やっと戦闘話だ! 思えばこれが初めてのちゃんとした戦闘だったり……
「裏切り者め。所詮は堕天、元エクシードが王に救われた恩を忘れ、刃を向けるとはな」
「向こうのエルザか!?」
「あの野郎よくも!」
驚くナツさんに「ナイトウォーカーだよ」とハッピーが伝える横で、ガジルさんがナイトウォーカーさんを睨み、犬のような顔立ちの女性――ココさんがリリーさんの名前を叫んで泣いている。
「だ、誰か! リリーを助けて!」
リリーさんを助けようとするシャゴットさんを老人の一人が制止し、ピンク色のエクシードがリリーさんを助けに急降下する。
「スカーレットォ!!」
「ナイトウォーカー……」
ナイトウォーカーさんがエルザを睨み、向かおうとしたエルザをミストガンが手で制す。
「エドラス王国王子であるこの私に刃を向けるつもりか、エルザ・ナイトウォーカー!」
その言葉にエルザは驚き、ナイトウォーカーさんは悔しそうにミストガンを睨みつけると、何処からか笑い声が聞こえてきた。
『王子だと? 笑わせるでないわ! 儂は貴様を息子などとは思っておらん!』
「王様の声だ!」
「え? 何処に居るの!?」
ルーシィさんが声の発生源を辺りを見回して探るが、依然として国王の声は響き続ける。
『7年も行方を眩ませておいて、よくおめおめと戻ってこれたものだ……貴様がアースランドでアニマを塞いで回っていたのは知っておる。売国奴め! お前は自分の国を売ったのだ!』
「この声……何処から?」
「分からない……けど、地の底から聞こえてくるみたいな……」
ウェンディと地上を見渡して探っていると、隣のナツさんが何処かに隠れている国王に、「おい! 姿を現せ!」と叫び、ハッピーもナツさんの言葉に賛同する。
「貴方のアニマ計画は失敗したんだ。もう戦う意味などないだろう!」
ミストガンが言葉を返すと、国王の声がすると同時に地面が揺れ、眩い光を発した。
『意義? 戦う意義だと?』
「なんだ……この音? いや、これは!?」
「魔力で大気が震えてるんだ!?」
グレイさんにルーシィさんがそう返答すると、地上で光を放っていた地面から、鎖で地面と繋がれた卵のような形の機械が出現した。
『これは戦いではない。王に仇なす者への報復。一方的な殲滅――儂の前に立ちはだかるつもりなら、たとえ貴様であろうとも消してくれる! 跡形もなくなァ!』
「何よあれ!?」
「魔動兵器か……?」
グレイさんが卵のような機械に警戒を向けた瞬間、機械は国王の感情に呼応するように鎖を引きちぎり、宙に浮かんで地面を震わせた。
「父上……」
『父ではない。儂はエドラスの王である!』
国王がそう告げた刹那、卵型だった機械が変形し始めた。
『そう、ここで貴様を始末すればアースランドでアニマを塞げる者は居なくなる! また巨大な
「あ、あれは!?」
シャゴットさんが驚愕の声を上げた時、その姿を竜に変えた兵器が地を踏みしめ、不気味な双眸を赤く光らせる。
『フハハハハハ! 王の力に不可能はない! 王の力は絶対なのだ!』
機械竜が咆哮すると大気が震え、肌にピリピリとその魔力の高さが伝わってくる。
「おぉ……あの姿、あの魔力、間違いない……!」
「な、なんと言うことじゃ……あれは――!」
「ドロマ・アニム!」
老人達の言葉にシャゴットさんがそう呟くと、ミストガンがドロマ・アニムを注視する。
「ドロマ・アニム? こっちの言葉で竜騎士の意味――――ドラゴンの強化装甲だと!?」
