1.東京喰種〜二人の死神〜   作:0528(零伍弐捌)

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ちょいと少ないです。
では、どうぞぉ。


8.自分の再確認

 水曜日の朝9時55分、マンションの前に立っている。

 

「ピンポーン」

 

「……。」

 

 1分ぐらいしてから

 

「ピンポーン」

 

「……はい。」

 

「母さん助けて!ではなく、俺だよ俺。約束忘れたのか?」

 

「ヴェアアアアアアアアア!っちょっと応接間で待ってて!」

 

「はいよ。」

 

 ガチャッと音がしたので中に入る。そして、応接間に座っている。

 

 ガァァァーという音が聞こえる。ギャーオスとかいう変な音も聞こえる。

 

 そして、9時59分48秒になった。

 

「おまたせしました〜。」

 

「何やってたの?」

 

「印刷するの忘れてた。」

 

「まあ、間に合ったし良いんじゃない?というか間に合わなくても別に俺はちょっとぐらいだったらね。」

 

「ちょっとって何時間?」

 

「360分の1時間。」

 

「それって10秒じゃん……。」

 

「というか、お前さ、服装が……」

 

「パジャマだけど何か?」

 

「いや、なんでもないです。」

 

「というわけで、中ぜひ見てよ。」

 

「はいよ。という前に、ほいよっと。」

 

 通帳を投げる。

 

「キャッチ、っと。もうちょっと大事に扱うべきなんじゃないの?私の扱いといいね。」

 

「通帳を人に預けるバカに言われたくないね。」

 

「だってめんどくさいんだもん。」

 

「やっと本当のこと言ったなこいつ。」

 

「はっ、素が出てしまった。なかなかやりますね、あんさん。」

 

「元から出してるだろ、というかなんだよ、そのあんさんとか。」

 

「まあまあ、取り敢えず、取り敢えず。見ての一言につきますね。」

 

「はいはい。」

 

 紙の束の厚さは0.5㎝ぐらいある。表紙には、「死神(デス)について」と書いてある。

 

 ページをめくる。そうしたら、青山がわざわざ読み上げてくれた。

 

「人間……賢剣 凱(けんけ かい)22歳。9月5日生まれ。生誕時、重さ2887g、身長45cm。最初に言った言葉は、『だいじょぶ』。幼稚園では友達を手下にして戦争ごっこをしたとか。小学校に入って、通信簿はオール3、テストは間違えたことはわざと間違えたこと以外なし。体育は特にバスケがすごく、5年生にして部活の選手になったらしい。ただ、チームメイトが弱くて県大会止まりだったらしい。

 

 中学は受験。特待生で合格。偏差値は70前後のところらしいな。共学が良かったとか。

 

 中学でもオール5で、テストは全教科10位以内で、10教科中5教科は1位だとか。学業以外の面、例えば、性格は、もうそれはよいやつだったらしい。こんな、なんでもできる奴は基本的にハブられるはずだが、明るくて、優しく、面白い奴だと思われていたので、逆に友達が多かった。が、実態はとてつもなく残虐な性格の持ち主。例えば、その住んでいた地区と学校の地区の犬や猫などの変死体の数が、普通より多いとか。後、学校で友達に『なぜそんなにカッターの使い方がうまいの?』と聞かれたことがあるとか。まあ、そこから色々なことが想像できるね。

 

 んで、バスケ部は相変わらず県大会止まり。

 

 ちなみに伝説としては、陸上部員に陸上競技で勝ったり、サッカー部員4人対1で、余裕で10分の中で6シュート入れたとか。あの成績のくせに勉強は家で宿題以外したことがないとか、図書館の本は全部読み尽くしたとか。

 

 高校1年の時に、チンピラから金を巻き上げることを始めた。この頃から1日1時間勉強することを覚え、テストで全教科全て3位以内に入ることができていた。

 

 そして高校2年生。チンピラを強請っていたら、ナイフを取り出され、斬りつけようとしたため、逆にナイフを取り、いよいよ刺し殺してしまった。それで、なぜか知らないが、解剖をして、体を食べ始めたらしい。それにそのまんまの意味で味を占め、年に2人のペースで殺ったらしい。これは、喰種から聞いた話だからね。これが喰種ではなく、人に見つかっていたなら終わっていたね。しかも、喰種もその時はお腹が空いていなくて、凶暴ではない時に見つかったのでそこも幸運でしたね。

 

 でも、そんなことなど色々あったにもかかわらず、最後の学校内の試験は、全教科全て2位以内、全教科総合点は他の人たちを引き離して1位。しかも、最初のほうに言ったので効果が薄れていると思うが、ここは、中学受験時偏差値約70のところだ。明らかに頭が良すぎる。

 

 そして、国内最難関、帝都大学の医学部に合格。そこでも成績をトップで維持。現在奨学金で生活している。

 

 その裏では、人の肉を喰種から買い取っていたらしい。あと、非合法的な賭けとかで、人肉の買う資金を稼いでいたらしい。特に、トランプ系は、イカサマが得意らしく、否、ばれたことが一回もないので、イカサマだと思われるものがとてもうまく、最近は皆さんやらなくなっている。知らない人と、見破ろうとする馬鹿と、逆にこっちがイカサマして引っ掛けようというか大馬鹿を除いて。

 

 まあ、いろいろあって半年経った頃、また人殺しがしたいという欲求が出始め、ナイフを持ってその辺を物色していたら美味しそうな(?)女の人を発見、襲ったらリゼさんだったとさ。刺したら、ナイフは折れ、リゼさんが振り向き、赫子を出して腹に一刺し、トドメを刺そうとしたら、突如その2人の周りを白い何かが、包み込み、その白い玉が霧散したら、2人の姿はなかったということを、とある喰種が見ていたらしい。どういうことですかね?

