IS ~織斑一夏に次ぐ男~   作:ゆけむり

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お久しぶりです。ゆけむりです。


あのバカは・・・

 

 うーん、とりあえず俺勝ったんだよね?勝者って出てるし。

 今峰斗は混乱している。

 試合終了の合図が出たのにまるで会場が凍りついたように皆さん動かない。

 まあいいやそれにしてもあれだな

 「なんか思ってたのと違う」

 自分が振った刀をみて呟くと会場全体がずっこけたように見えた。

 すると、

 『風切、次の試合を始めても構わないか?』

 織斑先生から通信が入る。

 「大丈夫です」

 『分かった、ではその場で待機してくれ、すぐに織斑が出る』

 「了解です」

 織斑先生の言葉に頷く。

 そして待つこと数秒織斑一夏がやって来た。

 「待たせた」

 「そこまで待っていない」

 言葉を交わす。

 そして

 『それでは位置に着いてください』

 アナウンスが入る。

 「風切、絶対手加減すんなよ!」

 いい笑顔で言ってくる。

 「分かった」

 俺は頷きながら位置についた。

 『それでは・・・始め!』

 先に動いたのは一夏だった。

 そして手に持っていたブレードで切りつけた。

 ガキン

 「なっ!」

 「遅いぞ、織斑一夏。あくびが出る」

 一瞬で展開したIS用の槍”兵皇”で受け止めていた。

 「こちらから行くぞ」

 次に動いたのは峰斗だった。

 そこからは一方的な試合になった。

 峰斗が放つ突きは面白いように一夏に当たる。しかし一夏の攻撃は躱されたり、受け流されたり、受け止められたりと全くもって通らない。

 そして

 

 

 

 ビー!勝者風切峰斗

 終了の合図が鳴り響いた。 

 

 

 

 

 「くっそー負けたあ!」

 と一夏が嘆いている。

 「悔しがっている場合ではないだろ、織斑一夏。まだセシリア・オルコットが残っているぞ」

 「ゔっ、そうだった。」

 「まあ、でも俺との試合であいつは殆どの手の内を見せてくれたんだ。所見じゃないだけマシだと思え」

 「・・・でもなあ。俺あのブレード1本だけだぜ?」

 「俺は勝ったが?」

 「ゔっ」

 再度答えにつまる一夏。

 「まあでも相手は経験者、こちらはビギナーなんだ思いっきり胸を借りるつもりで行ってみたらどうだ?勝ち負けとか関係なく、ただ自分を高めるためだけに」

 「それもそうだな。・・・よっし!ありがとな風切!」

 「どういたしまして。それと峰斗でいいぞ一夏」

 「!!分かった峰斗、それじゃ行ってくるぜ!」

 「勝ってこいよ!一夏!」

 「やれるだけの事はやってくるさ箒」

 そう言って一夏は飛んでいった。

 そして

 

 「風切先のオルコットとの試合見事だった」

 「いえ、それほどでも」

 「まさかその年で”相手の意識の合間を縫う”とはな」

 口角を上げてそう言った。

 「さすが織斑先生、気づかれましたか」

 「私を侮るなよ?と言いたいところだが私は知識として知っているだけで実際は出来ない」

 そう言って一息ついて

 「まあ、縫われぬようには出来るがな」

 「それができる時点であなたも大概のバケモノですよ織斑先生」

 「お前には言われたくないな」

 「ひどい」

 「ひどくなどないさ、事実を言っているだけだからな」

 「そうですか、おっ、一夏がビットを落とし始めた」

 「むっ、あいつめ油断しているな」

 「そうですね」

 「えっ?お二人共なんで分かるんですか?」

 山田先生が今まで空気だったが話掛けてきた。

 「俺は雰囲気とかですけど織斑先生は確固たる証拠があるんじゃないですか?」

 「あいつ、さっきから左手を握ったり開いたりしているだろう。そういう時は大体初歩的なミスをするのさ」

 「な、なるほど」

 なるほど、と俺も思っていると、

 「あっ」

 「どうした風切」

 「いえ、ちょっと一夏にビットとは別にあと2基残ってるっての伝え忘れてたんで・・・」

 

 ドカーン!

 

 モニターから爆発音が響いた。

 

 

 そしてもう終了だとおもったやさき

 

 「機体に救われたな馬鹿者が」

 

 一夏のISの見た目が少し変わっていた。

 なるほどファーストシフトか

 運がいいな。

 そこからまた一夏が攻め続けていた。

 そして最後の一太刀が入ると思った瞬間

 

 

 ビー!勝者セシリア・オルコット

 

 

 試合が終了した。

 織斑先生を見るとため息をつきながら”あのバカは・・・”みたいな顔をしていた。

 「全くここまで持ち上げてくれおってあのバカは・・・」

 実際に言いましたよこの人。

 まあいいやでもまさか武装の特性を理解する前に突っ込んでいくとは思わなかったので峰斗もまた呆れていたのは別の話。




とりあえず決闘編は終了しました。次は鈴編かな?

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