少々、仕事の関係で投稿できる環境になかったもので・・・
申し訳ありません!
クリスマスダンスパーティー当日。
グリフィンドールの男子生徒たちは各々、ドレスローブに着替えて談話室にいた。
エスペランサは急遽、通販で入手したドレスローブを着ている。
何の装飾もない黒いドレスローブだったが、髪を短く刈り上げているエスペランサには似合わなかった。
「なんだか、悪役みたいだね」
ネビルは黒いドレスローブを着込んだしかめっ面の隊長をそう評価した。
「否定できない」
エスペランサの容姿は軍隊所属時代からあまり変わっていない。
髪は軍人らしい短髪であるし、ずっと昔に顔に負った傷は跡になっている。
目つきは鋭いままで、身体も筋肉質だ。
そんな彼が真っ黒なドレスローブを着ると、まるでB級映画の悪役のようである。
事実、学校に残っていた1年生たちはエスペランサの姿を見て逃げ出した。
エスペランサはこの世界に来てからも常にドッグタグを首からぶら下げるという癖がある。
ドックタグというのは兵士の認識番号や血液型が記載された金属で出来ている言わば身分証のようなものだ。
彼がホグワーツでドッグタグを持ち歩く意味はほとんど無い。
しかし、彼にとってこのドックタグはあの悪夢のような戦場を忘れないため、そして、軍隊と自分との縁を繋ぎ止めるための道具であった。
エスペランサは戦場に赴く時、例えば賢者の石を奪取する前やバジリスクとの戦闘に赴く前などに、このドックタグを握りしめることで緊張を紛らわせている。
そして、ダンスパーティーに向かう前である今も同じ動作をしていた。
何故か。
それは緊張していたためである。
談話室から廊下に出るための入り口付近にハリーとロンの姿を視認したエスペランサは彼らに近づいた。
ハリーの横には彼のパートナーであるパーパティー・パチルもいる。
ショッキングピンクのドレスを着た彼女は確かに美しいと形容出来たが、華やか過ぎてエスペランサはあまり受け付けなかった。
一方のロンはどこから見ても女性用と思われる赤いフリフリのドレスローブを着ている。
袖口のフリルは雑に切り取られていたので多少はマシになっているが、まるでルネサンス時代の貴族のようであった。
「やあ。エスペランサ。君は何だか地味なドレスローブだね」
「装飾された服は好きになれないからな」
エスペランサはチラリとロンのローブを見て言った。
「僕だってこんなドレスローブは嫌だよ。でもこれしか無いんだから仕方ないんだ」
「ああ。すまない。今の発言は無神経だったな。忘れてくれ」
「それより、ハーマイオニーを見なかった?」
「いや。見ていない。俺も今来たところだ。でも、何故ハーマイオニーを探してるんだ?」
「うーん。いや、別に探してるわけじゃ」
ソワソワしているロンを放ったままにしてエスペランサは大広間へと向かった。
大広間の入口は大勢のドレスやドレスローブに身を包んだ生徒がひしめき合い、賑わっていた。
まるで御伽話に出てくる舞踏会のようである。
特に女子生徒の気合いの入れようは凄まじく、煌びやかなドレスはもちろんのこと、魔法のかかった髪飾りなどをしている者も多い。
服装やメイクだけで人はかなり印象が変わるものだとエスペランサは実感した。
煌びやかな世界である。
砂で口の中が砂利つく戦場を駆け巡って生きてきたエスペランサには眩し過ぎる世界だ。
そんな心情もあって彼は大広間に続く廊下の隅の方で壁に背を預けながら待ち合わせまでの時間を過ごした。
時折、彼の知り合いがパートナーを連れて会場である大広間の中へ入っていく。
代表選手であるハリーとセドリック。
セドリックのパートナーであるチョウ。
ジニーを連れたネビル。
ダームストラングの代表であるクラムのパートナーは驚くべきことにハーマイオニーであった。
