これは今まで書いてた作品でも言えることですが、本当に話が進まない。
話を進めようとしてはいるんですが如何せん治る気がしない。
なので、諦めました。
「整理はついたかい」
「なんとなくはね」
「なんとなくでも分かってもらえたなら上出来だよ」
結構な時間を使って話を聞いたが、よく分からなかったので少し時間を頂いて話を整理したのが前回のことである。
ぶっちゃけよくわからない。頭の中の混乱が止まらない。
そんな俺を心配してか黙って待っててくれた流刃若火だが、さっきの台詞だけを聞くとさも俺を馬鹿にしているふうだが、本当に感心したような顔で言っている。
これからお世話になるだろうから別にそう思われてても何も言うまい。
「馬鹿になんかしてないさ。これでも主人と従者みたいな関係だからね。君のことを尊重していくつもりだ」
「さらっと心の中を読まないでよ」
「ごめんごめん。だけど、私と君は一心同体だから心の中を読もうとしなくても読めるんだ」
またもや衝撃の事実が発覚。
俺とこの美人さんこと流刃若火は一心同体な模様。
もうわけわかめ。
「理解することを諦めないの。まだ説明してないことが結構あるんだから」
マジかよ。
これ以上は俺のキャパじゃ無理です(涙目)
「頑張ってついてきてね、
いい笑顔で強要してくる流刃若火は、ひと呼吸おくようにほうじ茶を飲んだ。その所作の美しさたるや筆舌に尽くし難いものであり、俺は流刃若火の言ったことを少しの間忘れてその光景をただただ見つめてしまった。
そして我に返ってさっきの流刃若火の言葉を思い出して、うん?燈空くん?となった。
「それって俺のことか?」
「君以外に燈空くんなんているわけないだろう。ねぇ、
さっきまでは大人の女性の余裕を表したような笑顔だったが、今の笑顔は男を試すような妖艶な笑みだ。
その魅力的な表情は5歳やそこらの子供にするものじゃないだろ。
どっちにしてもこの変な状況ではなんとも思わない。
片桐燈空。
確かに聞き覚えがあるようなないような気がする。
そうだ、この身体で生活していた子供が小学校でそのような名前で呼ばれていたな。
だけど俺の記憶が正しければ親からは呼ばれてなかったような気が。
「その通り。片桐燈空は君の名前であり、そしてあの両親は子供の名前なんて呼んではいなかった」
「勘違いであって欲しかったな...」
「何を言ってるんだい。あんな人間ではない何かに希望を持っていたのかい」
「そんなわけないだろ。ただ、俺は見ていることしかできなかったからな」
「そうだね。さっきも説明した通り私から見たら君は彼処から出ることができないと思っていたし、私も色々してあげようとしたけど無理だったんだよ」
「それでもだよ。いや、今更終わってしまったことを後悔しても遅いことはわかっているんだ」
分かっていてもそれを理解して自身に言い聞かせることができない。
俺はそこまで大人になれないのだ。ましてや今は子供の身体である。どうしても身体に引っ張られてしまうのだ。
「別に悪いことではないと思うよ。むしろそのようなことを思っていてもらった方が私的には好ましい」
「そう言って貰えると俺も嬉しいよ」
2人して小さく笑いあってお茶を飲む。
なんというかすごく落ち着く。
これはこの和室に来てから思っていたことだ。
もしかしたらここに来るまで、状況もよく分からないままずっと知らない子供を見続けるだけというのに、知らず知らずのうちに気を張っていたのかもしれない。
それに1人っきりじゃないってのもあると思う。
「そう思ってくれてるなんてお姉さん嬉しいな」
「お姉さんって、何言ってるんですか」
「もうテレなくていいんだから」
「テレてない」
ニヤニヤしだした流刃若火を見て分が悪いと思ったが、2人っきりのこの空間から逃げられないからどうしようもない。
そもそもこの和室ってどうなってるんだ?
