FAIRY TAIL 海竜の子   作:エクシード

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 極・ 魔法乱舞をやっているのですが、丁度天狼島のイベントが来てますね。
 ウルティアだけ金箱から出なさすぎる……(泣 やはり周回はゲームの基本なんですかね?




妖精の輝き

 

 

 

 マスターの元へ戻る道中、ルーシィさんから悪魔の心臓(グリモアハート)の目的について知らされた。

 悪魔の心臓グリモアハートはゼレフを使って世界を変えようとしているらしく、ゼレフはナツさん達から逃げた女の人が連れ去ったらしい。

 その女の人は、ゼレフを悪魔の心臓グリモアハートのマスターの元へ連れていくとナツさんに語っていたようで、今後の方針としては何処かに停泊している悪魔の心臓グリモアハートの船を目指すとのことだ。

 

「さぁハッピー! さっきは見つからなかったけど、ここからなら見つけられるかも知れないわ! もう一度探してきて!」

 

 空を指差してルーシィさんがハッピーに指示するが、ハッピーの「魔力切れちゃった」と言う返答を聞いてルーシィさんの表情が固まる。

 

「き、切れたって、なんでよ!?」

 

「ルーシィがノーロさんを奪うためにオイラの事を追いかけ回したからだよ?」

 

 自分のせいだと言われたルーシィさんは「あたしのせいなのかしら!?」とツッコミを入れ、ナツさんがため息混じりにマスター達の元へ戻ればいいと二人に提言する。

 

「彼処ならシャルル達も居るし、元々シャルル達にも探してもらうつもりで戻ってんだ。急ぐぞ」

 

 ナツさんに正論を言われ、ため息までつかれた事にショックを受けてはいるが、ルーシィさんもハッピーもその意見に賛成のようで、マスター達のいる広場まで移動を始めた。

 木々が薙ぎ倒され開けた場所に出るとマスターを看るシャルル達の姿が見え、声をかけるとシャルル達も僕達に気づいて振り返る。

 

「ルーシィも居ましたか……カナは居ないんですか?」

 

「ちょっとはぐれちゃったみたいで……マスターの具合は?」

 

 フィールの言葉にルーシィさんは少しだけ表情を曇らせたが、すぐに表情を変えてマスターを心配する。ルーシィさんに尋ねられたシャルルは起きる気配のないマスターを見つめて口を開く。

 

「やはり傷が深すぎるようですね」

 

 マスターの様子を看ていたリリーが、これだけ傷が深くても命の危険は感じない事を不思議に思って問うと、フィールが「聖地と呼ばれているようですし、何か加護があるのかも知れませんね」と返答した。

 

「何処に行ってたんだ、この野郎」

 

「……この人が、評議員のメスト」

 

 警戒するルーシィさんに、本当の名はドランバルトだと語りながらメストさん改めドランバルトさんが近づいていき、隣に居るウェンディに視線を移す。

 

「心配しなくていい、オレはお前達を助けに来た。オレの魔法があれば、妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバーだけをこの島から脱出させることが出来る。何とか全員の居場所が分かれば――」

 

「お断りしますってやつだ!」

 

 説明するドランバルトさんの言葉を遮ってナツさんは提案を断り、口を尖らせてそっぽを向いてしまう。

 ナツさんに続いて、リリーもギルドの問題は自分達で片付けると言い、シャルルやフィールもリリーに同意する。

 

「そうじゃない! 今のこの状況を本部に知られたら、島への攻撃も有り得るって話だ!」

 

 攻撃と言う言葉に反応してルーシィさんの顔が青くなるが、確かに島への攻撃は有り得る話ではあると思う。

 噂によると現評議院は妖精の尻尾(フェアリーテイル)を危険視しているらしいし、バラム同盟の一角である悪魔の心臓(グリモアハート)の主力メンバー達に加え、歴史上最も凶悪だった言われている黒魔導士ゼレフまでもがこの島に居る。

 評議院からすれば、3つの問題を一度に片付けられる絶好の機会だ。恐らく確実に攻撃してくるだろう。

 