「なっ!? ドラゴン!?」
「言われてみればそんな形……」
ハッピーが納得している隣で僕が強化装甲について疑問符を浮かべていると、ココさんがその疑問に答えてくれた。
「対魔戦用
『我が兵達よ、エクシードを捕らえよ!』
口から砲門を出し、その照準を僕達に合わせた国王の指示を受けて、兵達がエクシードを捕らえる為に迫り来る。
「まずい! 逃げるんだ!」
ミストガンがそう叫ぶとエクシード達が翼を広げて逃げ始めるが、兵達の放った光線を受けて次々に
その光景を目にしたエクシード達は混乱しながら逃げ出すが、ナイトウォーカーさんの指示を受ける兵達はレギオンを駆ってエクシード達を追跡する。
「王国軍からエクシードを守るんだ! ナイトウォーカー達を追撃する!」
エルザさんの意見にルーシィさんが賛同したが、グレイさんは「あのデカブツはどうする?」とドロマ・アニムを警戒しながらエルザに問いかける。
「相手にするだけ無駄だよぉ、魔法が効かないんだから!」
「躱しながら行くしかない! 今のエクシードは無防備だ! オレ達が守らないと!」
ミストガンのレギオンと一緒に、僕達もココさんのレギオンに乗ってエクシード達を助けに向かおうとすると、国王の笑い声が耳に入ってきた。
『躱しながら……守る……? プッハハハハ! 人間は誰一人として逃がさん! 全員この場で塵にしてくれる!――消えろォォォ!!!!』
ドロマ・アニムが放った魔力が圧縮された光線が僕達に直撃しそうになるが、魔法陣を展開したミストガンが僕達の前にでて光線を受け止める。
「ミストガン!」
『ミストガン? それがアースランドでの貴様の名前か、ジェラール?』
「っ! エルザ、今のうちに行け!」
魔法を受け止めているミストガンは僕達に背中を向けている為表情が見えないが、声の様子からあの魔法を一人で受け止めるのは辛い事が分かる。
その為エルザさんはミストガンを置いていくことに迷いを見せたが、ミストガンは早く行けと強く言って印を結ぶ。
「三重魔法陣“
ミストガンの前に三重の魔法陣が展開され、ドロマ・アニムの光線を跳ね返して爆発を引き起こした。
「やったか!?」
「凄い……これがミストガン!」
ルーシィさんがミストガンに感嘆の声を上げるが、爆煙が晴れると無傷のドロマ・アニムが姿を見せる。
『フフフフ……チクチクするわい!』
「傷一つねぇぞ!?」
『そう、これが
ドロマ・アニムの砲門から再び光線が放たれ、ミストガンを掠めて上空へと消えていく。
攻撃を受けたミストガンはレギオンから落とされ、それを視認した国王は汚ならしい笑い声を上げた。
『ヒャハハハハ! 貴様には地を這う姿が似合っておるぞ、そのまま地上で野垂れ死ぬがよいわ!』
「くそっ! アイスメイク――のわっ!?」
グレイさんが魔法を発動しようと構えを取るが、ドロマ・アニムの光線を躱そうとレギオンが旋回し、体勢を崩した。
その周りではエクシード達が
『おぉ美しいぞ……エクシードを一人残らず
国王は哄笑を上げながら光線を乱射し、レギオンはその攻撃を躱す事に手一杯で進むことが出来ない。
「くそっ! あれを躱しながら戦うのは無理だ!」
「でも、どうすればいいの!?」
ルーシィさんがグレイさんに尋ねている横で、ナツさんが僕とウェンディの肩を叩いた。
「今こそ
そう言ってナツさんは飛び降りると、ドロマ・アニムの首裏を殴り付けて爆発させる。
(ナツさんの攻撃が通った!?)
