笑顔は太陽のごとく…《決戦の海・ウルトラの光編》 作:バスクランサー
また、いくつかリア友からご指摘を頂いたので、後で活動報告にあげ、手直しを進めていく予定です。
大幅な内容チェンジはしません。
よろしくお願いしますm(_ _)m
ーーー「行けぇぇぇぇ!」
利根の魂の叫びと共に、加速していく戦闘機。唸るジェット音が、メビウスの耳にも届く。
「はっ…この音は!」
「ム!?」
メビウスにつられてアリゲラが気づいた時は、もう遅かった。
「くらえっ!ウィングレットブラスター!」
「「バリアブルパルサー!」」
「「アルタードブレイザー!」」
ガンウィンガー、ガンローダー、ガンブースターの主力レーザー武装が一斉に命中する。思わぬ不意打ちを受けたアリゲラ、装甲があるにしろ完全には防ぎきれない。一方のメビウスは、自身のすぐ側を飛ぶ馴染みのある戦闘機、そのコックピットにいる者達を完全に把握していた。
「リュウさん、なぜ…!?それにジョージさんにマリナさん、コノミさんにテッペイさんまで!」
仲間達との再会の感動の念、それと同時になぜ、艦娘の艦載機サイズになっても彼らの姿がそこにあるのかという疑問の念が浮かぶ。一瞬パニックに近い状態にもなりかけたメビウス。しかしそれを正気に戻したのは、リュウの激しい喝だった。
「バカヤロー!!何てヘタクソな戦い方だ!周りを見てみやがれ!」
反射的に周りを見回すメビウス。そこには、強い瞳でこちらを見ている、利根の姿。メビウスはなにがあったかを一瞬で理解した。
「利根さん…!」
「お前の大切な利根が、勇気を振り絞って立ち上がってるんだぞ!それでもウルトラマンかよ!利根の気持ちに、応えて見せろぉっ!!」
その喝が、そして利根の成長が、メビウスの心に火をつけた!
「ハァァァァァ…デヤァッッ!!」
振り降ろされた両腕の刃を腕でブロック、そして腹の下に足を回し、渾身の力でアリゲラを吹っ飛ばす!
「ノワァァァ!?」
その反動でメビウスはバク転、一瞬で体制を立て直した。アリゲラは対照的に派手に水面に叩きつけられたが、すぐに立ち上がる。
「小癪ナァ…!ダガ、少シバカリ手数ガ増エヨウト、コノ私に勝ツコトナドデキナイ!」
しかし、そんな罵倒などメビウスには無意味だ。
「最後まで諦めず…不可能を可能にする!
それが…ウルトラマンだっ!」
メビウスはアリゲラとの間合いを一気に詰め、高くジャンプ!そして急降下し、飛び蹴りを仕掛けた!
しかしアリゲラは何もしない。その自慢の装甲で受けきるつもりだ!
ズガンッッッ!!
当たりに響く、足と装甲がぶつかった音。アリゲラは一歩も動いておらず、メビウスも蹴った姿勢のまま止まっている。
「メビウスのキックも通用せんのか!?」
「いや、すごいのはここからだ!」
そう叫ぶリュウ。まさに、その言葉通りだった。
「…ハァァァァァアアア!!」
何と受け止められたその姿勢のまま、メビウスは超高速回転!摩擦熱が装甲を痛めつけ、炎が上がる。
「ナ、ナンダトォ!?」
その炎はアリゲラを焼き、そして包んだメビウスを更なる姿へと進化させる!着地したメビウスの体には、GUYSの象徴である、黄金で縁取られた真紅とのファイヤーシンボルが描かれていた!
これこそ、仲間達の思いを力に変えて手に入れた姿・バーニングブレイブだ!
「セヤッ!トアッ!」
メビウスの拳が、アリゲラをじりじりと追い詰めていく!
「ミライ…!
リュウ殿、吾輩たちも!」
「もちろんだ!みんな!」
さあ今度はリュウたち、そして利根の番だ。もう利根の中に、次の言葉は出来上がっている!
「メテオール・解禁!」
「G・I・G!
パーミッション・トゥ・シフト・マニューバ!!」
メテオール、それは過去のウルトラマンを含めた宇宙人の兵器や技術を応用させたオーバーテクノロジー、GUYSの切り札だ!
メテオールを解禁したGUYSの翼たちが変形し、超絶的スピードでアリゲラに迫る!アリゲラも流石に危ないと思ったのか、その小型砲台をガトリングランチャーのごとく撃ちまくるが…
「そんなの無駄よ!スパイラルウォール!」
マリナとテッペイの乗るガンブースターが、高速回転して機体の周囲に球状のバリアを展開!パワーアップした機動力を活用して、可能な限りの砲弾を次々と弾いていく。さらにそのうちの殆どは、アリゲラへと跳ね返されて逆にダメージを与え返す。機体が小さくなろうが、ウルトラメカの能力は本物と比べても遜色ないのだ!
飛び去って行くガンブースターに変わって、今度はジョージ、コノミの乗るガンローダーがやって来た。
「オノレ、チョコマカトォ!」
アリゲラは、今度はその腕の刃を無茶苦茶に振り回しながらガンローダーに急接近。そして…
「オラァッッ!」
刃がガンローダーを切り裂いてしまった!
