機体名:タナトスガンダム
パイロット:デュオ・マックスェル
武装:
ミトゥムビームバルカン×2
ビームマシンキャノン×2
ビームショットライフル×2
対艦ビームサイズ デスイーター
対艦ビームランス デススピア
十字架型バスターキャノン カタストロフィ
スフィアビット×8
ステルスシステム ステルスヘルム
光の翼
バリア
ワンオフ・アビリティ:インビジブルキル
備考:
デュオ専用の女神製ガンダム。見た目はEW版のデスサイズヘルの翼が一回り大きくなり、腕や足、ボディの一部が特殊なクリアパーツで形成されている。デスサイズよりも優れた機動性と装甲、ビットやビームショットライフル等あらゆる距離にも対応できる。ハデスの持っている冠を元に、ハイパージャマーとミラージュコロイド、そしてハデスの力が融合したステルスシステム、『ステルスヘルム』はあらゆるセンサーやレーダー、視界に気配ですらも無効にするほどの力を持っている。対艦型ビームサイズ『デスイーター』は、先端部分を変えることで対艦型ビームランス『デススピア』になる。背中には十字架の様な形をしているバスターキャノンがあり、ビットと連携することによってさらに強力な砲撃が可能になる。
俺という存在は、一言で表せば『死神』だ。
2回も生まれてすぐに孤児になって、2回も目の前で殺された。
俺の周りでは沢山人が死んで、俺自身も数え切れねえ程人を殺した。
だから俺は、自分自身を死神だと称した。
しかも俺の機体も、前世と変わらず相棒だった。
まっ、色々変わっていたけどな。
冥府の神であるあいつを呼び出したのは、そのことが関係しているのかもな。
そう言ったら、あいつは違うと言った。
「良いデュオ!?私が召喚されたのは、あなた自身を守るために来たのよ!死神って呼ばれていたからとか、そんなふざけた理由じゃないわ!そんなこと二度と言わないで!!」
泣いてるあいつを見て、俺は少しだけ救われた気がした。
そりゃそうだ。
『俺自身』の為に泣いてくれたからな。
だからこそ、この機体を託してくれたあいつのためにも、今日の試合は勝たなくちゃいけねえ。
わりいな一夏、ちぃっとばかし全力で行くぜ!
・・・・・・・そういえば、あの後あいつ顔を赤くしてて可愛かったな。
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デュオが反対側のピットで準備していると、キラがセシリアをお姫様抱っこした状態でやってきた。
「よう二人共、お疲れさん」
「デュオ」
「マ、マックスウェルさん!?」///
「デュオで良いぜ。にしても面白いことしてるな?」
「SE0になって落っこちちゃってね、結果こうなっちゃった」
ニヤニヤしてるデュオに、キラはそう答える。
「それとキラ、終わったんだったら真耶ちゃんにIS渡しに行けよ?」
「どうして?」
デュオはキラに、先ほどのことを説明した。それを聞いてセシリアは、さらに千冬に失望したのである。
「んじゃあ次は俺なんでな」
「頑張ってねデュオ」
「おうよ。っつうことだ、頼むぜ相棒!」
デュオがそう言うと、キラの時と同じ様に全身がマントに覆われる。そして対艦ビームサイズタナトスを両手に持つ。その姿を見たセシリアは、思ったことを呟く。
「・・・死神?」
「まあデュオの機体を見れば誰だってそう言うよね」
「俺自身は気に入ってるけどな」
数年間ずっと自分といてくれたハデスから託された機体、それだけでデュオはやる気が出てくるのである。カタパルトに脚部を接続し、デュオはキラと同じ様に喋る。
「こちらデュオだ、タナトス出るぜ!」
その掛け声と同時に、カタパルトから射出される。
「デュオさん・・・」
「大丈夫だよ、デュオは強いから」
発進したデュオの後姿を見て、少し心配するセシリアをキラは大丈夫だと言う。
「っと、いい加減降ろさないと。ごめんねオルコットさん」
「・・・セシリアですわ」
「え?」
「セシリアとお呼びくださいまし、『キラ』さん」
「うん、セシリア」
「っ・・・はい」///
名前を言われたセシリアは、顔をトマトのように赤くするのだった。
―――――――――――――――――――――――――――
「よっと、一夏はまだみてぇだな?」
先にアリーナにでたデュオは、準備運動などをして待っていた。
