使用可能魔法についてなんですが、記載されていなくても使用可能な魔法があります。
事前に使える魔法全てを分かっているよりも少し隠していた方が楽しんでいただけると思い、記載しませんでした。
そういった魔法は、本編使用後にキャラ設定に追加しますのでご了承下さい。
「エドラス?」
「そう、こことは別の世界"エドラス"。そこでは今、魔法が失われ始めている」
「魔法が……」
「失われる……?」
「なんだそりゃ?」
真剣な顔で答えるシャルルに疑問をなげかけると、フィールが返答する。
「こちら側の世界と違って、エドラスでは魔法は有限なんです。使い続ければいずれ世界からなくなる……らしいです」
フィールの告げた真実に動揺していると、シャルルはアニマについての説明を始める。
「その枯渇してきた魔力を救うために、エドラスの王は別世界……つまりはこの世界から魔力を吸収する魔法を開発した。……それが超亜空間魔法、"アニマ"」
「さっき空に空いた穴のことです」
アニマ、ジェラールから一度だけ話を聞いたことがある。エドラスの事は伏せられていたが、ジェラールはアニマという危険なものを閉じていて、空に空く穴は危険だから近づくなと。
そして、シャルル達によってアニマを用いた計画が知らされた。
6年前に始まったその計画は、この世界の至るところにアニマを展開した。
しかし、何者かが展開されたアニマを閉じて回り、思うような成果は挙げられなかったらしい。
「だけど、今回のアニマは巨大すぎた。誰にも防ぐ術はなどなく、ギルドは吸収された」
「なんで妖精の尻尾を吸収したんだよ」
ナツさんの疑問に、「エドラスの魔力にするためです」とフィールが答える。
「妖精の尻尾には強力な魔導士がたくさんいる……」
「その魔力が目的で狙われたってこと?」
僕達の推測をシャルルは肯定すると、ナツさんは青筋を立てる。
「随分勝手な奴らだなぁ……オイ! みんなを返せよこのやろぉぉぉ!!!」
空に空いたアニマに叫ぶナツさん。
返事が返ってくる訳もなく、ナツさんは悔しそうに睨み付ける。
「……そ、それが、オイラ達のせいなの?」
目を伏せて二人に問いかけるハッピー。
「間接的に、ですが」
「間接的って?」
「私達はエドラスの王国から、ある別の使命を与えられてこの世界に送り込まれたのよ」
シャルルの言葉に、ナツさんとウェンディと三人で反論する。
「そんなはずない! あなた、卵から生まれたのよ? この世界で!!」
「フィールだってこの世界で生まれたじゃないか!」
「ハッピーもだ! オレが見つけたんだ!」
「そうね……」
シャルルは俯いて言葉を続ける。
「最初に言っておくけど、私はエドラスに行ったことがないわ。当然フィールもね」
その発言に、僕達は言葉を失う。
エドラスに行ったことがなく、生まれたのもこっちの世界。なのにシャルル達はエドラスについて妙に詳しいからだ。
「あんた達の言うとおり、この世界で生まれ、この世界で育った。でも私達にはエドラスの知識や自分の使命が刷り込まれてる。生まれた時から、全部知ってるはずなのよ……なのに――!!」
シャルルはハッピーを指さし、睨み付けて声を荒げる。
「あんたはなんで何も知らないの!? フィールにも欠落はあったけど、自分が猫なんかじゃなくてエクシードだってことは分かってた!!」
「オイラ……」
言葉に詰まるハッピーを見たシャルルは鼻を鳴し、みんなに背を向ける。
「とにかくそういう事。私達がエドラスの者である以上、今回の件は私達のせい」
「……さっき、別の使命って言わなかった? シャルル」
少しの沈黙の後、「それは言えない」とシャルルは言った。
街がアニマに吸収される前に、フィールにも同じ事を聞いたが「言えない」と言っていた。
「教えてシャルル。オイラ、自分が何者か知りたいんだ」
「言えないって言ってんでしょ! 自分で思い出しなさいよ……」
シャルルの辛辣な言葉に落ち込むハッピー。
一度小さくため息をつき、
「話もまとまった事だし、いっちょ行くか……"エドラス"ってとこ」
と言い放ったナツさんに、フィールの「まとまってません!」というツッコミが入った。
「……はぁ…あんた全く理解してないでしょ」
「ナツさん……」
その時、ハッピーのお腹が大きな音を立てて鳴り、みんなの顔に笑みが浮かぶ。
「ナツ……オイラ、不安でお腹空いてきた」
