1.東京喰種〜二人の死神〜   作:0528(零伍弐捌)

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3話どうぞ。
(筆が進まない……書くことはきまっているのに。)


3.リゼさんとの思い出

 昼、カップにコーヒーを入れていた。

 

 私は、前の、バーでの烏の話を思い出していた。

 

「『そもそもあなたと仲良くしているのもおかしいと思うんだけどね。いくらあなたが強かったとしても。あの人の噂としては一匹狼の喰種らしいからね。ね?皇帝?』」

 

「『とりあえず、あなた、気に入られているのよ。』」

 

 どういうことだろうか?言われてみれば、あの人は、なぜ私に接触してきたのだろうか?なぜ、私に様々なことを教えてくれたのだろうか?

 

 そもそもの出会いは、あの半年前の記憶が消えた時の朝のことだった。

 

 

 

 

 朝起き、着替えを済ましてテレビを見ていたら、家のチャイムがなった。

 

「はい。」

 

「こんにちは、賢剣凱さん。私は神代利世といいます。取り敢えず、家に入れてもらいたいのだけれども。」

 

「あのーどちたさまですか?」

 

「あなたがまだ知らない人ですよ。」

 

「非常識ですね。知らない人をそんな簡単に家に入れると思いますか?」

 

「では、喰種のことについていろいろ教えてあげると言ったら?また、私の俗に呼ばれる名が、『大喰い』だったら?」

 

 なぜ、私を知っているのか?、なぜ、私が喰種になったか知っているのか?、なぜ、私の住所を知っているのか?、なぜ、私のところに「大喰い」が訪ねてくるのか?「大喰い」といえば、もちろんたくさんの肉を食べていると言う噂の男だったはず。色々不思議なことは多いが、喰種については、あまりよくわかっていないし、面白そうだったので、取り敢えず中に入れた。

 

「喰種は、基本的に飲み物はコーヒーしか飲めないよ。他のワインとかビールとか飲めないから。」

 

 残念。もう二度とワインは飲めないのか…。

 

 コーヒーをリゼさんに渡したところで、リゼさんが口を開いた。

 

「改めまして、こんにちは、いや、おはようございます。私は、神代利世といいます。又の名を、「大喰い」といいます。」

 

「賢剣 凱といいます。早速ですが、ご用件はなんでしょう?」

 

 ぶっきらぼうに言ってしまった。

 

「取り敢えず、喰種の概要についてはご存知ですか?」

 

「えー、喰種とは、人の肉を食べるとでしか生きることのできない生物で、基本的に一ヶ月に一人二人食べなくてはならない。人と比べ、Red Children Cell、すなわちrc細胞の量が多いのが特徴とされている。しかし、それは自分たちでは作れないので人を食べて手に入れている。また、rc細胞により、赫子という捕食器官を作り出すことができ、喰種内で喧嘩したり、単に人を食べたりするのに使う。ちなみに、普通の武器では、喰種は、体が傷つかない。ただし、目のあたりは唯一人間の作った針でも貫くことができる。喰種を野放しすると、人間は絶滅するので、東京に関しては、CCGというグループが、喰種殲滅にあたっている。赫子から作った武器で戦う。その武器をクインケという。」

 

「まあ、満点。医者的な発言ね。特にrc細胞の話。一般市民も知らないよ。しかし、それらは理論的なものばかりで、実践的ではない。あなたはその知識だけで、この世界を生き残っていくつもり?例えば、人間のもので唯一飲食できるものは、コーヒーだということ。喰種の間で共喰いをすることもある。例えば、何区何区とあるが、ルールを守らないと追放されたり、攻撃されたりする。私がされたように。だから、自由に生きるには、強くならないといけない。仮面をつけて戦わないと、一般市民にすぐばれるということ、CCG捜査官のことを『白鳩(はと)』と呼ぶこと、喰種の強さの測り方はどうするのか?。実践的にはあなたの赫子はどんなタイプなのか?赫子の出し方は?戦い方は?など、あなたはまだ知らないことだらけでしょ?」

 

「は、はい。」

 

「この場所から、あなたのただならぬ力を感じたので、鍛えたらどれだけ強くなるかなーと思ってね。知識ももちろん必要でしょ?」

 

「は、はあ。」

 

「取り敢えず、色々君に教えるから、これから何度も君の家に来るよ、よろしく。」

 

「宜しくお願い致します……。」

 

 そうして、早速様々なことを教えられた。まあ、教えてもらった話は置いておく。でも、やっぱりびっくりしたのは、実践であった。

 

 

 

 

 まず、地下に連れて行かれた。

 

「ここは、昔喰種が、潜んでいた場所。通称24区と呼ばれているところ。ちなみに、地図は後で渡すよ。地図無いと、とても入り組んでいるので、帰れないよ。とは行っても全域の地図はないけどね。広過ぎて全てを把握している人なんていないと思うけどね。」

 

「はい。」

 

「では早速赫子の出し方をおしえてあげるわ。」

 

 そう言って、リゼさんは赫子を出した。

 

「こうやって出すんだよ。わかった?」

 

