比企谷ハーレム?   作:ゆ☆

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一色いろはの場合

 

 

「せんぱーい!」

 

と声が届く。

休日を俺は一色と過ごすことに決め、待ち合わせのためにいつかのデート(予行練習)で使ったあの駅前。

集合時間ギリギリに来た一色は俺を発見するとパタパタと足音を響かせながら小走りでやってきた。

 

「おー。遅いから来ないかと思って帰ろうかと思ったわ」

 

「…はぁ。減点1…」

 

「え、また減点方式なの…」

 

「そうですよ。合格点目指して頑張ってくださいね!」

 

いやまずその合格点って何点なんですかね…。

また葉山じゃないからマイナス○○点とかなるんでしょ、八幡知ってるんだから。

 

「まぁそんなことより、行きましょう!」

 

「…はいはい」

 

 

☆☆☆

 

 

と、まずやってきたのは我らがららぽだった。

なんでも夏が近いから水着を新調したいとのことだった。

普通こういうの女子同士で来るんじゃないですかね…知らんけど。

 

「せんぱーい、わたし何色が似合うと思いますかー?」

 

「…知らん」

 

「あれ?先輩顔赤くして、もしかして照れてるんですかー?」

 

「ば、ばっかぜんぞんそんなことねーし!?」

 

「…先輩、噛んでますから」

 

第一、俺が女子の水着なんて選べるわけないんだよなぁ。

自分のだって学校指定の無地のやつだってのに。

 

「あっこれとかどうですか?」

 

と一色が手にしていた水着はフリル付きのオレンジ色した水着だった。

 

「あーいいんじゃね?お前のイメージカラーっぽくて」

 

「そ、そうですか。まぁ参考程度に聞いただけなんですけどね」

 

何故だかその水着を着た一色の姿が鮮明に浮かんできてしまう。

自分の無駄な想像力、よくやった。

 

 

ついでに言うと一色は結局その水着を買っていった。

 

 

☆☆☆

 

 

次にやってきたのはららぽの中にあるゲームセンター。

 

「先輩、プリクラとりましょプリクラ」

 

「やだよ、恥ずかしいし」

 

「撮ってくれなきゃ、わたしの水着選んだついでにニヤニヤしてたこと雪ノ下先輩達にちくりますから」

 

「よし行くぞ!もたもたすんな!」

 

流石に聞き捨てならないこと言われプリクラコーナーに急ぐ。

一色よ、お前は絶対に雪ノ下の怖さをわかってない…。

 

後ろで「ちょ、先輩、手…」と一色が言っていたような気がしないでもない。

 

「さて、どの機械で撮るんだ?ん?なんでお前顔赤いの?」

 

「先輩が手…、いやなんでもないです!」

 

「お、おう」

 

「さぁこれです!これは携帯にデータ送れるんで!」

 

 

一色とのプリクラを終えると2人して何故か疲れた表情をしていた。

あの空間で一色と至近距離とか変に緊張するわ。

 

「先輩、落書きはわたしがしていいですか?」

 

「あぁ任せる」

 

と少しだけ離れて休息を計る。

 

「…じゃあデータもわたしのに送ったんでおしまいですね」

 

「ちょっと一服しないか?」

 

「そうですね、じゃあ前に行ったカフェ行きましょうか」

 

 

☆☆☆

 

 

以前、一色と来たカフェに来た。

あの時は冬だったのにもう夏間近とは時間の流れに戸惑う。

 

「あー涼しー」

 

「外はアホみたいに暑いな」

 

「まぁ、夏は暑くてなんぼですからね」

 

やはり夏は家で小町と戯れつつ家にいるのが最適か…。

 

「あっまたくだらないこと考えてる…。あっすみませーん」

 

ズバリと言いあてられてしまった。

その通り過ぎて何も言えなくなっていると一色の声かけで店員さんが来る。

 

「この季節のパフェとミルクティーで」

 

「あっじゃあ俺はアイスコーヒー」

 

暑いの日のキンキンに冷えたアイスコーヒーっていいもんだよね。ただし甘めに限る。

 

「先輩、写真写真。また店員さんに撮ってもらいましょう」

 

「えー、今回は取材ってわけじゃないだろ?」

 

「はぁ、これはまた減点ですね」

 

一色の採点が厳しすぎる件。。

 

なんだかんだいいつつ前と同じ構図で写真を撮られる。

今日プリクラも撮ったしその挙句に写真とか魂抜かれそう。

 

2人でまったりとした時間を過ごす。

気付けば店内に夕暮れの西日が差している。

 

「あーもうこんな時間なんですね」

 

「そうだな、行くか?」

 

「ですね、帰りましょ」

 

 

とカフェを出て駅まで並んで歩く。

 

「あっ先輩、今日の点数なんですけど」

 

「うわぁ聞きたくねぇ…」

 

「ふふっ、今日の点数は11点です!」

 

「…一応聞くが、どう点数つけた」

 

「まず朝の減点、水着見てニヤニヤしてたので減点…」

 

と次々に減点していって例のごとく0点になってしまった。

いや前回もそうだけど、それでいいのかこれ…。

 

「あっでもでもー、数いる候補の中からわたしを選んでくれたので10点あげます♪」

 

「はいはい、どうも。で?あと1点は?」

 

「そ れ は 内緒 です !」

 

とまたパタパタと足音を響かせながら一色は去っていった。

 

 

なんだこの別れかたは…。

 

 

☆☆☆

 

その頃、一色いろは はーー

 

(言えない、実は先輩に隠れてプリクラに凄い恥ずかしい落書きをしてしまったからの1点だなんて)

(挙句、先輩には落書きが反映されてないデータを送ったなんて!!)

 

 

と顔が火照っているのを誤魔化しきれず走って帰っていたのだった。

 

 

 






お待たせしてすみません…。


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