「テューズ!」
僕を見るウェンディに無言で頷いてレギオンから飛び降りると、ドロマ・アニムの左胸に衝撃が走り、巨体を大きく仰け反らせる。
『誰だ!? 魔法が効かぬ筈のドロマ・アニムに攻撃を加えてる者は!?』
「天竜の――咆哮!!」
「海竜の――翼撃!!」
風と水が合わさって直撃し、その衝撃でドロマ・アニムが後退する。
『貴様等はァ!?』
ドロマ・アニムが睨んでくる中ナツさんとガジルさんの間に着地すると、ナツさんがニヤリと口角を上げる。
「やるじゃねぇか、お前ら」
「いえ、二人合わせてナツさんと同威力でした」
「二人の攻撃の方が、ダメージとしては有効です」
「野郎……よくもオレの猫を!」
ガジルさんがドロマ・アニムを睨むと『そうか……貴様等は……!』と声を上げ、上空から僕達を呼ぶ声も聞こえてくる。
「行け、猫達を守るんだ!」
ナツさんがドロマ・アニムに視線を合わせたままエルザさん達にそう伝えると、「そっちは任せたぞ」と言うエルザさんの声と共にルーシィさんの不安の声も返ってくる。
「でも、あんなの相手に4人で大丈夫なの?」
「何、問題ねぇさ。相手はドラゴン、倒せるのはあいつ等だけだ。ドラゴン狩りの魔導士――
グレイさんは「頼んだぞ!」と叫び、彼らを乗せたレギオンはエクシード達を助けるために王国軍の後を追って行った。
‐‐‐‐‐‐‐‐
「行くぞ、
「またてめぇと共闘かよ」
「てめぇとの決着はよ……このぶっ壊し甲斐のあるやつとっちめてからって訳だ」
ガジルがナツに視線を向けて口角を上げると、「燃えてきたぞ」と言ってナツもニヤリと笑う。
『おのれ小僧共……!』
国王の怒りを含んだ声が響くとナツ達が構え、ウェンディとテューズの二人が少し後ろに下がる。
「僕達で援護します」
「天を駆ける俊足なる風を――」
「海を流れる駿足なる波を――」
ナツとガジルの足元に魔法陣が現れ、二人の速度が上昇する。
「な、なんだ!?」
「体が軽くなってきやがった……」
「「バーニア!」」
魔法が発動すると同時にナツとガジルはドロマ・アニムに向かっていき、ドロマ・アニムは二人を撃退する為に光線を放つが、ウェンディとテューズの魔法で速度が上がったナツ達はその攻撃を回避する。
『躱しただと!?』
攻撃を躱された国王は顔を驚愕に染め、自身の速度が上昇したことを実感した二人はその速度でドロマ・アニムを翻弄する。
『速い! 目で追えん!』
「火竜の鉄拳!」
「鉄竜棍!」
二人はドロマ・アニムに連撃を叩き込むが、敵は防御に徹し、ダメージが通らなくなる。
「クソが! なんつぅ硬さだ!」
「びくともしねぇぞ!」
「それなら……」
攻撃が通らないと言うナツ達の意見を聞き、ウェンディとテューズは
「天を切り裂く――」
「海を断ち割る――」
「「剛腕なる力を! アームズ!!」」
再びナツ達の足元に魔法陣が出現し、「力がみなぎってくる……!」と言ってナツは拳を握りしめる。
「攻撃力強化の魔法です」
「これなら攻撃が通る筈です」
「やるじゃねぇか。ギヒッ!」
ナツ達の魔力が上昇している事に気づいた国王が驚愕していると、その隙にナツ達がドロマ・アニムとの距離を詰める。
「火竜の煌炎!」
「鉄竜槍・鬼薪!」
『ぬぅ!? おのれ……あの小僧共か!』
テューズ達がナツ達を強化していると推測した国王は照準をテューズ達に合わせる。
『竜騎弾発射!』
ドロマアニムの背中から無数の小型ミサイルがテューズ達二人に向けられて発射される。
「しまった! ウェンディ! テューズ!」
「私達なら大丈夫です」
二人は自身にバーニアを
「追尾型!?」
「あっ――」
弾道を変えた竜騎弾にテューズが驚いた時、ウェンディが躓いて体勢を崩し、咄嗟にテューズの足を掴んだ。
「ちょっ!?」
足を掴まれたテューズも同様に体勢を崩して二人は転倒し、転んだ二人に迫る竜騎弾をナツが蹴り飛ばして粉砕した。残った竜騎弾も炎を纏った拳で撃ち落とす。
