それに元EUも含めたブリタニアの侵略に反抗する勢力も加わり、徐々に合衆国連合が形になって行きます。
そんな中、扇の元にヴィレッタから連絡が……
彼女に会いに行こうとした扇は、ディートハルトから衝撃の事実を聞く事になります。
旧中華連邦が崩壊し、中国大陸は各地の軍閥が割拠する状態になっていた。その混乱を平定し、ブリタニアに対抗するため、黒の騎士団と星刻の率いる元中華連邦軍が中心になって動いていた。
反乱を起こす軍閥の鎮圧には、星刻や藤堂ら実動部隊が当たり、俺やディートハルトは賛同する軍閥と連日のように会議を行っていた。ゼロは、多忙のため主には会議には顔を出さず、俺やディートハルトを介して指示を出していた。
その各地の代表との会議中に、突然玉城が入って来た。
「何だ?会議中だぞ!」
「知るかよ!俺が呼ばれて無い会議なんてよ!」
突然、何を言い出すんだこの馬鹿は?黒の騎士団内の話し合いじゃ無いんだぞ!お前のその礼儀をわきまえない態度が、日本人全体の信用を落とす事になり兼ねない。そんな事も分からない馬鹿だから、こういう席に出られないんだろうが!
しかし、俺のそんな危惧もお構い無しで、玉城は俺に寄って来る。そして、耳元で囁く。
「ゼロから緊急通信だ。何か様子がおかしい。」
「え?」
俺は一旦席を外す。別な部屋に移動し、通信機でゼロに話し掛ける。
「ゼロ、扇だ。何かあったのか?緊急って?台湾の人達なら今……」
『お……扇……』
「?……その声は?ち……千草か?」
『……話がある。ふたりだけで、会えるか?……可能なら、私が中華連邦まで行く。』
話?いったい何を?
「ん?ああ、明日なら多分……」
「それでは……」
千草は、待ち合わせ場所を俺に告げて、通信を切った。
どういうつもりだ?この間もそうだが、何故今更俺と……いや、それもそうだが、何でこの回線を彼女が使える?これは、黒の騎士団員しか使えない筈だ……
翌日、俺は千草に会うため、こっそり蓬莱島を抜け出そうとする。
ところが、本部ビルを出ようとしたところで、ディートハルトに呼び止められる。
「副司令、何処へお出かけですか?」
「ん……いや、ちょっと……」
俺は、口を濁してそのまま行こうとするが、
「ヴィレッタ・ヌウ。」
と言われ、立ち止まってしまう。
「ブリタニア機密情報局、皇帝直属の組織の女指揮官。」
「ど……どうしてそれを?」
「咲世子が、彼女とあなたが会話しているところを目撃しています。」
「何?」
「ご存じでしたか?実は彼女は、あなたとの関係をブリタニアに伏せる条件で、今迄ゼロに協力していたんですよ。」
「な……何だと?じゃ……じゃあ、ゼロは、俺と千草の事を……」
「知っています。」
衝撃に、俺はその場に立ち尽くすだけだった。
中華連邦の千草に指定された場所で、岩に腰掛けて俺は彼女を待っていた。
待ちながら、ディートハルトに言われた事を考えていた。
ゼロは、俺が千草と関係していた事を知っていた。それでいて、あえて放置……いや、千草を利用するために、知らない振りをしていた。
ふっ、団員に対するフィルターとしてだけで無く、そんな事にも利用されていたのか俺は。こっちがゼロを利用しているつもりが、俺の方が遥かに便利に使われていたって事か?
だが、当然か……俺には、ゼロやディートハルトのような才覚は無い。騙し合いで、あいつらに適う筈が無い……
ディートハルトには、そのまま彼女をこちら側に寝返らせるように命じられた。もしそれが無理な場合は、始末しろと……だが、俺には千草を殺す事なんて……
考えているところに、千草が現れた。俺は立ち上がる。
「千草……」
「それは、私が記憶を無くしていた時の名前……本当の名前は、」
そう言いながら、彼女は俺に拳銃を向ける。
「……ヴィレッタ。」
彼女は何も言わず、俺を睨み付けている。
「でも、俺にとっては……」
「私はブリタニアの男爵、たとえどんな理由があろうと、イレブンとの汚点は消し去らなければ、この世界では生きては行けない。」
「はっ、そうだよな……どうせなら、日本で死にたかった。」
俺は、彼女から目を逸らす。
「殺されると知って、ここに来たのか?」
「死ぬ時くらいは、自分で選びたいから……」
これも嘘だ。ディートハルトが書いたシナリオだ……
「私を殺すという手だってある筈だ!そもそも、何故テロリストがブリタニア軍人を助けた?」
「最初は、ゼロの情報を聞き出そうと思った……君を騙して、監視して、でも、君と暮らす内に……」
もう駄目だ!これ以上は……
「私は敵だぞ!」
「でも、好きなんだ!」
もうシナリオは止めだ!
