牌に愛されし少年   作:てこの原理こそ最強

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麻雀牌ツールというものに苦戦してて投稿が遅れました。すいません!

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第7話

ー二年後ー

 

小三のときに大阪に来てもうオレは小五になった。ということは洋姉や怜、竜華さんは中学生になるのだ。その人達だけではなく岩手の豊ねぇや鹿児島の霞姉さんや初美姉さん、巴さんも奈良の宥さんも中学生になるんだ。オレはお祝いの伝えるため豊ねぇには手紙、他の人達にはメールで「おめでとう」を言っておいた。洋姉には直接言ったけど

 

するとみんなから返事が返ってきた。霞姉さんからは

 

『ありがとう。一足先にお姉さんになるわね。来年は小蒔ちゃんにも言ってあげて』

 

と中学生になっても他人のことを考えるのは変わらないみたいだ

 

初美姉さんからは

 

『ありがとうですよ〜。早く中学生の私を翔に見せたいです〜。だから早く来るのですよ〜』

 

と中学生になっても初美姉さんの性格は変わらないらしい。巫女さんなんだからもう少しお淑やかになんなくていいのか…?

 

巴さんからは

 

『私にもわざわざありがとう。こんな文面じゃわからないだろうけど霞さんもはっちゃんも翔のメールを見てから笑顔がすごいのよ?またこっちにも顔出してね』

 

巴さんも変わらず優しいお姉さんやってるみたいだ

 

怜からは

 

『なんや直接言ってくれんの〜?悲しいわ〜』

 

と来たから今度は行くよと返信しておいた。週一ぐらいで電話してんのんな…

 

竜華さんからは

 

『ありがとな〜。めっちゃ嬉しいわ!でも怜が直接言ってほしかったみたいやから会いに来てあげてな。私も…会いたいし……』

 

とまさか竜華さんが怜と一緒にいすぎて怜の性格が移ってしまったかと思った。でも同じ大阪にいるのにこのごろ会えてないからいい機会かなと思った

 

宥さんからは

 

『ありがと〜。また泊まりに来てね。いつでも歓迎するから〜』

 

と文面からでも宥さんのほんわかした感じが伝わってきた

 

手紙だからみんなから少し遅れたけど豊ねぇからも返事がきた

 

『翔くん!ありがとう!でも私は早く大好きな翔くんに会いたいよ〜。だから早く会いに来て〜!』

 

と豊ねぇは自分の好意を隠さず伝えてくるからすごいと思いつつも恥ずかしいからやめてとも思う。でも嬉しいな

 

洋姉は直接言ったときに

 

「おぉ!翔、見とき!これから中学生になったうちは絹よりもないすばでーになるで!」

 

洋姉は妹の絹姉の方が胸が…だからなのか自分の体型がコンプレックスになっているみたいだ

 

 

 

 

 

そしてオレは約束通り怜に会いに怜の家に行こうとしている。実を言うとあれから家族ぐるみで食事するのが増えた。たまに竜華さんがそこに加わることもある

 

約束の時間より早く着いてしまったのでオレは駅の近くにあるデパートに入った。するとそこの一階で小さな麻雀教室のようなものが開かれていた。そこには老若男女様々な人が集まっていた。中には本格的に対局している卓もあるようだ。そう思ってその卓に近づいて行くと…

 

『おー!』

 

『対局が終了しました。今の対局を制したのはなんと小学生!』

 

 

ちょうど対局が終わったようで、進行の人がアナウンスしている。

 

(それにしても大人に勝てる小学生か…どんな子なんだろ…)

 

オレは人の隙間からその卓に座っている子を見てみる

 

「ナース…?」

 

そこにいたのはなぜかナース服を着た可愛らしい女の子だった。進行の人はその子にインタビューしようとしている

 

『おめでとうございます!お名前は何ですか?』

 

『荒川 憩(あらかわ けい)です』

 

「っ!マジか…」

 

その子はなんと高校二年で全国個人戦で二位になる荒川 憩さんだった

 

『何年生かな?』

 

「小学六年生です」

 

『そうなんだ。麻雀はいくつから始めたのかな?』

 

「小学二年生の時です」

 

『強いね〜。では皆様!次が最後の対局となります!最後はこの荒川 憩ちゃんに挑みたいという方は卓に入ってください!』

 

進行の人はそう告げる。オレはそれを聞いた瞬間前に出た

 

『おっと、今度は中学生か!?』

 

「いえ、まだ小五です」

 

『えっ…』

 

進行の人も含めてそれを聞いた観客の人も驚く声をあげた

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしくな〜」

 

