1.東京喰種〜二人の死神〜   作:0528(零伍弐捌)

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やばい、書き溜めが消えていく……
真面目に書かないとやばいな……
取り敢えずでは、はい、どうぞ!(Nice to meet youなんてこの後には続きません。)


7.「Antares」の人たちとの出会い

 侵食者と出会ったのは4ヶ月ぐらい前、つまり喰種になってから1ヶ月半経とうとしている時だ。まだ20時くらいだが、うろついていた。路地の行き止まりに行き着くと、赤い眼をした二人組の男が、うずくまっている人を赫子で刺そうとしているのが眼に入った。

 

「さて、美味しそうだし喰べるとするか。」

 

「そうだな、秘密は吐かないし。」

 

「まあ、罪がない喰種を強い喰種が食べても仕方がないってものよ。」

 

「弱肉強食だしね。」

 

「俺たち最強だからね。反撃できるものならやってみろよ。小娘。」

 

 うずくまっている女の人が(話からして喰種が)怯えている。

 

 私は、その一連の事を見ていてムカついた。しかし、弱い喰種をいじめているからでは決してない。

 

 ウザいからである。自分たちは二人がかりで女らしき喰種を殺ろうとしている癖に最強の名を騙るのにはカチンときた。

 

「おい、てめーなにみてんだゴラぁ、さっさと消え失せろ。」

 

 男の一人が、私に気がつき、振り向いていた。そいつは今日道でぶつかってきて、からんできて、態度が悪く、うざかったやつだ。

 

 相手は気づいていないようだが、私がこの後やる行動は決まった。

 

「俺に命令するな。命令できるのは立場が対等のものか上のものしかできない。しかも俺の服を唾でを汚しやがって、迷惑かけ放題だな。」

 

「はっ?なに言って……」

 

 おれは無言の腹パンを放つ。

 

「んぐはっ。調子乗ってんじゃねーよ、くそが。」

 

 相手は腰の辺りから3本ほど赫子を出した。結構太い。が、

 

「五月蝿いよ。」

 

 右手から日本刀を出す。

 

「こっちのセリフだ、ぶっ殺す!」

 

「死亡フラグ乙。ジョジョを読め、ジョジョを。」

 

 相手の赫子が伸びてきたが、私は手を少しだけしか動かさなかった。

 

 すると、赫子が粉となった。なにを言っているのかわからないと思うが、そのまんまの意味だ。赫子が一瞬にして粉々となり、細かくなって消えた。

 

「なに?!」

 

「遊びは終わりだ。」

 

 日本刀を少し振った。

 

 体が消えた。

 

 首から上だけが残った。なにを言っているのかわからないと思うが、そのまんまの意味だ。いわゆるダイアーさん状態だ。

 

「『ぶっ殺す』と言ってから行動するのではダメだ。『ブッ殺してやる』ってセリフは……行動が終わってから言うもんだぜ。つまり、『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」

 

「ひっ!」

 

「次、お前。最強とか言っていたな。」

 

「この男、死神か、悪魔だ……。」

 

 と言った瞬間、体が8等分された。つまり、縦、横、高さをそれぞれ2等分されたということだ。

 

 そして女の人。

 

「念のため言っておくが、お前のために助けたわけではない。だが、二言ほど言わせてもらう。こんな時間に出歩かないほうがいいぞ。そして、余計な御世話だと思うがどうしても夜歩く場合は、一人で歩かないほうが身のためだ。」

 

 その女の人は、私の方をじっと見つめた。そして「ありがとう」と言った。

 

 

 

 

 その日の22時15分前ぐらいに、「Antares」に入った。

 

 そもそも、Antaresを知ったのは、その日の17時くらいのことだ。リゼさんが「この世界で生きていく場合は、情報が必要になる。だから、情報屋と仲良くするのもいいと思う。」と言って紹介してくれたのは烏さんだ。

 

「詳しい話は私お気に入りのBARでどう?」

 

 と烏に言われて行ったのが「Antares」だ。

 

 まあ、つまりだ。

 

「そこでは、私が奢るわよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「その代わり、バシバシあなたの情報を教えてもらうからね。」

 

「じゃあ、私は帰るね。じゃあね。」

 

「ちょっとリゼさん……」

 

 ということで、22時に「Antares」集合ということになった。というか、連れてってくれたって良いでしょうが。まあ、準備することがあるとか言っていたので仕方ありませんが。

 

 そして、質問攻めにあった。リゼさんが教えたのだろうが、私が突然喰種になったことを知っていた。(というか、誰にも話してなかったのに、なんでリゼさん知ってたんだろう?)そのことに関する質問ばかりだった。

 

 そして一通り質問が終わったようだ。

 

「あんた、なかなか面白いね。」

 

「いやぁ、本当にね。どうしてこうなったのか是非知りたいですね。」

 

 そうしたら、グラスを近くで磨いていたマスターが、突然口を開いた。

 

「ちょっと、これを飲んでみてくれないか。」

 

 そう言って渡されたのは、ワインだった。

 

「安心して、これは血を熟成させたものだから。」

 

 烏は、ニヤニヤしながら言った。

 

 そう聞いて私は飲んでみた。とても美味しい。まるでワインのような味……ではなく、もうワインそのまんまではないか!?

