牌に愛されし少年   作:てこの原理こそ最強

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お気に入りが900人を超えてました!!ありがとうございます!!感想をくれていた方もありがとう御座います!!

コメントでいただいたように麻雀の描写を考えていたら結構間が空いてしまいました。すいません。

感想、意見をいただけると嬉しいです。
これからもよろしくお願いします!!!


番外編1

全国の対決が始まった。オレのスケジュールも今日からスタートである。しかも午前と午後で違う学校との試合と半日刻みのスケジュールである

 

「さて、眠いけど頑張りますか」

 

オレはまだ眠気が取れていない顔をバンッと叩いて気合を入れる。だってまだ朝の5時だよ?早すぎでしょ。一日目の午前は“姫松”だ

 

「あ!翔くん!!!」

 

「ぐはっ!」

 

これはお決まりなのか…

 

「き、絹姉…」

 

「翔くん!翔くん!翔くん!」

 

「あらー」

 

「き、絹ちゃん?」

 

「すごいのよー」

 

「おっ、来よったな、翔。」

 

洋姉もそんないつものことみたいにスルーするのやめて。てか誰も助けてくれない!?

 

「絹姉。とりあえず挨拶したいから離れてくれる」

 

「…仕方ないな〜」

 

でも抱きつくのはやめてくれたけど腕は拘束したままなんだ…

 

「ど、ども。清澄高校一年の菊池 翔です。絹姉、絹恵さんと洋榎さんとは昔近くに住んでて仲良くしてもらってました」

 

「こちらこそこんな朝早くからおーきに。顧問の赤坂 郁乃(あかさか いくの)です」

 

「代行です。あ、姫松高校三年の末原 恭子(すえはら きょうこ)です」

 

「同じく三年の真瀬 由子(ませ ゆうこ)なのよ〜」

 

「同じく二年の上重 漫(うえしげ すず)です」

 

「よろしくお願いします。てか絹姉、そろそろ離さないか?」

 

「嫌や!今日はずっとこのままでおる!」

 

そんなことしたらオレも絹姉も麻雀打てないぞ!

 

「翔がずっと絹のことほったらかしにしとったからやぞ?責任取りーや」

 

「どういうこと?じゃあなんで今日オレ呼ばれたの?」

 

『絹(ちゃん)のコンデションを整えるため』

 

「んなアホな」

 

「翔くん♪」

 

5時に来させられて麻雀打たずにずっと絹姉とこのままなんて…高校生になって絹姉の発達具合が…オレの腕に膨よかな感触が…洋姉とは大違い

 

「なんや翔。今失礼なこと考えてへんか?」

 

「ナ、ナンノコトヤラサッパリ」

 

「なんでカタコトやねん!」

 

はい、洋姉の久しぶりのツッコミいただきました

 

「ん〜♪翔くん♪」

 

え?マジでずっとこのままなの…?

 

 

 

 

 

 

はい、その通りになりました。あれから3時間、オレは絹姉の隣に座らされてみんなが麻雀を打っているところをひたすら見てるだけ。しかも朝早かったからなのだろう絹姉寝ちゃったし…

 

「さて、そろそろ翔もうちらの方に手貸してもらおうかの」

 

「はい?オレは今日ずっと絹姉についてるんじゃ?」

 

「あんなんあめりかんじょーくに決まっとるやないか」

 

「ここは日本だ!」

 

「んぁ…しょぅ、くん…」

 

「あ、ごめん絹姉。もう少し寝てていいよ」

 

「ん…」

 

不注意で大声をあげてしまって起きそうになる絹姉の頭をそっと撫でてもう一度眠りに入らせた

 

「さて、今日は勝たしてもらうで!翔!」

 

「あぁ。オレも負ける気はない」

 

オレは絹を支えながらゆっくりとソファーに寝かせて卓に入った。ようやく打てる

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「よろしくなのよ〜」

 

オレと洋姉の他に上重さんと真瀬さんが入ってくれるようだ

 

ー東一局ー

 

「ロン。3900や」

 

幸先良く和了ったのはオレではなく洋姉。しかも九巡目。振り込んだのは上重さん

 

ー東二局ー

 

「ロン。8000です」

 

