1.東京喰種〜二人の死神〜   作:0528(零伍弐捌)

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ちょっとキャラクターが描き切れていないかも。
まあ、どうぞ。


5.夢の中の戦い

 私は、今工事現場の中にいる。

 

 体が、勝手に動く。人影がいる方にだんだん進んでいか。

 

 前の方に障害物があるはずなのに、体がすり抜けていく。

 

 なぜだろう?と考えたらすぐ答えは見つかった。

 

「これは夢である。」ということだ。

 

 つまり、今明晰夢を見ていることになる。

 

 これは来たぞ、あんなことがこんなことを夢の中でいくらでもできる。(もちろんRタグがつくようなことだ。とは言っても、エロではなく、グロの方ね。私はエロは興味ない。グロの方が大好きだ。人殺しまくって美味しいお肉を食べまくるぞ。)

 

 と思って、早速筋肉のついている男が走ってくるように念じた。すると、体が、勝手に動き出した。さっきと同じように。

 

(あれれ~おっかしいなー)と思いながら体が動くままに動かしていると、人影が2つあることが分かった。1つは、華奢な体をしている、つまりとても弱そうな本好きそうな大学生の男の子、もう1つは、メガネをかけた美人、そして腰の辺りから鱗赫を出している。

 

 そう、リゼさんだ。

 

 どういうことだろうか?もしかしたらこれは、今日の胸騒ぎの答えなのではないか?夢で何があったのかわかるようになっているのではないのか?と思いながらじっと見ている。

 

 リゼさんが、赫子を男の子の腹に突き刺す。

 

 そしてとどめの一発を刺そうとした瞬間、上から鉄骨が降ってきた。なぜかと思い、上を見たら、もう1つ人影が見えた。ピエロの仮面をかぶった人だ。多分あいつが、鉄塔を落としたのだろう。そしてピエロの仮面、あれはおそらく、烏が言っていた「ピエロ」の一員のものだ。つまり、ピエロによって殺されたんだと考えられる。

 

 そのことを理解し、怒り狂い、ジャンプでピエロの所まで行こうとしたところで、周りが白くなった。

 

 

「如何だったかな?私が製作した、ノンフィクションのドキュメンタリー映画は。」

 

 私はふと気づくと例の白い空間の中にいた。

 

「……。」

 

「どうしたのかね、賢剣くん。」

 

「……。」

 

「だから、どうしたと……」

 

「なぜ、助けてやらなかったのですか!」

 

「……はい?」

 

「だから、なぜ助けてやらなかったのですかと聞いているのです!こんなの作れるということは見ていたということでしょ?!」

 

 私は怒りをぶつけた。

 

「あそこまで明確に分かるということなんだからね。少なくともあんなことがあるとは把握していたのでしょう!なのに、なぜ、助けてくれなかったんですか!」

 

 そうしたら、Kは言った。

 

「なぜ私が助けなくてはならない?」

 

「?!」

 

「なぜ、助ける必要がある?あの人が倒れることによって、世界が動き出すというのに。」

 

「なるほど……。」

 

 私は、剣を出していた。

 

「なぜ、貴方は、そんな考え方ができるのですか?なぜ貴方はそんな冷静で居られるのですか?仮にも私の教育をリゼさんに命じたのは貴方のはずですよ。それなのになぜ……。」

 

 剣を振り下ろす。が、またも、人差し指と中指で挟まれ、動かなくなった。

 

「残念ながら、君も同じ人種だと思うが。自分が良ければそれで良い。自分が楽しければそれで良い。そんな人だと思うのだけれども。」

 

「……。」

 

「君は、ただ美味しいという理由でまだ君が人であった時、人を殺していたではないか。喰種のように生きるのに必要ではないというのに。」

 

「……。」

 

「そもそも君の生き方だってそうではないか。人の前ではいい子にして、みんなから利益を得る。裏ではチンピラから金を巻き上げる。とても利己的ではないか。」

 

「……。」

 

「しかもとても合理的な行動をし、さらには人の感情を勘定に入れない人間ではないか。」

 

「……。」

 

「それをなんというかわかるか?物事を客観視し、最適解を行く人、即ち君は、『サイコパス』なのだよ。私と同じで。」

 

「……。」

 

