているこどものようだ」
それも分かりきってることであった。
何らかの意図の元、わざと誰にでもわかりやすく単純で、それっぽい作戦を展開しているのだろう。
いずれも中途半端な、煮え切らない作戦。
『地球組』襲撃、『蛭間一郎』暗殺、『クーガ・リー』捕獲。
いずれも戦力を集中させていれば、どれか一つは成功したかもしれない作戦。
にも関わらず、敵が行わなかった理由。
恐らくは注意を引く事自体が目的である為。
本命の作戦を成功させる為の隠れ蓑。
それ故の『幼稚』な作戦であると、一郎も理解している筈だ。
そして先程『幼稚』と一郎が罵った犯人こそが、恐らく『中国』。
〝そんなもん分かりきってることだろ!何でそれが分かってて敢えて指摘する!〟
ルークは冷や汗を流しつつ、ハラハラと心配そうに一郎を見守る。
この場で最も怒らせてはいけない国。それは『中国』。
長年資産を蓄え続けた結果、かの国は常に『
極端な話、『中国』首脳の機嫌を損ねただけで世界は火の海に包まれることだってあり得るのだから。
牽制にしても、あまりにもリスクが大きい。
「はっはっはっ。いやいや全く同感。さぞかし『幼稚』なんでしょうなぁ!!」
『中国』首脳は、一郎の言葉に青筋立てることなく笑い飛ばした。
それを見た瞬間に、ルークはドッと体を崩した。
この会議はイチイチ心臓に悪すぎる。
そう言いたげな表情だ、と一部始終を見守っていたユーリは感じた。
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──────────────
三時間後。
途中休憩を挟みつつ、事件に関する議論及び『地球組』の今後について話し合いが一段落した頃に、『計画』についての話し合いが行われる。
「『PROJECT』についての話し合いを始めましょうか」
ただ『PROJECT』と略されたその計画。
ユーリは、その言葉を聞いて思い出す。
その被験者の〝護送任務〟に、アズサとレナがついたということも同時に。
花琳から無事に護送は完了したと聞いていたが、その花琳が疑わしいのではアテにならない。
悪いなにかが起きてなければよいのだが。
「この計画の概要を振り返っておきましょう」
主体となって計画を進めた『中国』の代表が口を開く。
「端的に言えば『地球組』の戦力の補充が目的です」
『集会』の日の襲撃によって、百人いたメンバーが十分の一以下、更にその後の戦闘により、更にその数を減らしていた。最も、死んだ筈のメンバーが実は生きていることは彼らですら知るよしもないのだが。
「しかし………あまりに人員を増やしすぎれば失った際のデメリットが大きすぎる。それ故に一定の基準を定めましたね」
「『クーガ・リー』を越えうる力を持つベース、その適合者を探し出す計画でしたかな」
この計画の目的。
アース・ランキング一位、『クーガ・リー』を越える力を持つ人員を確保すること。
その目的は戦力の増強及び、表向きにはなってないが『中国』の何らかの目的の為の
しかし、当然それだけではいくら『中国』首脳に力があると言っても押し通せる訳がない。
各国共通の
その戦士がもし完成すれば、『クーガ・リー』に対して抑止力となり得る為である。
つまり『犬』を飼い慣らす為の『鎖』を自ら作ろうというのだ。
『遺伝MO』を持っている人間がどれだけ貴重かご存知だろうか。
彼らは『MO手術』の成功確率36%をほぼ100%にする夢の新人類である。
そんな三人のうち、火星に二人が行ってしまった。
奇跡の子、『
造られた存在、『
彼らが火星で死んでしまえば、その夢の新人類を『造り出す計画』がパーになる。
しかし、丁度良くスペアが涌いてくれた。
『
彼がいれば、最低でも研究は続けられる。夢は終わらないし、途絶えない。
だが、『飼い犬』が噛み付いてくる可能性だって無きにしもあらず。
だから、躾の為の『鎖』が必要という訳だ。
しかし、ここからが難しかった。
地球上の『過度に強力なベース生物』数種類を選別し、それに適合する人物をしらみ潰しに世界中から探し出した。結果、見つかったのは『二人』だけ。
『死刑囚』と『学者』の『二人』だけ。
幸運にも、『二人』とも手術に成功した為にこうして話し合いが進んでいる訳だ。
「その通り。皆さんはポーカーというゲームを知っていますね?」
「ポーカーというのは…当然トランプの?」
突然引き合いに出された有名なゲームに、グッドマンは首を傾げて『中国』首脳に尋ねる。
「その通りです。ポーカーで一番強い役…ペトラさんはご存知で?」
「通常であれば『ロイヤルストレートフラッシュ』ですが…」
だが、あまり知られてないがポーカーには『ロイヤルストレートフラッシュ』以上に強い役が存在していた。
『
それが、最強の役にして最強の布陣。
「皆さんもご存知かと思いますが…『ファイブカード』ですね。この布陣さえ完成すれば…『地球組』の戦力はより一層充実すると言っていいでしょう。ただ………」
『中国』首脳はルークの側についている『青年』に目をやる。
その目は、やや冷えていた。
「『二人目』はやりすぎかと思いますが」
ユーリは、目を見開いて先程の松葉杖をついた『青年』を凝視する。
あの優男が、クーガを越えうる力を持つ人物の一人?
