悲劇の地を訪ねて、過去との対峙
ヨーロッパに発つ数週間前
20XX年
俺はアメリカ合衆国海軍の士官用軍服並びに士官用制帽を着用し正装でこの場を訪れていた。
「月日が流れるのは本当に早いわね」
ヴィアも言い
「ああ、本当にな。つい昨日のようにまだ思えるよ」
そこから離れた場所には消滅したラクーンシティー後がある。SEAL時代に衛星写真を見た事があったがほぼクレーターが出来上がっているのが分かる。
「10万人以上が一瞬にして消えたのよね・・・・」
ヴィアは言いラクーンシティーの方を見る。俺も彼女同様に向き直り、共に景色を見た。一生脳裏から離れる事はないだろう。一企業の悪事が罪なき大勢の人命を奪いそして挙句の果てが燃料気化爆弾を搭載した巡航ミサイルを10発撃ち込みそしてトドメが戦術核を使うと言うとんでもないやり方で幕を閉じた。だが、あの地獄の場所には最後まで己の仕事を・・・任務を遂行しようとした治安維持の最後の砦・・・R.P.D.警官達もいたのだ。脳裏から離れる事はない」
「何年経ってもやりきれないよ」
俺は言い犠牲者の名が刻まれた慰霊碑に行き
「クスッ」
思わず苦笑してしまい
「どうしたのユウキ?」
ヴィアに言われ
「ここを見てみろ」
指をさすと
YUUKI ICHINOSE AGE18
刻まれており
「本当に俺は死人扱いなんだなって思ってさ」
ヴィアに言い
「・・・・・・・・・・・」
ヴィアは俺の方に手を置き
「大丈夫、私が付いてる・チームの皆がいる。チームは家族だよ」
ヴィアは言ってくれる。ふと気付く
「これ・・・・・」
俺はそれを拾う。ラミネート加工された写真だった。
「り・・・・六花・・・・・みんな・・・・」
写真には俺と六花が高校二年時の修学旅行に行った時の写真が置かれており写真の裏には
「You're being loved for life by Rikka」
その言葉は俺の心に・・・心臓に突き刺さった
「つぅ~~~~・・・・・・・・」
ヴィアも写真を見て
「生涯・・貴方を・・愛しています・・・・・六花」
もう下手をすれば生きては互いに会う事はないだろう同級生の皆や六花。俺が生きている事がバレればとんでもない国際問題になる。だが、俺は既に戸籍が存在しない。存在しない人間なのだ。仮に日本政府が特例として戸籍の復活を承認しても俺が生きる場所はおそらくは日本に無いだろう。あの平和ボケした国では・・・・。
「大丈夫?」
ヴィアは言い俺は写真を置き
「ああ、一ノ瀬優希としての在りし日の青春の思い出として此処に置いていくよ、俺はもう日本人じゃない」
写真を置き、そして
「エルビス・エルフィン」
「ジャック・エルフィン」
ヴィアとアリサの両親の名が刻まれた所に移動し
「お父さん、お母さん今まで此処に来れなくてごめんねそれから気にもなってると思うから紹介するわ、ユウキ・アルジェント海軍少佐、SEAL所属で私の同僚よ」
ヴィアが言い俺はただ無言で親子のやり取りを聞いていた。そして俺はヴィアから離れもう一つの慰霊碑に来ていた。そこはラクーン市警察の殉職者の名前がつづられた石碑だった無論洋館事件で殉職したS.T.A.R.S.隊員の名前も刻まれている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
石碑一つ一つに触れ、俺を助けてくれた警官の人達そして
「マービン・ブラナー」
その名を見つける
「マービン、見てるか?俺今アメリカ人だぜあんたと同じ、それと見てくれれば分かるが海軍士官だ見てくれ似合わねぇ海軍の軍服姿だろ?」
俺は語りかけた。俺の知らぬうちにヴィアが隣に戻ってきており
「いいえ、マービン警視もきっとお似合いだと言ってると思いますよ」
ヴィアは言い、俺は
スッ
海軍式の敬礼を慰霊碑に捧げた、海軍兵学校で何度も叩き込まれた敬礼を捧げた、治安維持と国防は違わないと俺は思っている。だからここには先輩達が眠っているのだと思いながら敬礼する。横を見るとヴィアもすっと敬礼をしていた。
「{今度こそ絶対に守って見せます・・・・絶対に!!}」
俺は思いつつ敬礼を辞めた。そしてその後に俺達は予約入れていたホテルにチェックインする。そして言葉を失った。ヴィアの奴俺とダブルベットの部屋を借りていたのだ
「なにか問題でも?」
ヴィアはしれっと言うが
「いいや、何も言うまい」
俺は言い
バスルームに行き私服に着替える部屋に戻るとヴィアも私服に着替えている
「ほんとにヴィア、お前服何着ても似合うよな」
俺は言い
「ありがとう」
ヴィアは言い二人でホテルの窓から夜景を見る
「綺麗な夜景だよな」
俺は言い
「うん、でももしまたアウトブレイクが起きたらと思うとゾッとするでもそうならないようにするのが私達の・・ユウキや私レオンにクラウザーそれにインテントの仕事だもの今はまだ組織が小さくともいずれ大きな花を咲かせる時が必ず来る。」
ヴィアはいう。俺もそうだと思ってる。今はまだ「ホワイトハウス直属のエージェント」に過ぎないがいずれ時代は「対バイオテロリズム」の時代が来る。その時頼れるのは「地獄を経験し生還した人間」だという事だ」
俺は思ってると
「でもさ、今だけは・・・・このままで居させて」
ヴィアは言い俺にそっと寄りかかってくるのだった。
「・・・・・・・・・・・・・・」
俺も何も言わずヴィアを頭を撫でていたのだった。
次回~微妙な関係の二人、周りの視線~を予定しています。