今回前よりもすごく長めです…
まだキンキンする耳を抑えながらオレは控え室に戻って来た
「戻りました〜」
「あら、和と一緒じゃないの?」
「置いていかれました」
「あらら、かわいそうに」
「部長、絶対思ってませんよね」
「ん?思ってるわよ〜」
ならそう思ってる顔をしなさいよ。なんでそんなニコニコ顔で言うんすか
テレビに目を戻すと咲は既に対局室に戻っていた。ということは和ももうそろ帰ってくるな
『県予選大会。長きに渡ったこの戦いもついに天王山、ファイナルゲーム!泣いても笑ってもこの戦いが終われば全ての決着がつきます!』
バタン!
「はぁ…はぁ…戻りました!」
「おかえり」
最後の対局が今始まるというところで和が戻って来た。膝に手を置いて息を荒くしている。走って来たのだろう
『後半戦、開始です!』
ー東一局ー
後半戦は風越の親から始まった。しかし風越の点数は前半戦を終えて40000点を切っている。風越を飛ばさずに衣姉さんをまくることが要求されるが咲は大丈夫か?
十六巡目までが全員
「リーチ」
そんなこと思ってたら衣姉さんのツモ切りリーチ。海底といい前半戦の最後に見せたあの鳴きからの速攻の和了りといい速度の緩急が凄まじいな
「ツモ。6000・3000!」
『さ、三回目の
それに加えて風越の親被り
「またか…」
「十七巡目にツモ切りリーチ…」
「ありえません…」
染谷先輩も部長も和もこの状況に唖然としている
『これで天江選手は三回も海底を和了ったことになります。異常ですよ…』
『海底どころか全てが異常だ』
『全て?』
『天江以外の三人は配牌とツモを合わせても
『つまり、天江の海底を防ぐチャンスはなかったと…?』
『ほぼな。それでも海底を防ぐ方法は一つだけあった。清澄の{四索}』
『確かに清澄が{四索}を切れば鶴賀が鳴いて潰せましたね』
『だが捨てなかった』
『普通は鳴けるかなんてわかりませんよ。それに天江が確実に海底で和了れるわけでもないし』
『まぁな…あむっ』
咲がそう簡単に槓材切るわけねぇだろ。てかまだ食ってんのかよ
ー東二局ー
『さぁ、東二局は天江が親です』
「わーい!衣の親番だー!サイコロ回れー!」
こう見てるとホントに年上には見えないよな〜
八巡目
「ロン。
『風越に龍門淵の親満が炸裂しました!』
おいおい、やべぇぞ…風越また振り込んだ。ホントに飛んじまうぞ!
ー東二局 一本場ー
六巡目
「ロン。7700の一本場は8000!」
風越の人は今にも鳴きそうで顔を手で覆っている。この点数だけに手を高く仕上げようとしているんだろうけど、それが仇となって衣姉さんには読まれやすい
ー東二局 二本場ー
「ロン。ダブ東、ドラ2。12000の二本場は12600」
前の鶴賀の{東}をスルーしてからの風越への直撃。しかも手を安くしての和了り。ここまで来たら衣姉さんの元物しか安牌わかんないよな
「わーい!」
風越の点数は
『な、なんと風越!今の振り込みで持ち点が0になりました!』
「風越が0点ぴったりだじょ」
「なんじゃ、0点じゃ飛びにはならんのか」
「この大会では続行ね。首の皮一枚繋がった感じかしら」
「でも誰かがツモ和了りをして0点未満になったら、その瞬間にゲームが終わり」
「はっ!」
「和は意味わかったよな…?」
「…嶺上開花が、できない…」
「正解だ」
でも姉さん、今風越を飛ばさなかったのを後悔することになるよ。オレはそう思いながら画面の咲に目をやる
「…?」
「のどちゃん?」
「さっき、一瞬映った宮永さんの顔が笑っていたような…」
「咲が?」
ははは…そりゃこんな強敵。咲も楽しくないわけがないでしょ
『大将後半戦、開始直後からとんでもないことになってしまいました!前年度の覇者、龍門淵高校の天江 衣が四連続