にわかに信じられなかった。
「…そっちで見つけた『死刑囚』よりかは危なっかしくなくていいんじゃねぇか」
ショックを隠せないユーリを尻目に、身内のことについてとやかく言われたルークはわかりやすく顔を強張らせながら『中国』首脳に言い返す。
まぁ、便乗した身としては強く言い返せないのも事実だが。
『ローマ』には、まだ『地球組』に関するプロジェクトで利益がなかった。
日米は『地球組』を共に結成し、ロシアはその『地球組』にユーリという人員を滑り込ませた。
ドイツは『地球組』に関する研究に全面的に協力する代わりに、最も多く研究データを入手できるおいしいポジションについていた。
そして中国は、この『PROJECT』を立ち上げた。
ローマには、利益が残されていない。しかし、神はルークを見棄てなかった。
ヤケクソでこの『PROJECT』に便乗してみた結果、横にいるこの松葉杖の『青年』が『過度に強力なベース生物』に見事適合してしまったのだ。
この『PROJECT』を中心となって進めている中国が見つけた人材は、『死刑囚』とはいえ、高い戦闘能力を保有していた。
しかし、それに対してこの『青年』はただの『学者』。身体能力も中の中がいいところ。
『MO手術』が失敗した時のスペアと言えば聞こえはいいが、中国が見つけた人材が手術に成功したにも関わらず、ローマは無理矢理この『青年』の手術を行うことを強行したのである。
こんな人材で、しかもそんな形で便乗されれば、中国だっていい顔しないのも当然だ。
しかし、『最初に』裏切ったお前にだけは言われたくない。
「いや、でもよぉ。ガキの頃トランプやった時…ジョーカー二枚ぶちこまなかったか?」
ルークの頭の回転は速い。適当なように見えても、彼は『首脳』だ。
詭弁と言われればそれまでだが、最初にポーカーで例えたのは『中国』首脳だ。
その土俵にルークは敢えて乗ってきた。
相手の言葉に反論するには、ポーカーの土俵に『中国』の首脳は乗るしかない。
しかし、それではあまりに幼稚。ネット掲示板で横行しているような、揚げ足の取り合い並の議論を展開しなければならない。一国の『首脳』がこれ以上、そんな議論を続ける訳にもいかない。
故に、議論はここでほぼ途切れる。
ルークの咄嗟の切り返しに、グッドマンも感心する。
そんなこんなで『PROJECT』の件も今更揉めたところで仕方ないという結論に落ち着き、結局はなぁなぁに終わった。
「…な、なぁ。中国、怒ってねぇよな?」
「はい!きっと大丈夫ですよ!」
「ばっ!声がでけぇ!!」
最も、ルークは先程のやり取りにて肝を相当冷やしていたようで、青年に何度も『中国』首脳の顔色を確認させていた。
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────────────────
そしていよいよ、最後の
『地球組』の今後の『リーダー』について。
忘れてはいけないが、あくまで七星は『臨時』司令官である。
『アネックス一号』の火星到着まであと二十日ほど。
『七星』は、そちらの『副司令官』に戻らなければならない。
故に正式な司令官を立てたいところなのだが、何せ『アネックス一号』の方に大幅に人員を割いてしまった。
本来は二年かけて出発する予定だったにも関わらず、半年に準備期間が短縮されてしまった為に、『地球組』にそういった司令系統となりえる人員を確保する間もなかった。
しかし不幸中の幸いというか、いや不幸には変わりないのだが、『地球組』のメンバーは当初よりも大幅に数を減らした。
故に、人数的にも『小隊長』を立てれば統率出来るのではないかと判断された。
