神様は意外とお暇なようです?   作:青春は爆発だ!

1 / 3
どうも!

青春は爆発だ!と言いますが、意外にもそうではありませんよね?

それなら、神様がダメダメでも、別に悪いことではないですよね?

それでは始まります!


プロローグ
第1話


突然だが、みんなは神の存在を信じているだろうか?

 

作者ははっきり言って、信じていない。

 

いまの科学が進んだ時代で、神を信じているほうが珍しいだろう。

 

神なんて曖昧な存在を信じるわけがない。

 

確かに日本はいろいろな宗教があるが、色濃く残っているのは仏教であろう。

 

日本は仏を信じることはあっても、神を信じているわけではない。

 

だが、みんなはたまにこう言うだろう。

 

あぁ神様、1回だけチャンスを。

 

これに似たようなことも言ったことがあるのではないだろうか?

 

なぜ、いないような存在に頼むのだろうか。

 

そこには人間の弱さがあるからだ。

 

人間は誰かにすがり付いていないと生きてはいけない。

 

誰でも子供の頃には大人という存在に守られるものだ。

 

そして、自分が大人になり、今度は自分が子供を守る。

 

こうして、社会は成り立っているのだ。

 

話を戻そう。

 

つまり、神なんて信じている暇があったら、現実を見ろということだ。

 

神に頼るのではなく、自分で考え行動し、それがダメなら他の人を頼めばいい。

 

それでも、十分にその状況は打破できる。

 

長々と神を侮辱してしまったが、この物語の主人公は神である。

 

それも、神のなかの神。絶対神というやつだ。

 

絶対神の前では、すべての神が彼に頭を垂れなければならない。

 

ギリシャ神話で登場する全知全能のゼウスや、北欧神話のオーディーン。

 

彼らでさえ、彼の前では無意味に等しいのだ。

 

彼の名はアルケー。

 

万物の根源の象徴にして、すべてを創造したとされる最強の神である。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

白い部屋があった。

 

だが、それを部屋と呼んでいいのだろうか?

 

上下の感覚はなし、重力の関係もない。

 

だが彼はそこで椅子に座り机に向かっていた。

 

彼は物凄い勢いで書類を書き終えていく。

 

そして、山積みになっていた書類がもう少しでなくなりそうだった。

 

彼は背を伸ばして、少し固くなった筋肉をほぐしていた。

 

ほぐし終わったあと、また机に向かって書類を片そうとすると、扉から女性が入ってきた。

 

その女性はとても美しかった。

 

その髪の毛は毛先まで輝き。

 

その目は見えるもの全てを優しく見通し。

 

その声は天にも届きそうな美声で。

 

町に行けば、10人中全員は必ず振り返るであろう。

 

そのくらいに彼女は美しかった。

 

だが彼はそんな彼女のことは気にせずに仕事を再開しようとしていた。

 

それに困った彼女が、彼の頭を叩き反応をするようにと言った。

 

そのことに彼は嫌な顔を少し見せたあと、すぐに仕事を再開しようとした。

 

だが、今度は先ほどのとは違い、威力を上げてもう一度彼を叩いた。

 

 

「いたいって!なんなんだよ、天照!」

 

 

彼女の名前は天照。

 

日本神話の神で、八百万(やおよろず)の神を従える、日本神話の最高神である。

 

これほどの神がここまでしたのに、それを無視する。

 

彼は一体、何者なのだろうか?

 

 

「なんなんだよじゃありません!少しは気にしてくれてもいいでしょ、アルケー様!」

 

 

そう、彼こそが神々のなかのトップ、絶対神アルケーである。

 

神のほとんどは彼の冗談が通じず、こうして気楽に喋れるのは天照ぐらいである。

 

彼女は自分の身分のことなど気にせず、誰に対しても平等に接している。

 

そんな彼女のことを好む者は当然多い。

 

だが彼女は、あくまで友人として皆を扱っているので、全て空振りに終わっていた。

 

それでも男たちは、彼女を諦めることができずにいた。

  

それが彼女の最近の悩みでもあった。

 

 

「それで?なんかようか?」

 

 