「トップとの点差は77400点。しかも龍門淵の天江か鶴賀の加治木から直撃で取るしかない、か…」
「キツい露見戦じゃ」
「ダブル役満ならツモってもあのお子様をブチ抜けるじょ!」
「この大会のルール覚えてないのか?優希。今年の大会にダブル役満はねぇぞ」
「マジで!赤ドラ四枚入ってるのにダブルはないのか。変なルールだじぇ」
ルールを覚えていない優希の発言にオレが指摘してやると隣の和は何やら渋い顔をしている。おそらく今の会話で役満自体は無理じゃないみたいな会話だとか思ってんだろう
ー東二局 三本場ー
風越にはもう戦うという正気が見られない。諦めたらダメだぞ。どこかの某バスケ部の監督さんが言ってたじゃないか。”諦めたらそこで試合終了だよ”って
そんな戦う気も薄れてしまったような風越に反して手牌は四巡目にしてドラ4聴牌。点棒ないからリーチかけられないし役がないから和了れない。まぁ
するとその後いきなり衣姉さんがいきなり風越の待っている{六筒}を切った。しかしそれを…
「ポン!」
咲が鳴いた。そして次の巡
「カン」
ツモった{四索}でカン。そして
「やったー!嶺上開花!」
「何言うとるんじゃ」
「え?」
「ここで和了ったらうちの負けが確定しちゃうでしょ?」
「あ、そっか…」
そういうことね。咲は優しいね〜
「もう一個カン」
咲は今取った{六筒}をカン
「えっ!」
「なに!」
そりゃあ驚くわな。だってカンする意味がないし
「ロ、ロン!
風越が点数宣言する前に点棒用意してやがった。やっぱり狙ってやったか
『か、風越倍満!風越女子の池田!決勝戦初の和了りで絶体絶命の窮地を脱出!そしてそして、なんとも珍しい槍槓がこの決勝で出ました!』
おぉ〜衣姉さん驚いてる驚いてる
「うちが三位に…このままじゃ全国に行けないじょ…!東京のスパで私の水着が披露できなくなっちゃうじょ…」
「は?水着?」
「おっ!食いついたね!私の水着に食いついたね!毎日のどちゃんのおっぱい吸ってるから夏にはすごいことになってるじぇ!?」
「そんなことさせてません…」
「大体、お前の存在と水着というアイテムの接点がねぇよ。どこで繋がんだよ…?」
「なぬっ!私の夏のグラマラスボデイーを見てから言うんだな、小僧!」
「はいはい…」
二人の夫婦漫才久々に見た気がするな
「翔!お前はどうだ!?」
「は?オレ?」
「あぁ〜、翔は咲ちゃんとのどちゃんがいたか」
「はい!ちょっ!優希!」
「確かに咲も和も可愛いからどんな水着も似合うと思うが…お前はスク水以外着れんのか?」
「〜!!!!」
「お前も私をバカにするのか」
「ほらほら、その話は後にして咲の応援に集中しなさい。菊池くんも発言には気をつけて。あなたのさっきの言葉で和がこんなんになっちゃったじゃない…」
「へ?あ…」
そこには耳まで真っ赤になっている私がいらっしゃった
「あぁ、わりー。和」
「い、いえ…」
なんでそうなったかはわからないがなんとなく申し訳ない気持ちになったから謝っておいた
ー東三局ー
風越がなんとか0点からは脱したものの残りの局数はわずか。風越が全国をまだ狙うならあと一回の親で
「にゃーーーーー!!!!!!」
突然風越の人が雄叫びをあげた。というかうるさいし迷惑…
「誰か牌弄った?」
は?んなわけねぇだろ。それやったら反則だしそれに全自動卓だぞ。まぁさっきまでの地獄の時間とは感じが違うのだろう。
『突然大声をあげた風越の池田。どうしたのでしょういか…?スポーツでも大声を出すとアドレナリンが出るって言いますよね』
『カラオケ、行きたいな…』
麻雀関係ねぇな。衣姉さんはさっきから咲のこと見すぎじゃね?