今回和了ったのはオレ。振り込んだのはまたもや上重さん

 

ー東三局ー

 

{一筒二筒七筒四索八索六萬六萬八萬九萬北南中中}

最近の中で一番引きが悪い手牌となった

 

「リーチ!」

 

しかも五巡目にして洋姉のリーチ。今回は和了れそうにないな。でも和了らせるつもりもない。でもどうするかな…そういえば…試してみるか

 

六巡目、オレー{八萬}切り

 

「ポン!」

 

オレの切った{八萬}を上重さんが鳴いた。これでとりあえず一発は消えたな。でもやっぱりそうなのか?前の二局も上重さんは数が上の牌(七、八、九)を捨てない傾向にあるみたいだ

 

七巡目、オレー{八索}切り

 

「チー!」

 

上重さんが下家(シモチャ)でよかった。そして…

 

「ロン!2000です!」

 

十二巡目でオレの切った{二筒}で上重さんが和了った。洋姉が和了らないですんだ。その本人はオレの思惑に気づいたのかオレの方を睨んでくる。だって調子づかせると止めんの大変なんだもんよ…

 

ー東四局ー

 

{四索五索六索六索八索九索三萬三萬七筒北北中中}

この手牌なら七対子(チートイ)狙いつつあわよくば一気通貫(イッツウ)かな。親だし連荘(レンチャン)しにいくか

 

一巡目、オレー{一索}ツモ{七筒}切り。上重さんー{南}切り。真瀬さんー{北}切り。洋姉ー{北}切り

 

二巡目、オレー{赤五索}ツモ{三萬}切り。上重さんー{西}切り。真瀬さんー{一萬}切り。洋姉ー{南}切り

 

三巡目、オレー{中}ツモ{三萬}の対子(トイツ)落とし。上重さんー{一筒}切り。真瀬さんー{南}ツモ切り。洋姉ー{九筒}切り

十三巡目、オレの手牌は

{一索一索四索四索五索赤五索六索六索八索八索九索九索中}

となっていた

 

十四巡目、オレー{三索}ツモ

 

「リーチ」

 

{中}でリーチをかける。でもこれまで索子(ソーズ)を一回しか捨ててないから他家から和了るのは無理そうか

 

他家の三人はみんな降りみたいだな。元物を切るのが多く見られるな

 

そして十七巡、

 

「ツモ!」

 

待っていた{三索}がオレの元にやって来た

 

立直(リーチ)自摸(ツモ)七対子(チートイツ)清一色(チンイツ)、赤1。12000オール」

 

ドラは乗らなかった。残念。まぁそれでも三倍満を和了ることができた

 

「うわ〜」

 

「やられたのよ〜」

 

「…」

 

そして対局は終了した。今回は東場だけのようでいつもよりも早く終わった

 

「ん〜」

 

「あ、おはよう絹姉」

 

対局がちょうで終わったところで絹姉がようやく起きてきた

 

「やっと起きたんかいなー、絹ー」

 

「お目覚めなのよ〜」

 

「おはよう、絹ちゃん」

 

「もうお昼になりますけど…」

 

「おはよ〜」

 

起きかけで目をクシュクシュしている絹姉に全員が声をかける。その絹姉の行動に少し可愛いと思ってしまったことは秘密だ

 

「おはよう〜…」

 

まだ眠気が残っているようで間の抜けた返事が返ってきた

 

それからは姫松のみなさんと調整&強者への慣れという程で麻雀を打った。そのうち絹姉も起きて一緒に混ざった。絹姉が昔よりも強くなっててビックリした。洋姉は昔と変わらずどんな相手ともプラスで終えるのはさすがだ。まぁトップは譲らなかったけど。末原さんは頭脳派だと思った。相手をよく分析して最善の手を考える。優希や咲は苦手なタイプかもしれない

 

「じゃあそろそろ時間なんでオレはこの辺で失礼します」

 

「えーー!!!!」

 

もう時間もお昼に差し掛かりそうだったので失礼しようと立ち上がった。ただ絹姉は声大きい

 

「もう帰っちゃうん…?」

 

「この後も用があるからね」

 

「そっか…」

 