 私は、目から涙が溢れてきた。確かに、Kの言う通りだ。私は、「サイコパス」だ。自分は、生きるためでないのに人を殺し、そして、楽しんでいる。確かに私はとんでもないやつだ。

 

 だが、Kはまた口を開いた。

 

「しかし、サイコパスの意味は『精神異常者』という意味ではない。『物事を冷静に見ることができる者』という意味だ。つまり、悪い意味ではない。」

 

「……。」

 

「別に正しいことをしろとは言わない。私も君たちの尺度では正しい事はしていない。まあ、この世界では私が正義だが。ただ、『自分の正義』は貫け。それだけのことだ。関係ない話だけどね。」

 

「……。」

 

 またもや涙がこぼれ始めた。

 

「んで、怒ってほしくないのでもっと言うと、リゼさんは、死んだのではない。詳しいことは言わんが、君が会いに行くこともできる。が、私は、この世界を面白くするために動いている者、私情で動く訳にはいかないので、後で提示する条件を満たせば色々教えてやる。」

 

「……わかりました。」

 

 会話がひと段落ついて息を継ぐ。

 

 

 そして、Kがニヤリと笑った。

 

「ところで、正義を貫くためには、私のように力が必要だと思うが、どうであろう?」

 

「『私のような』って……。とても自信がありますね。まあ、その通りだと思いますが。」

 

「実を言うと、君は今の状態でも強いが、前も言った通り、もっと強くなるように設定されている。だがしかし、それだとつまらないので、君の体にはリミッターがかけてある。ある程度強くなったら解放しようと考えている。」

 

「はあ。」

 

「だから早速解除しようと思うが、どうする?」

 

「勿論、やらせていただきます。」

 

「OK。じゃあとりあえず……。」

 

 Kは指を鳴らした。

 

 この空間に、「120」という文字がたくさん現れた。そして、顔がのっぺらぼうの全身白タイツでも履いたようなやつ、ただし、尻尾らしき物が生えている。

 

「喰種ですか……。それも、尾赫。」

 

「ご明察。んで、この空間にある『120』という字が『0』になるまで、つまり120秒間こいつから逃げ切れればいいよ。」

 

 さっき現れた喰種のようなものを指して言った。

 

「なんか弱そうだけどいいですか。なんなら倒してしまうまでですが。」

 

「いいよ。できるものならね。」

 

 早速、手から鎌を出そうとした。が、出ない。

 

「あ、言うの忘れたけど、君のブラッドフラワーと手から出るやつ、そうだ、後で名前つけておいてね。は、使えなくしてあるから。それでは、頑張って逝ってね~」

 

「ちょっと?!逝くの字違うでしょ?ねっ?おーい。」

 

 kの姿が消えた。なんと言うことだろう。

 

 目の前にはいじらしくも、のっぺらぼうの喰種が尻尾(尾赫)を振って、こちらに歩いてきた。

 

 距離およそ5メートル。見た感じ、遊びたがっている(命をかけた)ようだ。多分赫子は三本ある。少なくとも三本あるように見える。

 

 次に自分のステータス。右手からも左手からも武器を出そうとしたが、何も出でこない。ブラッドフラワーも同様だ。つまり、肉弾戦になると言うことだが、私は鍛えているといえば鍛えているが、それでも普通の人(・)より強いぐらい。喰種の生身にも勝てるかもしれないが、さすがに赫子を出された状態で勝てるとは到底思えない。

 

 導き出される結論は……

 

「にっげるんだよ〜120秒間逃げ切ってやろうじゃないか。」

 

 と、のっぺらぼうの喰種がいる方と反対側にはしりだした。この時周りにある数字は、「110」。

 

 が、走り出した途端に異変に気付いた。

 

「体が重い……。」

 

 体が10倍ぐらい重い。まるで二日酔いが一気にきた様な重さ。なぜだろう……。

 

「ちなみに言うの忘れていたけど、この空間は、君の力を10分の1する代わりに、相手の力を2倍するものだからね。」

 

「は?ふざけるなよ!それ実質、相手の力が20倍にされていると言うことだろ?しかも俺の赫子使えない状態だろ?どうやって勝つんだよ?」

 

「それでは、頑張って逝ってねー」

 

