比企谷ハーレム?   作:ゆ☆

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新シリーズ始動です。


第1話

「あ」

 

「あ?」

 

と声がする方に顔を向けるとそこにはかつての同級生でありかつて俺が好きだった人、折本かおりがいた。

 

休日だからってゴロゴロしすぎ!と小町に言われ掃除するからお兄ちゃんはどっか行っててとありがたいお言葉を頂いたので出かけてみれば懐かし顔に会うもんだ。まぁバレンタインイベントとかで顔合わせてるけど。

 

「比企谷久々じゃーん!元気してた?」

 

「お、おう。まぁな」

 

こいつのテンションは出かけのテンションでは押されるな…。

こいつのテンション嫌いじゃねーけど。

 

「なに?どこ行くの?」

 

「別に。妹に家追い出されて行く場所探してるところだ」

 

「なにそれウケる」

 

たまには新刊チェックや新規開拓のラーメン探しでもやろうかなぁと考えながら折本の言葉を右から左に聞き流していた。

 

「でさー、明日暇?」

 

「ちょっと待て。今どう言う流れでそうなった」

 

「だからー、明日暇じゃん?だからなにしよっかーって」

 

「なんでナチュラルに俺も一緒なんだよ」

 

「だって比企谷明日暇でしょ?」

 

「いや明日のことは明日にならないとだな」

 

とこいつのペースに押されつつ会話を続けて行く。

 

「はぁーやっぱ比企谷ウケるわ!」

 

「ウケねーよ。んじゃまたな」

 

「まぁ明日のことちゃんと考えといてよ。一応女の子からのデートの誘いなんだからさ♡」

 

 

☆☆☆

 

 

駅前にむかう最中の路地に猫に話しかけている女がいた。というか雪ノ下だった。

 

「にゃーにゃーにゃ?」

 

「おい」

 

と思わず声をかけたが俺に気付いたのか顔を真っ赤にしている。

これあれだ。照れ隠しに罵倒されるやつだ。このパターン俺は知ってるぞ。

 

「ひ、比企谷くん。違うのよこれは。道を歩いていたらたまたま猫がいて可愛くにゃーと話しかけてくれたからその返事をしていただけなの。話しかけてもらってるのに無視するのは私の良心が痛むから仕方なく返事を返していただけよ。ええそうなの。だからここで見たことは忘れなさいネコ谷君」

 

余程焦っているのかいまいちキレがない言葉を返してくる。

そんなに焦らなくてまお前の猫好きはもうわかってるつーの。

 

「誰がネコ谷だ。俺の名前は比企谷だ」

 

「失礼、噛みました」

 

「違うわざとだ」

 

「かみまみた!」

 

「わざとじゃない!?」

 

とどこかで見たやり取りをしてしまった。

 

「つーかお前このネタ知ってんのな」

 

「ええ。西尾先生は言葉遊びが上手いと聞いてこの間たまたま読んだだけよ」

 

「ほーん。お前もああいうの読むんだな」

 

「だって自分が知ってもいないのに嫌いだとかわからないじゃない。まず見ないとなんとも言えないわ」

 

実に雪ノ下らしいと思った。

そういえばこいつは材木座のあれでさえちゃんと読むようなやつだもんな。

 

「そうか、まぁまた月曜日な」

 

「ダメよ。あなた明日暇でしょ?ちょっと付き合いなさい」

 

「いや、明日はちょっとあれがあれで」

 

「それ何も予定がないやつじゃない。知ってるわそのパターンは」

 

「とにかく、明日のことはわからん。また連絡する」

 

「…わかったわちゃんと連絡しなさい」

 

「あぁ。それじゃ」

 

 

全く、あの男は…。

これじゃなんのために外に出たんだか。

 

 

☆☆☆

 

 

雪ノ下と別れた後休憩がてら喫茶店に入る。そしたらまた雪ノ下がいた。

だかこの雪ノ下は姉の方だった…。

 

「おっ比企谷くんじゃなーい」

 

うわぁ。新しい玩具を見つけたような顔してやがる。

 

「ええどうも。それじゃ」

 

「ふふ、逃さないよ」

 

な、なんで手首掴まれただけで動き封じられるんだよ。って痛い痛い!