「んなもん、評議院が攻撃してくる前に方を付ければいいだけだ」

 

 ドランバルトさんの手を借りるつもりはないらしいナツさんに、ドランバルトさんはマスターがやられた以上妖精の尻尾(フェアリーテイル)に勝ち目はないと言って必死にナツさんの説得を試みる。

 

「この島は私達のギルドの聖地。初代マスターのお墓もあるんです!」

 

「そこに攻撃するなんて……」

 

「そんな事したら、みんなただじゃおかないわよ!」

 

 今までもこうしてギルドを守ってきたんだとハッピーもドランバルトさんに言い返し、ルーシィさん達に睨まれてドランバルトさんの顔が怒りに染まっていく。

 そして、ドランバルトさんは魔導士ギルドが評議員を脅すのかと激昂するも、その言葉を聞いたナツさんが青筋を立ててドランバルトさんに顔を近づけ、間近で怒気を含んだ鋭い視線を向ける。

 

「いいかよく覚えとけ、悪魔の心臓(グリモアハート)だろうが評議院だろうが関係ねぇ! ギルドに手を出す奴等は皆敵だ。全て滅ぼしてやる!!」

 

 ナツさんの気迫にドランバルトさんは何も言うことが出来ず、場を沈黙が支配する。

 二人が静かに睨み合っていると、徐々に暗雲が空を覆って空模様が怪しくなってきた。

 

「この空気……空が荒れそうですね……」

 

 空気で天候が分かるウェンディは何かを感じたらしく、不安げに空を見上げてそう呟いた。

 

 

 

 

 

********

 

 

 

 

 

 ウェンディの言った通りに雨が降りだし、僕達は近くの遺跡に避難した。

 そこでシャルル、フィール、リリーに周辺を探索して来てもらっている。

 雨で濡れた服を着替えると言ってルーシィさんとウェンディが奥へ消えていった為、現在僕はナツさんと一緒に入り口から外を眺め、シャルル達の帰りを待っていた。

 

「雨、止まないわね」

 

 着替えを済ませたルーシィさんが後ろから僕達に声をかけ、その後ろからはシャルル達を心配するウェンディの声も聞こえてくる。

 その時、雨の中を飛ぶ二つの影が見えた。

 

「あ、フィール! シャルル!」

 

 草の帽子を被った二人にリリーはどうしたのかと聞くと、途中で僕達のキャンプがあったらしく、ガシルさんとミラさんが重体の為リリーはそこで降りたらしい。

 

悪魔の心臓(グリモアハート)の船は、その更に東の岸にありました」

 

「オレ達のキャンプか……」

 

「ねぇ、一旦そこまで行かない?」

 

 カナさんや他のみんなが居るかもしれないと言うルーシィさんに同意し、みんなと合流するためにキャンプに向かうことになった。

 

「よし行こう。じっちゃんはオレが……」

 

 ドランバルトさんの前で眠っているマスターをナツさんが背負うと、ドランバルトさんは気まずそうに視線を逸らす。

 そのドランバルトさんにナツさんは評議院を止めてほしいと頼み、僕達も悪魔の心臓(グリモアハート)やゼレフは何とかするから島への攻撃を止めてほしいと説得するが、ドランバルトさんは出来るわけないと言って僕達の頼みを断った。

 

「じゃあ時間を稼ぐだけでいいや、頼むぞ」

 

「違う! そっちじゃない! 今お前達の置かれている状況を、どうやったら打破できると言うんだ!」

 

 ドランバルトさんの言葉に全力でやるだけだとナツさんは言い放ち、遺跡に残るドランバルトさんに背を向けて、僕達はキャンプを目指して雨の中を進み始めた。

 

 キャンプに向かって走っていると、前方に一ヶ所、人一人分程の範囲だけ雨が強く降っている場所があることに気づく。そしてその豪雨の中心に一つの人影があった。

 

「誰か居るぞ……!」

 

 ナツさんの一言で全員が警戒して構えを取ると、豪雨の中を歩いて来るその人物が凄まじい魔力を放ち始めた。

 その魔力の高さに全員が驚愕する中、その男は「飛べるかな?」と呟いて両手を僕達に向ける。

 