と言うハッピーに、ナツさんは笑顔で「そりゃ元気の証だろ?」と慰め、アニマを凝視する。
「エドラスにみんなが居るんだろ?……だったら助けに行かなきゃな」
ナツさんの意見を聞いて、シャルルにエドラスでみんなを助けることは可能かどうかを聞いてみる。
「恐らく、いるとは思う。だけど助けられるかは分からない……そもそも、私達がエドラスから帰ってこられるかさえ…」
沈んだ声で呟くシャルルに、ナツさんは「仲間がいねんじゃこっちの世界に未練はねぇ」とシャルルの不安を笑い飛ばす。
「私も……」
「僕も未練はないかな……」
僕とウェンディもナツさんの意見に賛同する。
「私も曲がりなりにも妖精の尻尾の一員な訳だし……母国の責任でこうなった疚しさもある訳だし……連れてってあげないこともないけど……幾つか約束して」
真面目な顔で言うシャルルに、周囲の空気が張り詰める。
「私達がエドラスに帰るということは、使命を放棄するということ。向こうで王国の者に見つかるわけにはいかない。全員変装すること」
変装と聞いて心を踊らせるナツさんをよそに、ウェンディが「使命を放棄しちゃって大丈夫なの?」と問いかける。
「いいの、昔から使命を全うする気なんて無かったから。そしてオス猫、私達の使命については詮索しないこと」
「あい……」
ハッピーはお腹を鳴らしながら返事をするが、目は未だに伏せたままだ。
「3つ目、私も情報以外エドラスについて何も知らない。ナビゲートはできないわよ」
その条件に、それぞれが返事をする。
「最後に、私達があなた達を裏切るようなことがあったら―――躊躇わず殺しなさい」
シャルルは目を細めて、淡々とそう告げた。
その言葉に息をのみ、その場を沈黙が支配する……が、ハッピーのお腹の音がその沈黙を破った。
「オイラ……そんな事しないよ……?」
盛大にお腹を鳴らし続けるハッピーに、シャルルが「腹うるさい!」と怒鳴り付けると、フィールとシャルルは
「飛んでいくの?」
ウェンディの疑問に、シャルルは浮遊しながら答える。
「私達の翼は、エドラスに帰るための翼なのよ」
「行こうぜハッピー! お前の故郷に!」
「あい!」
親指を立てながら言うナツさんに、ハッピーは元気よく返事をする。
「よろしくね、フィール」
「はい、任せてください!」
先程にくらべて明るい表情になったフィールに掴んでもらい、アニマに向かう。
「あんた達! 魔力を解放しなさい!!」
「あいさー!」
「了解です!」
フィール達が魔力を解放して高速で上昇する。
「アニマの残痕からエドラスに入れるわ! 私達の翼、エーラで突き抜けるのよ!」
雷を避け、凄まじい風圧に耐えながらアニマに飛び込んだ時、アニマから閃光が降り注ぐ。
閃光は機械的な形に変わり、閃光の間から無数の光弾が降り始めた時、中央から生じた巨大な光が僕達を呑んだ。
********
光の眩しさに閉じていた瞼を開けると、さっきまで見ていた景色とは一転、幻想的な風景が広がっていた。
その光景を目にし、僕達は感嘆の声を上げる。
「ここが……エドラス!」
「私達の故郷……」
フィール達の力で飛行しながら、僕達の世界とは全く違う景色を眺める。
「島が浮いてますね!」
「見たことない植物ばっかり……!」
「すっげぇ! 見ろよハッピー! あれ、川が空を流れてんぞ! どうなってんだ?」
ナツさんの指さす方向を見ると、その言葉通り川が空を流れ、魚が泳いでいた。
「ちょっとあんた達。気持ちは分かるけど、観光に来た訳じゃないんだからそんなにはしゃがないの」
「そ、そうだね……」
「ごめん……」
「悪い悪い」
別世界を見てはしゃいでいた僕達がシャルルの注意を受け反省していた時、突然フィール達エクシードの翼が消える。
「「「へ?」」」
翼が消え、飛行する術を失った僕達は重力に従い、それぞれ悲鳴を上げながらまっ逆さまに落下する。
運がいいことに、落下した先は地面ではなく巨大な植物だった。
その植物がクッション変わりになってくれたことで、誰一人怪我をすることはなかった。
「急に翼が……」
「なんで?」
「言ったはずです、こっちでは魔法は自由に使えないと」
フィールに言われて体の違和感に気づく。
「本当だ……」
「なんか変な感じがするね……」
ウェンディ達と違和感について話していると、ナツさんがみんなを探そうと提案した。