さっきまでの眠気はどっかへ飛んで行った絹姉は今度はシュンッとなってしまった

 

「ごめんな絹姉。また顔見せるから」

 

「絶対やで!」

 

「おう」

 

「翔!今度は絶対倒したるからな!」

 

「ありがとうございました」

 

「ありがとなのよ〜」

 

「今日はこっちの都合で来ていただいてほんまにありがとうございます」

 

「どうもね〜」

 

「絶対また会いに来てね!」

 

「ありがとうございました」

 

絹姉の頭を撫でてみんなから声をかけられて次の場所へ向かった。でも姫松は監督よりも末原さんの方が監督っぽいし洋姉よりも末原さんの方が部長っぽかったな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて午後に申し込みがあったのは“千里山女子”だ。お昼はありがたいことに向こうが用意してくれるらしい

 

そんで千里山から指定された場所に着くと既にメンバーが外に出て出迎えてくれた

 

「翔くん!」

 

「ウグッ!また…この、パターン…」

 

着いた瞬間にさっきの絹姉同様竜華さんの突撃をくらった。そして抱きつかれたまま地面に背中から倒れ込んだ

 

「りゅーか、はよー離してやらんと翔が死んでまう」

 

「えっ、あっ!翔くん!」

 

竜華さんで誰かは見えないがおそらく怜だろう人から声がかかり竜華さんが離れてからオレの方をブンブン揺らす。酔いそう…

 

「りゅ、竜華さん…大丈夫だから…落ち着いて」

 

「翔くん!よかった!」

 

止めてくれた。よかった…あと少しで口から何か出るとこだった

 

「久しぶり、竜華さん。怜も」

 

立ち上がって竜華さんとオレの隣に寄ってきた怜に声をかける

 

「うん!久しぶり!翔くん!」

 

「久しぶりやな〜。今回も最初はりゅーかにとられてもーたわ」

 

「なにが?」

 

「翔へのファーストタッチ」

 

「そんことを競うなよ」

 

と挨拶しているうちに竜華さんと怜に両腕を拘束されてしまった

 

「竜華に怜!うちらにも自己紹介させーや!」

 

「あんな先輩達、初めて見ました」

 

「この人が噂の彼ですか?」

 

「翔、よう来たな」

 

そして後から三人の生徒のような人と一人の女性がやってきた

 

「雅枝さん!お久しぶりです!こんな状態の挨拶ですいません…」

 

「ええよ、別に。そうなったんはその二人のせいやしな。ほら、二人もそろそろ離さんか」

 

「えぇ〜」

 

「私は翔から離れたら死んでしまいます」

 

思った通り二人とも駄々をこねる。しかも怜は何言ってんの?不謹慎だからやめなさい

 

「んなわけあるかいな」

 

「仕方あらへんな〜」

 

「また後でやな」

 

二人は渋々離れてくれた

 

「ありがとうございます」

 

「ええて。さて暑いしとりあえず中に入ろうか。各々の紹介はその後でな」

 

「わかりました」

 

雅枝さんと千里山のみなさんの後ろに続いて中に入る

 

「それにしてもまさか今日一日だけで愛宕家のみなさんに会うとは思いませんでした」

 

「そういや午前は姫松に行っとったな」

 

「知ってたんですか?」

 

「絹から連絡あってな。嬉しそうに電話してきたで。翔が関係したときの喜びより上を見たことないわ」

 

「あはははは」

 

さて、部屋に案内されてそれぞれの自己紹介始まった

 

「初めまして。菊池 翔です。昔少しの期間雅枝さんにお世話になったことがありました。今日はよろしくお願いします」

 

オレは一回礼をして終わらす

 

「相変わらず礼儀正しいな。じゃあ次はうちらの番やな。まぁうちと園城寺と清水谷のことは知っとるからいいやろ。じゃあ江口」

 

「おぉ!うちは三年の江口 セーラや!よろしゅうな!」

 

制服姿ではなく普通にTシャツと短パンという男の子のような格好をしている江口さん

 

「うちは二年の船久保 浩子(ふなくぼ ひろこ)言います。おばちゃ…監督とは親戚です」

 

メガネをクイッと持ち上げて雅枝さんの親戚と名乗る船久保さん。手にはなぜかタブレットを持っている

 

「一年の二条 泉(にじょう いずみ)です。よろしくお願いします」

 

制服なんだろうが怜達とは違って上がノースリーブで丈が短いのかおヘソが見えてしまっている。それにスカートも他の人より短い。オレはどこを見ているんだ…変態か…

 

「さて、自己紹介も終わったことやし、まずは…」

 

お、さっそく打つのかな?