十巡目
「リーチせずにはいられないな」
風越のリーチ。でかいな
「
『数え役満!』
「そろそろ混ぜろよ」
『風越が二連続和了りで一気に0点から復活!まだ戦いは終わらないか!?』
役満ツモられての親被り。まぁ今の咲なら心配ねぇだろ
ー東四局ー
「チー」
「チー!」
親の鶴賀による二副露
「ロン。11600」
鶴賀が衣姉さんから和了った。点は低いものの衣姉さんから直撃で取れるのはすげぇな。前半戦も咲が躱してなければ槍槓和了ってたかもしれないし、この人も只者じゃないな
ー東四局 一本場ー
「一本場」
今和了った鶴賀が宣言してサイコロを回す。咲はまだ本調子じゃないのか?すると…
「あの、脱いでもいいですか?」
「えっ!」
「靴」
「あ、あぁ…靴…?はぁ…」
咲が係りの人に尋ねたけどいきなり脱ぐと言われたらそりゃ戸惑うわ
『清澄高校宮永選手…いきなり靴を脱ぎ始めました』
『あぁ、これはわかる気がするな』
『はい?』
『新幹線のグリーン車なんかにフットレストがあるだろ?前の座席についてる足を置くあれな。出張のときは私も使うんだが、くつを脱いであそこに足を置くとなんとも楽すぎる。あれがあるとないのでは靴を脱いでいるかないかで快眠レベルで差が生じる。今の清澄はまさにそう!まさに快眠状態!』
寝てねぇし!何言ってんの!
『まぁフットレストあっても私は足曲げるから疲れますけどね…』
『えぇ!ちょっとそれ!私が足短いって意味!?』
何の話だよ!全くもってどうでもいい会話だ…でもオレも何で咲が靴を、ましてや靴下まで脱いだのかはわからねぇな…
ー東四局 一本場ー
「ツモ。500・800です」
やっす。でも点差に縛られてたら衣姉さんの支配から逃れられない。何か考えがあるんだな…?
ー南一局ー
これが風越にとって最後の親番。何が何でも連荘したいはずだ。だけど…
「カン」
咲による
「ツモ、嶺上開花。300・500です」
またもやゴミ手。普通の人達のは理解ができないだろうな
ー南二局ー
「カン」
またもや咲のカン
「もう一個カン!」
しかも今回は
「…切りました」
「あ、あぁ…」
鶴賀の人も咲が嶺上開花で和了ると思っていたのだろう。反応が少し遅れた
「リーチだし!」
しかも咲の連槓のおかげで風越の手牌がドラ1一向聴が断么九ドラ9に化けた
「早くツモれよ〜」
それを衣姉さんも感じ取ったのか表情が硬くなった
「ロン。110符1飜、3600です」
和了ったのは風越ではなく咲だった
「110符1飜とか珍しい点数じゃのぅ」
「
「特殊?ってどんなところが?」
「今回のルールはいろいろと変わってるんだ。赤ドラ四枚あるのにダブル役満はないときた。それに
「へぇ〜」
「貴様!それでも麻雀部員か!」
「ぐふっ!」
オレが丁寧に説明してやったのにそれを知らなかった京太郎に優希が鉄拳を食らわした
『勝負はもう南三局。あと二局を残すのみとなりました!』
咲は今まで三連続安手。だが衣姉さんの支配の中で三回も和了った。今までが肩慣らしだとしたら、そろそろかな…?
