BIOHAZARD~悲劇のエージェント~   作:特殊作戦群

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ホテルで一夜を共にする二人、隣で眠るユウキを見てヴィアは複雑な思いをする。


ヴィアの想い

夕食をとり

 

「ふぅ・・・美味かった」

 

俺は言い

 

「ええ、本当に美味しかったわね」

 

ヴィアも言った。

 

「さてと」

 

時計を見ればまだ余裕がある。

 

「ふぅ、先にシャワー浴びてくるわね」

 

ヴィアは言いシャワールームに行き、途中で振り返り

 

「ユウキ、我慢できなかったら覗いてもいいわよ?」

 

ウィンクするヴィアに

 

「はいはい、そんあ不義理は働きませんからお好きな時間だけシャワー浴びてくれ」

 

俺は言った。そんな俺の返事にヴィアは

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

複雑そうな顔をしてシャワールームに入っていった。

 

ヴィアside1

 

シャワーを浴びながら先の言葉を思い出す

 

「You're being loved for life by Rikka」

 

「生涯貴方を愛しています 六花」、この言葉は私にも突き刺さっていた。写真のユウキは高校二年生の時の顔だっが彼は笑っていた。後で聞いたらあの写真は修学旅行の二日目に海で撮影した写真だとユウキは言っていた。でも問題はそこじゃない、私はあの悲劇の一夜を共にし、今こうしてユウキとは共に命を預けるような間柄になったそれでも「あの写真のような笑顔」を私は一度も・・・いいえ他の誰のメンバーも見た事がない

 

「私には・・・「本当の笑顔」を向けてはくれないの?」

 

ぼそっと呟いた。再会してからのユウキはいつも無理しているのがよくわかる。本当は日本に帰りたいでも帰ることはもう叶わない。そしてさっきの写真を見た時の動揺ぶり

 

「六花さん・・・・私は貴方が羨ましい・・・・・本当に」

 

誰にもいないひとりの空間で言った。六花さんの強い想いは同じ女である私も痛い程に理解できる。もう二度と会う事は叶わない相手を思うと言う事は。ただただシャワーの音が室内に流れる音が響くのだった。

 

ヴィアside アウト

 

ヴィアがそんな事を思っているとは全く知らずに俺は

 

「ふぅ・・・・うまい」

 

一人ワインを飲んでいた。

 

「{酒は嫌な事を忘れさせてくれる・・・・・か}」

 

飲み仲間のインテントが言っていたが全くその通りだと思う。今日あそこを訪れた事により再確認できた。日本人としての俺は既に死んでいると言う事を。

 

「死人に口なしか・・・・フッ・・・・何が自由の国だ、チクショウが」

 

俺は言っていた。毎年米国政府から俺の育った施設には名義を色々と変えて寄付金を送っているとアダム・ベンフォードから聞いた。確かに俺が政府の裏側に属する条件としてつけたがまさかまだ律儀にやっているとは俺も思わなかった。そんな事を思っていると

 

「ふぅ~~いい湯だったわよ」

 

ヴィアがあシャワーを終えてきたようだが、なんとまぁバスタオルを体に巻いたままと言う男には刺激の強い格好で出てきた。しかし俺はとある所に目がいった。

 

「ん??・・・・・」

 

ヴィアは俺の目をおい自分の太ももに来ているのを見ると

 

「もう、貴方が気にする事じゃないでしょ?」

 

彼女は言い

 

「後ろ向いてて、着替えるからさ」

 

俺は後ろをむき

 

ヴィアは着替える。

 

「いいわよ」

 

言い振り返るが

 

「ぶっ」

 

思わず吹いてしまう、それもその筈ヴィアは上半身は着替えているが下半身はパンツ一枚と言うきわどい格好をしているからだ。

 

「なんでもイイからズボン着ろズボン」

 

俺は言うが

 

「ユウキ、この傷そんなに気になる?」

 

ヴィアは隣に座り言い

 

「いや・・・えっと・・・その」

 

俺はいいよどもむが

 

「ごめんね、刺激が強すぎたかな」

 

言い彼女はズボンを履く。そして

 

「あっ、ズルい一人でワインなんて飲んでたの?」

 

彼女は言い

 

「そう怒るなって、お前の分もある」

 

俺は一本取り出しコルク栓を抜きヴィアのワイングラスに注ぎそしたら

 

「ユウキも」

 

彼女が俺のワイングラスに注ぎ

 

「ありがとう」

 

俺は言い彼女とワイングラス軽く当てる

 

「この夜景に」

 

ヴィアが言い

 

「二人の夜に・・・なんちゃって」

 

俺は言い

 

カチンッ

 

軽くグラスを当て

 

「もう、雰囲気台無しよ?、せっかくイイセリフ言ってくれたのに」

 

ヴィアは言いつつも互いにワインを飲み

 

「ほんとに時が流れるのは早いね、ワインを嗜む年になるなんて・・・」

 

ヴィアは言い

 

「ホントだな・・・」

 

俺もワインを飲みながら答えた。その後に幾分か時間が流れた後俺はシャワーを浴び戻る。

 

「さて、ベッドは使えよ俺はソファーで寝る」

 

言うと

 

「いいじゃない今更なんだし。一緒のベッドで一夜を共にした中じゃない」

 

ヴィアは言い

 

「・・・・・・・・」

 

俺は少し無言になり

 

「そうだな・・・・今更だな」

 

答え、二人でダブルベッドに潜り酒がいい仕事をしてくれたのかすんなりと眠気はやってきたのだった。

 

 

ヴィアside2

 

私の横でユウキは眠っている。穏やかな顔をして

 

「どんな夢見てるのかな?」

 

寝顔を見て私は呟き

 

「どうして私の想いに、気持ちに気づいてくれないかな・・・・鈍感さん」

 

頬をツンツンしたときだった

 

「ん~~やめてくれよ・・・「六花」・・・・まだ遅刻の時間じゃ・・・な・・いだろうが・・・むにゃむにゃ」

 

聞きたくない単語だった。

 

「夢でもやっぱり出てくるんだね・・・・私は出て来ないの?」

 

言い頬に

 

チュッ

 

軽くキスし

 

「お休み、いい夢見てね」

 

私はそのまま眠りに着いた。私も彼も正直に自分の気持ちに向き合う日は来るのかそれよりも自分の気持ちを伝えないと前には進めない。それがどれほど勇気のいる事か。




次回~傷ついた心~を予定しています。


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