女神と姫騎士とガンダムと・・・   作:エルシオンガンダム

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第1話:始まりは何時も突然

 

 

ちゅんちゅん

 

 

「zzz・・・ふえ?」

朝の日差しによって、キラは目を覚ました。

「ふわ~・・・」

起き上がったキラは、大きなあくびをする。そしてベッドから出ようとして、左手をベッドにつけようとした。

ムニュ

「はう♥」///

「え?」

左手に柔らかいものの感触と、なにやらいやらしい声がキラの耳に響いた。キラは恐る恐る声のした方に顔を向ける。

「あ・・・朝からだなんて、キラ様はエッチな方ですわね」///

「が、ガイアさん!?」///

そこに居たのは、ギリシャ神話で創造神と言われた女神『ガイア』である。

「ど、どうして此処に?」///

「お忘れですの?昨日キラ様が切なそうにしておられたので、私がお相手を」///

「そういえば・・・」///

キラは昨日のことを思い出し、さらに顔を赤くする。

「・・・ガイアさん、ありがとうございます。こんな僕を、好きになってくれて」

「良いのですよ。私はキラ様の『神姫』、キラ様の為なら全てを捧げる覚悟ですわ」

「ガイアさん・・・」

 

 

彼女達に出会って早6年、キラ達4人はガイアたちから神姫と呼ばれる存在のことを知らされ、一緒に暮らすことになった。ヤンにガイアのことを紹介したら、興奮しながら彼女のことを詳しく話してくれた。その後キラはガイアに自分のことを話した。大切な人達を目の前で殺されて、沢山の命を奪い、何度も泣いたことを・・・。

それを聞いたガイアはキラを優しく抱きしめ、頭を撫でながらキラにこう言った。

 

「よく頑張りましたねキラ様。大丈夫です、貴方の思いは間違ってはいませんわ。創造神である私が保証します」

 

それを聞いたキラは、ヤンの時と同じ様に泣いてしまった。

少しして泣き止むとガイアが『頑張ったご褒美にエッチをしてあげます♪』と神様らしからぬことを言い放ち、最終的にキラは彼女を抱いた。

それからもなにかあればキラは彼女を抱いている。

因みにヤンは「なんとういか・・・残念だ」と色々ショックを受けていたが、それでもガイアから色んな話が聞けたので満足しているらしい。

 

 

「と、とりあえず起きないと」///

「そうですわねキラ様♪」

そう言って二人は起き上がり、キラは着替えをする。その際ガイアがジッと見つめており、キラは顔を赤くしながら着替えた。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

リビングに着くと、やはりヤンがソファで本を被せながら眠っていた。

「ヤンさん、起きてください」

「ヤン様、朝ですわよ」

「う~ん・・・後5・・いや4分・・・・3分40秒寝かせてくれ」

「そんなこと言わずに起きてください!」

大声で言い放つキラに、ヤンは「やれやれ」と言いながら起き上がる。

「それでは私は、朝食の準備をいたしますわね」

「頼むよガイア」

因みにガイアは、戸籍上は『ガイア・ヤマト』と言う名前で、キラの姉ということになっている。料理の方は最初こそは恐ろしい兵器状態だったが、キラ達の教えによって、他の神姫同様見る見る内に上達した。

 

数分後

 

「そういえば、今日は受験の日だったね?」

「はい、皆で同じ高校に受験するんですよ」

キラ達はテーブルで朝食を取りながら、今日のことを話す。今は2月の受験シーズン。なので今日は4人で同じ高校に受けることにしたのだ。

『続いて次のニュースです。昨日アメリカ、ニューヨーク市男女平等を掲げる団体が、女性権利団体に制圧されたとの情報が入りました』

『まったく馬鹿ですね?ISは私達の希望、女神から与えられた存在だというのに』

 

 

ダン!

 

 

「「!?」」

テレビから聞こえる女性アナウンサーがなにやら話していると、キッチンの方から何かを叩きつける音が響いた。音の方に顔を向けると、そこには洗い物をしていたガイアからドス黒いオーラが漂っていた。

「・・・私達が何時、そのようなことをしたのですか?」

「ガイアさん?」

「私達が何時、この様な世界にしろと言ったのですか?」

「ガイア?」

よく見ると、ガイアの瞳には涙が溢れ出ていた。

「私達は誰も、女尊男卑にしろだなんて言った覚えはありませんわ!どうしてあの方たちは笑っていられるのですか!?人が死んだというのに、男と女、両者がいないと世界は成り立たないというのに!?」

「ガイアさん・・・」

「キラ様達はあのお二方の所為で、ご両親がお亡くなりになったのに、どうしてあのお二方はあがめられておられるのですか!?こんなの理不尽ですわ!!」

「ガイア・・・」

涙を流しながら、テレビに向かって叫ぶガイア。その姿が見ていられなかったのか、キラは彼女に近づき優しく抱きしめる。

「キラ様・・・」

「ガイアさん、僕は大丈夫だから」

「キラ様・・・」

「確かに、父さんと母さんが居なくなって悲しいよ。でもね?僕にはガイアさんがいる、ヤンさんがいる、皆がいる。だから、寂しくないよ、辛くないよ?」

「キラ君」

抱きしめるキラの瞳からも、涙が流れている。それは自分の為に泣いてくれる、ガイアのためにだ。

「ありがとうガイアさん。僕のために、泣いてくれて」

「!!キラ様・・・キラ様!」

「うん・・・うん・・・」

「やれやれ、君達は優しすぎだよ」

泣きあう二人に、ヤンは少し呆れながら見ていた。

 