「……いや、まだ飛べねぇな」

 

 男がそう言うと激しかった雨は一変して雨粒が空中で止まり、男の「落ちろ」と言う言葉と同時に僕達の周辺の重力が変化して、僕達の居る地面のみが沈んでいく。

 

「重力……!?」

 

 重力で起き上がることが出来ず、成す術もない僕達を男――ブルーノートは眉ひとつ動かさずに眺めている。

 地面がある程度まで沈むと重力が先程よりも軽くなるが、それでも体を起こせるようになっただけで状況は悪いままだ。

 

「オレはよ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)もゼレフもあまり興味ねぇのよ。だけど一つだけ欲しいものがここにあるんだ……妖精の尻尾(フェアリーテイル)初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの墓は何処だ」

 

「し、知らないわよ! 私達だって!」

 

 ブルーノートが初代マスターの墓を探している為、二次試験と何か関係があるのかと思考すると、ハッピーが「分かった!」と声を上げる。

 

「お前もS級魔導士になりたいんだな! でも妖精の尻尾(フェアリーテイル)には入れてあげないぞ!」

 

 ブルーノートを指差して叫ぶハッピーにシャルルとフィールはため息をもらした刹那、ハッピーの頭上に魔法陣が出現してハッピーは再び地面に叩きつけられた。

 

「ふざけてるのはそっちでしょ!? お墓は私達にとって神聖な場所! たとえ知ってても、あんたなんかに絶対教えな――!? ぐっ!!」

 

「ルーシィ!」

「「ルーシィさん!」」

 

 ルーシィさんは一度重力を消されて浮遊し、直後ハッピーと同じ様に地面に叩きつけられる。

 ナツさんはルーシィさんを一瞥してブルーノートを睨み、ブルーノートは依然片手を僕達に向けたまま静かに睨み返す。

 

「妖精の輝き……フェアリーグリッター。妖精の法律(フェアリーロウ)に並ぶとも言われている、てめぇ等のギルドの三大魔法の一つだろ?」

 

「なんだよそれ……知らねっつうの――ぷぎゃ!?」

 

 返答したナツさんも重力によって地面に叩きつけられ、身動きがとれなくなってしまう。

 

「その輝きは敵の存在を許さない無慈悲なる光……オレはその魔法が欲しい」

 

 腕を組んで僕達を見下ろすブルーノートをナツさんは睨み、重くのし掛かる重力に逆らって必死に体を起こそうと力を入れる。

 

「オレは……イグニールの子だァ! 簡単に地面に落とされる訳には…………いか、ねぇんだよぉぉ!!」

 

「走った!」

 

「この重力下で!?」

 

「流石……」

 

 ナツさんは立ち上がって走りだし、その事に驚愕する僕達を他所にナツさんは腕と足に炎を纏って、雄叫びを上げながら飛躍する。

 

「メイビスの墓に封じられてるらしいな……その場所を教えてくれんかね?」

 

「火竜の――のわぁ!?」

 

 飛躍してブルーノートに一撃入れようと腕を引いたナツさんは一瞬で僕達の後ろへ吹き飛ばされた。

 

「っ! ……なんなの……こいつ!!」

 

 一歩も動かずにナツさんをあしらったブルーノートに、ルーシィさんは顔を歪ませる。

 ブルーノートは僕達を順々に見回していき、倒れているマスターに気づくと「こいつに聞けばよかったのか」と言って片手をマスターに向けた。

 

「やめろ!! じっちゃんに手を出してみろ! ただじゃおかね――ぐわっ!?」

 

 体を起こして吼えるナツさんの頭を地面に叩きつけ、続いて僕達も重力で押さえつけられる。

 

「キャンキャン喚くんじゃねぇよガキ共。それとも一気に圧し潰してやろうか? あァ?」

 

 

