女性恐怖症の社畜が(精神的に)逝くストパン   作:KEY(ドS)

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仕事終わった後に行く、ジムでの筋トレがたまらないので
初投稿です。


もっさんは一番乙女(名推理)

白米が食べたい。

 

前世の日本食が無性に恋しくなった。

 

基地で働いていれば、食べるのに困らないが、

かといっていつも満足できているわけでもない。

 

 

つまるところ、故郷(前世)の味に飢えていた。

 

 

味噌、醤油・・・

 

いずれもこの世界ではあまりお目に掛かれない代物ばかりだ。

 

芳佳に頼めば作ってくれるだろうが、

先ほど、逆レイ〇されそうになり、逃げ出してきたばかりなので

その選択肢はなくなった。

 

 

基地内での仕事が終わり、外を散歩する。

 

夕飯は食べてが、洋食だったので満たされない。

 

腹は膨れても舌は満足していない。

 

 

共同部屋のベッドで、同期の仲間と一緒に寝ていたが、

寝付けずにベッドを抜け出す。

 

廊下を音を立てないように忍び足で歩き、食堂まで向かう。

 

明らかな軍規違反。

ばれたらどうなることやら。

 

だが、それでも止められない。

 

 

目的の場所までやってきて、こっそりと昼間に開けておいた

窓から侵入し、中に入る。

 

 

何か、日本食のようなものはないか。

 

もっさんか、芳佳あたりがもちこんでいるのではないか。

 

そう考え、厨房をあさるも見つからず、がさごそと手当たり次第に

捜し続けていると

 

 

 

後から首元に日本刀を当てられる。

 

 

「動くな」

 

 

 

ぴっ、と日本刀の切っ先で首が薄く切れ、

血が少し出る。

 

 

殺気を背中で感じながら両手をあげて降参する。

 

 

あ、やばいやばいやばい。

 

 

この声は・・・・。

 

 

 

 

「・・・・・ほう。」

 

 

後からぴっとりと体をくっつけてくる人物。

 

 

この基地で日本刀を持っている人物など、

私の知る限り一人しか知らない。

 

 

「・・・ふ、ふふふ・・・・。」

 

 

真っ暗闇の中、耳元で、もっさんという愛称で親しまれている、

坂本美緒の嬉しそうな声が聞こえた。

 

 

 

「で、またここに来たのか?」

 

背中から胸を押し付けられて、「あててんのよ」

をされるのは普通の男性なら嬉しいだろう。

 

 

だが、私は女性恐怖症の異常な男だ。

 

そんなことされたって、泡を吹いて倒れることしかできない。

 

 

「あの眼帯の女、すっげーにやつきながら気絶したお前を抱きかかえて

体を擦り付けてるけど。」

 

 

あー、あー、きこえなーい。

 

 

若干のデジャヴを感じながらも、

耳を両手でふさぎ、目をぎゅっとつむって

何もわからないふりをする。

 

 

「まあ、お前がそれでいいならいいけどよ。」

 

つまらなそうにそういう神様。

 

 

とはいえ、向こうでも同じく時間が経つので

早く戻らないともっさんに何をされるかわからない。

 

 

床に四つん這いになって膝だちし、

頭を大きく振りかぶって床にヘドバンする。

 

 

「いつ見ても受けるわ。」

 

 

げらげらと私が頭を床に自分からぶつけるところを

見て、笑う彼。

 

 

ぜったいころす。

 

通算、4932回目の殺意を抱きつつ、

痛みと共に現世に戻った。

 

 

「ふへぇ・・・。へへへへへへ・・・。」

 

 

目を開けたらそこは地獄だった。

 

こっち側に帰ってきたと思ったら、ハイライトが消えた

目で、私をぎゅっと抱きしめるもっさんの姿が見えた。

 

 

出会ったときはクール系のキャリアウーマンだったのに、

一体どうしてこうなったのか。

 

 

げせぬ。

 

 

美緒みたいな美人に抱きしめられて、普通の男だったら喜ぶだろう。

しかし、私の場合は鳥肌を立てながら吐き気を催して、今にも倒れそうになるだけだった。

 

 

いつもは眼帯をして抑えている片目を、そっと眼帯を外して、

私に見せてくる美緒。

 

「な、なあ・・・。私の目、へんじゃないか?」

 

実は、自分の片目にコンプレックスを少々感じていたという美緒。

 

それを告白されたときに、彼女が安心するようなことを言ってしまったばかりに、

こんな関係になってしまった。

 

 

また、気絶しそうになりつつも、額に脂汗を浮かべながら、

精一杯の苦笑いと共に言う。

 

 

きれいだよ()

 

「ほ、本当か・・・?」

 

ぎゅううううっと正面から抱き着いてきながら

甘えてくる彼女。

 

色々な意味で心臓が止まりそうだった。

 

ほんとほんと(やばい、しにそう)

 

「うれしい・・・。」

 

顔を赤らめ、微笑えむ美緒。

 

心なしか息が荒い。

 

 

私ももう、過呼吸で息が乱れまくっていた。

 

 

私が同じように興奮していると勘違いしたのか、

目を閉じて顔を近づけてくる美緒。

 

 

逃れようにも、首の後ろに両手をまわされ、

身動きが取れないようにされているので逃げられない。

 

 

あ。やめて、やめて、やめて、やめ

 

そこで後頭部に衝撃を感じ、ぷつん、と意識は途切れた。





()←足を滑らせて頭を打って失神
「トゥンク」←身を挺して自分を守ってくれたと勘違いするもっさん

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