普段のボサボサ頭をどうにかしてストレートにしたらしく、本人には全く見えない。
ハリーはクラムのパートナーがハーマイオニーであることに気づいていないようだった。
他にもセンチュリオンの隊員たちが続々と大広間に入っていく。
エスペランサは大広間に入っていくセンチュリオンの隊員たちを見ながら、彼等と自分の間に壁があることに気づいていた。
彼等はこの1年で戦闘員として鍛えられたが、出自は一般家庭で平和な世界を享受してきた者たちだ。
故に、彼等は今回のパーティーのような明るい世界にも慣れている。
それに引き換え、エスペランサが平和な世界を享受したのはホグワーツ入学から今までの3年半のみ。
慣れない筈だ。
エスペランサは一人苦笑した。
「あー!いたいた!」
不意に声をかけられる。
見れば大広間前のホールに続く階段の上からダフネ・グリーングラスが走り寄ってくる。
黄緑色のフリフリのドレスに身を纏ったダフネは実年齢より3歳は幼く見える。
横で歩いているセオドールが保護者に見える程だ。
「なんでそんな隅っこにいるの?一瞬、ゴーストかと思って気付かなかったよ?」
「影が薄いって言いたいのか?」
「だってクリスマスなのに、廊下の隅で暗〜い顔して腕組んで立ってるんだもん。血みどろ男爵でももう少し愛想の良い顔するよ?」
「そんなに暗い顔してたか?俺?」
「そりゃあもう。負のオーラが出てたよ。ああ、そんなことより、そろそろ来るかなぁ」
「???」
エスペランサは階段の方を見上げた。
そこにはフローラが立っていた。
いつもは下ろしているブロンドの髪は横で括り、肩から垂らしている。
淡い水色のドレスから覗く肌は、普段はローブを着ているからわからなかったが、雪のように白かった。
普段無表情である故に他の生徒より大人びて見える彼女だが、その実、非常に幼い顔をしている。
しかし、今日に限っては化粧も相まってか、大人の美しさを兼ね備えていた。
その美しさは恐らく、ボーバトンの女子生徒が束になっても敵わないだろう、とエスペランサは思う。
150センチを少し上回るほどしかないフローラであるが、露出度の高いドレスから覗く膨らみきっていない胸部が彼女が女性であることを示している。
その事実を認識したエスペランサは少し目を逸らした。
「ほらっ何か言うことがあるんじゃないの?」と言いながらダフネが脇腹を肘で突いてくる。
そこでエスペランサはようやく我に帰ることができた。
「あー。あー、なんだ。その、あー」
「駄目だこりゃ。あまりの衝撃に言語能力がトロール以下に落ちてる」
言語能力を失ったエスペランサを他所にして、ダフネはセオドールと共に大広間に入っていく。
すれ違う時にセオドールがエスペランサのことをニヤニヤしながら見ていた。
「お待たせしましたか?」
エスペランサの前まで歩み寄ってきたフローラが言う。
「いや、そこまでは待っていない」
フローラの姿に周囲にいた複数人の男子生徒が目を奪われている。
彼等のパートナーである女子生徒はそれを見て般若のような顔をした。
少しでも彼女の姿を目に焼き付けようとしている男子生徒が足を止めるため、大広間前は少しだけ渋滞が起きている。
それ程までに今日のフローラは魅力的だった。
そんな彼女をパートナーにしているという事実にエスペランサは少しだけ喜びを感じていた。
無論、本人は自覚していないが。
「あの……私、何か変でしょうか?」
「え?」
「先程から色んな人にジロジロと見られるので……。やはり私にはこのような格好は似合わないのかな、と」
「いや、そんなことはない。新学期初日に俺が言ったことを覚えているか?」
「はっきりと覚えています。私にパーティーは似合わないとか言ってましたよね」
「ああ。そうだ。あの発言は撤回する」