「我々としては…そこにいるユーリ・レヴァテイン君を推したいところですな」
グッドマンはユーリに目をやる。そして、これに関してはペトラ、ルーク、スミレス、『中国』首脳の四人の意見も纏まっているようだ。
ユーリは戦闘時の判断力においてトップ成績を納めている。
故に彼なら、リーダーとして最も適切な人材でなのではないかと判断された。
だがしかし。
「「「
そう言う男が三人いた。
一人は、七星。もう一人は、ユーリ。
そして、もう一人は蛭間一郎。
〝……………何故お前らが空気を乱す?〟
それが、三人と『青年』以外の誰しもが思っていたこと。
この時、世界は一つとなっていた。
七星。『地球組』〝臨時〟司令とはいえ一国の首脳であるグッドマン達と比べれば、この場での発言権と立場は限りなく低い。
ユーリ。『地球組』の構成員にすぎない彼に、発言権など存在しない。
そして、蛭間一郎。
二十年前の『バグズ二号』計画に失敗したアメリカは勿論、その計画の中で実際に裏切った張本人である『日本』及び『蛭間一郎』一個人の立場は、非常に低い。
他の国が一丸となれば、一本の羽毛のように簡単に吹き飛ばされるだろう。
だがしかしこの男、一度決意したことならば動かざること山の如し。
「あ…あぁー。蛭間さん?」
ルークは、やや冷や汗を垂らしながら周囲を見渡す。
ペトラは、ただ静かにその場を見据えてる。
スミレスは氷の彫刻のようなその表情を決して崩さない。
グッドマンは、〝何を言い出すんだお前は。我々の立場は弱いんだぞ〟と言わんばかりの目で一郎を見ている。目は口ほどに物を語るといったところか。
そして一番怒らせてはならない『中国』。
その笑顔の仮面でも隠しきれない程に目に見えて、不機嫌さが漂ってくる。
「なんでしょうか、ルークさん」
「いや…あの…反対の理由を聞きたいんですが…」
「では私からよろしいでしょうか」
ユーリがスッと手を挙げる。
彼が付き添っているスミレスは、静かにユーリを見据える。
何を考えている。『
氷のように冷たい彼だが、内心そう思っているに違いない。
それが分かっていながらもユーリは、今更自分の意見を押し留める気はなかった。
「『クーガ・リー』をリーダーに選定すべきです」
ただでさえ凍っていた空気に、更にヒビが入る。
事情を知らない故に仕方ないかもしれないが、馬鹿かコイツは。
いや、疑い深いユーリのことだから気付いている筈だ。
故に、尚更馬鹿に感じる。
『PROJECT』なんていう、『戦力増強』なんていう目的だけじゃコストパフォーマンスが全く見合うことのない馬鹿げた計画に乗っかった理由。
『クーガ・リー』という貴重なモルモットを手離さない為の抑止力となりえる存在を身近に置く為である。
それなのに、『クーガ・リー』をリーダーにしてしまえばそれは意味をなさない。
むしろ『死刑囚』か『青年』を懐柔し、余計に勢いづけてしまうかもしれない。
それだけは、絶対に避けなくてはならない。
「私は他人を信用出来ない」
ユーリの言葉から発せられた一言。
スミレスしか知り得ないユーリの過去。
兄のように慕っていた人物に、酷く裏切られた過去。
あんな過去を背負っていては、確かに信頼する気も起こらない。
「そんな私に他人を信頼するリーダーが務まる筈もない」
それに、と付け加える。
「冷静さで私を買って頂いたようですが…彼は充分に冷静です」
いや。平静と言うべきだろうか。
クーガは自分とあそこにいる『青年』を足して二で割ったような感触の人物だ。
自分の目で見た事実を、あくまで客観的に捉えることが出来る。
信じすぎる訳でもなく、疑いすぎる訳でもない。
先入観なく、物事を捉えることが出来る。
あの洞察力のお陰で、自分は『