「「ナツさん!」」
「はっ! やらせっかよ」
ニヤリと笑うナツに国王は追撃しようとするが、ドロマ・アニムの背面にある射出口をガジルが塞いだため、竜騎弾は射出されなかった。
「出させっかよ!」
『おのれ……小賢しい!』
ドロマ・アニムは尻尾を振るってガジルを叩き落とし、ナツ達に二発の弾が迫る。
「まだ二発残ってた!?」
「あれは……さっきまでのとは違う!」
「ナツさんダメ!」
ウェンディとテューズがナツに制止をかけるが既にナツは飛び出しており、二発の弾はナツの手前で勢いを落として爆発を起こし、爆炎がナツを飲み込んだ。
『ヌハハハハ!! 身の程を知らぬ魔導士共が! ドラゴン狩りが聞いて呆れるわ!』
国王は高笑いをしていたが爆炎から聞いたことのない音がして表情が凍りつく。
『なんだと……竜騎弾の爆炎を食っているのか!?』
爆炎がナツの口に吸い込まれて消えていき、無傷の三人を見て国王は愕然とするが、休む間もなく今度はモニターに尻尾に異常があると表示される。
『んなっ!? こいつは尻尾を食っているのか!?』
国王が尻尾に視線を移すと、そこにはドロマ・アニムの尻尾を食らい、口に残った鉄屑を吐き捨てるガジルの姿があった。
「んだよ……このまっずい火は……こんなにムカつく味は初めてだ」
「違ぇねぇ……だがよ、とりあえず――」
「「食ったら力が湧いてきた!」」
ナツは「真似すんなっての!」と言って目を吊り上げるが、ガジルは喧しいと一蹴する。
(出鱈目だ……これがアースランドの魔導士……)
国王は不気味な笑みを浮かべ、ナツ達四人とドロマ・アニムは警戒を緩めずに対峙する。
「しっかし強ぇな……ドラゴンって言うだけあって」
「ざけんじゃねぇ! こんな物、ドラゴンでも何でもねぇよ」
「一国の王だと言うのに護衛もつけないなんて……」
「よっぽど自信があるみたいだね……」
その言葉にナツは拳を握り、「燃えてきたぞ」と気合いを入れるが、対するドロマ・アニムは黒い魔力を全身に纏い始める。
(これが
四人は大気中の魔力がドロマアニムに集まっていることに気づいた。だが、その時には既にドロマ・アニムは魔力を吸収し、変形を始めていた。
(こやつ等が居ればもう一度アニマ計画を実現できる。永遠の魔力の為にこの四人を捕獲――こやつらは最早兵器、鹵獲じゃ! 多少のパーツの破損は仕方あるまい……)
『まずは貴様等全員の戦意を無くしてやろう! ドロマ・アニム黒天の力をもってなァ!!』
黒く染まり、竜と言うよりも人に近い形状に変形したドロマ・アニムが咆哮を上げた。大気をビリビリと震わせるドロマアニムの大音声に四人は耳を塞ぐ。
ドロマアニムはその手に新たに槍を構えて四人に突き出した。四人はそれを跳んで回避しようとするが槍はナツを掠め、ナツが吹き飛ばされて壁に衝突してしまう。
「うぉらァ!!」
打ち付けられた壁を蹴り、ナツが炎を纏った拳で殴りかかるが、ドロマ・アニムはそれを盾で受け止める。
『ぬっ! 効かぬわ!』
ナツとドロマ・アニムの力は互いに押し合っていたが、ドロマ・アニムの力がナツに勝り、盾を振るってナツを吹き飛ばした。
「ナツさん!」
「アームズでの攻撃力が通じねぇのか!?」
「そんな……重ねがけしてるのに!?」
ナツを吹き飛ばしたドロマ・アニムは三人に視線を移し、振りかざした槍に黒い禍々しい魔力を纏わせて力を溜める。
『フハハハハ! 感じるか……この絶対的な魔力! 素晴らしい! 跪くな! 命乞いをするな! 貴様等はそのままただ震えて、立ち尽くしておるがよいわ!! ――恐怖しろ! ドラゴンの魔導士!!』
ドロマアニムは魔力を溜めて紫色に発光した槍を降り下ろす。放出された光は付近一帯に広がり、四人を飲み込んだ。
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「大変だ……!」