「それはどういう意味なのでしょうか?」
「だから、その、あれだ。意外に似合って無くも…無い」
エスペランサはぶっきらぼうに言った。
その言葉を聞いたフローラは彼女にしては珍しく表情を和らげる。
「素直じゃないですね」
「ほっとけ」
すでにほとんどの生徒が大広間に入り、廊下に残されているのはエスペランサとフローラだけになっていた。
「私たちも行きましょうか?」
「あ、ああ」
とは言ったものの、エスペランサの足は動かなかった。
「あなたは私の目に映る世界を色鮮やかに染めてくれました。だから、今度は私があなたをあの光の中に導く番です」
そう言ってフローラはエスペランサに手を差し伸べた。
エスペランサはその手を取る。
想像していたよりもずっと小さく、そして柔らかい手だった。
そして、少し冷たい。
「あなたの手は何だかゴツゴツしていますね」
「え?ああ。ずっと軍隊にいたからな」
何時間も掩体を作るために円匙を持っていたこともあったし、何度も銃の引き金を引いてきた。
そんな手が綺麗な筈がない。
岩のように硬く、そしてボロボロになってしまっているのが彼の手である。
それに、その手は色んな意味で汚れてもいた。
「では、行きましょうか?」
「ああ」
そうして二人は光りの中へと入っていった。
ダンブルドアはダンスを踊る生徒たちを見ていた。
彼がことさら情をかけるハリー。
ダームストラングの代表選手と踊るハーマイオニー。
生徒が楽しそうに踊っている姿を見るのは校長としてとても幸せに感じた。
ダンスをする生徒で溢れる会場の片隅で、どこかぎこちなく踊っているエスペランサ・ルックウッドの姿を目に留めたダンブルドアは少し驚いた。
エスペランサがパーティーに参加していることに対しても驚いたが、その相手には更に驚かされた。
フローラ・カローが曰く付きのカロー家の人間であることは百も承知であり、フローラ自身がホグワーツ内で恐れられている生徒だという噂も耳にしている。
ダンブルドアもフローラのどこか冷たさを感じさせる雰囲気に警戒心を持っていた。
だがしかし、そんなフローラがまさかエスペランサとパートナーになっているとは。
「カロー家の人間が、ルックウッドとパートナーとは驚きですな」
ドレスローブなど着ずに、いつも通りの服装をしたスネイプがダンブルドアに話しかける。
彼らは職員用のテーブルの横に立っていた。
「スリザリンの寮監のおぬしも驚いておるのか?」
「我輩が言うのもなんですが、スリザリン生とグリフィンドール生は犬猿の仲。相容れない存在です。未だかつて、この寮の生徒同士がダンスパーティーのパートナーとなることなどあり得なかった」
「そうかね?」
「そうですとも」
スネイプは少しだけ切なげな表情をする。
ダンブルドアには彼が今何を考えているかが少し分かっていた。
「エスペランサ・ルックウッド。マグルの戦場で生きてきたあの子が、楽しげにダンスパーティーに参加する。その姿を見れただけでも価値があるのう」
「楽しげに?」
スネイプはダンスをするエスペランサをチラリと見る。
楽しげとは言い難い。
フローラにリードされて踊るエスペランサの姿は死霊に取り憑かれたような動きに似ていた。
絶望的なダンスのセンスの無さである。
「そうじゃのう。踊りは苦手なようじゃ。じゃが、あの二人は不器用ながらも楽しんでおるように見える」
ダンブルドアはかつて、クィレルにとどめを刺すエスペランサの表情を思い出した。
人を殺めることに躊躇いを感じない冷酷な彼がホグワーツで幸せになることが出来るかどうか、不安を感じた瞬間であった。
「我輩はルックウッドのことなどはどうでも良いですが、しかし、カローに関しては思うところはあります」
「ほう」