********
あの後、みんなを探すために森を歩いていた時、ハッピーがどこに探しに行くのかをナツさんに尋ねる。
「そんなん匂いを嗅ぎゃあ……」
そう言いながらナツさんは周りの匂いを嗅ぐが、
「ダメだ……嗅いだこと無い匂いばっかりして、さっぱり分かんねぇ……」
それを聞いたウェンディは空気を食べ、「本当だ、空気の味が違いますね」と言っている。
「水の味も違うのかな? さっきの川とか少し気になるな……」
と呟くと、フィールが「さぁ? 美味しんですかね?」と返し、その会話を聞いていたハッピーが「オイラもお腹空いたよ」と訴える。
「お弁当持ってくればよかったね」
とウェンディが言った時、シャルルに「緊張感無さすぎ!!」と注意を受けてしまった。
「それで、どこに向かって歩いてるんです?」
とナツさんに尋ねてみると、「さぁ? とりあえず歩いてりゃ、そのうち何とかなんだろ?」という返事が帰ってきた。
「何の解決にもなってないよ?」
「でも他に方法がありませんし……」
「仕方ないわね……」
と、フィール達も渋渋ついてきている。
そこで、ウェンディがここに来てから人に会っていない事に気づく。
森ばかりで人に会わないだけかも知れないが、変装はしておいた方がいいとシャルルが意見を出す。
「変装って……どうやって?」
と悩んでいると、ナツさんがニヤリと口角を上げて何かを思いつく。
「……ナツゥ。これは無いと思うよ?」
ナツさんが思いついた変装は、周囲の植物を服のように纏うというものだった。
「こういうの変装じゃなくて擬態って言うんだよ!」
と声を上げるハッピーに、ナツさんは口を尖らせて言葉を返す。
「いいじゃねぇか、要は誰にも見つからなきゃいいんだろ? 気にすんなっつーの」
だけどこの格好は少し恥ずかしい。
ウェンディもそう思っていたようで肩を落として「なんか……恥ずかしい……」と呟いているが、
「センスは悪いけど、アイデアとしてはいいわね」
「そうですね、センスは最低ですがアイデアとしては悪くないかもしれません。センスは最低ですが」
「二回言うなっての!」
と笑みを浮かべながら言うシャルルとフィール。まさか意外と好評……?
「ふぅ……なんかあっつい……この葉っぱ蒸れるよぉ……」
「だらしないわね……」
「もう少し我慢して下さい」
と文句を言うハッピーを、シャルルとフィールが宥めている。
「ぬぉ!? さっきの変な川だ!」
あの後、森を歩き続けているとさっき見た川が見える崖に出た。
「川が空に向かって流れてるなんて……」
川を見て感動しているウェンディの隣で、ハッピーが魚を探し始める。
「あれ? あそこ……」
周囲を見渡していると、少し離れた場所におじさんが釣りをしているのが見えたので、シャルル達にそれを知らせる。
「エドラスの人間みたいね……」
「よかったぁ……私達と同じみたいで……」
と安心するウェンディ。
一体エドラスの人間をどんな風に想像していたのか気になるが、それよりも――
「ナツさんが……いない?」
「あれ? ホントだ。ナツったらどこ行っちゃったんだろ?」
ハッピーとどこに行ったのか周囲を見渡していると、フィールがナツさんを見つけたと言う。
「あそこです」
そう言ってフィールが示した場所はさっき見つけたおじさんの後ろの茂み。
「よっ! ちょっといいか?」
突然現れたナツさんを見たおじさんは悲鳴を上げる。
今のナツさんの格好は普通の格好ではないので驚くのも当然だろう。
「妖精の尻尾ってギルドの奴ら探してんだ……どっかで見なかったか?」
尋ねながら距離を詰めるナツさんに、おじさんは悲鳴を上げながら逃げ去ってしまった。
「んだよ……ちょっと話し聞こうとしただけじゃねぇか」
「何考えてんの! 変な格好した上に、妖精の尻尾ってギルドなんて聞いちゃ何の意味もないでしょ!?」
シャルルの苦言に、ナツさんは鼻息を荒くする。
「そんじゃあどうやってみんなの居場所調べんだよ!」
ナツさんの反論に全員が言葉に詰まる。
「……もし、今の男性が王国に通報したら……」
「この擬態も意味無いよね」
フィールの意見を聞いて、とりあえずここを離れる事になった……が、
(空を流れる川……少しだけでも食べてみたい……でも、フィール達は飛べないしもしここから落ちたら助からない……ここは諦めるしか……!)