あの力は、きっと作戦時に自分達を正しい方向に導いてくれる。
「それに…〝僅かながらに〟ですが、私が人を信用できるきっかけになったのも彼ですので」
ユーリがそう言い終えた途端に、とある人物は溜め息を吐く。
スミレスだ。気だるげに挙手する。
「私も『クーガ・リー』に一票投じても?」
この票は、ユーリの為ではない。
いや。正確に言うとユーリの為なのだが、ユーリの為ではない。
彼は政治家。一国の首脳が私情に流されることなどない。
「え…えぇ~………」
とはいえ、それがわかっていたとして、私情に流された訳ではないことを理解していたとしても。当然の如く他の政治家達は困惑する。
ルークは呆気に取られたようにキョロキョロと辺りを見渡す。
やはり、他の国の首脳もキョトンとしている様子だ。
「では次に私から」
間髪入れずに、七星が口を開く。
「皆さんは『死刑囚』やそこにいる『青年』を『抑止力』として置いておきたいのでしょう?」
ルークはマーライオンの如く飲んでいた水を噴き出す。
本日二度目である。
〝それは言わない約束だろうがっー!!〟
ルークは心の中心で悔しさを叫ぶ。
『暗黙の了解』なのである。そこの部分は。
『抑止力』として置いておくと言ってしまえば、「さ~て。ここに美味しい餌があるよ。食べたら死んじゃうけど美味しい餌があるよ~」と言って
狼に餌を与えるようなものである。
ネタバラシされた狼は、逆襲として餌ではなく、飼育員の喉笛を引き裂くだろうから。
この事実が『クーガ・リー』に仲間づてに伝わり、下手をすれば自分達に牙を剥きかねないから。
「私が反対する理由は単純。その『抑止力』が恐らく機能しないからです」
「あ?き、機能しない?」
「えぇ。皆様は『クーガ・リー』が『アース・ランキング』一位に選定された理由をご存知ないようだ」
単純な力量であれば、アズサとレナが彼を上回る。
そして、戦闘時の判断力ではユーリが彼を勝る。
しかし、それでも尚一位に選ばれた理由。
それは。
「彼が『誰よりも弱いから』です」
その場にいたほぼ全員の頭上に、クエスチョンマークが浮かび上がる。
『クーガ・リー』と『弱い』というワードがイマイチ結びつかないのだが。
「故に、『彼』や『死刑囚』では抑止力にはなり得ない。負けることはないでしょう」
「はは!貴方は何を根拠にそう言うのです?」
ついつい『中国』は苦言を呈する。
そして、他の国の首脳も共通の想いであった。
図らずも、『中国』がそれを代弁することになったのである。
「そう言われると私には何も言い返せません」
七星は、開き直ったかのように見えなくもない、言葉と態度で瞬時にそれを返す。
まるでテーブルテニスのラリーのようだ。
「が、敢えて言わせて頂きます。うちの『クーガ・リー』を倒したいのであれば『
七星がそう言い終えた途端に、ついに『中国』首脳は青筋を立てる。
しかし、その不機嫌さが漂う前に、今度は『ドイツ』首脳ペトラが挙手する。
「私もクーガ・リーに一票投じても?」
ルーク、本日三度目のスプラッシュ。
『青年』がハンカチを差し出すと、ルークはフキフキと口元に付着した水を拭き取る。
どうしてこいつらは、自分が水を飲むタイミングに限って爆弾を投下するのか。
いや自分が水を飲むタイミングがおかしいのか。
ルークがそう葛藤してる最中にも、ペトラも口を開いた。
「そこに立った者にしか見えない景色がある。私もそれに賭けてみたくなっただけです」
ペトラのその言葉に唖然とする中、今度は『日本』首脳、蛭間一郎が空気を揺るがす。
「皆さんは『小町小吉』が『艦長』に選ばれた理由を覚えていますでしょうか?」
二十年前の『バグズ二号』計画にて、『蛭間一郎』を除き唯一の生き残りだったから?
