ヤン、似合わない物(?)に乗ってます。
そして、誰かさんに巨大なキャラ崩壊が……とりあえず、新オリキャラ、登場です♪
チェック、ワンツー。
うん。やはり”霧島”のようにはいかないな。
ああっ、ガネっ娘戦艦娘じゃなくて悪い。
ヤン・ウェンリーだ。自由惑星同盟軍で、何の因果か少佐に昇進してしまったしがない軍大学生ってとこかな?
今は土曜の午後。私はハイネセンの都市郊外にある湖畔エリア、リゾート地としてそこそこ名の知られた高原へと来ていた。
ここに来るのに、地上車が必要だったけど……
『車? いいよ。しばらく使ってないのがあるから、それをあげよう。私にはデザインが若くなりすぎた気がしてね』
セバスティアン・ミューゼル氏(アンネとラインハルトのお父君ね)からポンと渡されたキーは、ネオ・クラシック・デザインの高強度/高輝度クローム処理されたフロントグリルが輝く派手な2ドア・4シーターのコンバーチブル……その起動キーだった。
モチーフになっているのは、おそらくVW傘下になってから3代目にあたる時代の”ベントレー・コンチネンタルGTコンバーチブル”あたり。たしか、”ベントレー100周年記念モデル”の一つだったかな?
色は夏の夕陽を思わせる明るいメタリック・オレンジで、たしか”オレンジ・フレイム”って色だったと思う。
オリジナルは、イギリスとドイツの
とりあえず、オリジナルと同じくまがうことなき高級車であることはたしか。
というか4シリンダー×3列、正面から見るとW型に配列された計12本のツイン・プラズマ・アクセラレータ/サーマル・コンバータ付きシリンダー・ジェネレータは、明らかに
シャーシダイナモ計測で680馬力なんて、公道の一体どこで使えと?
いや、速度制限なし時代の古式ゆかしいアウトバーンのようなスーパーハイウェイがどの惑星にも最低1か所はあるから、全くの無意味ってわけではないけど……だが、ハイネセンの道交法ならその半分もあれば十分だろう。
(そんな物をポンとくれるなんて……セバスティアンさんは、一体いくら儲けてるんだか)
少なくても、一介の少佐風情には想像もつかない天文学的な数字に違いない。
ライフスタイル的にも収入的にも、正直、私には見合わないし似合わない気がする。
というか乗り手の私が格負けしてて、『車に乗られてる』感が半端じゃない。
(第一、私はどう考えても”ベントレー・ボーイズ”ってガラじゃないよなぁ)
そりゃあ、確かに色もデザイン若い(個人的には、デザインはともかくもっとシックな色が好み。ブリティッシュ・レーシング・グリーンとか良くないかい?)とは思うけど……一応、私だって最初は遠慮したんだよ?
だけど、
『結納品の一つと思って受け取ってくれればいいよ』
とガシッと肩をつかまれ笑顔で圧をかけられれば、断れるわけないじゃないか。
表情は微笑みだけど、目が笑ってなかったし。
☆☆☆
とりあえず、メモに記された住所には瀟洒な別荘。車から降りて門の表札を確認すると、確かに”Lobos”と刻まれた大理石のプレート……
(さてさて、鬼が出るか蛇が出るか……)
片手にはお気に入りブランデー銘柄の一つ、化粧箱に入ったヘネシーのXOボトル(700ml)。
週に一度の贅沢のつもりで飲んでるヘネシーのVSOP(普段飲みのカミュは同じVSOPグレードで半額くらいだよ?)の一つ上のグレードで、バーゲンでも約2倍くらいのお値段也と。
これでも奮発したつもりだよ? だって庶民だし。
ヘネシーXOは甘みが強くて、ブランデーを飲みなれてない人間にも飲みやすい味付けで、ある意味”王道のブランデー”だ。
余談ながら、オリジナルのヘネシー社を創業したリチャード・ヘネシーは軍人だったらしい。
そういう意味でも、軍人に持参する酒としては、そう外してないのかもしれない。
無論、今あるヘネシー・ブランドはオリジナルと血縁的にも直接的にもつながりはない。
13日戦争~90年戦争という人類屈指の愚行のせいで、他の偉大な文化共々断絶してしまったからだ。