しかし、ここでアリゲラは奇妙なことに気づく。
「ナッ…!?手応エガ…ナイ…ダト…!?」
さらにそのガンブースターは、炎上も爆発もせず、空中で霧のように消えてしまったではないか。混乱するアリゲラ。はっと気づくと、なんと自分の背後をガンローダーに取られていた!
「ハハッ!今のは残像だ!」
声高らかに言うジョージ。その言葉は正真正銘、事実である。メテオールを使用し、マニューバモードとなっているGUYSのメカは、それこそ宇宙人のUFOのように、航空力学を無視して、分身のごとき動き、ファンタム・アビエイションが可能になるのだ!そしてガンローダーは、その底面をアリゲラに向ける。
「アディオス…!ブリンガーファン・ターンオン!」
次の瞬間、底面に隠されていたファンが起動し、二筋の巨大な竜巻が発生する!機体が小さい分、その竜巻は細いが、それでもアリゲラを投げ飛ばすには十分な威力があった。
「ヴワァッ!」
叩きつけられるアリゲラに、さらに垂直降下でリュウの乗るガンウィンガーが迫る。
「リュウ殿、今だっ!」
「G・I・G!くらいやがれ!
スペシウム弾頭弾・ファイア!」
ガンウィンガーの主翼下部、展開された箱の中から、左右3発ずつ、合計6発ものミサイルが斉射された。しかもただのミサイルではなく、ウルトラマンの代名詞・スペシウム光線と同じ組成となっており、破壊力は特に優れている!
6発のミサイルは、的確かつ集中的に当てれば怪獣1体を倒すことも出来るが、リュウは敢えて分散させた。全身武器のアリゲラの装備を、できるだけ多く壊すために。
「ギャァァァアアア!」
肩のパルス孔、さらに身体中の小型砲台が、次々と爆ぜていく。しかしアリゲラは仰向けから素早く起き上がると、尻尾のみをガンウィンガーに向けた。追尾光弾で撃ち落とす気だ!しかしウルトラマンメビウスは見逃さない!
「ハッ!テヤァァッッ!!」
素早くアリゲラに接近、すれ違いざまに、メビウスブレスから伸びる光の剣・メビュームブレードで根元からその尻尾を切断した!
「サンキューミライ、助かったぜ!」
「ミライ、ナイスプレーじゃ!」
アリゲラの深海棲艦の瞳は、追い詰められたことでさらに恨みの光を増している。
「オノレェ、オノレェェ!
コウナッタラ仕方ガナイ…貴様ラノ仲間ドモカラ、先ニアノ世ヘ送ッテヤル!!」
アリゲラは加速し、避難艇の方へ飛んでいく。
「テヤッ!」
逃がすまいと追いかけるメビウス。バーニングブレイブとなったメビウスは、その身体能力も大幅に上がっている。アリゲラの後ろにぴったりと付き、怒りの一撃を食らわす!
「ハァァァァァ…ハァッ!!」
出た!エネルギーを巨大な火球に変え放つ、バーニングブレイブの必殺技、メビュームバーストだ!
「グワァァァァアア!!」
超スピードで飛んでいるだけあり、完全に仕留められず、アリゲラを掠めるだけとなったが、その威力は凄まじかった。装甲が全て焼け落ち、ほとんど以前の個体と同じものとなった。そして、利根たちがやって来た!
「今です、皆さん!」
メビウスがまだまだ抵抗するアリゲラを抑えながら言う。
「行くぞみんな!」
利根の腕が、前に高々と伸びる!不死鳥とともに戦う、凛々しき戦士は叫んだ!
「ガンフェニックスストライカー・バインドアップ!!」
「「「「「G・I・G!」」」」」
先頭を飛んでいたガンウィンガーの真後ろにガンローダーがしっかりと合わせ、そして合体!さらにその上からはガンブースターが!ガンローダー部分の上にその機体を載せて、今ここに一つの大きな不死鳥が完成した!
その名は、ガンフェニックスストライカー!!
「ヴォォァァアアア!」
支離滅裂に叫びつつ暴れるアリゲラ。しかしでたらめな攻撃などメビウスに全く掠りもせず、逆に自身に隙を作ってしまった。
「テヤッ!」
アリゲラの体には装甲を失ってもなお強靭な外骨格があったが、それすらも今、メビウスパンチでひびが入る!
「とどめだ!利根さんっ!」
動けなくなったアリゲラから離れるメビウス。ガンフェニックスストライカーが迫る!
「一緒に頼むぜ!」
「わかっておる!
この一撃、食らうがいい!」
「「「「「「インビジブルフェニックス・パワーマキシマム!!!!!!!」」」」」」
「行けぇぇぇええええ!!!!」
今、ガンフェニックスストライカーのシルエット状のエネルギー波が放たれ、ひびの入ったアリゲラの体を貫通した!
「バカナ…コノ私ガ…!
コノ私ガアアアアアアアアアアアア!!」
アリゲラの体内から光が漏れだし、次の瞬間、その体は爆散して粉々に砕け散った。アリゲラは成長した利根、そしてウルトラマンメビウスをはじめとする頼もしい仲間達の前に、敗れ去ったのであったーーー
今回も読んでいただきありがとうございました!
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ではまた。