「zzzzzz・・・zzzz・・・」
ベットではヴィアが規則正しい寝息を立てて眠っているように伺える。
「・・・・壊れるまで・・・・か・・・」
俺はそっとヴィアから手を離し布団をかけてやりベットから立ち上がった。部屋は月明かりに照らされている。
「俺はどんな人生を歩むはずだったんだろうか・・・・・」
月夜に自問自答する。無論答えなど帰ってこない。両親は自衛官で自分もその跡を継ぐのだろうか?それとも誰かと恋に落ち結婚し子育てをしその子の未来を思いながら一生を終えるのか・・・人生など本当に分からない、神様の気分一つで簡単に変えられてしまうのだろうか?
そう考えつつも
「{考えても仕方がない・・・か、俺は選んだその手に銃を握り戦う事を。}」
内心思っていると
「明けない夜なんてないよ・・・・最後のその瞬間まで」
振り返ると眠っていたヴィアが起きた。
「ごめん、起こしちゃったか」
俺は頭を掻きつつ言っていると
「さっきも言ったけど、本当にあなたは一人じゃない、孤独じゃない。レオンがいるクラウザーがいるそして相棒のインテントがいる。私だって、それにアリサも。」
ヴィアは言い
「残酷な人生だったのかもしれない。両親を失い、祖国に帰れなくなった事も」
ヴィアは続けて言い
「私はいつでもユウキの味方だよ。」
俺は何も言わず、いつ何時も肌身離さず認識票と共に付けているブローチを外した。
「・・・・・・・・・・・・・」
いつも見ると辛くなるから見ないようにしてきたがそれを今は開ける。そしてそれをヴィアに渡す。
「優しく、微笑んでるわ・・・・」
ヴィアは言い
「両親だよ。お袋は訓練中の事故で殉職。親父は・・・・機密任務中に戦死。これで俺は俺一人になった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヴィアは黙って聞いていた。俺はこの事を話したのはヴィアが初めてだった。ブローチの存在を明かしたのも・・・
「関係を断ち切りたくなかったんだ・・・・・・故郷との繋がりを・・・両親が眠る場所を忘れたくなかった・・・こんな形で今は「アメリカ人」だけど心は日本人のままでいたい」
ヴィアの顔を見ずに俺は外を見たまま言った。今日の一日を振り返り、やはり休まる時はないそう思ったのかもしれなかった。
「今日は貴方の事また一つ知ることができた気がする。でももう寝ましょう?睡眠は取らないと体に毒よ?」
ヴィアは俺の手を引きベッドへと戻る。
「お前も一緒に寝る気か?」
横になる俺の隣に腰を下ろしたヴィアに対し
「ダメ?」
ヴィアは言ったが
「お前の妹に見つかったら俺はなんて言い訳すればいいか教えてくれ?」
言うと
「・・・・寂しく一晩を過ごすよりは遥かにマシかと思ったんだけど・・・・」
言われ
「・・・まぁ・・・その当たってるわな・・・いつも一人部屋で寝てるしな・・・」
素直に認め
「今日一晩は大丈夫だよ・・・夢の中で会いましょう・・・」
そういい今度こそ俺もヴィアも夢の世界に落ちていった。
次話~ホームパーティー~を予定しています。