 

 まあ、その1ヶ月後、口以外を覆う黒い仮面をつけた男が、その辺を暴れまわっていたらしい。CCGのレートづけに詳しい喰種によると、『ありゃ、A〜だな。』と言われていたらしい。

 

 賭け事はあまりやらなくなったらしい。代わりに、人の肉を売る喰種に、人肉を売る行為したりし始めたらしい。(ちなみに、その黒い人のせいと思われる犠牲者は、半年で、人は50人以上東京全域で行方不明になったらしい。喰種も35人弱ほど。捜査官も5人ほど犠牲になったらしい。さすがに『半年』でだが。)

 

 さらに1ヶ月が経つと、『Antares』に入る様子が確認されている。しかも週2回ほど。この頃から『死神(デス)』という名前を使い始める。名付け親は、タロット名付けの名手、蠍王。

 

 そしていろいろあって現在に至ると。」

 

 

 

 

「とてもわかりやすい解説、本当にありがとうございました。というか、どうやってその情報集めたの?」

 

「ネット、ハッキング、友達の証言、実地調査かな?」

 

「怖えよ。というか、すげーなお前。」

 

「でしょでしょ〜もっと褒めてもいいんだよ?」

 

「そんな言われるほど褒めた覚えはないのだが?」

 

 そしてそんなたわいのない会話が終わった頃、

 

「ところで、こんなによくできたものに追加報酬をあげたいと思うのだが……。」

 

「なになに?」

 

 目を輝かさせている。

 

「はいよ。」

 

 バックの中から取り出したのは、ワイン。

 

「これは、『アンリジロー キュヴェ フュドシェヌ1999』という、そこまで高くないワインだよ。イギリスやモナコの王室御用達の品だそうだ。」

 

 そうしたらむすっとした顔で質問して来た。

 

「大体35000円位。正解?」

 

「正解。よくわかったね。」

 

「10000円超えてるじゃん。それを安いとかいっちゃダメだよ。」

 

 成る程、怒っている理由がわかった。申し訳ないなと思った。

 

「はい。すいませんでした。」

 

 そうしたら明るい顔に戻って、

 

「白ワインか。一緒に夕食でも食べるか?」

 

「一緒にって、えっ?」

 

「一緒に食べようよ。って言っているの。」

 

「でも……。」

 

 プレゼントしただけなのに逆に料理を振舞われる。何か申し訳ない感じがする。が、

 

「お願い。」

 

 上目遣いでそんなこと言われてしまったらな……。

 

「わかった。いつだ?」

 

「そうだな……。今日の20時。」

 

「オケ。ちゃんとそれまでにきっちり着いてるからな。」

 

「わかった。」

 

「では、一旦お暇します。」

 

「じゃあね。」

 

 

 

 

 一旦、その辺を散歩しながら昼飯を食べ、また散歩して公園で日向ぼっこしたりと有意義(?)に過ごした。

 

 そして約束より3分前の19時57分になった。

 

「ピンポーン」

 

「yo-ho.」

 

「やけに発音いいな、おい。」

 

「とりあえず、料理の用意はしたから入って。」

 

「はいよ。散歩して来たからとても腹が減っている。」

 

「okay.」

 

「だからなんなんだ?その発音。」

 

「まあまあ。座って座って。」

 

 勧められるままにダイニングルーム、いや、ここは流れに則ってdining room、とでも言おうか、に案内された。

 

 もうすでに、そこにはローストされた肉が皿に盛り付けてあった。

 

「とても美味そうだねぇ。ちなみになぜわざわざローストしたのかな?」

 

「いや、ワインに合う方とかに、roast chickenが合うと聞いたから。」

 

「へぇーよく知っているね。というか、また英語かよ。昔、英会話教室にでも行っていたのかい?」

 

「なぜそう思う?」

 

「発音いいから。」

 

「そう?褒めてくれてありがと。」

 

「褒めたのかな?俺は。」

 

「では食べようか。」

 

「オーケー。」

 

 ナイフをとフォークを持ち、ローストした肉を切り、口に運ぶ。

 

「いやー美味い。どうやって手に入れた?というかどういう人?」

 

「企業秘密。教えな〜い。」

 

「えー。まあいいや。」

 

 その後無言で食していた。

 

 再び喋り始めたのは片付けを手伝っていたときだ。

 

「ところでこんなものを作らせたということは何か問題でも起こすんでしょ?」

 

 ひどい偏見だな、と渋い顔をしながら、

 

「まあね。」

 

「組織に入るが半分正解とはどういうこと?」

 

「カフェに入れてもらおうかと。」

 

「喰種が経営者とか?」

 

「ああ、その通り。というか働いている人全員喰種だよ。」

 

 そういうと、侵食者が、

 

「へぇー、面白そう。んでなんでそんなところ入るの?」

 

「夢のお告げ、かな。」

 

 侵食者があはははと笑う。

 

「あの賢剣がか。そんな科学的でないことを言うなんて。」

 

「まあまあ。良いじゃないそんなことを信じたって。そもそも喰種だって一昔前は都市伝説だと思ってたし。そんな科学的でないものになってしまった俺氏。」

 

「馬鹿だね、火のないところに煙は立たないんだよ。無理やり火を見たように思わせているのもあるけど。」

 

「まあまあ、昔のことだよ。」

 

「んで、夢のお告げでは、何しろと。」

 

「俺のCCGのレートを上げろと。」

 

「へぇー。ではどうやって上げるの?」

 

「CCGの支局に乗り込む。」

 

 




お気に入りがまた一件減った……。
めげずに頑張ります。
感想、高評価、お気に入り登録待っています。
では、サラダバー。

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