城下町のダンデライオン 平行世界の弟   作:最弱氏

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夏のバカンス

夏のバカンス

 

「う〜〜ん!快晴だな」

 

達樹は伸びをし、そういった。

 

「たっくん〜!そっちに行ったよ〜」

 

光が手を振っていった。

 

「おう!任せとけ!」

 

達樹はそういうと、バレーボールを跳ね返した。

 

今、櫻田兄妹は海に遊びに来ていた。

 

 

 

 

「うちにプライベートビーチなんて、あったんだね〜」

 

「人目を気にせず思い切り遊べるようにって、親父の配慮だよ」

 

「どの辺の島かは知らなけいけど、移動も修ちゃんの能力で楽だったし」

 

茜、修が砂浜に敷いたシートで雑談をしていた。

すると、先ほどビーチバレーをしていた達樹がやって来て、猫モードになり、ぐだーとした。

 

「にゃー」訳:疲れた〜

 

「うふふ、お疲れ様。達樹」

 

パラソルのお陰で日陰ができており、栞と輝を休ませている葵。

 

「にゃ〜❤︎にゃ〜にゃー」訳:葵〜癒して〜

 

達樹は葵に寄り添い、甘えた。

 

「うふふ♪よしよし〜」

 

葵は達樹を抱き上げ、胸に寄せた。

 

「にゃ!?にゃにゃ!?」訳:ちょ、ちょっと待って背中にや、柔らかい物が……!?

 

達樹は慌てた。

 

「もう、恥ずかしい柄ないの……」

 

まあ、確かに二人は婚約者同士だしね。

葵はそういうと、立ち上がった。

 

「ちょっと、散歩してくるから。奏、輝と栞の面倒お願いね」

 

「分かった」

 

葵はそういうと、達樹を連れて散歩しに行った。

 

 

 

「にゃー?」訳:なんで、散歩?

 

「気分かな?」

 

葵は歩きながら、達樹にそういった。

 

「なんか、こうしてるとお正月にあった時と同じだね」

 

「そう言えば、そうだな」

 

葵が正月にあった出来事をいい、達樹は葵の手から離れ人型に戻った。

 

「しかし……」

 

達樹は葵の水着をまじまじと見つめた。

 

「え、えっーと。なに?」

 

葵は達樹の視線に少し戸惑った。

 

「いや、水着が可愛いなって、思っただけ」

 

「………/////」

 

葵は達樹からの水着の感想を聞いて、ボンッと顔が熱くなってしまった。

 

「そ、そうかな……?」

 

「うん、葵らしくて綺麗だよ」

 

達樹のイケメン発言に葵は恥ずかしかった。

 

「〜〜〜ッ//// も、もうからかわないで〜///」

 

葵は恥ずかしくなり、達樹をぽかぽかと叩いた。

 

「ちょ、痛いって葵!?」

 

一様、言っておくがこの二人は姉弟だからね?

葵にぽかぽかと叩かれた達樹は、足が砂にはまってしまい、バランスを崩してしまった。

 

「どうわぉ!?」

 

「キャア!?」

 

二人は倒れてしまった。

 

 

「イテテッ……」

 

達樹は頭を抑えて、立ち上がろう手を伸ばした時……

 

むにゅんむにゅん

 

「ん?なんだ?」

 

達樹は自分の右手にある丸い柔らかいものに触れた。

 

むにゅんむにゅん

 

「これ?」

 

達樹はもう一度触ってみた。

 

むにゅん

 

すると、

 

「い、いやぁぁぁ!!」

 

「ぐへ!」

 

何者かに殴り飛ばされた。

 

「だあ!ぐは!かは!」

 

2、3度バウンド&転がり、ヤシの木にぶつかり止まった。

 

「ああ……ああっ……」

 

伸びってしまった達樹は頭を抑え、先ほどの場所に目を向けると、

 

「ん?」

 

「/////////」

 

 

顔を真っ赤にし、胸に手を覆っていた葵だった。

 

「あっ……///ご、ごめん葵」

 