 

「味はどうだい?正直に言ってごらん。」

 

 マスターの目が鋭くなる。

 

「とても美味しいです。人間時代に飲んだワインそのまんまの味です。」

 

「この人、やっぱり適合者だ。」

 

 烏は、なおニヤニヤしながら言った。

 

 マスターが口を開いた。

 

「これはワインだ。血ではない。そして私たちも何故かワインが飲める。喰種にとってのコーヒーだ。私たちは勿論コーヒーも飲める。が、ワインも飲めるようになったらしい。そして、私たちの共通点は、路上にいる時、いきなり記憶が消えて、朝、起きたらベッドにいるということと、起きたら劇的な進歩を遂げているということ、そして、ワインが飲めるようになるという点だ。そのような仲間が集まってワインを飲む会をやっているのだが、実はその会を、今日やることになっている。もう直ぐ来るだろうが、君も入らないかね?」

 

 言っていることに驚いた。が、同時に面白いと思った、同じ境遇のもの同士、情報交換してもいいのではと思った。なので、

 

「わかりました、入らせて下さい。」

 

 とすぐ返事をした。そうしたら烏が、

 

「ちなみに、この会では、あだ名で呼ぶことになってている。基本的には、CCGがつけたコードネームで呼んでいる。まあ、それがやだったら、後で適当にあだ名つけてあげるよ。」

 

 と言った。その時、ドアの鐘がなった。

 

「……。」

 

「こんばんは。」

 

 背の高い男と肌の白い女が入ってきた。

 

「皇帝と、侵食者、いらっしゃい。」

 

「ヤッホー二人とも。」

 

 二人ともカウンター席に来る。私の隣に女が来る。

 

「えっ、あの時の……。」

 

「はい?どこかでお会いしましたかね?」

 

 声のした方、つまり上を見上げる。

 

 その顔は忘れもしない、あの、助けた女であった。

 

「あの、襲われていた……」

 

「はい。そうです。助けていただき、本当にありがとうございました。」

 

「いや、だから、あの男二人組がうざくて……君に感謝されるのはなんか筋違いな気がするよ。」

 

「いや、どういう経過があったとしても、私を助けていただいたのは事実なのですから。」

 

「……んじゃあ、そういうことにしよう。」

 

「では、何かお礼をさせて下さい。」

 

「えっ、ええっとねえ……。いいワインをあとで紹介してください。」

 

「わかりました!」

 

 烏がニヤつきながら、

 

「また侵食者ったら裏表ありすぎ。もうこれから仲間になるんだから裏出してもいいんじゃないかな?」

 

「えっ、仲間に……?」

 

 そこで蠍王が、

 

「この人はワインを飲める喰種だ。そして、仲間になりたいと言っている。あと、この喰種を気に入ったので、この会に入れる。異論はないね。」

 

 皇帝は頷いた。そして、侵食者も、

 

「……はい。わかりました。というわけでよろしくね、ええっと……」

 

「どうしようかね。」

 

「今日、絡んできた男たちが『悪魔』とか、『死神』とか言っていたけどな。」

 

「初対面なのに早速失礼だな、おい。さっきの態度はどこいった?」

 

「それが、この世界での君の運命だよ。」

 

「酷いなぁ。というか厨二病かな?」

 

「あなた、力強そうよね。」

 

「なぜいきなり会話が飛んだし!というか勿論君を助ける程度には強いし!」

 

 ここで、皇帝が口を開く。

 

「力、運命、死神、悪魔、世界。Strength、Wheel of Fortune、Death、The Devil、The World。」

 

 マスターも口を開ける。

 

「タロットか。」

 

 烏もなお一層ニヤニヤしている。

 

「タロット占いなら、マスター、得意ですよね。」

 

「まあ。」

 

「どうする、凱くん。タロットからあだ名つける?」

 

「いいですよ。別に。というか、それ以外つける方法知らないでしょう?私のCCGでの呼び名なんて知らないでしょう。まあ、私も知りませんが。」

 

「まあね。今日は珍しくパソコンとか持ってこなかったので。充電中なのよ。」

 

「どういうこと?」

 

「自己紹介の時にね。取り敢えずいいかしら?」

 

「うん良いよ。」

 

「では、マスター。」

 

「はいよ。」

 

「ジョジョでもこのシーンありましたね。」

 

「まあまあ。では、説明するよ。君の暗示を見るため、4枚カードを引いてもらうよ。そして、最後に引いたカードの暗示を君の名とする。良いかね。」

 

「The High Priestessとか、The Empressとか、The Loversにならないと良いね。」

 

 なおニヤニヤしている。

 

「口を挟むな烏。では、始める。」

 

「はい。宜しくお願いします。」

 