 

『お昼やー!』

 

あ、違った。お昼は用意してくれてるんだよな。なんだろ?楽しみだな

 

「翔くん!」

 

「はい!」

 

お昼は何かという小学生みたいことを考えてたら竜華さんに呼ばれてびっくりしてしまった

 

「はい!」

 

「ん?これオレに?」

 

「もちろんや!」

 

なんとも嬉しいことに竜華さんが見た目から手作りと言えるお弁当をくれた

 

「おぉ!」

 

開けてみると色鮮やかで肉、野菜、果物と栄養面がしっかりと考えられた完璧なお弁当をだった

 

「どう、かな?」

 

「めっちゃ美味しいよ!」

 

「ほんま!?よかった〜」

 

「竜華さんは将来いいお嫁さんになるな」

 

「お!お嫁さ…!」

 

そこで竜華さんはボンッと爆発したように真っ赤になった

 

「でもこの卵焼きは怜が作ったやつだよな」

 

「え…?」

 

「あれ?間違った…?」

 

自信あったんだけど聞いてみたらポカーンとされたから間違ってたかな

 

「…あ、すまんな。そうや。その卵焼きはうちが作ったもんや。やけどよくわかったな」

 

合ってた。よかった

 

「何言ってんの。オレが()()()()()()()()の味ぐらい覚えてるわ」

 

「っ!」

 

そう。今言った通り昔怜から料理を教えてほしいと言われたことがあって、そのときに教えたのが卵焼きだった

 

「…覚えとって、くれたん?」

 

「ん?当たり前だろ?って怜!?」

 

ソファに座っていたオレの隣に腰を下ろしていた怜がこっちを向いて顔を近づけてきていたので驚いた。てかマジで近い近い!

 

「と、怜さん!?」

 

「そんなん言われたら、嬉しくなってまうやん…」

 

そしてどんどんオレの顔に近づいてくる怜

 

「園城寺〜。それ以上やるならさすがに怒るで〜」

 

「「っ!!」」

 

よかった。雅枝さんが止めてくれた。てかみんなに見られてる。江口さんはなんでそんな顔を真っ赤にしてるんだ?意外と乙女なのかな

 

「お嫁さん♪えへへへへへ♪」

 

竜華さんはまだ戻ってきてないのか

 

「よし!腹ごしらえは終えたな?じゃあ始めるで!」

 

「はい!」

 

「えへへへ♪」

 

竜華さんはいい加減戻ってきて!!!

 

一局目はオレ、竜華さん、怜、江口さんの四人でやることになった。ちなみに人選は雅枝さんによるものだ

 

「いきなり三年生組ですか」

 

「そういえばそうやんな」

 

「いつも通りやな」

 

「そうそう!早く始めようや!」

 

竜華さんは戻ってきてくれてよかった。江口さんはやる気満々だな

 

ー東場ー

 

「リーチ」

 

来たか。()()()()()()()()()()()()()()()()、園城寺 怜

 

「ツモ。2000・4000」

 

怜は一発を出す確率が非常に高く、そのうち未来視などと呼ばれるようになった。まぁその原因は本人にもよくわからないらしいが…でもそれは体に与える負担が大きいからできるだけ使わないでほしい

 

ー東二局ー

 

「ツモ!3000・6000!」

 

次に和了ったのは江口さん。怜から聞いてた話だと二年のときから千里山でエースを務めていたらしい。しかも千里山は超強豪で一軍から三軍まであるが江口さんは竜華さんもだけど一年生のときから一軍に参加してたらしい

 

ー東三局ー

 

「ポン」

 

むっ…オレが聴牌(テンパイ)したと同時に怜が鳴いた。先を見てのことなのかただ手を進めるだけなのか

 