「馬鹿か、貴様は?」
「敵だけど、馬鹿みたいだけど……でも、君を好きになってしまったんだ!」
俺は彼女に向き直り、今の素直な気持ちをぶつけた。
「で……出会わなければ良かったんだ!」
彼女は、少し潤んだ目で、それでも銃口は俺に向けたまま叫ぶ。
こちら側に寝返らせろと言われたが……駄目だな……もう、彼女に嘘はつけない。千草の生まれ変わりのような、彼女には……
その時、千草の背後の木の上から物音がして、彼女は振り返る。俺も慌て木の上を見る。そこには、篠崎咲世子の姿があった。
「ちょ……諜報部の?」
ディートハルトめ、最初からこうなる事を読んでいたのか?
篠崎は、千草に襲い掛かる。彼女を始末するつもりだ。
「くっ!」
篠崎は、忍者のようにクナイを投げて千草を攻撃する。千草は、銃で応戦するが、それこそ忍者のように素早く動き回るので弾は当たらない。戦闘をしながら、ふたりは次々と場所を変えて行く。
「止めろ!止めてくれ、ふたりとも!頼むから!」
そう叫びながら、俺は後を追う。
千草は崖に追い込まれ、逃げ場が無くなってしまう。更に、銃弾も尽きてしまった。
「良い関係が築ければと思っていましたが、残念です!」
そこに、篠崎の放つクナイが彼女を襲う。
「止めろ!」
俺は、とっさにふたりの間に飛び込んで、彼女を庇って篠崎のクナイを体に受ける。
「うっ!」
一応、彼女に問答無用で発砲された時の用心に、防弾チョッキを着込んでいた。なので、クナイはちょっと肌を傷付けただけだったが、勢い良く飛び出したところに強い衝撃を受けたので、俺はそのまま崖から落ちてしまう。
「扇!」
何?!
何と、千草はとっさに崖から飛び降り、俺を庇うように抱き締める。
お……俺を、助けようというのか?千草……
そして、ふたりとも崖下の川に墜落して行く……
だが、俺達は助かった。崖下には、予めディートハルトが配置していた、諜報部の団員が居たからだ。
数日後、遂に中華連邦から独立した国々と、ブリタニアの植民エリアとなった亡命政権の賛同が得られ、“超合衆国”が設立される事となった。超合衆国憲章批准式典が、合衆国日本首都の蓬莱島で開かれる。
その式典の控え室に、俺はディートハルトに連れられ、遅れてやって来た。
「おお、やっと来たな。」
「こんな時に遅刻してる場合か?」
部屋に入るなり、南と杉山が寄って来る。
「いや……すまない。」
「扇、大した寝坊だな?」
藤堂も、声を掛けて来る。何か、後ろで千葉がむくれているみたいだが……
「遅れてすみません。実は……」
「急ぎましょう!今日は、歴史に残る日ですからね?」
ディートハルトが俺の肩を叩き、“余計な事は言うな”という目配りをする。
そして、超合衆国憲章批准式典は始まった。この様子は、メディアを通して、ブリタニア本土や植民エリアにも流された。当然、日本……エリア11にも。
参加47ヶ国全てが、合衆国憲章への批准を終え、超合衆国はここに成立した。そして、憲章内容が述べられた後、最後に超合衆国最高評議会議長の神楽耶様が話す。
「合衆国憲章第十七条、合衆国憲章を批准した国家は固有の軍事力を永久に放棄する。その上で、各合衆国の安全保障については、どの国家にも属さない戦闘集団、黒の騎士団と契約します!」