僕が苦悩していると、ウェンディに早く来るように催促された。
事態が事態なので、仕方なく川を諦めてみんなの元へ向かう。
「全く、早くみんなを探さないと」
「はぁ……やっと涼しくなった。てか、さっきの人釣り竿くらい忘れて行ってくれればよかったのに……」
再び森を歩いていると、何かの音が聞こえたような気がした。
「今変な音が聞こえませんでした?」
と聞いてみると、ナツさんが「また釣り人か!」と肩を回した時、近くの川から何かが顔を出した。
「あ! ナツ、魚だよ!」
「おぉし! あれを捕まえて飯にでも――」
ナツさんがそう言っている最中、顔のみを出していた魚がその姿を現した。
「「「「でかっ!?」」」」
魚の姿はとても大きく、それを見た僕達が大きく動揺している中、ナツさんは「強そうな奴じゃねぇか! 燃えてきたぞ!」と戦う気満々だ。
「でもナツさん、私達早く先に行かないと!」
「3秒あれば充分だ!」
ナツさんはウェンディにそう返し、魚に殴りかかって行く。
「火竜の鉄拳!!……あれ?」
ナツさんは魚の頭部を殴るが全く効いていないようで、ナツさんは魚に叩かれて川に落ちてしまった。
「ナツさん!」
「あれ……? 火がでねぇぞ」
頭に大きなたんこぶを作ったナツさんが川から出てくると、シャルルがナツさんに叫ぶ。
「だから言ったでしょ! エドラスでは魔法は自由に使えないって!!」
だがこれは、自由に使えないというより全く使えないの方が正しいだろう。
つまり……
「逃げるのよ!!」
シャルルの号令でフィールを抱えて逃げると、魚は木々を薙ぎ倒して追いかけてくる。
「追いかけて来てますよ!?」
「なんで魚なのに!?」
「魔法が使えねぇとなるとこの先厄介だぞ!?」
「今頃気づくなんて遅いよナツ!!」
魚から必死に逃げているうち、崖に追い詰められてしまった。
しかし、迫ってくる巨大魚は僕達の横を通過して崖から落ちていった。
「くそー! 魔法使えねぇだけでこれか!?」
「皆さん大丈夫ですか?」
と皆に聞くウェンディ。見たところナツさんのたんこぶ以外誰にも怪我はないようだ。
「でもこれだけ騒ぎを起こしたら、いくら森でも少しまずいんじゃ……」
と呟くと、シャルルがナツさんをさして注意をする。
「全く……変装もしていないのにこれ以上騒ぎを起こさないで!!」
「オレのせいなのか……まじで!?」
ショックを受けているナツさんに、フィールが「全部じゃないですがほぼナツさんのせいですよ」と追い討ちをかける。
「王国の連中が私達の存在に気づいたら何をするか分からないのよ!? そうなったらみんなを救出するどころか、私達だってどうなるか分からないんだから!!」
「そっか……なんかよく分かんねぇけどオレが悪いんだな……」
落ち込むナツさんにシャルルは「なんでそこでよく分かんないのよ……!」と青筋を立てる。
「シャルル……言い過ぎだよ?」
「ナツさんにだって悪気がある訳じゃ無いんだし……」
ウェンディと、シャルルを宥めようとしてみたが、「悪気があったらなおたちが悪い!!」と叫び、シャルルの怒りは収まらなかった。
********
その後、再び森を歩いていると二人の人間と遭遇した。
老人と青年の二人組は僕達を見つめると、なんと僕達に土下座をした。
「どうか御許し下さいませ!!」
「エクシード様、どうか命だけはご勘弁を!!」
突然土下座されて困惑していた僕達だが、"エクシード"と聞いてフィール達を見る。
「命だけはって……ハッピーじゃ人は殺せねぇだろ……戦闘力的な意味で」