「あれがデュオ君のIS?」
「なんか死神みたい」
「もうしかして厨二病?」
と観客席ではデュオのISに対して各々の感想を述べていた。
すると、前の方から白いISが飛んでくるのがわかった。
「わりいデュオ、遅れてごめん」
「気にすんな。それよりもそいつがお前の機体か?」
「あぁ、名前は『白式』って言うんだ」
「なるほどな・・・」
デュオは一夏のISを見て納得する。名前からして確かに白騎士のコアだと理解したのである。
「なあ一夏、その機体まだ初期状態なのか?」
「あぁ。千冬姉が「時間が無いから、フォーマットとフィッティングは今やれ」って」
「はぁ・・・」
デュオは余りのことでため息を吐いた。いくらなんでも馬鹿にも程がある。これが本当の実戦だったら、確実に殺されても可笑しくはないのだから。
「まったく・・・一夏、待ってやるから一次移行しろよな」
「すまねえデュオ」
デュオは後を向き、一夏はブレードを出して色んな動作をする。その間デュオはハデスと念話で話し合う。
《あの教師は馬鹿なのかしら?なにも知らない馬鹿にいきなり実戦をやらせるなんて・・・》
(まあそれを言えばキラもそうだったらしいしな)
《でも本当にどうするの?》
(そこは俺たちがなんとかするしかないだろ)
兵器を持つことの意味、それがどういうことかを一夏に教えなくてはいけない。それも踏まえて、デュオは一夏と戦うのだ。
そうこうしていると、どうやら一夏が一次移行を済ませたらしい。
「漸く出来たか?」
「あぁ」
終わったのを確認し、デュオは再度一夏に向き直る。
そこには、先ほどとは違った白い機体が立っていた。
「そんじゃあま、はじめるとするか」
「おう!」
『試合開始!』
開始の合図と共に、一夏はデュオに突っ込んできた。
「うおおおおおおーーー!」
一夏はブレードのレンジに入ると、上から振り落とす。
しかしその大振りな攻撃を、戦争という過酷な世界で生きてきたデュオが当たる道理はなかった。
「よっと」
「なっ!?」
「そんな大振りな攻撃じゃ、俺にはあたらねえぞ?」
「なにを!」
一夏は連続で攻撃するが、まったく持ってデュオには当たらない。
「さてと、そんじゃあ俺からも行くか!」
そう言うとデュオは一夏の攻撃を横に避ける。そこから一回転して、ビームサイズを振るう。
「おらぁ!」
「うわ!?」
調整されているとはいえ、デュオのビームサイズは白式のSEを持っていく。
「ちょっ、デュオ!?お前初心者なんだよな!?」
「悪いな、俺も生き残るために色々やって来たんだ。こん位で音を上げるのは早いぜ!」
デュオはビームバルカンとビームマシンキャノンを至近距離で放つ。モロに食らった一夏は、一度体制を立て直しデュオに迫る。すると、白式のブレードが光りだした。
「そいつは・・・」
「零落白夜、千冬姉が使っていた技だ!俺はもう、守られるだけの男じゃない!」
「なるほどな・・・・・・だが」
スカッ
「なっ!?」
「それだけで変わるわけじゃねえ!」
そう言ってデュオは零落白夜を紙一重でかわすと、
「オラ!」
柄でみぞおちを突き、
「てやぁ!」
今度は柄を頭に振り落とし、
「これで止めだ!」
最後にビームの鎌でSEを刈り取った。
『勝者!デュオ・マックスウェル選手!』
本日2度目の試合は、デュオの圧勝という形で終了した。
――――――――――――――――――――――――――――
「お疲れデュオ」
「お疲れ様ですわ、デュオさん」
「おう」
デュオがピットに戻ると、キラとセシリアが待っていた。
「ヒイロはどうしたんだ?あいつもやるんだろ?」
「ヒイロならアスランと一緒に、山田先生にISを渡して部屋に戻ったよ」
「どちらも山田先生に『クラス代表は辞退します』とおっしゃっておりましたわ」
「逃げたなあいつ等・・・」
大体察しが付いたデュオは、二人に対して怒りがこみ上げてきた。因みにキラもその時にISを渡している。
そんなことをしていると、廊下の方から真耶がやって来た。
「お疲れ様ですマックスウェル君」
「ありがとな真耶ちゃん」
「いえ」///
お礼を言われた真耶は照れてしまう。
「・・・それで、マックスウェル君」
「解ってるぜ、ISだろ?」
頼むぜと言ってデュオは、待機状態のタナトスガンダムを渡した。
(たのむぜ?)