 

 

数分後

 

 

 

「それで、落ち着いたかい?」

「「はい」」///

ヤンが見ていることを忘れていたので、二人は顔を赤くしながら返事をする。

「ところでキラ君、そろそろアスラン君たちが来る時間だよ?」

「おっと!早く準備しないと!」

と言いキラは急いで受験に行く準備をする。

 

ピンポーン

 

「はい?」

「俺です」

「アスラン様」

ブザーが鳴ったので、ガイアが玄関に行くと、アスラン達が立っていた。

「・・・キラは?」

「もうすぐで来ますわ」

ガイアがそう言うと、後ろからキラが慌てながらやって来る。

「皆おはよう!」

「おはよう」

「大丈夫か?」

「ちょっと色々あってね」

デュオに尋ねられたキラは、色々あったと誤魔化す。

「受験票は?」

「ちゃんと持ったよ!」

キラはバッグに受験票を入れたことを確認する。

「それじゃあヤンさん、ガイアさん、行ってきます!」

「行ってらっしゃいませキラ様」

「うん、気をつけてね」

「はい!」

キラは二人に挨拶をして、3人と一緒に受験会場まで向かった。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

数時間後

 

 

「どうだった皆?」

「まあ手ごたえありだな」

「この程度なら大丈夫だ」

「そうだな」

キラ達4人は受験会場に間に合い、全員なんの苦もなく終わらせた。

「それじゃあ終わったことだし、なんか食べて帰ろっか」

「・・・良いだろう」

「「賛成」」

キラの意見に3人は同意し、近くにあったサイ○リアに入る。平日ということもあり、そこまで人は居なかったのですぐに席に案内された。少ししてメニューを選び、店員を呼んで各々メニューを注文する。

「そういえばさっき、女尊男卑関連のニュース見てたら、ガイアさんが凄く怒ったんだよ」

「キラんとこもか」

「俺たちも同じだ」

「・・・あいつ等の言葉には俺たちも同意する」

「だよね。実際僕もあの時アナウンサーの言葉にムスッて来たから」

戦争という地獄を見てきたキラ達にとって、今の世界は平和そのものだ。しかしそれと同時に、女性権利団体などと呼ばれたふざけた組織まで出来上がった。その所為で今の世界は、少しずつだが男性の死亡率が上がっているのだ。それも大人だけでなく子供や赤ん坊までもがである。

「平和に越したことはないけど、これは酷いよね」

「まったくだ。あいつ等はISの恐ろしさを知らなさ過ぎる」

「言っても無駄だぜ。たとえ兵器として見てても、あいつ等は男を殺すためにしか見てないだろうさ」

「だがキラの言うとおりだ。形はどうあれ、平和なのに越したことはない・・・が」

「アラスカ条約があるとはいえ、このままだとぜってぇ戦争は起きるな」

「うん」

「そうだな」

そんなことを話し合っていると、注文した品がキラ達の前に置かれる。

そしてキラ達は互いに注文した品を食べながら、今後のことを話し合う。

「・・・先ほど、IS適正検査と呼ばれるものがあったが、どうする?」

「あ~少し前にIS適正者が出たらしいからね」

「確か織斑一夏だったな」

「あのブリュンヒルデの弟か。これはなにか裏があるぜ?」

「・・・篠ノ之束」

「だろうね」

こういうことには慣れている4人、織斑千冬の弟と言うだけで答えを瞬時に見つける。

「まあ今のうちにやっとくか」

「そうだね」

「それじゃあ行くか」

「・・・そうだな」

食べ終えた4人は、それぞれ会計を済ませて適正試験の会場に向かった。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

会場に着くと、ISが4機鎮座されているが予想外に空いていた。

「そんなに居ないね?」

「午前で大体は来たのか?」

「どんだけ行きてぇんだよ?」

「・・・さあな」

4人はそこまでIS学園に興味がない。というのも前世みたいなことになるのはごめんだからだ。

「・・・触る前に考えよう。もし起動したらどうする?」

「とりあえずキラん家に集合な?」

「神姫たちも連れて行ったほうが良いな」

「後はロイエンタール達も居た方が良いだろう」

「確かにな。あのオッサン達は元は元帥だって言うしな、なにか策くらいはあるだろう」

ヒイロの口から出たロイエンタールは、ヤン達と同じ世界から来た転生者だ。今は会場自衛隊で海将として働いている。

「そんじゃあ行くか」

「うん」

「「あぁ」」

4人はそれぞれの列に並び、順番が来るまで待ってた。とはいえそんなに人はいなかったのですぐに出番が来る。

(なんでだろう・・・)

(本当に・・・)

(嫌な予感が・・・)

(・・・)

そう思いながら、4人は同時にISに触れた。

 

そして、

 

『!?』

 

 

突如4人の頭にISに関する情報が流れはじめ、気がついた頃にはISを纏っていた。

 

 

『・・・・・・』

 

 

その日、4人のIS適正者が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 





次回は皆で集まってどうするか決めます。

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