「はい。アルケー様のお仕事が一段落したようなので、一緒にお茶をと思いまして」

 

 

「それは別にいいけど、少しは手伝ってくれてもいいんじゃねぇか?」

 

 

絶対神は基本的にすべての神を管理しなければならない。

 

いくら神とはいえ、それなりにバカな者はいるのだ。

 

それに、他の平行世界でのこともある。

 

平行世界でも、もちろん神は存在する。

 

その平行世界の神たちを含めて、アルケーはトップなのだ。

 

それらのことを考えると、尋常ではないほどの仕事が回ってくる。

 

人間の転生の話もそうだ。

 

近頃はチートだがなんだかを要求する人間が多いと聞く。

 

それらの能力を創るのもアルケーの仕事だ。

 

これらのことを考えると、いくら絶対神とはいえ、一人では手が余る。

 

だが、それらを普通にやってのけてしまうのだ、この男は。

 

 

「嫌ですよそんなの。私は日本でいろいろと忙しいですし」

 

 

「あそこは基本的に平和だろ?別にサボってても問題はねーよ」

 

 

日本は基本的に争いごとはしない国である。

 

それは平行世界であろうと変わりはない。

 

人間とはつねに争いをする種族だ。

 

それらを管理するのもまた神の仕事。

 

勝利の女神が微笑んだと言うが、実際は最初っから勝者が決められているのだ。

 

 

「そうですけど……いまの日本は転生の数が多いんです」

 

 

「あぁ、確かにな。書類にも日本の文字が多かったな」

 

 

先ほども言った通り、日本はいろいろな転生が非常に多いのである。

 

理由としては、日本がアニメ大国であるからだ。

 

次々に新しい作品を出せば、その世界に行きたいという若者がでる。

 

だが、ほとんどの人間は転生することはできない。

 

転生をする前に天国か地獄に決められてしまうのだ。

 

なので、あらかじめ転生する人間を決めておいて、その人間が若くして死んでしまったら転生ができるというわけだ。

 

これが、神々の共通のルールである。

 

だが、近頃は無理やり転生をさせる神もいるという。

 

神ではなくても、異世界に召喚されてしまうケースもあるのだ。

 

その人間を管理するのもまた、神の仕事なのだ。

 

 

「それで?茶でも飲むんだろ?準備はしてあるのか?」

 

 

「あ……してないです」

 

 

「たっく、お前はいつもそうだな。待ってろ、いま創ってやるから」

 

 

お茶会に必要なものを創造したアルケーは、一息ついたあと、席に座った。

 

天照も向かい側の椅子に座って紅茶を啜った。

 

 

「美味しいですね、この紅茶」

 

 

「まぁな。俺も好きなんだよ、この紅茶」

 

 

「なんてお名前なんですか?」

 

 

「午○の紅茶だけど?」

 

 

あまりのことに、天照は飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。

 

とっさのことに反応出来なかったアルケーは、向かい側に座っていたので、まともに受けてしまった。

 

 

「ゲホゲホ!なんで、日本にある紅茶を知っているんですか!?」

 

 

「その前になんか言うことはないのかよ?」

 

 

アルケーは明らかに不機嫌なオーラを全開で出していた。

 

そのことに天照はようやく気づいたみたいで、すぐに頭を下げた。

 

 

「ご、ごごごめんなさい!わざとじゃないんです!」

 

 

「あたりめーだろ!わざとだったら、ただじゃすまさねぇよ!」

 

 

もちろん、彼は冗談を言っているつもりなのだが、彼は絶対神。

 

その言葉の一つ一つにはとてつもない重みがある。

 

並大抵の神なら信じてしまうが、そこは天照。

 

他の神の中でも唯一、アルケーと対等に話せる存在。

 

故に、アルケーの冗談は天照には効かないのである。

 

 

「そんな怖いこと言わないでくださいよ。確かに、いまのは私が悪かったですけど、アルケーはもう少し言葉に気を使ったほうがいいよ」

 

 

「それは?」

 

 

「アルケーは絶対神なんだから、言葉の重みが違うの。そこら辺は理解してる?」

 

 

「あぁ、つまり、俺の冗談は通じないってことか。なるほど理解した」

 

 