達樹は自身の右手を2、3度握り、謝った。

どうやら、倒れた際達樹が下で葵が上に乗ってしまい、達樹が立ち上がろうと手を伸ばした場所が葵の胸で葵は恥ずかしくなり、達樹を殴り飛ばしたということだ。

 

達樹は葵の元へ向かい、手を差し出した。

 

「その、なんていうか…。ごめん」

 

「う、ううん。気にしてないから…///」

 

達樹の手を取り、立ち上がった葵はそう言った。もう一度言うが、この二人は姉弟だからね?婚約者だけども、姉弟だからね

 

「「…………」」

 

その後、二人は無言のまま、兄妹達のいる所に帰るのであった。

みんなのいる所に戻ると、丁度光、茜、岬がビーチバレーをするようだった。

 

「あ!たっくんもやろうよ〜〜!!ビーチバレー!!」

 

光が俺たちを見つけ、そう言って来た。

 

「ふっ、いいだろう。先の仕返しがてらやってやらあ!」

 

達樹はそういうと、光達の元へいった。

すると、修がこんなことを言って来た。

 

「はしゃぐのはいいが、あの仕切りから外には行くなよ、絶対に」

 

「ずっと、気になっていたけどなんだあれ?」

 

「気にするな。とにかくダメだ」

 

「「はーーい」」

 

修に言われた達樹と茜はそう返事し、光と岬とでビーチバレーをした。

 

「ちょっと、光!どこ飛ばしてんの!?」

 

光が違う所に飛ばしてしまった。

 

「茜ちゃん〜、たっくん〜〜!おねがーい!」

 

光が達樹と茜にそう叫んだ。

 

「任せろ!俺と茜のコンビネーションを受けてみろ!行くぞ、茜!」

 

「OK!たっくん!」

 

達樹と茜は走り出した。

 

「おい!ちゃんと話聞いてたか!?待て茜、達樹!止まるんだ!」

 

幸樹は二人を止めようとするが、時すでに遅し。

 

「よっし……ゃぶっ!?」

 

「だいじょうぶ、だいじょう〜………ブッッ!!!!」

 

達樹と茜は壁にぶつかった。

 

「えっ?これ?」

 

「壁絵?」

 

達樹と茜はぶつかった壁に触った。

 

「気づかれてしまったようだな……」

 

すると修が歩いて来て、こういった。

 

「ここは南の島なんかじゃない。近所の空き地に建てたプレハブの中だ」

 

「私たちを騙してたの!?」

 

修の言葉に岬は叫んだ。

 

「兄妹揃って海とか行くと警備とか大変だからな」

 

「ええー!!幻滅した!酷い仕打ちだよ!あんまりだよ!騙すんならもっとバレない努力をするべきだよ!」

 

光が怒った声で修にいった。

 

「そこじゃないと思うけど、光がここまで起こることはそうそうないよ!」

 

岬は光の言葉にツッコミつつ、そういった。

 

「安心しろ。砂と海水は本物だ」

 

「ならいっかー」

 

「丸め込まれてるよ、光!」

 

修の話に丸め込まれてる光であった。

 

「別に隠すなんてしなくていいのによ?楽しければいいてもんだぜ?兄さん?」

 

「そうだよ?修ちゃん」

 

「悪かった……。ただ純粋に楽しんで欲しかったんだ」

 

修は謝るのであった。

 

「あ、それと今、このビーチはTV生中継してるから」

 

「「………はっ?」」

 

修から驚きの言葉が出て来て達樹と茜は素っ頓狂な声を出した。

すると、ヤシの木の近くにカメラがあることに気づいた達樹と茜。

 

「これでも、金はかかってるから予算外だから、資金回収しなきゃならないそうでーー」

 

 

「いやぁぁぁん!!!!」

 

 

(やばいやばい!?マジでやばい!?俺と葵の関係がバレちまう!?いや、もしかしたら死角が合って見えてないかも……)

 

達樹は心の中でそう思ったが……後日、このTV生中継で達樹と葵の関係が全国民に知れ渡るのは時間の問題だった。

 

が、何故か全くバレませんでした。

どうやら、監視カメラは茜だけを写していたと、後日わかった。

 


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