オレはそんな人達には目も触れず荒川さんに挨拶をして卓に座った。その後年配のおじさんが二人も入って対局が開始された。荒川さんはオレの下家になった

 

最初はオレの上家のおじさん1が親となった。そしてオレの最初の手牌は

 

{一萬三萬四萬三筒[⑤]九筒二索[5]六索發發發東}

 

ドラは{東}だし赤ドラ二枚あるからなかなかいい感じだな。親のおじさん1が{西}を出したのを確認してオレは山から牌をツモる。それは{四索}でオレは{九筒子}を切った下家の荒川さんは{南}を出して対面のおじさん2は{西}を切った。

 

そして二巡目、おじさん1は{北}を切ってオレは{三索}を引いて{一萬}を出した。続いて荒川さんは{一筒}を出しおじさん2は{西}のツモ切り

 

今のオレの手牌は

 

{三萬四萬三筒[⑤]二索三索四索[5]六索發發發東}

 

となっていた。うまくいけば三色のるな

 

三巡目、おじさん1は{九索}を切りオレがツモったのは{四筒}だ。オレは三色を目指すため{六索}を切った。荒川さんはにっこり笑顔を見せながら{七萬}を出しおじさん2は{一索}を切った

 

四巡目、おじさん1は{二筒}を切りオレは山から牌を取る。それは{五萬}だった。オレはすかさず{二索}を横にして立直を宣言した。するとおじさん2が一発を消すためか手を早めるためかポンを宣言。その後おじさん1がオリるように元物の{二索}を切った。一発は消えたがそれでもオレには関係ない。オレは手触りでツモった牌が{東}だと確認し、それを表に向けて置く

 

「ツモ。三色同順、役牌、ドラ…」

 

今回のドラ表示牌{北}だったのでオレの手牌には既にドラが四つのっている。オレはさらに裏ドラを確認して続ける

 

「…五。4000・8000です」

 

裏のドラ表示牌は{二筒}だったのでドラがまた一つのって倍満を和了った

 

『なんとたった五巡目にして倍満ツモ!これはすごい!』

 

とアナウンスがあったがオレはそれよりも気になることがあった。確か原作での荒川さんの能力は“他家が和了ると次の手牌が良くなる”みたいなことだった気がする。だから今度の局は気をつけないと…

 

「ロン!」

 

すると案の定荒川さんが和了った。しかしオレよりも点数の低い満貫で和了ったのでまだ完全には出来上がってないのかと思った

 

その後オレと荒川さんが一回づつ和了っておじさん二人が飛び終了となった

 

『終了!なんとなんと先ほど一位だった荒川さんを抜いて新たな小学生が一位です!お名前を教えていただけますか?』

 

「菊池 翔です」

 

『ありがとうございます。では皆さん、菊池くんに盛大な拍手をお送りください!』

 

\パチパチパチパチ/

 

オレは大袈裟だなと思いつつもその拍手を心地よく受け取った

 

そして時間も時間だしそのデパートから出ようとすると

 

「菊池くん!」

 

後ろから誰かに呼び止められた。その声の正体は荒川さんだった

 

「何か用ですか?荒川さん」

 

「いや、用って訳でもないんやけどな。君めっちゃ麻雀強いなぁ」

 

「ありがとうございます。荒川さんも強かったですよ?」

 

「嬉しいこと言ってくれるやん!ありがとな!」

 

嬉しくなったのはいいんだがお礼を言いながら背中をパンパン叩かないでほしい

 

「せや!私と友達にならへん?」

 

「えっ?」

 

「私の周りの麻雀強い人がおらんねん。だからたまにでええから一緒に麻雀してほしいんよ!お願い!」

 

荒川さんは手を合わせてお願いしてきたので、そんなことされたら断れるわけないわけで…

 

「…わかりました。いいですよ」

 

「ほんま!?やったー!」

 

腕を上に伸ばしてピョンピョンしている。そんなに嬉しいのかね

 

「じゃあ翔くん。あ、翔くんて呼んでもええ?」

 

「いいですよ」

 

「そんなら翔くん、携帯持っとる?」

 

「持ってますよ」

 

「ならアドレスと番号交換しよ!」

 

オレはポケットから携帯を出して荒川さんの携帯と赤外線で交換した

 

「ほんまありがとう!私のことは憩でええで!」

 

「わかりましたよ、憩さん」

 

「ほなまた連絡するわ!」

 

憩さんは「ほなな」と言って走って行ってしまった。オレは元気な人だなと思いながら怜の家に向かうのであった

 

 


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