「フローラ・カローがどのように生きてきたのかを我輩は少し知っている。故に警戒もしていた。ワールドカップでの一件も陰でカロー家が糸を引いていたようですし。しかし、そのカロー家の人間がルックウッドとつるむとは・・・むっ」
「どうしたのじゃ?」
「校長。闇の印が・・・はっきりとしてきたのを感じます」
「なんと!やはりか!」
「以前報告したよりもはっきりと感じます。であるならば」
「うむ。すぐにカルカロフと接触するのじゃ。奴も同じことを感じておるのならば、最悪の事態を想定せねばならん」
「わかりました」
そう言い残してスネイプはカルカロフの姿を探しに行く。
近い将来、ヴォルデモートは復活するだろう。
予言のこと、ワールドカップでの出来事、それらからヴォルデモートの復活の匂いが漂ってくるのをダンブルドアは肌で感じていた。
ハリーが代表選手に選ばれたことも無関係ではないだろう。
もし、ヴォルデモートが復活したならば・・・
その時、この幸せに満ちた空間はどうなってしまうのだろう。
ダンブルドアはそんなことを思った。
エスペランサとフローラはスネイプとカルカロフがパーティー会場の外に一緒に出るのを目撃して、追跡することにした。
提案したのはフローラである。
エスペランサは然程気にならなかったが、フローラはスネイプとカルカロフという組み合わせに警戒心を募らせたらしい。
「辛気臭い者同士仲良くパーティーを抜けようとしたんじゃないのか?」
「いえ。あの2人は旧知の仲です。恐らく、何かあります」
小走りにエスペランサの前を走るフローラが言う。
「どういうことだ?」
「スネイプとカルカロフはもと死喰い人同士、同じ釜の飯を食べた仲なんです」
「俺も死喰い人については多少調べている。しかし、スネイプはダンブルドアがその身の潔白を証明しているし、カルカロフは足を洗ったはずだ」
「そうですね。スネイプ先生はダンブルドアの味方でしょう。しかし、カルカロフは完全に信用出来る相手ではありません」
フローラのただならぬ様子を見てエスペランサは懐に隠した拳銃に手を伸ばす。
2人はスネイプとカルカロフの会合を観察できるバラの茂みに隠れた。
パーティー会場の横にはバラの茂みが多数設置されていて休憩所のようになっている。
何組かのパートナーはその茂みで形容し難い行為に及んでいたが、エスペランサはそれらを無視した。
「マフリアート・耳塞ぎ」
フローラが杖を取り出して魔法をかける。
加えて目眩しの呪文もかけた。
スネイプがバラの茂みに隠れた生徒を発見しては排除し始めたからである。
「確かにただならぬ雰囲気だな」
エスペランサはバラの花にくっついていた黄金虫を摘みあげて弄りながら言う。
「イゴール。我輩はそこまで心配する必要はないと思うが」
「セブルス。何も知らないフリをするんじゃない。この数ヶ月、ますますはっきりとしてきた。私は本気で心配をしているんだ。あのお方が帰ってきたのではないかと」
「怖いのか?」
「何?」
「ならば逃げるが良い。臆病風に吹かれたと我輩が説明しておいてやろう。だが、我輩はホグワーツに残る」
スネイプがカルカロフに言う。
カルカロフは何かに怯えているようだった。
「もしあの方が復活したならば、私も君も殺されるぞ!」
「だから何だと言うのだ。お前も随分と腑抜けたものだな。ダームストラングの校長が聞いて呆れる。ダンブルドアとは大違いだ」
「セブルス。君に何が分かる。私は忠告はしたぞ」
カルカロフはそう言ってその場を去っていった。
スネイプも間も無くして会場の方へ戻っていく。
「どういうことなんだ?何がはっきりとしてきたんだ?」
エスペランサはフローラに疑問を投げかけた。
「恐らく、闇の印でしょう」
「闇の印?」
「ええ。ヴォルデモートが死喰い人を招集するために死喰い人の腕に彫った印です。我々の無線のようなものです」
