ハイスクール・フリート ~Sky of liberty~ 作:鮭愊毘
BFAとの演習が後三週間に迫った日。第01飛行隊の面々が訓練後に政宗に呼び出されていた。
「おい見ろこれ。『メビウス隊』だとよ」
「ん?」
「三週間後に俺たちが戦う相手だ。一番機の尾翼にあるリボンのマークはこの部隊の隊長さんの息子が戦闘機に描いた、いたずら書きがモチーフらしい」
「F-22が5機、15と18が三機ずつの計11機……」
「安心しろ。演習の時は俺たちと数をそろえるから」
「そうか……。さっすがアメリカ……パイロットも機体も揃えるの早いぜ」
「ロシアも同じぐらいだぞ。次にドイツ。……俺たちだな。パイロットや機体が一番少ないのは」
政宗がため息をつく中、翔が口を開く。
「確かに、うちは空母の乗員とその志願が増えていますが、パイロットと機体の整備士が……」
「悩んでたって仕方ないぞ翔」
「あ、司令、一つ気になることが」
「ん?どうしたオメガ」
「あんた、なんであの艦長をかばうんだ?いや、俺だってあいつは悪くないって信じてる。でもあんたの庇い方はまるで親……」
「なぁに、俺はただのファンなだけさ」
この時の政宗はニヤリと笑っていた。
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「今日も頼む」
「了解しました!大統りょ……トーマス大尉!」
ここはBFAの基地。ここで練習機として改造された二人乗りのFA-18の後部席に乗り込む男がいた。彼の名は"トーマス・スティーブン"。アメリカの大統領である。
「しかし大尉、どうしてこんなことを?」
トーマスの搭乗したFA-18の前の席のパイロットが彼に質問をぶつける。
「BFAのパイロットは日々増えている。だが、市民の中には飛行機に恐怖を覚えている人もいるだろう。そんな彼らのために私自身がパイロットになって安全性を見せつけようとな」
「確かにそうかもしれませんが……」
「これは私が決めたことだ。もし私のせいでBFAの評価が下がったのなら、悪いのは私だけ。私だけを怨めばいい」
「……」
「そうならないようにするさ。それよりも、訓練を続けてくれ」
「了解!」
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「……そうか。わかった」
ここはホワイトハウスの一室。副大統領のベルツが頭を悩ませていた。今日一度も大統領の姿を見ていないからだ。
「君、トーマス大統領を見たか?」
ベルツは自分の横を通り過ぎようとする職員を呼び止め、情報を集めようとする。
「いいえ、見ていません」
「そうか。ありがとう。
……まったく……いったいどこに……」
すると、目の前に大統領が現れる。すぐに距離を詰め問いただそうとするベルツ。
「大統領!一体どこへ……!」
「すまん。ジョギングをしていた」
「はぁ……」
ここで需要あるかわかりませんがキャラの元ネタを書きます。
鶴野政宗→海軍航空技術廠飛行機部 鶴野正敬
坂井翔→日本海軍のエースパイロット 坂井三郎
トーマス・スティーブン→映画『インデペンデンスデイ』のトーマス・J・ホイットモアとスティーブン・ヒラー
ベルツ→AC04のレオナード・ベルツ