「ロン。12000」

 

なんと!振り込んでしまった…和了ったのは竜華さん。ってゾーン入ってんじゃん!ズルだ!チートだ!!(←神様からチート能力もらっといて何言ってんの)

 

午前中の洋姉絹姉のときも思ったけど怜も竜華さんも強くなってるな

 

ー東四局ー

 

オレの手牌は

{一萬二萬八萬七索九筒二索五索西南北東發發} {九索}

となった。これは国士を和了れということなのか…?このメンツ相手に和了れるかな。怜の未来視を視野に入れながらやらないといけないし、{發}が対子だから十三面待ちにできないじゃん!振り聴覚悟で無理矢理十三面待ちに取るか…迷いどころだな。あとは運だな

 

一巡目、オレー{一筒}ツモ{五索}切り。竜華さんー{西}切り。怜ー{南}切り。江口さんー{北}切り

 

二巡目、オレー{三索}ツモ{八萬}切り。竜華さんー{北}切り。怜ー{一萬}切り。江口さんー{西}切り

 

三巡目、オレー{白}ツモ{五索}切り。竜華さんー{九筒}切り。怜ー{七萬}切り。江口さんー{白}切り

十巡目、

 

「チー」

 

またもや怜が鳴いた。これにもまた意味があるのかないのか…

十六巡目

{一萬九萬一筒九筒九索西南北東白中發發}

これであとは{一索}を引けば和了れる。だが怜はまだ二副露(ツーフーロ)しかしてないからまだ鳴くことできる。河にはまだ一枚しか出てないが他家が持ってるかもしれない

 

 

そしてオレは山から牌を取り指で何か確認して確信する

 

 

「ツモ。国士無双。16000オール」

 

取ったのは願っていた{一索}。オレは逆転して一位となり、対局は終了した

 

「はぁ〜…最後にそれはすごいわ〜」

 

「さすが翔くんや!」

 

「ありがと竜華さん。怜は大丈夫か?」

 

「あぁ。今日はなんか平気。翔がいるからかもな」

 

「んなわけないだろ」

 

そんな人がいるかいないかで体調の良し悪しが変わるか。まぁ気分的には良くなるかもしれないけど

 

「さぁ、交代や。翔には悪いけど連続で入ってもらうで」

 

「えぇ。構いませんよ」

 

集中力的にはまだ大丈夫だ。でもあと何局続くかわからないから適当なところで休憩をもらおう

 

それから交代交代で打ち続け、六時を過ぎたあたりで終了となった

 

「今日はありがとな。助かったわ」

 

「いえ。オレも楽しかったです」

 

「しかしすごいな。全局トップとは」

 

「ははは…」

 

雅枝さんがジト目で行ってきたので笑って誤魔化すしかなかった

 

「翔くん!なんで帰っちゃうの!?」

 

「えっ!?それはオレはここの生徒じゃないからですよ」

 

「そうやけど…ほら!もう遅いし今日は泊まってき!私の部屋でええから!」

 

「ダメですよ!」

 

「そ、そんな…」

 

竜華さんは壁に手をついて俯く状態となってしまった

 

「ほんまに泊まって行かへんの…?」

 

「怜までそんなこと言うのか?ダメに決まっているだろ」

 

「昔はよううちの家に泊まってたやん。それと一緒や」

 

「全然一緒じゃないからな?オレらもう高校生だからな!もし間違いが起きたらどうする!?」

 

「間違いって翔はそういうことしたいん?なら今すぐにでも…」

 

そう言って近づいてくる怜の肩に手を置く雅枝さん

 

「園城寺〜。そこまでや。あんま翔を困らすもんやないで。それこそ嫌われてしまうぞ?」

 

「翔。気ぃつけて帰りや」

 

「お、おう…」

 

雅枝さんの笑顔恐っ!えっ…なんでそのままこっちに近づいて、きて…

 

トン

 

「絹のこと裏切ったら…ただじゃおかへんで…」

 

「ひっ!」

 

怜のときと同じようにオレの肩に手を置いて耳元でそう聞かされて思わず身震いしてしまった。マジで雅枝さん恐ぇー…

 

それでようやく一日目が終了した

 


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