「契約、受諾した。我ら黒の騎士団は、超合衆国より資金や人員を供給してもらう。その代わり、我らは全ての合衆国を護る盾となり、外敵を制する剣となろう!」
神楽耶様の言葉に、ゼロが答える。
黒の騎士団も、ここに新たに組織が改変された。日本人だけでなく、中華連邦やそれぞれの賛同する国の兵達が加わり、ブリタニア軍にも引けを取らない大組織となった。
ゼロは最高責任者であるCEOとなり、総司令に星刻、俺は事務総長となった。ナンバー2の座は星刻となるが、藤堂、ディートハルト、ラクシャータ達と共に今後も首脳部という位置付けになる。
「それぞれの国が、武力を持つのは騒乱の元。超合衆国では最高評議会の議決によってのみ、軍事力を行使します。」
天子の言葉に続き、再び神楽耶様が話す。
「それでは、私から最初の動議を。我が合衆国日本の国土は、他国により蹂躙され不当な占領を受け続けています。黒の騎士団の派遣を要請したいと考えますが、賛成の方は、ご起立を!」
式典に参加した、全ての国の代表が起立した。
「賛成多数、よって、超合衆国決議第一号として、黒の騎士団の日本解放を要請します!」
「いいでしょう、超合衆国決議第一号、進軍目標は、日本!」
ゼロは右手を高々と上げ、その手を日本の方角に向けて言う。
「取り戻す、我々の日本を!」
藤堂が、決意を言葉にする。
「これでカレンちゃんも……」
「あ……ああ、そうだな。」
ラクシャータに言われて、ずっと上の空だった俺は慌てて答える。
その時、突然モニターの画面が乱れ、直後に、ブリタニア皇帝シャルルの姿が映し出された。
『ゼロよ!』
電波ジャックされたのだ。
「予備ラインを使え!接続を切るんだ!」
『だめです!予備も抑えられています!』
ディートハルトは接続を切ろうとするが、ハッキングは解除できなかった。
『ゼロよ、それでわしを出し抜いたつもりか?だが、悪くない。3局のひとつEUは既に死に体。つまり貴様の造った小賢しい憲章が世界をブリタニアとそうでないものに色分けする。単純、それ故に明解、畢竟この戦いを制した側が、世界を手に入れるということ。いいだろうゼロ、挑んで来るが良い。全てを得るか、全てを失うか、戦いとは元来そういうものだ。オールハイル、ブリターニア!』
ゼロは、うろたえているのか、何も言わない。シャルル皇帝の呼称を、ブリタニア軍兵士達が復唱しているのが聞こえて来るようだ。
「日本万歳!」
これに対抗して、藤堂が叫ぶ。
この呼称を、黒の騎士団全団員が復唱する。
ここに、ブリタニア軍と黒の騎士団の、全面戦争の幕が切って落とされた。
まずは、総司令の星刻の指揮で、竜胆を母艦として主力部隊がカゴシマ租界へ進軍した。
これを陽動として、斑鳩を母艦とした俺達別働隊は、海底深く潜行して東京湾に向かっていた。
その進行中、俺はディートハルトに呼び出され、ふたりだけで話をしていた。
「全く……咲世子も、彼女を殺すつもりではありませんでした。動きを封じて捕縛するように命じてありました。」
「だが、俺には“始末しろ”と……」
「そう言われても、あなたには始末できないでしょう?」
「ちっ……」
全てお見通しか、嫌な奴だ……
モニターには拘束されて、ベットに横たわる千草の姿が映し出されている。今度は、俺に言う事を聞かせるための人質という訳か?
