笑顔は太陽のごとく…《決戦の海・ウルトラの光編》   作:バスクランサー

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そういえば前作書いてたとき
うつ病(?)とここに書きましたが、
無事に脱しました。

さあこの状態がいつまで保てるか(錯乱)

本編どうぞ。


英雄の帰還

 ーーー第一艦隊のメンバーたちは驚いた。

 巧みに機体を操り、なおかつ自分たちに怪獣の攻撃や自身の流れ弾が当たらないようにしている。とにかくその操縦テクニックが、上手いとしか言いようがないのだ。と、

「遅れてすまん!!みんな、大丈夫か!?」

 提督の乗ったスペースマスケッティが、救助に駆けつけた。

「私たちは大丈夫です!」

 通信機に叫ぶ山城。

「あの戦闘機…スペリオルが、私を、私たちを助けてくれたんです!」

「スペリオル…!?あれか!」

 受け答えをし、目視でそれを確認すると同時に、彼の中にある一人の人物が浮かび上がる。

「ということは…まさか!?」ーーー

 

 ーーー「救助が来たか…よし、もう少しだけ時間稼ぎだ!」

 操縦する青年は、操縦桿を大きく切り、サメクジラの砲弾を回避しつつ隙をついて攻撃を続ける。

「恐らくあの戦闘機は、あの少女たちを助けに来ている。だったら、こいつの注意さえも、あれに向けるわけにはいかない!」

 水面に垂直着水し、提督が1人ずつスペースマスケッティのコックピット・ジオアラミスに第一艦隊のメンバーを乗せている。サメクジラの注意はそっちには向いていない。

「ここで一発行くか!」

 青年は機体をサメクジラの正面に回り込ませ、そして照準を合わせる。

「スパークボンバー、発射!!」

 操縦桿のスイッチが押され、スペリオルの機体下部から、火星で発見された鉱石・SP-1を使用したその最大火器が放たれる。そして、青年の狙い通り、スパークボンバーはサメクジラの角を、正面から粉砕した!

「おっしゃ!」

 爆煙を抜け、スペリオルは宙返りで、再攻撃を背面から仕掛けようとした、が…

「なっ…どういう事だ!?」

 ほんの今粉砕したはずのサメクジラの角が…しっかりとあるべき場所に、その存在を示しているのだ。

「確かに破壊したはずじゃ…!?」

 青年の脳内に浮かんだのは、再生能力。しかしすぐに自分でそれを否定する。確かに再生能力の線もあったが、それにはいくら何でも時間が早すぎるのだ。

「じゃないとしたら…!」

 青年は賭けに出た。スペリオルを再び真正面に回らせ、敢えて攻撃をせずサメクジラに正面から近づいていく。次の瞬間、サメクジラの体はそのままの位置に、そしてその角はいきなりスペリオルに迫ってきた!

「やっぱりか!」

 体制を取っていたこともあり、青年は軽々とそれを回避。その光景は救助中の提督も確認していた。

「そうか…!

 あいつの角は…ミサイルだったのか!」

 

 背中の砲台からの弾幕をかわしつつ、青年はスペースマスケッティの方を横目で確認する。

「よしっ、間に合ったか!」

 救助がたった今済んだようだ。が、サメクジラは再び角ミサイルを放ってくる。

「やべっ!」

 コース的にちょうど危ないところにいたため、青年は撃墜を覚悟した。しかし、ミサイルはスペリオルに目もくれず、逸れていくではないか。

「助かった…?…いや!!」

 そう、このミサイルの軌道の先は、スペリオルではなく…救助を終え全員が乗った状態の、スペースマスケッティだった。

「これが狙いだったのか!」

 スペリオルを回り込ませ、ミサイルへの攻撃を試みるが、距離がもうなく、今からでは間に合わない!しかし、青年は決して諦めてはいなかった。

「本当の戦いは…ここからだぜっ!」

 青年…アスカ・シンはスペリオルを自動操縦に切り替え、そしてポケットから茶色のアイテム…リーフラッシャーを取り出す。そしてそれを持った腕を、思い切り前に突き出し、叫んだ!