だが、アレイスター・ハイネセンとその一党が隠し持っていた膨大なデータアーカイブに、当時の酒造りの手法やブドウの遺伝子配列データまで記録されていたいたらしく、他の銘酒や名酒同様に同盟設立と同時に次々と復活したんだ。
酒造りの技法や秘伝と共に、
私がアレイスター・ハイネセンを尊敬する理由の一つが、『文化の価値を知り時代の荒波を超えて守り抜き、それを継承し花開かせた』ことだ。
ブランデーと紅茶は、私的にはその代表格だと考えている。
(まあ、今はそれはいい)
とりあえず、要件を先に済ませてしまおう。
”キンコーン”
とチャイムを鳴らして待つこと30秒、
「はぁーい」
ドアが開かれ出てきたのは、鬼でも蛇でもなくて……
「あっ、ヤン・ウェンリー少佐ですね?」
ショートボブの黒髪が印象的で、女子校の制服らしき服とエプロンの重ね着の下からも激しく自己主張する、アンネに劣らない双丘がトレードマークの……
「ようこそわが家へ。夫が待っておりますよ♪」
にこやかに微笑む明らかに年下……おそらく十代半ばのその少女の左手薬指には、プラチナ製の”
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「先ずは、お納めください」
えっと、奥方? 細君? 若奥様? 奥様は女子校生?にとりあえず、化粧箱を紙袋から取り出して手渡した。
「ご丁寧にありがとうございます。あら? まあ、夫の好きなお酒じゃないですか♪ 結構な物を」
さすが将官、高給取り。私にとっての贅沢品が、普段飲みの酒ですかいと。ニュアンス的にきっとそうだ。
「あっ、自己紹介が遅れました。わたし、ラザール・ロボスの妻で”アサーミャ・ロボス”と申します。以後、お見知りおきくださいませ♪」
「アッ、ハイ。では、改めまして。自由惑星同盟軍少佐、ヤン・ウェンリーです。ロボス閣下にはいつもお世話になっております」
(嘘だけど)
顔を合わせたのは、この間の査問会議が初めてだ。
そして、会釈しながら思った。
きっと「彼女の年齢×3<ロボス中将の年齢」に違いないと……
「こちらですよ」
書斎らしき部屋の扉の前に着くと、奥方様……アサーミャさんはノックして、
「ダーリン♪ ヤン少佐を連れてきたわよ」
すると部屋の中から重々しい声で、
『入ってもらってくれ。ハニー』
”ぶほっ!”
思わず吹いた私は悪くない。絶対にだ。
☆☆☆
「本日は、お誘いありがとうございます」
「うむ……」
備え付けの応接セットで向き合う私とロボス中将……
「………」
「………」
(く、空気が……)
重いというより、互いにどう切り出そうかと迷いがある。
(と、とにかく話題を……)
「ず、随分と若い奥様ですね……?」
「う、うむ。こういう時は、こう言うのだったな?」
すると中将閣下はコホンと咳払いしてからキメ顔を作り、
「じょ、女子校生とか好きだから!」
「……」
「……」
照れるぐらいなら最初からやるなよ。
(……”空耳ケーキ”、耳元で歌ってやろうか?)
やめた。それはそれで地獄絵図だ。
「アンタはどこぞの高校教師か」
この瞬間、敬語が頭からすっ飛んでいた。
私ことヤン・ウェンリーは相手が上官であることも忘れ、素と真顔でツッコんでいたのだった。
読んでいただきありがとうございました。
キャラ崩壊はロボス中将でした~(ヤンも大概な気がするけど……)
なんだか、愉快なオッサンにw
若い嫁さん娶ったんだから仕方ない?
一応、新キャラのプロフィールを……
名前:アサーミャ・ロボス
年齢:多分、15~16歳(21世紀の日本なら案件かも)
身長:159cm B95W61H90(かなりグラマー。Hカップ?)
備考&元ネタ:巨乳とショートボブの黒髪がチャームポイントの少女。”おくさまは女子高生”のメインヒロイン「小野原 麻美」ちゃんです。
とりあえず、彼女の生い立ちなんかは次回に出てくる予定ですw
追伸:よみちよ&さかちよコンビが見てて和みます(^^
ただし、一番のお気に入りは「大阪」だったり。あと、ちよちゃんパパとかw
やまぴかりゃー♪