「それで、俺を脅して何をさせるつもりだ?」
「脅し?いえいえ、今まで通り、黒の騎士団の一員として働いて頂きたいのです。」
「どういう意味だ?」
「私は、ゼロの邪魔をしないで欲しいだけなのですよ。」
「だったら、俺を追い出せばいいんじゃないのか?」
「とんでも無い、あなたには、このまま事務総長を続けて頂かないと。」
「何故だ?俺の代わりなんていくらでも……」
「あなたの存在は、平凡であるからこそ価値がある。」
「ああん?」
「組織というものは、太陽ばかりでは立ち行かぬものです。」
ふん!面と向かって無能だと言われているのと同じだ。まあ、その通りだから仕方が無いが、どうにもこの言い方には腹が立つ。
「ゼロがそう言ったのか?」
「いいえ、これは私の見解です。」
ふん、本当に嫌な奴だ……
カゴシマ租界では、ナイトオブワンとナイトオブテンを相手に、星刻は苦戦を強いられていた。そこで、ようやくゼロが動き出す。東京租界に単身蜃気楼で向かったゼロは、予め仕込んでおいたゲフィオンディスターバーで都市機能を完全に停止させる。
『よし、条件はクリアされた。藤堂!』
『承知した!7号作戦開始!』
ゼロからの連絡で、藤堂が指示を出す。
『斑鳩浮上!』
艦長の南が命令する。
斑鳩は、一気に浮上しそのまま大空に舞い上がる。
俺達も、個室を出てブリッジに向かう。
「扇さん、今は……」
「分かっています!」
ディートハルトが釘を刺して来る。言われなくとも、千草を人質に取られていては逆らえる訳が無い。今迄通り、お飾りの副司令……今は事務総長か?続けてやるよ!
「本艦隊は、このまま東京湾を抜け、東京租界に突入、ゼロと合流する!」
斑鳩は、小型可翔艦を引き連れ、東京租界に到達した。
『黒の騎士団、斑鳩艦隊に告げる。ゲフィオンディスターバーによって、東京租界のライフライン、通信網、そして第5世代以前のナイトメアは機能を停止した。敵の戦力は半減している。各主要施設を叩き、東京租界の戦闘継続能力を奪い取れ!シュナイゼル率いる、主力部隊が到着するまでが勝負となる。防衛線を敷きつつ、ブリタニア政庁を孤立させろ!ナナリー総督を抑えれば、我が軍の勝利だ!』
ゼロの指令で、ナイトメア隊が一気に攻め込む。藤堂も出撃したので、斑鳩の指揮は俺に代わる。だが、出撃したナイトメア隊の中に、何故かジェレミアが居た。
「……それよりも教えて欲しいのは、何でジェレミアが仲間になってんのかって事よ。」
ラクシャータも、疑問を口にする。俺にも、さっぱり訳が分からない。
こちらの策が嵌ったかと思われたが、シュナイゼルは東京決戦を読んでいた。思わぬ抵抗を受け、思うように戦局は進まない。
更には、
「蜃気楼、通信不能!」
「ゼロが?」
「ナイトオブシックスと、交戦状態に入ったようです!」
「橋本隊への指示はどうしますか?」
「九十九里の供えもありますが?」
「ああ……ええと……」
ゼロに通信できないため、皆俺に指示を仰ぐ。しかし俺には、即座に戦況を判断して、的確な指示を出す事などできない。
「橋本の連絡は俺に回せ!」
さり気無く、南がフォローしてくれる。こういう時、昔からの仲間は助かる。
「杉山、ゼロの援護として動ける部隊は?」
俺は、まずゼロを援護するしかないと杉山に問う。
「それが、玉城しか……」
な……何だって?それじゃ、援軍にも何にもならないじゃないか?ど……どうすればいい?駄目だ、何も思い浮かばない。せめて、C.C.でも居てくれれば……
あらためて、自分の無能さを思い知らされた。仕方無く、俺は玉城にゼロの援護を指示した。
そうしている内にゲフィオンディスターバーが破壊され、租界の都市機能が復活してしまう。これで、戦力的には立場が逆転してしまった。
ゼロは、何とかナイトオブシックスからは逃れられたようだが、今度は、カゴシマから掛け付けたナイトオブテンの部隊に捕まっていた。
「大変です!太平洋上に、新たな敵影が!」
「何?また、ナイトオブラウンズか?」
「いえ……これは、ブリタニア皇帝の旗艦です!」
「な……何だって?し……蜃気楼との通信は回復したか?」
「は……はい!」
「直ぐに、ゼロに繋ぐんだ!」
「ゼロ!聞こえますか?ゼロ!」
『こちらの援軍はどうなった?』
「間も無く玉城さんが……それより、太平洋上に敵影です!」
『それがどうした?』