「それが反応したというのか?」
「ヴォルデモートの力が強くなったとしたら闇の印もくっきりとしてきます。私の義理の父がそう言っていました。あの人も元死喰い人なので」
「ともすれば、ここ最近の不可解な出来事は」
「ええ。ヴォルデモートが関与している。そう考えるのが適切でしょうね」
「ヴォルデモートが復活するとなれば、それは危機的状況だ。現在のセンチュリオンの戦力ではヴォルデモートに対抗はできない。死喰い人だけなら戦えなくもないが、ヴォルデモートはそれ一人だけで一個連隊規模の戦力になる」
「ヴォルデモートと戦闘を行うにはもっとセンチュリオンを大規模にする必要がある、と?」
「ああ。魔法省も闇払いもヴォルデモートを前にしては無力だ。だから、今ヴォルデモートが復活したとしたら、英国内で対抗できる組織は我々しかいない。フローラ。早速だが、センチュリオンの正規隊員を増やすためのリクルートを開始してくれ」
「はい。何人か有望な学生をピックアップはしています。他にすることは?」
「装備を揃える。必要の部屋では迫撃砲より強力な装備は揃えられないが、何とかしないといけない」
ヴォルデモートの勢力がどの程度の規模なのかは不明だが、過去のデータによれば死喰い人は数百人、死喰い人ではないものの闇陣営にいた人間は千人を超える。
加えて、巨人や狼人間も参加していた筈だ。
そうなれば、もう小火器のみの武装では太刀打ちできないだろう。
エスペランサは焦っていた。
もし、ヴォルデモートが復活し、魔法界を征服するようなことがあれば、英国軍は間違いなく魔法界に宣戦布告をするだろう。
そうなれば、夥しい数の犠牲が出る。
それだけは絶対に阻止しなくてはならない。
「ところで、あなたはいつまでその黄金虫をいじっているのですか?」
「んあ?」
「正直な話。私はあまり虫が好きではないので、早く逃して欲しいんですが」
「お、すまねえ」
そう言ってエスペランサは手に持っていた黄金虫を解放した。
ダンスパーティーが終わり、フローラと別れたあと(フローラはエスペランサに一言お礼を言ってから寮へと帰っていった)、エスペランサは会場の入口でセドリックに呼び止められた。
「やあ。君とフローラのダンスを見たよ。なかなか面白いものが見れた」
「そうかい。娯楽を提供できて何よりだ。お前はチョウと楽しくやっていたみたいだな」
「ああ。まあ、ね」
セドリックは少し顔を赤くして言う。
エスペランサは溜息をついた。
呑気なものだと思ったのである。
「それはそうと、エスペランサ。君に相談があったんだ」
「相談?」
セドリックは周りを見渡して、他の生徒がいないことを確認した後に小声で言う。
「実は第二の課題の内容がわかったんだ」
「なんだって?」
「ああ。次の課題の舞台は湖の中だ。湖の中に僕の大切な人が拉致され、それを救出に行く。それが課題の内容だと思う」
「湖の・・・中だと?」
「そうだ。まあ、湖の中で活動ができるようになる魔法はいくつか存在するから、そこは何とかなる。問題は水中の中では銃も野戦砲も使えないってことなんだ。湖の中の危険生物に対して、杖だけで臨むのは不利過ぎる。何か良い方法が無いかと思って」
「水中で使える武器か」
水中で使える武器。
エスペランサの記憶が正しければ、ソビエト連邦が水中で使用可能な銃を開発していた筈だ。
だが、その存在が公にされたのは1989年。
無論、米軍が持っているはずもなく、エスペランサは見たことも触ったこともない。
「やはり、無いのか」
「いや、あるにはあるが・・・。俺も使ったことが無い武器なんだ。だがまあ、何とか用意しよう。セドリックの頼みだしな」
「ありがとう。助かるよ」
そう言ってセドリックは寮へと帰っていった。
水中銃って実は自分もよくわかっていないという