世界を忌み嫌う武器商人と過去を捨てた兵士   作:のんびり日和

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29話

夏休みが終わりへと近づき、真耶は博士にお願いして持って来て貰っていた服等をカバンに詰めていると、扉をノックする音が鳴り響いた。

 

『おぉ~い、真耶。ちょっといいか?』

 

そう呼ばれ真耶は扉を開けると、扉の前にはオータムが立っていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「ちょっとお前さんに渡したいものが有ってな。付いて来てくれ」

 

そう言われオータムと共に真耶は部屋を出て長い廊下を歩き、ある部屋へと到着した。

 

「おぉ~い、博士! 連れて来たぞぉ!」

 

そう言うと部屋の奥で空間ディスプレイで何かをしていた束は作業を止め、振り向く。

 

「お! ナイスタイミングだよ、オーちゃん‼」

 

そう言いちょいちょいと手招きして真耶を呼ぶ。

 

「さて、この度真耶やんの傭兵化プロジェクトは無事終了したので束さんとオーちゃんから修了祝いという事でプレゼントがあります!」

 

「ぷ、プレゼントですか?」

 

真耶は束から突然のプレゼントと言う言葉に驚きながら聞き返した。

 

「そうだよ。さて先にオーちゃん、プレゼントの発表を‼」

 

そう言うとオータムは長めのアタッシュケースを突然手元から現し真耶に手渡す。

 

「俺からはそいつだ。開けてみろ」

 

そう言われ真耶は傍にあった机の上にアタッシュケースを置き中身を確認すると、中にはココ達が新しく装備したマグプルマサダが入っていた。

 

「あいつ等と同じ装備にしておこうと思って用意した。それとハンドガンはこれだ」

 

そう言い拡張領域に入れていたのか、突然何も握っていない手からハンドガンが現れ真耶に手渡された。手渡されたのは9㎜口径のベレッタM9A1だった。

 

「信頼性と扱い易さNo.1のM9だ。お前さんにはこれが一番だと思って用意しておいた」

 

そう言われ真耶はありがとうございます!と大声でお礼を述べ頭を下げた。

 

「さて、次はこの束さんのプレゼントだぜ! 此方をご覧あれ!」

 

そう叫び、手を後ろへと指す。すると暗くて奥まで見えなかった箇所が、ライトで照らされ、見えなかった奥に鎮座する一機のISがライトアップされた。

 

「これが束さんのプレゼント。ネイ君と同じA-10thunderboltⅡ! 武装やら何やらほぼネイ君と同じ! いや~、これが並んで立ったらもはやペアルックだね!」

 

「ぺ、ペアルックですか!?」

 

束のペアルックと言う発言に真耶は顔を真っ赤にさせながらISを眺める。

 

「ほら、フィッティングするから乗った乗った!」

 

そう言い束は笑顔で真耶をISに乗せ、ササっとフィッティングを行う。するとエプロンを身に付けたクロエがやって来た。

 

「皆様、お食事のご用意が出来ました」

 

「お! それじゃあちゃちゃっとやらないと! ……はい終了!」

 

「相変わらず早すぎるだろ……」

 

オータムは束の入力などの速さに呆れながら部屋から出て行き、真耶も束たちの後に続き部屋から出て行った。

 

昼ご飯を取り終え、束達は真耶を見送るべく束の隠れ家出入口へと来ていた。

 

「それでは篠ノ之博士、オータムさん、クロエちゃん、お世話になりました!」

 

「此処で学んだこと、ちゃんとネイ君の為に活かしてよ?」

 

「達者でな」

 

「お体にお気を付けてください」

 

そう言われ真耶は再度、お礼の言葉を送っていると

 

「あら、丁度いいタイミングだったようね」

 

そう声が聞こえ、真耶は後ろを振り向くと其処にはスーツ姿のスコールが居た。

 

「ス、スコール先生!? どうして此処に居るんですか?」

 

「ん? そりゃあ私は博士とは臨海学校以前からの知り合いよ」

 

そう言われ真耶はえぇ~~~!?と大声をあげ、口をアングリと開きっぱなしとなった。

 

「さて、真耶。驚いているところ悪いけど、これから学園に帰るわよ」

 

そう言い真耶の荷物を持ち上げるスコール。

 

「えっと、帰ると言ってもどうやってですか?」

 

「外にロケットがあるからそれによ」

 

そう言いスコールは外へと向かう。真耶は再度束達にお礼を言いスコールが出て行った扉へと向かい、スコールが言っていたロケットに乗り込んだ。

 

『それじゃあ行くわよ』

 

そう言いスコールは発射スイッチを押し、2人を乗せた人参型ロケットは学園へと向け、飛んで行った。




次回予告
学園へと帰って来たネイサン達。何時も通り訓練をしていると、真耶がやって来て一緒に訓練をする事となった。そして部屋へと戻ると何者かが侵入した痕跡を見つけた。

次回
2学期の始まり

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