《解ったわ》
「ついでにコイツも」
「これって、マックスウェル君のスマホですか?見たこともない機種ですけど?」
「俺達の自作だ。そいつにもISのデータがあるからな、調べるんだったらそれと繋げてやってくれ」
「何から何までありがとうございます。でも、私が調べて本当に良いんですか?」
「俺たちは真耶ちゃんなら信用できると思ってるんだ」
「でも、もし先輩が・・・」
「・・・あの教師は昔からああだったのか?」
「いえ。先輩は確かに厳しい人ですけど、生徒のことは大切にしている優しい方です」
だからこそ、彼女を尊敬していた真耶も、今回の彼女を見てかなり動揺しているのだ。
「・・・まあ真耶ちゃんが気に病むことはねえぜ」
「そ、そうですか?」
「そうですよ山田先生」
「そうですわ山田先生」
「みなさん・・・」
「それにさっきも言ったが、そいつは悪用されそうになると俺達の所に戻ってくる。万が一あいつが奪いに来ても、すぐ俺たちのところに戻ってくるさ」
ニヒッと笑うデュオを見て、真耶も自信が付いた。
「解りました。確かに受け取りました」
真耶はデバイスも受け取ると、すぐさまピットを出た。
「うし、んじゃあ俺も部屋に戻るか」
「じゃあ僕達も戻ろっか?」
「そうですわね」
そう言って3人も、各々の部屋に戻るのだった。
因みに一夏は、負けたということで千冬と箒に説教されているのだった。
――――――――――――――――――――――――
その日の夜 とある研究室
「こ・・・これは・・・」
4人の約束通り、真耶は一人で4人のISを調べていた。一応最高機密のデータは無理でも、一通りのスペックは見ることができた。
「
そう言いながら真耶は、さらにカーソルを動かす。
「そんな・・・これじゃあ、現存するISどころか・・・」
『そう、国一つ壊すこと位造作もないわ』
「え!?」
突如作業していたディスプレイから、黄緑色の髪をした女性が現れた。
「あ、貴方は一体?」
『私はハデス、デュオの持ってるデバイスのAIみたいなものよ』
「え・・・AIですか!?」
真耶はAIと呼ばれた女性を見て、驚愕と興奮の表情になる。
「すごいです!このISだけでも凄いのに、女性型のAIを見るなんて初めてです!」
と真耶は興味心身でハデスをまじまじと見る。
『そ、そんなに見ないでよ、恥ずかしいじゃない』///
「すごい。私が見えているのも解るんですね?」
『そりゃあそうよ』///
ハデスは恥ずかしながら言う。
「それで、この機体はやはり・・・」
『えぇ。この機体達は1機1機が、国どころか大陸一つを破壊することができるわ』
「た、大陸をですか?」
『そうよ。まああの子達は皆優しいから、そんなことをする気はゼロよ』
その言葉を聞いて、真耶はホッと胸を撫で下ろした。
「でもヤマト君達の行為は正解でしたね。こんな危険な機体、おいそれと見せるわけには行きませんから」
『・・・貴方は本当に優秀ね』
「いえ」
『・・・ねえ貴方、専用機欲しくないかしら?』
「・・・えぇ!?」
突然専用機が欲しいかと言われて、真耶は驚いた。
『ここの教師である以上、弱いって訳にはいかないでしょ?腕は確かだし、勿体無いわよ』
「で、でも良いんですか?」
『あの子達が信頼しているし、私も信用するわ。貴方なら絶対に間違いを起こさないって』
目の前の高性能なAIからも信用されて嬉しかった真耶は、少し考えてから首を縦に振ったのだった。
『というわけで、彼女の専用機を作ることにしたから、今度の土日月に行くわ』
『どういうこと!?』
後日ハデスから聞かされて突っ込む7人だった。
みなさんお待たせしました。
最近書く気になれなくて遅れてしまいました。
というよりもスランプになっています。
次回はキラの部屋での話です。