 マスターは、裏から、タロットカードを取ってきた。そして、私にカットをさせたり、ストップと言わせたり、様々な操作をした。

 

「こんなに操作ありましたっけ?」

 

「私独特のやり方だからね。しかし、結構当たるらしいんだよ。」

 

 そして、カードが、4枚残った。

 

「まず、左のやつをめくってごらん。」

 

「「XV 悪魔 The Devilの逆位置」が出ました。」

 

「なるほど。ここでは、覚醒や、新たな出会いを表しているのかな?次、左から2番目のカードをめくってごらん。」

 

「「I 魔術師 The Magicianの正位置」が出ました。」

 

「ふーん。ここでは、可能性、チャンス、才能などかな?、次、左から3番目のカードを。」

 

「「XXI 世界 The Worldの逆位置」が出ました。」

 

「これは、伸びしろかな?でもなんかピンとこないな…まあ良いや、では、最後の一枚、君の名前のカードを引いて下さい。」

 

 めくったそこには…

 

「「XⅢ 死神 Deathの正位置」。」

 

「なるほど、わかったぞ。これは、あなたに対するものではなく、前のカードのもの、つまり、この間違った世界に対するものだね。要するに、この世界の終末、停止、終局を表しているということか。なるほど、この世界に大きく影響を与えるのか、死神(デス)くん。」

 

「「死神」か。この世界を変えるということか……。気に入ったよ。私は「死神」だ。」

 

「よし、では、名付けも終わったことだし、自己紹介でもするか。私は、『蠍王(スコーピオンキング)』だ。マスターと呼んでくれれば良い。覚醒前は、甲赫1つと尾赫1つだけだったが、覚醒後は一気に、羽赫は2つ、甲赫は2つ、鱗赫は、8つもある。尾赫は相変わらず1つだが、赫者になれた。覚醒前のモードと覚醒後のモードを、使い分けられるけどね。まあ、羽があるから、突然変異した蠍だと思ってくれれば良いよ。宜しく。」

 

「次、『烏(クロウ)』ね。こんな名前、CCGがつけたら、みんなが使い始めて、仕方なく諦めて使っているだけですけどね。羽赫が2つ、甲赫2つです。覚醒後は、とても早く飛べるようになりました。お陰様で、情報はとても早く集められるようになりました。ちなみに、趣味は、情報収集です。特に、人と話すことでーす。」

 

「『皇帝(エンペラー)』だ。タロットカードのⅣからとったわけではない。CCGが、私の赫子と帽子を見て、ナポレオンのようだと言い、それが広がったので、皇帝と名乗っている。今は、甲赫2つと、鱗赫4つだ。ちなみに、覚醒したら、鱗赫が、4つ増えたということだ。宜しく。」

 

「私は、『侵食者(ハッカー)』です。可愛くない名前の理由は、よくCCGのサーバーに、「Mentha arvensis var.piperascens」という可愛い名前で、お邪魔していたら、なぜか変な名前をつけられたからです。鱗赫は1つです。覚醒後は、赫子から電気を流すことができるようになりました。いわゆるショック系女子?ですね。取り敢えずよろしくね〜。」

 

 烏がまだニヤニヤしながら話す。

 

「大事な話ししてないんじゃないのかな?例えば引きこもりだとか……。」

 

「別に良いでしょ!そんなの。」

 

「なるほど、だからこんなに肌が白いのか。」

 

「まあね。良いでしょ。」

 

「は、はい。」

 

「面白い。」

 

「では最後に、死神宜しく。」

 

「はい。私は、『死神(デス)』です。駄洒落じゃないです。覚醒前?でしたっけ。は、人間でした。それがなぜか喰種になっていました。赫子は不明です。なにせ、手のひらから出ているので……。医大生やっています。宜しくお願いします。」

 

「赫子の種類がわからないだと?しかも元人間?面白いじゃんそれ。」

 

「どれ?赫子みーせーて。」

 

「まあ、良いかな。」

 

 と言いながら、大鎌を出す。

 

「本物の死神だ〜。」

 

「本物見たことないけどそれっぽーい」

 

「なるほど……。」

 

「どうしたのですか?マスター?」

 

「いや、なんでもない。まあ、たのしんでいってくれ。」

 

「はい。」

 

 そうして、わいわい騒ぎ、みんなと連絡先を交換してから帰った。

 

 

 

 

 回想からようやく覚めた。というわけで、ワインが飲めるのに気がつくまえに、ギリギリ捨てなかったワインを飲む。これは安物だが、とてもうまい。一万円を切っている。

 

 それを飲みながら、考えにふける。よくよく考えてみれば、みんな共通点を持っている。私とも。つまり、みんな、Kに会ったことがあり、そして何かしらの能力とワインを飲むことができる能力を授けられて、記憶を消されたということだろう。他の人には話すといった意味がわかった。つまり、後から他の人と話すために、ネタバレさせないようにしたということだ。なるほど。

 

 まあどうだって良い。取り敢えず今は、ワインを飲むことに集中しよう……。




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