ー南三局ー
親は咲
{二索三索三索三索四索六筒六筒八筒三萬八萬中西北}
切ったのは{北}
二巡目、ツモったのは{八筒}。切ったのは{西}
三巡目、ツモったのは{三索}。切ったのは{中}
四巡目、ツモったのは{八筒}。切ったのは{八萬}。そして…
「ポン」
鶴賀の切った{六筒}を鳴いた。そして切ったのは{三萬}。聴牌に取らないことにみんな驚くかな
しかし風越の人も五巡目にして国士無双を聴牌した。あまり目立ってはないけどこの人の引きの良さもすごいものだな
『風越の池田!逆転に繋がる国士無双を聴牌!龍門淵の天江が降りたら{北}が出るかもしれませんね』
『それはどうかな。それよりも清澄の{六筒}ポン…あれがなければ天江が倍満をツモって和了っていた。この南三局は終わっていたはずなんだ』
さすがプロ、いいところに目をつけるじゃん。でもそれは別に衣姉さんに和了らせないためにでも風越に注意を逸らさせるための鳴きじゃない
「カン!」
「もう一個カン!」
『嶺上牌は二連続で{二索}!嶺上開花だ!』
ところがどっこい
「カン!」
『えっ!』
『嶺上開花見逃しの三連続カン』
やっとか。なかなか待たせてくれんじゃないの。なぁ?咲
「ツモ。嶺上開花、断么九、
『三連続カンからの嶺上開花!清澄高校宮永選手、なんと親の倍満!2000点の手が24000点に化けた!』
「咲!」
「咲ちゃんがやったじょ!」
「龍門淵との点差が45100点じゃ!」
「やっときたわね」
控え室のみんなは歓喜の声をあげる
衣姉さんは驚きのあまり立ち上がった。どうだい?衣姉さん。咲はすげぇだろ。その子は姉さんが手の届かないところで花を咲かすぞ
そして南三局の一本場が始まるというところで、なんとテレビの画面が消え電気も消えた
「きゃっ!」
「停電ってちょっとワクワクするわよね」
「ほうか?」
染谷先輩が携帯を開く。オレはというと右腕を和にガッチリホールドされていた。いや、暗いのが怖いのはいいんだよ…?でもな、和ってなかなか、というより結構発達してる部分があるわけよ?それにオレの腕が飲み込まれてるわけで…はっきり言うとオレの理性がヤバい!!!!
「の、和…大丈夫だから…離してくれないか?」
「ご、ごめんなさい…わ、私…暗いのとかダメで…」
なんとも今にも泣きそうな声で、しかも体は震えている。こんな状態の子を無理矢理引き剥がすわけにもいかないので空いてる片っぽの手で和の頭を撫でてやった
そして三分もしないうちに明かりがついた
「のどちゃん、明かりついたじょ?」
「ほら、和」
「…はっ!すみません!」
和が目を開て上を向くとそこにはオレの顔があって驚いたのか顔を真っ赤にして離れた
『停電!館内が停電していましたが、今復旧しました。試合再開です』
ー南三局 一本場ー
『勝負は南三局の一本場。この点数状況、現在最下位の風越は絶望的。トップの龍門淵から二連続で役満を和了っても優勝することはできません!』
対局室にはこの実況は聞こえない。しかしそんな実況をされているにも関わらず風越の人は笑顔を見せていた
十二巡目
衣姉さん以外はここにきてまた手が進まなくなっているようだった
「ポン」
衣姉さんが鳴いてこれで海底コース。
「ツモ!」
『と、四度目の海底撈月!龍門淵高校天江 衣、連荘で追いかけ始めた清澄の親を一蹴!』
オーラスか
『圧倒的な点差でオーラスを迎えた前年度覇者、龍門淵。二位清澄との点差は63500点。役満直撃以外では逆転不可能。ある意味三位の鶴賀の方が親で連荘し続けれことでの逆転の可能性はあると言えるかもしれません』
「言いたい放題言われてるわね」
「まぁそうとしか言えんじゃろ」
「のどちゃんはどう思う?」
「確かに、ここからの逆転するなんて非現実的かもしれません…でも、宮永さんは戦う気持ちを失っていません!」
「そうね」
咲…衣姉さんは強いだろ。今お前は自分が望んでる人の一人と戦ってるんだぞ?だから、勝ってこい!