いや違う。
「各国の曲者を
火星で裏切りは確実に発生する。
U-NASAはそれを判断し最も人望が厚く、人柄が温厚な小吉に懸けたのである。
「『クーガ・リー』は『小町小吉』と同じ眼をしていた」
一郎が間近でクーガを見て感じたもの。
小吉やアドルフ、ミッシェルにも似た瞳の強さを持っていること。
それに加えて、瞳の奥に『
その炎は未だに消えず、瞳の奥で燻っていた。
「故に、彼が最適かと思われます」
「論があまりにも抽象的すぎますなぁ」
『中国』首脳は、笑顔と怒りが同居した複雑な表情で一郎の論を否定する。
しかし、一郎の表情には一ミリも変化がない。
動揺も焦りも、陰りすらも見えない。
「抽象的なのは承知の上。しかし、解る方には伝わるようで」
「…私もクーガ・リーに一票宜しいでしょうか?」
追い風が日本に吹いたせいだろうか。
グッドマンもその風に乗ってきた。
まるで1274年に『モンゴル』が日本に攻めてきた『元寇』の時の『神風』のように、その追い風が日本を救っているようだった。
ルークはそんな光景を見て、考えを巡らせる。
〝お前ら馬鹿か!見ろあの『
この思考を巡らせる間、僅か二秒。
ルークが決意を固め、挙手しようとした時。
「首脳も『クーガ・リー』さんだそうです!!」
青年がルークの口元に耳を寄せ、あたかもルークの意思を代弁したかのような構図を見せる。
「へ…?お、お前何言って」
「 決まりのようですな 」
ルークの否定は『青年』の嘘八百により動揺し、弱々しいトーンに。
それを、一郎の怒号にも近い一声が掻き消す。ゴリ押す。
そしてアウェーな雰囲気になった『中国』首脳に向かってこう告げる。
「…………疑問に思う点が残るでしょう?」
「………ええ。勿論」
『中国』首脳の怒りのパラメータは、上昇止まらない様子。
本当に、日本と中国は昔から相性が悪い。
「それも当然でしょう。私が蛭間一郎でなければ、蛭間一郎を追及するでしょう」
それは某日本元総理の迷言だった。
台詞を聞いた途端、『中国』首脳はキれる。
最後まで、それを表に見せることはなかったが。
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会議が終了し、各々首脳は帰路につく。
そんな中、ユーリは七星の元に駆け寄る。
「〝司令〟」
「………もうすぐそうではなくなるがな。どうした」
「貴方の毅然としたあの態度、敬服致します」
七星のあの態度。首脳達に向かって、毅然とした態度で向かい合うあの姿は、ユーリにとって尊敬に値するものだった。
「それは君も同じだろう。一組織の構成員が彼処まで言えるなんて大したものだ」
七星は、頬を緩める。
彼が僅かでも笑う姿を、ユーリは見たことがなかった。
「君を『
そんなこと、あんな状況では誰しもが勘違いする筈。
にも関わらず、この男はまだ覚えていてくれたのか。
ユーリもまた、僅かに頬を緩めた。
「…………約束しましょう。もし『クーガ・リー』が『地球組』のリーダーとなれば、彼を側で支え続けると」
自らに敬礼し決意を述べるユーリを見て、七星もまた敬礼を返した。
「うん!やっぱり正解ですよルークさん!」
「だっー!!もうさっきの話はするんじゃねぇ!ホラ話してぇんだろ!行ってこいっての!!」
やや自棄になった様子で『青年』の背中をユーリ達に向かって押す。
『青年』は途中で転びそうになりながらも、松葉杖を駆使して何とかユーリ達の元に辿り着いた。
「初めまして。ユーリさん、蛭間司令官」
「…………君は」
『PROJECT』の被験者。
『クーガ・リー』以上の力を秘めた、『過度に強力なベース生物』の特性を持つと言われたローマの青年だ。
「何故、先程我々の方を持ってくれたんだ?」
あたかもルークが『クーガ・リーに一票』という内容を言ったかのように、誤魔化してくれていたが。