「エクシード達の悲鳴が……」
「ここまで聞こえてくるわね……」
王国軍を追ったエルザ達は軍に追い付いたが、離れていても聞こえてくるエクシード達の悲鳴にハッピー達は顔を歪める。
「しっかしなんて数だ……」
王国軍の数を見たグレイは舌打ちし、ルーシィはエルザにどうするのか尋ねる。
「行くしかなかろう……私達がやらねば、エクシードがやられる!」
「オイラ達も戦うよ!」
「えぇ……私達の故郷を守るのよ!」
「やれるだけの事をしましょう!」
エルザはハッピー達を見て少しばかり頬を緩ませて静かに頷く。エクシード達を助けるためにレギオンが動いた時、「待っていたぞ、スカーレット」と言う声と共にナイトウォーカーが姿を現した。
「待っていただと?」
エルザがその言葉に疑問を覚えた時ナイトウォーカーがニヤリと笑い、グレイ達は兵達が地上から銃を構えて自分達を狙っている事に気づく。
「まずい! 罠だ!」
「伏兵!?」
ココがレギオンに避けるよう指示を出すが、無数に飛んでくる魔法の弾丸を避けきる事は出来ずに被弾して地上へ落ちてしまった。
「ハッピー! フィール!」
「あいさー!」
「分かってます!」
ハッピー達は
「全員無事だな――いや待て、エルザが居ねぇ!?」
「エルザならナイトウォーカーと戦っています」
グレイにフィールがそう伝えた時、グレイが何かに気づいて全員に避けろと指示を出す。
グレイの指示を受けて全員がその場を離れると、今までグレイ達の立っていた場所に魔法弾が着弾した。
「敵!?」
「みたいだな!」
兵達はグレイ達を取り囲み、グレイ達は互いに背中を合わせて兵と対峙する。
「こいつらぞろぞろと!」
「みんなぁ、もう止めてよぉ……」
不安げな眼差しでココが訴えるが、兵達はハッピー達エクシードを
「やめろォ!」
グレイが正面の兵達の前に氷の障壁を造形して妨害するも、ハッピー達を狙った銃撃が止むことはなかった。
「何でハッピー達ばっかり!?」
「逃げたエクシード共はほとんど
「自分達の魔力の為に、エクシードはどうなっても構わねぇってのか!」
構えを取るグレイに兵達が一斉に襲いかかるが、グレイはそれを一撃で撃退する。
「それがこの国の人間なのか!! 仲間はやらせねぇぞ! くそ野郎共!」
「開け、獅子宮の扉! ロキ!」
ルーシィがロキを召喚し、ルーシィに迫る兵達を一掃する。
ルーシィ達が兵と戦っている隙にハッピーがシャルルとフィールを安全な場所まで連れていこうとするが、ルーシィ達に向けられた魔法弾の流れ弾がハッピーに向かい、シャルルがハッピーを庇って負傷してしまう。
「シャルル!!」
「立てますか!?」
ハッピーとフィールが倒れたシャルルの体を起こし、ロキがハッピー達の前に立って銃弾を叩き落とす。
「ハッピー! フィール! シャルルを安全な場所へ!」
「ありがとうロキ!」
「行きますよ!」
ルーシィも“
「大丈夫か、ルーシィ!?」
グレイが兵を氷漬けにしてルーシィに駆け寄ると、森の奥からレギオンが迫っていることに気づいた。
「なっ! ぐわっ!?」
グレイはレギオンに叩かれて倒れた所を兵達に押さえられ、ロキやルーシィ達も嵐のような銃弾とレギオンの前に倒れてしまい、絶体絶命となってしまう。
(誰か……助けて!)
シャルルを抱えたハッピーが涙を流してそう願った時、突如地面から生え出た大木がレギオンの首を締め上げて拘束し、全てのレギオンの自由を奪った。
「まさか……逃げてばかりの奴等が!?」
枝分かれした大木の中心にあるのは
「オォォォォ!!!」
「行くぞォォ!」
そして、大木――――ギルドと共に現れたエドラスの
「エドラスの
「すまねぇ、遅くなったな! アースルーシィ!」
「エドルーシィ……!」
付加魔法の詠唱、駿足は動きの速い意味で使ってるのでおかしくはない……はず。
そして、エドラス編も後2.3話で終わりですかね?