 

「痛い痛い!わかりましたよ座りますよ」

 

「うんうん素直でよろしい」

 

「…無理矢理素直にさせられたんですけどね」

 

「ん?なーに?」

 

「いえなんでも」

 

「比企谷くんは何してたの?」

 

おっこの人がまず雪ノ下のことを聞いてこないなんて珍しい。

 

「暇なんで本屋でもと思ったんですけどその前に休憩に」

 

「ふーんそっかそっか。じゃあお姉さんとデートでもする?」

 

「い、いえ。やめてくださいそういう冗談」

 

「んー別に冗談じゃなかったんだけどな」

 

相変わらず、この人の言うことはいまいちわからない。

俺が話を聞いていなくてもあまり気にせずガンガン話しかけてくる。こういう雪ノ下さんは珍しい気がする。

 

「なんか、今日は凄い話しかけて来ますね」

 

「今日機嫌がいいのだよ!それに遠慮するの、もうやめたの」

 

なぜか、なんの遠慮ですか?とは聞くのが躊躇われた。

 

「そうですか、それじゃ俺もう行きますね」

 

「ん。じゃまた明日ねー」

 

この人が最後に言ったことはハチマン知らない。知らないったら知らない。

 

☆☆☆

 

本屋を出てショッピングモールの方へと足をむける。

 

「あっヒキオじゃん」

 

「三浦か」

 

「なにしてんのあんた」

 

「別に。本屋行ってた。お前は?」

 

「あーしは姫菜と待ち合わせで姫菜待ち。なにあんた、休日いつもこんな感じなん?」

 

「あぁ大体はこんなだな」

 

「うわ!ちょっと陰気臭くない?そうだ、あーしが一緒に出かけてあげようか?」

 

「余計なお世話だ」

 

こいつのおかんスキルというか世話焼きは本物だな本当に…。

 

「いやもう決定事項だから。明日あけとけし」

 

「は?いや明日ちょっとあれで」

 

「なに?あーしの誘い断るん?」

 

「と、とにかく明日はまだわかんねーよ。また連絡するから」

 

「ふーん。そ。じゃ連絡先交換しとくし」

 

「お、おう。んじゃまたな」

 

「ん。ヒキオちゃんと気をつけて帰りなよ」

 

☆☆☆

 

そして家路につこうかと駅前の通りを抜けようとしたところで亜麻色の髪をした生徒会長様の姿が見えた。

 

「あー!先輩じゃないですか!この辺にいるならいるって言ってくださいよ!」(それならもっとちゃんとした服装してきたのに)

 

「わ、悪いな?どうしたんだこんなとこで」

 

「今から書記ちゃんとカフェに行くんです。先輩も行きます?」

 

「いや行かねーけど」

 

意外と書記ちゃんと仲良いんだなこいつ。合わなそうなタイプかと思ってた。

 

「えーなんでですかー!あっじゃあ明日とかどうですか?」

 

なんでみんなして明日なんだよ…。

 

「いや、明日は予定あるから」

 

「はいダウト!…え?まさか本当に予定あるんですか?」

 

まさか先輩が?と続く声が聞こえてきそうな言い方だな。

 

「ふっふっふ。聞いて驚け、なんと遊びの誘いが何件もだな」

 

「ずるいですずるいですずるいです〜!!」(抜け駆けされた抜け駆けされた抜け駆けされた!!)

 

「は?なに?そんなにお前雪ノ下とかと遊びたかったの?」

 

「はぁ。もうそれでいいです。で、明日は誰との予定なんですか?」

 

「いや別に決めてない。なんなら家にいようかと思ってる」

 

「なら!わたしとデートですね!もう決定ですからね」

 

「ちょ、デートって。はぁまぁ候補には入れとく。それで勘弁してくれ」

 

「むー!まぁその辺で妥協しときます。ちゃんと連絡してくださいよ?」

 

「あーわかったわかった。んじゃあな」

 

そして別れた後、後ろから全くあの先輩はー!!と聞こえてきたのは気のせいだ。きっと。

 

☆☆☆

 

「おっお兄ちゃんおかえりー遅かったね」

 

「あーなんか色んな人に会ってな。明日の予定とか聞かれまくってた」

 

それだけ言うとガタッと元気よく立ち上がりキラキラした目で俺を見つめてくる小町。うん、可愛い。

 

どこで誰と会ったとか何を話したとか根掘り葉掘り聞かれた挙句

 

「それで?誰とどこにいくの?」

 

ときたもんだ。

 

「あーまぁ明日はあれだ、○○と出かけて……




もしよかったら私が書いている俺ガイルの短編集もよろしくお願いします。

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