「貴方達を見ていて思ったんです。〝ああ、クーガ・リーさんはよっぽど信頼されている方なんだな〟って。僕も、そんな方に賭けてみたいと思ったんです」
「…………初対面の我々を信じてくれたのか?」
「はい!!」
ユーリの問いに、眼鏡を落としそうになりながらも元気良く答える『青年』。
自分ともクーガとも違うタイプの人間のようだ、とユーリは改めて実感した。
どうやら、甘ちゃんタイプの人間のようだが。
「それに…貴方達がそこまで言うのであれば、『クーガ・リー』さんのリーダーとしての資質も相当高いってことですよね。それは、『地球組』としてベストな結果が出せる可能性を少しでも向上させられるってことに繋がると思うんです」
『青年』の瞳に、先程のユーリの認識を吹き飛ばす程の決意が帯びる。
その意思は、真っ直ぐで濁りはない。
「そしてそれは火星で戦う皆さんを安心させ、生存率を少しでも向上させる切っ掛けにもなる」
『青年』の松葉杖を握る手に、力がこもる。
「助けたいんです、『友達』を」
「…………友達?」
『ローマ』出身で、『青年』と近い年代と言えば一人しか浮かばない。
「君は…『ジョセフ』という男の友人か?」
ユーリの問いに、『青年』はコクリと頷く。
「『ジョー』の友人の『エドワード』です。長いので『エド』で構いませんよ」
『ジョセフ』の友人だという目の前の青年『エドワード』。
あんなチャラチャラした『伊達男』と、目の前の腰の低い『優男』が一緒に食事したり、飲み屋で馬鹿みたいに騒いでる絵がイマイチ浮かばない。全く似ていない。『ジョー』と『エド』に共通点はあるのだろうか。
「おっと、眼鏡が」
クイッと眼鏡を人指し指で押し上げた瞬間に、エドは松葉杖のバランスを崩す。
「ッ!!」
それを、七星が慌てて受け止める。
ルークも、遠目からヒヤヒヤした様子で見守っている。
ああ、共通点ならあった。
前に、U-NASAの職員から『
『ジョー』と『エド』、両者は共にドがつくほどの『天然』なようだ。
しかも、両者共顔がいいので二人並んで歩いてれば、さぞかし女性が寄ってきたのではないだろうか。
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帰りのリムジンの中で、ユーリはロシア首脳『スミレス』に頭を下げた。
「首脳。申し訳ありませんでした」
自分があの時、『地球組』リーダーの申し出を受け入れれば、『ロシア』の力を増すことが出来ていた筈なのだ。謝罪も当然だろう。
「…いや。構わん。私もタダで君と取引しようと思った訳ではない」
……………取引?
ユーリが内心首を傾げていると、スミレスは紙封筒を取り出す。
「卑怯なようだが、『クーガ・リー』に投票した代わりに、今から私が話すことを絶対に他言無用にして欲しい。そして忘れて欲しい。それが取引だ」
ユーリは静かに頷く。
一国の『首脳』が自分に直々に頼むこと。
それは何か。
「ここに君を裏切り、君が復讐を誓っていた男『ヤーコフ』の居所を特定する情報と狙撃手ならば誰もが飛び付く『大量の現金』となりえる小切手が用意してある。これを受け取る代わりに、『アネックス一号』火星到着までに起こる一連の出来事に君は一切介入しないで欲しい」
前回の話の中の文章表現を読み直してると、粗雑な部分が目立ったのです。
今回は文章表現だけじゃなく、伏線を全て投入する大切な回なのに早く書くことを優先してしまったものが一度は完成していたのですが、一度消して書き直しました。
感想いつも頂いてる+レビュー貰った+新しく☆9の評価を頂いたやら考えるとどうしても少しでもマシなもん提供できたらなと…
ヤングジャンプでジョセフ山を築いた次の週にジョセフの友人出すとかあざといと思った方いるでしょ←
ちょっと狙ったは節はありましたが←オイ
前々から構想を練っていたキャラです(^-^)/
かなりのチートだと思われます。
ジョーの友達設定のエドってことで覚えてくだせぇ!!
次回はクーガ達突撃回ですφ(゜゜)ノ゜