「そういえばこの和室はなんだ?」
俺はこの場所についてまだ説明してもらってない。
この見るからに立派な和室についての説明を求む。こんなに立派な和室、写真とかでしか見たことないぞ。
特に左手に見えている縁側の先に広がっている庭について詳しくな。
あんなに綺麗な庭京都でしか見たことないぞ。
「この部屋について興味津々だね。それだけ興味津々だと説明しがいがあるってもんだ」
ここまで色々なことを説明してもらって失礼な気もするけど、流刃若火ってもしかして他人に何か説明するの好きだったたりするのかな。
説明してくれている時も、俺が理解してないと思うと何回でも同じところを説明してくれてた。その時は優しいなと思うと同時に何回も同じことを言わせてしまって申し訳ないと思っていたが、もしかしたらただの説明好きなのかもしれない。
「説明が好きかどうかと聞かれたらどちらでもないと答えておこう」
「そうなの」
「私はね、説明が好きなのではなくて人と話せることが嬉しいんだよ。君と一緒なんだよ」
俺と一緒。
ずっと一人っきりだったってことか。
だけど、俺の前の子供と一緒だったんじゃないのか。
「確かに一緒だったさ。だけど、さっき話しただろ。あの子はもう私と出会った時は壊れていた」
「ごめん」
「謝らないでよ。別に燈空くんが悪いわけじゃないし、もう私たちには手遅れだったんだ」
「それでも...」
「はい、この話は終わりね。それでこの部屋についての説明ね」
流刃若火は俺の沈んだ気持ちを察してか話を元に戻した。話を戻したところで俺の沈んだ気持ちは元には戻らない。
だけど、いつまでも気を使われてるのも申し訳ないしそれに俺だって1人じゃないことが嬉しい。
人と話せるのだって嬉しくてたまらないのだ。
これからは流刃若火といっぱい話していこう。嫌だと言われても、ウザいと言われてもやめてなんてやらない。
差し当たっては和室の説明である。
こればっかりは聞いていることしかできないけど。
「ありがとね」
「こちらこそ」
***
「そもそもこの和室は現実のものじゃない。
「もっと正確に言うとしたら、この和室を中心としたこの世界は燈空くんの精神世界だ。
「お、良い反応だね。燈空くんは説明のしがいがあって嬉しいよ。
「それでね、この世界は燈空くんの精神世界だから燈空くんの思い通りの世界だと思ってくれていい。
「燈空くんが想像すればそれが現実となる。例えば、このほうじ茶やわらび餅がいい例だよ。これは私が出したものだけどね。
「うん、そうだよ。想像すれば私にもできる。
「燈空くんと私は一心同体みたいなものだからね。
「とりあえずなんでもいいから想像して出してみなよ。あ、一応言っておくけど想像力が大事だからあまりにも非現実的なものはダメだよ。
「酷いことを思うな。確かに私は非現実的なものかもしれないけど、こうして燈空くんとお喋りしているんだから信じてほしいな。
「美味しそうな大福だね。え、ひとつくれるの。それじゃあいただきます。
「うん、やっぱり大福は美味しいね。
「へえー、実際に作ることもできるの。それはすごいね。私は食べることはできないけど、これから出会った人に作ってあげなよ。
「話が逸れたね。
「それであの庭についてだけど、あれは燈空くんの思った通りのものを参考に作ったものだよ。
「あの庭ができた時、燈空くんの記憶と私の想像力をもってすればできないことはないと思えたね。
「これから更に大事なことを言うからちゃんと聞いてね。
「私は基本的にはこの和室にしかない。
「この和室は私が作ったものなんだ。
「ありがとう。そうやってすぐに褒めるところは燈空くんのいい所だと思う。
「ふふっ。テレないでよ。わかってるって。テレてないんでしょ。
「ここにしか居られない理由はもう分かってるよね。
「そう。
「私は斬魄刀である流刃若火が擬人化した姿だ。
「擬人化については驚かないのに、女性であることには驚くの。
「なんで女性なのかって。
「私的にはむしろなんで男だと思っていたのかが聞きたいな。
「なんとなくね...
「まあ、この姿になれてくれとしか私からは言えないな。どうしても嫌なら変えるよ。具体的には人以外だけど。
「綺麗だからそのままでって本当に言うよね。子供とは思えないな。
「わかってるって子供じゃないんでよね。
「この世界についての説明に戻るけど、この世界には基本的に燈空くんは寝ている時にしか来れない。
「話すだけならいつでもできるから安心して」
2話目にしてやっと主人公の名前がでたね。やったね。
話が進まないね。これはしょうがないね。
あと、説明の部分を書き終えてから読みにくいかもしれないと思ったので感想とかもらえたらなって思ってます。