ハイスクールD×D 愛狂いの転生者   作:T.W.L

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作「UA一万突破!の第七話!」

拓海「筋トレ後の話だな。あんなのが出てくるなんて思ってなかったぜ…ダイジェストだがな!」

ソロマ「ハイハイ、とりあえず落ち着いて。それでは第七話、どうぞ」


また禍野に行きました。(初めての禍野は3歳だァーッ!!)

拓海side in

 

 

──あの宣言をされてからもう4ヶ月。

なんとかあのメニューを五回ほど苦もなく出来るようになった後、とある山に連れて行かれた。

「とりあえず死ぬ寸前になったら止める」と言われ、山の中に入れられた。……先に結論から言うと──

 

ここは山ではなく、YAMAだったのだ。

 

そう。YAMAである。型月(TYPE MOON)では強者をポンポン生み出しているあのYAMAである。あの小次郎擬きのNOUMINが『秘剣 燕返し』を修得した、あのYAMAである。一応、死にかけた時は父さんが助けてくれたが、助けてくれなければ軽く30回以上は死んでいたと思う。

 

疾すぎて全く見えない何か(後で(TUBAME)だと教えられた)、

辛うじて見えたが、次の瞬間には吹っ飛ばされて殺されかけた(INOSHISHI)

更には打撃も煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)も効かず、5mの巨体でありながら(INOSHISHI)に匹敵する速さを持ち、爪の斬撃を飛ばすヒグマ(HIGUMA)等々………

──ちなみに、夏と冬の2回YAMAに行くらしい。

…あのメニュー、冬までに二桁まで出来るようにしよう。さもないと死ぬ。

ってか父さんYAMA育ちだったのね。半信半疑だったけどヒグマ(HIGUMA)のパンチを片手で止めたのを見て確信したわ。

 

──父さんと言えば、6月のあの騒動(姫島家のいざこざ)の後始末のときに判明した衝撃の真実があった。姫島本家に行く際にとある神社に連れてかれたのだが、その神社は()()()()で、父さんが顔パスで神宮の中へと進むと一人の美女が居たのだが…

 

その人、いや神は天照大神(あまてらすおおかみ)だったのである。

──天照様は俺を持ち上げると抱き締めたり、頬擦りしたり、密着したままで頭を撫でたりとやりたい放題してくれたのである。

───正直なところ、天照様よりは朱乃姉にやってもらいたかった。

 

で、一番驚いたのは、俺を抱いたまま父さんと一緒に姫島本家に来た事である。

日本神話の主神が自分の父親と一緒にカチコミとか意味が分からない。当然、姫島本家は大慌て。

朱璃さんや朱乃姉達に追手を出した連中を破門するわ、目の前で当主が変わるわ、挙句の果てには天照様が直々に脅しにかかるわ、と本当に何をしたらこんな光景が観られるんだとパニックになった。

 

後で「どうして天照様と知り合ったの?」と聞いたら、

 

「外国から天照様に掛けられた呪いをたまたま解呪したら三度だけ自分とその家族に力を貸す、と約束を貰った」と言った。

──ちなみに、それを聞いた後の記憶が帰るまで無かったのは仕方ないと思う。

 

 

 

 

「────とまあ、こういう配置で呪符を張れば良いわけだ。分かったか?」

 

「あ、うん分かった」

 

 

──そして今、父さんに陰陽師の知識を教えてもらっているのだ。経験談も話してくれるから、かなり分かりやすい。分かりやすいんだけど……

 

 

「あ、そうだ拓海。明日ちょっと禍野に行くぞ」

 

「──え?」

 

 

──こういう風に重要な事をさらっと言わないでほしい。

 

 

 

<翌日>

 

 

 

自分にしてみれば二回目の禍野。

今回は、父さんのお下がりの戦闘服を着ることになったのだが───

 

 

「……袖がブカブカなんだけど…」

 

「ん?そうなのか?」

 

「父さん子供の頃どんだけデカかったのさ…」

 

「背の順で並んだ時はいつも後ろだったな」

 

「子供の頃からデカかったのか…で、今何センチ?」

 

「うーむ…190ちょっとじゃないか?」

 

「父さん本当に日本人?」

 

 

やはりYAMA育ちは違ったようだ。まあHIGUMAと張り合う力があるから妥当といえば妥当だろう。

 

「──じゃあ行くぞ。禍野門(まがのと) 開錠(かいじょう) 急急如律令!!

 

「──ッ!!」

 

 

その呪文を父さんが唱えた直後、自分の目の前に(あな)が現れて、そこに父さんが飛び込んだ。

 

 

「拓海、先に行くぞ」

 

「ちょっ、父さん待って!?」

 

 

そして自分もその孔に飛び込んだ。

 

 

<禍野>

 

 

(───二回目、だな…)

 

 

自分から来るのは初めてだが、『禍野に来る』という事自体は二回目だ。奇妙な色の空、瓦礫だらけの地面、倒壊している建築物──やはり禍野(ここ)はイヤな空間だ。

 

 

「───来たぞ、拓海。あの『両腕』でも纏っておけよ?」

 

「嘘ッ、こんなに早く来るの!?──シルバー!ファヴニール!」

 

『出番だな!』

『任せておけ』

 

 

二人の名を呼んで『銀竜の右腕(ライト・シルバー)』『漆黒竜の左腕(レフト・ファヴニール)』を展開した直後、二体のケガレが現れた──!

 

 

「ググググ………!」

 

「ヒャヒャヒャヒャ!!」

 

「……C級とD級か…拓海!C級──デカイ方は俺がやる!D級──そんなにデカくない方はお前が倒せ!」

 

「───ハイ?」

 

 

デカくない方……ヒャヒャヒャって笑ってる(?)ヤツか?いや無理でしょ。隣に比べたら小さいだけで十分大きいからね?俺だけじゃ無理だよコレ!?