「いまさら気づいたの?そんなんだから、私以外に話せる神がいないんだよ」

 

 

天照の言葉に胸を押さえ、少し苦しそうにしていた。

 

アルケーも分かっていたのだ、自分がボッチであると。

 

最初の方は、役職柄がそういうのだからと思い、気にしないでいた。

 

だが、いつまで経っても状況は変わらなかった。

 

その時に気がついたのだ。あ、自分避けられてる。

 

それからアルケーは、なるべく神達と関わらないようにしていた。

 

話して嫌われるのであれば、いっそ話さないようにしようと。

 

それから、アルケーは1人で仕事をするようになった。

 

 

「分かってはいるんだ。だが、どうしようもないんだ!」

 

 

「まぁまぁ落ち着いて、紅茶でも飲んだらどう?」

 

 

「それは俺が淹れたんだが。まぁ、いいか」

 

 

そう言い、紅茶を啜る。

 

アルケーは自分の紅茶の出来の良さに感心していた。

 

もし、自分以上に美味い紅茶が出来る人物がいるとしたら、ぜひ紹介して欲しいものだ。

 

と、アルケーは心の中で考えているに違いない。

 

こう見えても、プライドはそれなりに高いのだ。

 

アルケーが満足そうに飲み始めると、天照もにっこりと微笑んで紅茶に手をつけた。

 

それからは、二人とも言葉を話さず。ただ、無言で紅茶を飲んでいた。

 

こういう静かな時間も、神たちは必要かもしれない。

 

だが、天照がそこで静寂を打ち切った。

 

アルケーが、本を片手に紅茶を飲んでいたのだ。

 

その様子は非常に美しく、有名な画家に書かせ、飾りたいと思うほどだった。

 

だが、その考えを天照はなくし、アルケーに話しかけた。

 

 

「アルケーが本を読むなんてね、珍しいね」

 

 

「あぁ、これのことか。暇潰しに読んでみたら、案外面白くってな」

 

 

「へ~ なんて名前なの?」

 

 

「ハイスクールD×D」

 

 

またしても天照は不覚をとられた。

 

まず、神が人間界の本を読んでいることに驚き、

 

その本のジャンルがライトノベルということに驚かされた。

 

そしてその内容は、人によって価値観は違うがとてもエロい。

 

主人公もそうだが、主人公の回りにいるヒロイン達も非常にエロい。

 

天照はその本の内容は知らないが、知り合いの神にはエロいということだけ聞いている。

 

それに、このハイスクールD×Dの世界に転生する人間が増えているのだ。

 

それらの内容を思い出して脳が爆発した天照の前で、

 

なにかを閃いたアルケーが新しい玩具を貰った子供のような無邪気さと、

 

イタズラをする前の獰猛さををあわせ持った笑みを浮かべた。

 

その顔を見た天照はようやく意識を取り戻し、これから起きるであろう最悪な事態を防ぐためにアルケーを止めようとした。

 

 

「な、なにをするつもりなの!?」

 

 

「いや、ただ面白いことを思い付いただけだ。この世界に行こうと思ってな」

 

 

「なにバカなことを言ってんの!?」

 

 

やはり当たってしまった。

 

アルケーは自分の仕事を放棄して、本の世界に遊びに行くと言っているのだ。

 

アルケーの仕事はとてもじゃないが、他の神にはできない。

 

もし、それを放棄したとしたら、全ての世界が動かなくなってしまう。

 

それくらいにアルケーの存在は大きいのだ。

 

 

「安心しろ。こんなこともあろうかと、あと数千年分の仕事は終わらせた。あとは適当にやってれば大丈夫だよ」

 

 

「それでも!」

 

 

「天照、俺も少しくらいは休みみたいんだ。それと、いつまでも俺に頼っていたら神として情けないだろ?」

 

「……わかった。あとは私がなんとかするから」

 

 

「助かる」

 

 

こうして絶対神アルケーはハイスクールD×Dの世界に向かったのだった。

 




どうでしたか?

最初の方は説明なので短いですけど、

進むにつれて長くしていくつもりなので、

応援よろしくお願いします!

感想、評価の方もたくさん待っています!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。