「おい、それ逝くの字違うだろ、おーい。」

 

 声が消えた。走りながら聞いていたが、もう体力が切れそうだ。

 

 だがしかし、もうのっぺらぼうの喰種との距離は縮まっていた。

 

 そして、今、のっぺらぼうの喰種が赫子を私の方にだしてきた。

 

 今、空間の数字を見ると、「80」。その距離3メートルほどしか離れていない。

 

「ック!」

 

 と避けるが、避け切れない。と言うか3メートルは近い。

 

 肩に傷を負った。

 

 しかも、さっき、Kの言う「ノンフィクション映画」に出てきた男の子にも傷があった(多分噛み傷だろう)。もう死亡フラグでは無いですかーやだー。

 

 あとどれぐらい逃げなければならないのかと、周りの空間を見ると、「60」。

 

「1分間逃げなくてはならないのかよ!」

 

 取り敢えず、のっぺらぼうと距離を取りたいので、足に力を入れて、地を蹴る。

 

 大体10メートルくらい飛んで着地しようとし、地に足を着こうとしたら力の入れ具合を間違い、後ろに盛大にこけた。疲れが溜まると全くろくでもない……。

 

 そう思いながら、前を向くと、前にのっぺらぼうが見える。わざわざ回り込んで正面からトドメを刺してくれるようだ。

 

「くそっ、俺は死にたくないッ。まだやりたいことが山ほどあり、やるべきことも山ほどあると言うのに!俺はまだ死ねないッ!」

 

 自分の目の前にのっぺらぼうの赫子が迫りながらそう思った。空間には、「45」。

 

 その時、肩の方に、異変を感じた。何かが出るような感じがしたのだ。

 

 そして目の前を見ると、のっぺらぼうが、肩の方に銀色の棒のようなものが刺さっている。それはどこから出ているのか見ていると、自分の肩甲骨のあたりから出ているようだ。つまり……。

 

「赫子が出てきたということかな?」

 

 空間を見ると「40」。

 

「では、武器も手に入れたことだし、反撃に入りますか。」

 

 まず、赫子を白い喰種から抜く。そして赫子を観察する。

 

 左肩甲骨に一本生えている赫子は多分甲赫。甲赫は、見た目は銀色で、細い針金のようなものを纏め、さらにその纏めたものを纏め……を繰り返したものだ。似ているものは、大英博物館にある、「スニティシャムの首輪(googleの画像検索をしよう)」のような感じである。まあ、先は全然違うが。

 

 んで、この赫子は重い。素早い攻撃はできそうにないが、代わりに一撃が強い攻撃ができるだろう。そしてこの赫子は硬そうだ。しかも、この細い針金のようなものには、「弓のこ」のように一本一本に刃が付いている。なので叩きつけるのにも、刺すのにも、切るのにも使えるっぽい。ただ、赫子を曲げるのに他の人の赫子より時間がかかる感じだ。

 

 この分析に10秒も費やした(色々動かしたからね。)ので、周りを見ると「30」という数字が浮かんでいる。

 

「余裕で時間が余るな。では、さっさと殺ってやろうか。」

 

 白い喰種は、尾赫を向けてきた。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄ッ」

 

 なんの変哲も無い相手の赫子についさっき生えた甲赫をぶつける。

 

 相性については特になかったはずだが、すぐに相手の赫子が崩れた。

 

 次に自分の赫子を相手の横っ腹に叩きつける。

 

 相手は避けようとするが避けられず左に吹っ飛ぶ。

 

 引っ込めると横っ腹に跡ができていて、少し切れている。

 

 やはりこの赫子、強い。というわけでとどめを刺す為に白い喰種に赫子を突き刺してみて、力を加える。そうすると、赫子が回る感触がする。

 

「ドリルになるのか。これは結構使える。」

 

 思いっきり力を加えると「ウィィィィィィーンッ」という感じの音がした。抜くと大穴が開いていた。ばたり、とのっぺらぼうの白い喰種が倒れた。

 

 周りの空間は、「9」という数字で止まっている。

 

 ふと、後ろを振り向くと、

 

「おめでとう。死ぬかと思ったけど死ななかったね。死ななくても、逃げ切ることで勝つと思っていたのに。君は期待以上のことをした。素晴らしいッ!しかも甲赫を目覚めさせたとなるとなお、素晴らしいッ!」