 

「ダイナァァァーーーッッ!!!」

 

 その瞬間、リーフラッシャーが展開し、スペリオルのコックピットから一筋の光が飛び出ていく。そして間一髪のタイミングで、その光はスペースマスケッティを包み込み、上空の安全なところへと移動させた。ミサイルは何も無い水面に激突し、大きな水柱をあげる。

「あなたは…」

 アラミスの車内にも満ちていた眩い光は収束し、そのフロントガラスには、一体の巨人がその顔を見せている。提督は、感慨深そうに彼の名を言った。

「ウルトラマンダイナ…!」ーーー

 

 ーーー俺達の危機を救ってくれたのは、かつてこの太陽系の消滅の危機を救い、そして敵とともに宇宙の彼方に消えたと言われていた、伝説の英雄。そう、ウルトラマンダイナだったのだ。

 ダイナは、ここは自分に任せてくれ、と言っているように頷き、振り返ってサメクジラに対し構えをとった。ただ、俺ももちろん引く訳にはいかず、少し離れたところから、第一艦隊のメンバーとともに、ウルトラマンダイナとサメクジラの戦いを見守ることにしたーーー

 

 ーーー「ダァッ!」

 サメクジラに勇敢に立ち向かって行くダイナ。サメクジラは背からの砲撃で威嚇するが、ダイナは水面をスライディングするかのように避け、そしてその勢いのまま顔面に蹴りを入れる。

「すごい…!」

「なんてダイナミックな戦いなんだ…!」

 救助した我が第一艦隊も、戦いに釘付けだ。

 一方のサメクジラも負けていない。その怪力を生かした突進で、ダイナを簡単に吹っ飛ばす。尚もその距離を一気に詰めてくるが…

「ドゥアッ!」

 ダイナも素早く体制を立て直し、腕から撃ち出すフラッシュバスターで砲台を破壊し、相手の勢いを弱める。結果的にサメクジラは、崩れた体制のままダイナに突っ込み、そして抑え込まれる形になったが、それでもなお両者の力は拮抗している。

「フンッ!デヤッ!」

 ダイナも連続で手刀を背に浴びせるが、サメクジラもダイナの体や手が回っていない頭部先端から、再び角ミサイルを撃ち出してきた!

「みんな、しっかりつかまれ!」

 俺は瞬時にスペースマスケッティを急加速させ、ちょうど空中で向きをダイナの背へと変えたミサイルの後ろをとる。

「ファントニックレーザー、発射!」

 正確かつ強力なレーザーが、ダイナに迫るミサイルを破壊する。

「背後からとは卑怯だな!」

 怒りに燃えたダイナは、サメクジラを押さえつけた体制のまま、全身に力をためる。そして…

「フゥーン、デュアッ!」

 なんと、銀色の体に赤と青のラインが走り、胸に金色のダイナテクターを纏っていたダイナの体が、赤地に銀のラインが入った姿へと一瞬で変わった!

「えっ!?色が変わった!?」

 朝潮が驚くのも無理はない。これこそウルトラマンダイナの持つ、タイプチェンジ能力なのだ。ウルトラマンダイナは相手の特性に合わせ、自らを三つのタイプに変えることができるのだ。ちなみに、先ほどまでの銀・赤・青の時は、強力な光線技を幾多も有するフラッシュタイプ。そして今変わったこの赤の姿は、接近戦や格闘戦に特化した、力自慢のストロングタイプだ!

「ウォォォオオオ…!」

 ダイナはその怪力にものを言わせ、再び生えたサメクジラの角を、容易くグシャリと握り潰してしまった。そして、そこに次の角が装填される前に…

「デヤッ!!」

 かつて電脳魔人デスフェイサーの体に風穴を開けた程の威力をもつ、必殺のダイナックルを叩き込む!その威力に、角の付け根どころか、その周辺の顔までも一瞬でひしゃげた!

「ギャァァァァアアアア!!」

 あまりの痛みに叫び声をあげるサメクジラ。いくら強力なミサイルも、それを発射する機関が壊されたら、無いも同然となるのだ。そしてダイナは素早くサメクジラの後部に回り込むと、その尻尾を鷲掴みにして、自分ごとグルグルと高速回転を始める。

「ハァッ!」

 その勢いで、サメクジラを天空高くへとぶん投げる!ストロングタイプの誇る投げ技の一つ、バルカンスウィングだ!そして再びフラッシュタイプにチェンジしたダイナは、トドメの大技の体制に入る!

「ダァァァッッ!!」

 両腕を大きく回し、十字を組む。そして体内のエネルギーをスパークさせて放つは、必殺のソルジェント光線だ!

 サインカーブを纏ったその光線は、空中のサメクジラを的確に捉え、その体の周りに橙色の光輪を発生させる。その輪が中心に一気に収束したその瞬間…

 

 ドガァァァァンッッ!!!

 

 サメクジラの身は、空中で轟音をたてて大爆発したのであったーーー

 

 ーーー「よっしゃあっ!」

「やったぁー!」

「すごい、強い…!」

 歓喜に湧く俺達。そしてダイナは俺達に体を向け…

「デュワッ!」

 サムズアップのポーズを向けてくれたーーー




というわけで読んでくれてありがとうございました!

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それではまた次回!

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