ー南四局ー
{一筒二筒二筒二筒三筒四筒一萬四萬三索八索南發中}
咲の手牌はこうなっている
そして八巡目、風越が
『か、風越池田!役満ツモを拒否!』
『当然だ』
そして次の衣姉さんの番。姉さんは山から牌を掴むとそれを手牌に入れるときに一度躊躇した。自分が狙った牌じゃなかったらしいな
咲の手牌はというと
{一筒一筒一筒二筒二筒二筒二筒三筒三筒三筒三筒四筒四筒}
とすごいことになっていた
「咲ちゃん、手牌がすごすぎるじょ…」
「そんな…」
優希と和も驚いた声を出している
そしてここまで迷いのない打牌を見せてきた衣姉さんの手がここで
「麻雀って楽しいよね」
衣姉さんが迷っている中咲が突然離し出す
「今日もいろんな人と打って本当に楽しいよ。私は前は麻雀が楽しくないって思ってたけど、ある人が麻雀は楽しいって思い出させてくれた。だから今は麻雀を打つのが楽しいよ」
なんだか咲が姉さんにでなくカメラに向かって言っているように感じるのはオレだけかな…?
「楽しい…?ころもと麻雀を打って、楽しい…?」
「うん!一緒に楽しもうよ!」
衣姉さん。いただろ?オレ以外にも姉さんを楽しませられる、姉さんを負かす人はいるって
そして意を決したのか、衣姉さんが{一筒}を切った
「和了るか…?」
「ううん、それでロンしたら私の負け。でも…」
咲はそう言って手牌にある三枚の{一筒}を倒す
「カン」
{一筒}を大明槓。責任払いか
『大明槓からの責任払いって珍しいルールですよね?』
『知人が所属するプロの団体では採用していたが私は苦手だな…』
「もう一個カン!」
「バカな!」
連槓。それだけで珍しいものなのに咲は前々局でもそれをしている。対局室でもありえないと思われていることだろう
「もう一個カン!」
ははっ!咲、楽しそうだな
「ツモ…
『か、数え役満!!清一色、対々子、三暗刻、三槓子、赤1嶺上開花!32000点の責任払いで清澄高校の逆転優勝!!!』
『三連続カンからの嶺上開花。責任払いによって逆転か…ただの連槓からでは四暗刻聴牌止まり。天江 衣の{一筒}を大明槓してこその数え役満。ふっ、久しぶりに見た。あれだけ牌に愛された人間を』
『清澄高校、団体戦優勝!全国大会決定です!』
控え室では部長と染谷先輩がハイタッチをし、優希が和に抱きつき、京太郎はガッツポースをしている
「さて、お迎えに参りますか」
「あ、私も行きます!」
オレと和は走って対局室に向かった
「宮永さん!」
「あ!原村さん!」
二人は抱きしめ合って喜びを分かち合っている
「よっ、姉さん」
「しょーか…」
「どうだった?」
「うむ、しょーの言う通りだった」
「だろ?」
オレは膝をついて衣姉さんの頭に手を乗せる
「麻雀、楽しかったか?」
「うん!」
「そいつはよかった」
そして一撫ですると姉さんは廊下を走って言ってしまった。この対局は咲にとっても衣姉さんにとってもとても価値のある試合になっただろう
「翔くん」
「美穂子さん」
「優勝、おめでとう」
「あぁ、ありがとう」
風越の大将さんを迎えに来ていた美穂子さんに最後にそう言われた。美穂子さんはそれを言っただけで戻って行った
そして後から来た部長達と一緒に記念撮影をしてから既に暗くなった道を帰った
こうして県予選女子団体戦は清澄高校の優勝&全国行きで幕を閉じた。次はオレの番だな!
「ふふふ、翔くん…勝ったのになんで違う子の方に行ったのかな…?今度詳しく聞かないと…」
「翔さん…優勝を決めたのに…どうして何も言ってくれないんですか…」
「翔くん…龍門淵の人達との関係、詳しく話してもらうからね…」
「翔くんはおバカさんっす…今度会ったときは覚悟しておいてくださいっす…」
「翔…衣の頭を撫でてなんで僕にはしてくれないのさ…そういう贔屓は、ダメだよね…」
はっ!!な、なんか悪寒が…
女子団体戦が終わりました!次は団体戦男女の個人戦なのでようやく主人公も対戦できます!!!