「ぐはっ! 酷いよナツ!!」
その言葉に傷つくハッピーを無視して、ナツさんは二人組に近づいていく。
「あのよ! ちょっと聞きたい事があんだけど、オレ達のギルドの仲間がこのエドラスに――」
と話すナツさんだが、二人組はナツさんの後ろにいるハッピーを見て逃げ去ってしまった。
「さっきの人達……なんでエクシードに怯えてたんだろ?」
と呟くと、ナツさんが「今回はオレのせいじゃねぇぞ!」と叫ぶ。
刹那、ナツさんの踏んだキノコが変な音を立てた。
「今度はなんですか!?」
「嫌な予感がします」
とハッピーが言葉にした瞬間、キノコが膨らんで僕達を弾き飛ばす。
エドラスのキノコは弾力性が強いようで、キノコからキノコへとどんどん飛ばされてしまい、最終的にどこかの家に落下した。
「あぁ? なんだここ?」
「どこかの倉庫みたいだね……」
「今さらどれくらい役に立つかは分かりませんが、ここで変装用の服を拝借しましょうか」
それぞれ新しい服を持って着替え始める。
服を選んだ際、
「もしウェンディの着替えを覗きでもしたら……分かるわよね?」
とシャルルに警告されたので、負荷抗力でも覗いてしまう事が無いよう細心の注意を払いながら僕は元々着ていた青いニルビット族の衣装を脱いで緑色の服に着替えた。後頭部の辺りで髪を束ねていると、ナツさんが窓の外を見て震えているのに気づく。
「どうかしました?」
「おぉ!? 妖精の尻尾だ!!」
「「「えぇ!?」」」
ナツさんに言われて窓を覗いてみると、形こそ変わっているけど、確かに妖精の尻尾がそこにあった。
先に走っていったナツさんを追う形で妖精の尻尾に向かう。
植物の形をしているが、中央にギルドの紋章の入った旗があるので間違いない。
「みんな無事だ!」
「あっけなく見つかりましたね」
「見つかってよかった……」
ギルドのみんなが無事だったことに安堵する。
ナツさんに至っては涙を流すほどだ。
「なんかギルドの雰囲気違うね。」
「細けぇことは気にすんなよ!」
「気にしましょうよ、そこは」
その時、シャルルとフィールの顔が険しい事に気づく。
どうしたのかを聞くと、様子がおかしいと言うシャルル。
そう言われてテーブルの下に隠れ、みんなを様子を見てみると、確かにおかしかった。
ジュビアさんに必死にアプローチするかなり厚着をしたグレイさんと、それを冷たくあしらうジュビアさん。
ジェットさんとドロイさんに説教されているエルフマンさん。しかもジェットさんとドロイさんはギルド最強候補らしい。
お嬢様のような格好をし、アルコールが苦手だと言うカナさん。
「ど、どうなってんだこりゃ!?」
「みんなおかしくなっちゃったの!?」
いつもとは違いすぎる光景に言葉を失っていると、声をかけられた。
「おい、誰だてめぇら」
僕達は声をかけてきた人物を見て衝撃が走る。
「ここで隠れて何してやがる」
ドクロの髪飾りを着け、左腕に入れ墨のある、僕達とは親しいはずの金髪の女性。
「ルーシィ!?」
「さん!?」
その風貌にハッピーはいつもと違いさん付けで呼ぶ。
僕達のいた世界とはあまりに違いすぎるみんなに、シャルルが言葉を漏らす。
「これは……どうなってるの……!?」
エドラスの妖精の尻尾到着です。
テューズの着ていたニルビット族の衣装ですが、大魔闘演武編のグレイの衣装をイメージしていただければ、髪は冥府の門編のローグに近いです。
そして、すぐに消しましたが一度間違えて投稿してしまいました。
調べてみるとその時閲覧していただいた方が居たらしく、不完全な状態だったので申し訳ないです。