 

「やっぱり殺すつもりだったじゃないですか。」

 

「いや、最悪のっぺらぼうが殺しそうになったらその瞬間に消せばいいしね。べつにいいじゃないか。生きているんだからさ。」

 

「まあ、そうですけどね。そういえば、リミッター解除の件、早くして下さい。」

 

「とはいってももう12分の1してあるけどね。」

 

「⁇」

 

「その甲赫だよ甲赫。あ、名前付けといてね。んで、それは賞品だったの。つまり、赫子の解放が賞品。で、君の意志の強さで解放されたということだよ。素晴らしいッ!」

 

「じゃあ、その解放とやらをして下さいよ。先輩。」

 

「うん、いいよ。ただ、おれは先輩じゃないよ?いや、一応君よりずっと長く生きてるけどさ。」

 

「ちょっと待って下さい、あなた20代くらいに見えますが、私よりずっと長く生きているとはどういう?」

 

「まあ、俺に年を聞くことは基本的にご法度なので悪しからず。ただ、君が思っているよりはるかに生きているよ。」

 

「そうか、宇宙人だったら考えがつく。この人10000年とか生きているんだ。そうでしょ?」

 

「さあ?」

 

 とkはとてもニヤニヤした感じで笑っている。

 

「ところで、解放の件については?」

 

「わかったわかった。やるから。ちょっと動かないでね。痛みは一瞬ですよ。」

 

「何?俺変形するの?」

 

「ほんと君は機嫌がいいときはこうやって面白いやつなのに……。勿体無い……。」

 

「うるさい!黙ってろ!」

 

「はいはい、動かない動かない。」

 

 仕方なく大人しくしていると、まず右の肩甲骨の下の方、その次上がって、両肩、その次下がって、腰のあたりを四箇所、そして尾骶骨のあたりを触られた。

 

「あの……。今の痴漢ですか?まさか男色の趣味が!」

 

「ほんと君は落差が激しいよ。俺は女が大好きだから、男はいいや。あと、赫包のある位置触っただけってわかっているよね?絶対?」

 

「はい、そうですけど?」

 

「だめだこりゃ。取り敢えず、羽赫が二本、甲赫が二本、鱗赫が四本、尾赫が一本、で、ブラッドフラワーが一本で、計十三本也。」

 

「十三とは不吉ですなぁ。とかではなく、なぜ十三本も私は持っているのですか?異常ですよね?」

 

「うん、異常だよ。」

 

「なぜこうなったのですか?」

 

「君の才能だよ。赫子というのは、量とかパワーは才能、形は想像力で作る。つまり、君は才能があったということだよ。」

 

「はぁ。」

 

「ま、とりあえず君は力を得た。この力はとてつもなく強い力だ。この力を存分に発揮しなはれ。」

 

「はい。」

 

「あと、もっと強くなりたかったら、CCGのレートをS+以上にしなさい。そうしたらまた力を解放しますから。」

 

「はい。ってえー!S+レートってあのS+?ただのSではなく?」

 

「モチのロンだよ。」

 

「へぇー大変な課題ですねこれ。」

 

「そういえば大事なことを言うのを忘れてた。」

 

「なんですか?」

 

「それでは頑張っていってねー」

 

「9」という文字がぼやけている。いや、この世界すべて、建物からkまで水の中に入れたインクのように薄くなり、そして……

 

 

「朝か。」

 

 ここは夢オチで終わるのが筋だろうが、残念だがら、腰に力を入れると、鱗赫が出てきた。引っ込めてベットにまたバタンと横たわる。起きてから思っていたことだが、とても肩が重い。ぐったりとしてしまう。なので二度寝した。仮病しよう。なにせ本当に体が動かないのだから。そんな大事な授業はないはずだ。ぐっすりと寝させてもらおう。ぐっすりと寝させてもらおう。そう思いながら寝た。

 




そういえば、お気に入りが増えましたね。嬉しい!
あと、UAも1000超えましたし。(もう少しで1500超えそうだからそれを言ってもいいけど微妙に足りない。)
どんどん増やしてください。お願いします。特に高評価と感想はまだないので待ってます。
では、また。

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