 今まで僕達を見下ろしていたブルーノートは重力によって沈んだ地面に飛び降り、何も言わずにマスターに向かって歩いていく。

 重い体を何とか起こし、ルーシィさん達とマスターを庇うようにしてブルーノートの前に立った時、叫び声が響き渡り、全員が動きを止めた。

 

 

「お前かぁぁぁ!!!」

 

 

 現れたカナさんにブルーノートは不快そうに振り向くと、カナさんはトランプカードを投擲した。カードは光を纏ってブルーノートに迫るが、重力によって軌道を真下に逸らされてしまう。

 

「これ以上仲間を傷付けるんじゃないよ! 妖精の(フェアリー)――!!」

 

 カナさんの右腕の紋章が光り輝き、その光を放つ直前にカナさんは地面に叩きつけられてしまった。

 ブルーノートはカナさんの腕の紋章を見て驚きを露にし、僕達もあれが妖精の輝き(フェアリーグリッター)だと知って驚愕する。

 

「ルーシィ、置いていっちゃってごめんね……弁解の余地もないよ……本当にごめん……だけど今は私を信じて。こいつにこの魔法が当たりさえすれば、確実に倒せる!」

 

 立ち上がったカナさんは右腕の紋章を見せてそう言い放ち、ルーシィさんは喜びを見せる。

 一方ナツさんは、カナさんが妖精の輝き(フェアリーグリッター)を持っていることからカナさんが初代マスターのお墓に行ったと知ってショックを受けている。

 

「ま、まさか試験は……」

 

「今はその話置いとかない? こいつを倒すために協力して、ナツ!」

 

 カナさんが魔力を溜める間、ブルーノートを引き付けるよう頼まれたナツさんは「ぐぬぬ……」と唸りながらも了承したが、ブルーノートは僕達とカナさんに手を向けて双方を吹き飛ばす。

 

「オレの重力下で動ける者など居ねぇのさ」

 

 そう言うと重力が更に強められて、言葉通りカナさんも動けなくなった。ブルーノートは少しずつカナさんに歩み寄る。

 

「まさか探してた魔法が向こうからノコノコやって来るとはな。……妖精の輝き(フェアリーグリッター)。その魔法はオレがいただく」

 

「この魔法はギルドの者しか使えない……お前らには使えないんだ!」

 

 苦しげな表情で睨むカナさんの言葉にブルーノートは足を止め、冷たい表情でカナさんを見下ろす。

 

「魔の根源を辿れば、それはたった一つの魔法から始まったとされている。如何なる魔法も、元はたった一つの魔法だった。魔導の深淵に近づく者は如何なる魔法も使いこなす事が出来る」

 

 片手を向けられたカナさんの重力が変化し、カナさんの足が宙に浮いて地面に着かなくなると、全方位から重力をかけられてカナさんの悲鳴と骨が軋む音が響く。

 

「逆に聞くが小娘、てめぇの方こそ妖精の輝き(フェアリーグリッター)を使えるのかね?」

 

「当たり前……だ……!!」

 

「太陽と月と星の光を集め濃縮させる、超高難度魔法……てめぇ如きに使えるわけねぇだろうが!!」

 

 ブルーノートは目を見開いてカナさんに向けていた手を握ると、メキメキという音が大きくなり、カナさんは上を向いて呻き声を上げる。

 

「安心しろ、その魔法はオレが貰ってやる」

 

 苦しむカナさんを見てナツさんは地面に頭突きをかまし、ナツさんが頭を地面に埋めた。

 ナツさんはその状態で咆哮(ブレス)を放ち、地中を通して炎をブルーノートに直撃させた。

 炎に呑まれたブルーノートは「邪魔だ屑が!」と叫び、振り向きざまに僕達諸共吹き飛ばす。

 

「ナイス、ナツ!!」

 

「いけぇぇぇぇ!!!!」

 

 ナツさんに気を取られてカナさんにかけられていた魔法が解除され、その隙にカナさんは腕に魔力を溜めて空に掲げた。

 

「私にはこの魔法が使える! ――集え! 妖精に導かれし光の川よ!」

 