 

 

「とりあえずこっちが終わるまで生きてろよ!」

 

 

父さんがそう告げた直後、あまりデカくない方のケガレが攻撃を仕掛けてきた。

 

「え?ちょっ、父さん!?父さぁぁん!!?」

 

「ヒャヒャヒャア!!」

 

「ゥオオオオ!!?…って、あれ?」

 

 

デカくない方の攻撃を大袈裟に避けたのだが、思ったよりも遅く、デカくない方は俺を見失っているようだ。

 

 

「ヒャヒャヒャ…ヒャア?」

 

「(うーん、何て言うか遅いな。TUBAMEはまだしもINOSHISHIより遅いとは思ってもいなかった)」

 

 

とりあえずアイツが()()()()()()()()()という知恵をつけて無ければ、攻撃は油断しない限り当たらないだろう。だが問題は───

 

 

『どうやってダメージを与えるかだよなぁ…まだ俺結界術しか習ってないし……』

 

『そういえば、普通の攻撃手段ではダメージを与えられないんだったか?』

 

『面倒なヤツだ…山の翁(キングハサン)を呼んで()()()()()()良いだろう?』

 

『それじゃあダメだ。ここで少しでもダメージを与えないと陰陽師の修行をさせて貰えないかもしれない…やるしかない!』

 

 

──といったものの、どうダメージを与える?今、俺が持ってるのは『銀竜の右腕』と『漆黒竜の左腕』、山の翁(じいじ)のセイントグラフカード、『煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)』、そして多大な呪力……呪力?

 

 

『………!』

 

『ん?どうした拓海、何か思い付いたのか?』

 

 

そうだ。殆どの陰陽師は呪力を呪装にして戦っている……それなら!

 

 

『呪力を両腕に纏わせて殴ればいい!』

 

『───どうした?朱乃姉朱乃姉と慕いすぎてついに頭のネジがトんだのか?』

 

『酷でぇな、ファヴニール!?とりあえずやってみなければ分かんないし、それに朱乃姉は関係ないだろ!?』

 

『………拓海、一度精神科に行ってはどうかと私は思うのだが…』

 

『シルバーまで!?もういい!俺はやるぞ‼』

 

『『えー?本当にでござるかぁ?』』

 

 

ボケに走っとる場合か!と、念話を打ち切った後に俺は両腕から呪力を漏らす。そして腕全体に纏わせ始める!イメージは腕に泥を塗りたくって固めるイメージ。満遍なく、そして強固に‼塗り固める!!!

 

 

「ヒャ!?ヒャヒャヒャヒャアッ!!!」

 

 

──気づいたか。でもなんとか工程は終えた!後は殴るだけ!『脳筋じゃないか』と言われているような気がするが、今はどうでもよし!右腕(シルバー)のブーストで勢いをつけて──

 

 

「───ッラァァァア"ア"ア"ッ!!!!」

 

 

──ぶん殴る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴリュゥッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒャ?ヒャヒヒャア"ア"ア"ア"ッ!!?」

 

 

 

────陶器に(ひび)が入るような音、風船が割れるような音と同時に、ケガレは吹っ飛ばされていった……吹っ飛ばされたケガレを見ると、顔に罅が入り、衝撃で痙攣していた。……そして、俺は確信した。

 

────コレでいける!と……

 

 

『なん……だと……!?』

 

『ウソダドンドコドーン‼』

 

『シルバー!ケガレが怯んでいる内にEX技を打ち込むぞ!!勿論呪力を混ぜてな!』

 

『くっ、出来たものは仕方ない…往くぞ!!』

 

 

───EX技。オレカモンスターの必殺技で、タイミングによっては逆転を狙える場合もある。

 

 

「『──セーフティ解除。電力集中!』」

 

 

『銀竜の右腕』を纏った俺の手の平の水晶体を、ケガレに向ける。ズレが無いように右腕を左手で固定。『右腕』の後部から風を出して反動を最低限にする。

 

 

「『此れは我が雷霆(らいてい)、我が力。天の雷を喰らうがいい!』」

 

「ヒャ、ヒヒャア!!」

 

 

ケガレが逃れようと移動し始めるが、移動した所で関係ない。右手を向けた射線上を全て()き尽くす、それがシルバーのEX技───

 

 

 

 

「『天ノ神鳴リ(アメノカンナリ)』イイイイッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

───刹那、周囲が光に包まれ、すざまじい熱量と爆音が鳴り響いた。

 

数十秒もの間それは続き、終わった時には───

 

ケガレ、廃墟、地面…全てが灼けていた。

 

拓海の正面の視界は拓けて、在るのは瀕死のケガレのみ。

そのケガレも腕を伸ばして足掻こうとするが───

 

 

「ヒャ…ヒャ、ヒャ……」

 

 

──────その前に力尽き、完全に祓われた。

 

 

 

 

「………あー、やり過ぎた?」

 

『間違いなくオーバーキルだろうよ。主に周囲がな』

 

「───全体攻撃EX技は伊達じゃない、ってことだな……」

 

『………すまん、コレではもし共闘する時には撃てんだろうな』

 

 

「……はぁ…改良するか…」

 

 

 

 

───この技を見た時の父さんの顔は、信じられないような顔をしていた。ゴメンね?




父さん「ウチの長男の出した技が想像以上にヤバかった件について」

拓海にとってのイレギュラーその9、
『父親経由で天照大神と繋がりがあった』…日本神話との繋がりができたよ。やったね拓海!
(畏れ多すぎるんだが!? by拓海)

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