「ゼロ、俺だ。敵影の正体は、ブリタニア皇帝の旗艦らしいんだが?」
『何?奴が……』
まずい、この状況で、ブリタニア皇帝まで加わったら……
ようやく玉城がゼロの援護に到着したが、思った通り瞬殺された。何の役にも立たない、もう万事休すかと思われた時、ゼロを捕らえていたナイトオブテンの取り巻きナイトメアが一瞬で撃破され、蜃気楼の前に紅蓮の姿が……
『ゼロ!親衛隊隊長紅月カレン、只今をもって、戦線に復帰しました!』
篠崎達の潜入部隊が、カレンを救出したのだ。何故かパワーアップされている紅蓮に乗って、カレンが応援に駈け付けた。
「プリン伯爵と、あれはセシルのエナジーウイングか?あいつら勝手にあたしの紅蓮を!」
それまで、やる気無さそうに寝転がっていたラクシャータが、立ち上がって不満をぶちまける。
「しかし、これでカレンが戻って来られた訳だし……」
正直言って、これ程頼りになる援軍は居ない!玉城など、百人集まっても足元にも及ばない。味方の士気も一気に上がった。
それだけでは無い、ラクシャータは文句を言ったが、改造された紅蓮の性能は第7世代ナイトメアのみならず、ナイトオブラウンズの機体すらも凌駕する究極のナイトメアと化していた。その上、扱うのはラウンズ級の腕前のカレン。もう、今の紅蓮に戦場で敵は無かった。瞬く間にナイトオブテンを撃破、枢木スザクのランスロットをも圧倒した。
その時、
「艦内第4居合区画にて、爆発反応あり!」
「え?」
オペレータの声に、俺ははっとする。まさか、千草か?
カレンの紅蓮が、とうとうランスロットを追い詰めた。勝負は決まったと思ったその時、ランスロットが背中に隠していた銃を取り出し、一発の砲弾を放った。それは、直ぐには爆発せず、租界上空で激しい輝きを放ち燻っている。それを見たブリタニア軍が、突然戦場から避難を始めた。
「何かまずい、斑鳩を最大船速で後退させろ!」
こちらも、全軍に撤退命令を出す。
すると、その光は一気に広がり、東京租界全体を包み込んだ……
咲世子の上官でもあるディートハルトが、ヴィレッタの事を知らないというのはおかしいと思います。そして知っていれば、扇との関係も知っている筈。なので、原作とは展開を変えました。扇はヴィレッタに殺されに行ったんでは無く、ディートハルトの命令で完全に寝返らせるために行ったんです。ただ、扇を信用していないディートハルトは、ちゃんと手を回していました。だから、崖下に落ちたふたりも無事だったのです。
斑鳩での扇とディートハルトの会話も、原作のままだと何かうまく繋がらないので、少し会話を継ぎ足しました。
ところで、C.C.やV.V.が不死身なのは分かりますが、咲世子さんも何気に不死身っぽく無いですか?
ジェレミアに背中から切られて、地下の機密情報部のアジトではかなり重傷そうで、点滴までされてました。しかし、その直ぐ後にロロと一緒にルルーシュのところに向かってるし、翌日にはピンピンして蓬莱島でディートハルトの指令を受けてます。そしてそのまま、中華連邦の山中でヴィレッタとバトル……ひょっとして、咲世子さんコード保持者だったんですか?
最後に、今回も関係無い話です。
ジェレミアのギアスキャンセラーについて、ちょっと疑問があります。
これは、ギアス能力者が発動させているギアスを打ち消すのと、命令・記憶の改竄を無効にするんですが、過去の完了した命令に対してはどうなんでしょうか?
例えば、ルルーシュはカレンにギアスを掛けて新宿の事を聞きましたが、それはそこで完了してます。そのカレンにギアスキャンセラーを掛けたら?無効にするものは、もう何も無いんですが……まさか、ルルーシュがカレンにギアスを掛けた過去が“無かったこと”になるんですかね?
それと、もしマオとジェレミアが対峙したら?マオのギアスはオフにできないから、常時発動します。それを自動的にキャンセルするとなると、ギアスキャンセラーはずっと稼動し続けなければならなくなります。オーバーヒートしてしまわないですかね?
もうひとつ。ジェレミアは最後にアーニャにギアスキャンセラーを掛けましたが、もし、マリアンヌがまだ中に居る時に掛けてたらどうなったでしょうか?自らの力で、マリアンヌを消滅させていたでしょう。そうなったら、ジェレミアは完全に壊れて、二度と再生できなくなったでしょうね。