 詠唱と共に腕の紋章が輝き、カナさんの周囲から黄金の輝きが空へと向かう。

 輝きは暗雲を突き抜けて更に上昇すると、暗雲の所々から輝きが漏れて幻想的な景色を作り上げた。

 

「――照らせ、邪なる牙を滅する為に! 妖精の輝き(フェアリーグリッター)!!!」

 

 星々の魔力で上空に光の輪が形成され、カナさんが掲げていた腕をブルーノートに向けた瞬間、光輪はブルーノートを囲んで凄まじい輝きを放つ。

 光輪は敵を滅する為に収束していき、ブルーノートの体を締め付けた。

 

「ぬぁぁぁぁぁ!!! 落ちろぉぉぉ!!」

 

 ブルーノートが地面に手をかざして光輪を地面に叩きつけた。地面から光が放出されてカナさんや僕達を吹き飛ばす。

 

「この程度で妖精の輝き(フェアリーグリッター)だと? 笑わせんな。いくら強力な魔法でも、術者がゴミだとそんなもんか……あァ?」

 

 妖精の輝き(フェアリーグリッター)を防がれて絶句するカナさんにブルーノートが近づいていき、カナさんが目に涙を浮かべる。

 

「知ってるかね、殺した後でも魔法を取り出せるって……オレは今日も飛べなかった。お前は地獄に落ちろ」

 

 肩を震わせて俯いているカナさんを殺すために、ブルーノートは片手を向けて魔法を放つ。

 しかし、それはカナさんを守るようにして現れたギルダーツさんの魔法によって粉砕され、勢いそのままにブルーノートを吹き飛ばした。

 

「ギルダーツだぁ!」

 

 ナツさんやハッピーが声を上げて歓喜し、僕達もギルド最強の魔導士であるギルダーツさんが来てくれたことに安堵する。

 喜ぶナツさん達とは別に、ギルダーツさんは今まで見たことのない激怒の表情でブルーノートを睨み付けていた。

 

「……ここを離れろ」

 

 ギルダーツさんはそれだけ告げると魔力を放出し、ブルーノートも同様に魔力を放出する。

 目視できる程に強大な二人の魔力によって周囲の瓦礫は浮かび上がり、静かな睨み合いが続く。

 

「行け!!」

 

 そう叫ぶと同時にギルダーツさんは駆け出した。ブルーノートは走るギルダーツさんの足元の重力を反転させて地面を抉り、半球型に抉り取られた地面はギルダーツさんを乗せて宙に浮く。

 

「ひっくり返った!?」

 

 逆さのギルダーツさんは足元の地面を分解、瓦礫を蹴ってブルーノートへ跳ぶ。ブルーノートもギルダーツさんに向かって跳躍し、空中で二人の拳がぶつかり合う。

 風圧は僕達全員を吹き飛ばす程で、ブルーノートは自身がギルダーツさんに押し負けた事に驚愕しながら上着を脱ぎ捨てる。

 

「言われた通り、ここを離れた方がいいと思うんですけど……」

 

「巻き込まれたらまずいですよ……」

 

「うん……だけど……」

 

 ルーシィさんが不安げに隣のカナさんを見ると、カナさんは「行こう、私達が居たらギルダーツの邪魔になる」と俯いたまま告げ、ルーシィさんは表情を曇らせたまま頷いて同意した。

 

「行くわよナツ!」

 

 目を輝かせるナツさんの腕をルーシィさんが引っ張り、僕は眠っているマスターを背負ってキャンプに向かう。

 ギルダーツさんを見つめたまま動かないカナさんにハッピーが声をかけ、ブルーノートをギルダーツさんに任せて邪魔にならないように急いでその場を離れた。

 

 

 

 




 相変わらず終わり所が分からない……
 次ではハデス戦まで書ければいいな……と思っています。
 ブルーノートですが、天狼島編ではこんなに強いのに8年後では……ナツの成長速度が凄すぎる……!

 ――追記――

 誤字修正でバグ……なんですかね? また同じ文が続くような表示になってしまい、修正はしましたが見落としがあるかもしれません。
 「あれ? 何かここおかしくね?」と思う所があれば、報告していただけると助かります。


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