「全くわかりません。」

 

「でしょうね。だから、こうやって教えるのだよ。」

 

 と言いながら、赫子を私の方に向けてきた。つまり、攻撃してきた。

 

「嘘だろ……私は早速死んでしまうのか?」

 

 当たらないように逃げる。これを約30秒ほどしていたが、いよいよ追いつかれそうになった。そしてあろうことか、こけてしまった。私の真正面にリゼさんが来る。

 

 そして、私に赫子を差し込もうとした。その時私は思った。

 

(まだ死にたく無い。生きたい。)

 

 そうしたら、まるで右手に、体のパワーが集中していくような感じがしてきた。すると、右手のひらから、赫子が出てきた。そして、その赫子は、大きな盾を創り出し、リゼさんの赫子を受け止めた。そして、左手のひらにも同じようなものを感じ、左手からは、スタンガンが出てきた。また、背中の方にも同じような感じがして、ブラッドフラワーが出てきた。その時のリゼさんの顔はとても印象深かった。その顔はまるで、何かを確信した顔でもあったし、喜びの顔でもあったし、羨望の顔でもあったし、驚きの顔でもあったし、恐れの顔でもあった。

 

「どうかしたのですか?」

 

「……。」

 

「大丈夫ですか?リゼさん?」

 

「……大丈夫だよ。取り敢えず、赫子というのは基本的には、このように感情が荒ぶると出てくる。今の感覚を忘れないように。」

 

「はい。」

 

 

 

 

 また、喰種に実践をしてみたりした。

 

 まず5区に行って、うろちょろする。そうすると、何人かの喰種が襲いに来る。そうすると、リゼさんは、赫子を出して、一気に他の奴らの心臓を一刺しした。

 

「次はあなたの番よ。」

 

「はい。」

 

 そんな打ち合わせをして、また歩いていると、また何人かの喰種が襲いかかってきた。まず、かがんで攻撃を避け、下からなぐる。1人KO。立ち上がり、一人に肘鉄。KO。そうしたら、右手から日本刀を取り出し、構えると同時に一人の体を切る。KO。(?)そして、残りの人には、赫子で襲ってきそうだったので、3振りぐらいして赫子を切り刻む。そして、首も切る。KO(といっていいのかな?)

 

「素早くやりすぎよ。これでは、赫子の対策、できないじゃない。速すぎて、相手方、一人しか、赫子で攻撃できてないじゃない?」

 

「殺されるかもしれない時によく言ってられますね。」

 

「大丈夫。あなたはそんな簡単に死なない人材だから。」

 

「なぜ、そう言い切れるのですか?」

 

「女の勘、かな。」

 

 

 

 

 そうこう思い出すうちに様々な疑問点が見つかる。例えば、私の名前をなぜ知っていたのだろうか?表札に書いてあるのだろうと言いたいのなら、それは間違いだ。表札には「賢剣」としか書いていない。なのにリゼさんはフルネームで僕の名を呼んだ。そして、喰種は、相手が喰種だとわかるのに「気」を使わない。あくまでも匂いとかで区別する。しかも、ただならぬ気なんて、私から発して無いと周りの喰種から聞いたら答えた。というか、なぜ、私が喰種だと、喰種になったと知っているのだろうか。しかもその日付けが、私が喰種になった次の日という。タイミングがあまりにも合いすぎでは無いか?というか、そもそも、私なんかを鍛えようとするなんて、リゼさんらしく無い。自分で成長しろという考えの人なんだから。(まあ、実際その通りの修行だったが。)

 

 そして、どうでもいいのだが、修行中、たまに出るあの表情、目は何なのだろうか?

 

 コーヒーが冷めてしまった。コーヒーが美味しく無いのは死活問題だ。捨てて、また新しいのを淹れる。

 

 またまた色々考える。

 

 私を知っているということは、どこかで会っているはずだ。その時に名前がわかる何かをしたのだろう。ただ、そんなことをしたら覚えているし、そもそも、私は、周りをよく見ている人だから、一回でも会っているのならば顔ぐらいは覚えているし、少なくとも話をした相手は覚えている。あれ、そういえばリゼさんの後ろ姿がどこかで見たことある気がするが、なぜか思い出せない。それでは上の物覚えがいいという前提条件が崩れてしまう。まあいい。別のことを考えよう。

 

 なぜ、私が喰種になったのかを知っているのか?普通に考えて2つ、私が人の時も知っていて、喰種の時も知っているということ、喰種になりなてっぽいから多分、前は人だったのだろうという推測をしているということか、どちらかだろう。多分前者の気がする。口ぶり的に、人の時の私を知っている感じだったから。どちらにせよ、必然的に私が女の人を襲おうとしてから、朝目覚めるまでの10時間ぐらいの間に会ったことになる。しかもその間に名前や住所、職業なども含めてたくさんの私に対する情報を得たのは確かだ。しかも、そこまでしていても、実は、私なんかに色々教えることは、不本意なことなのでは無いか?ということだ。時たま現れる表情がそうだ。でも、それだと誰かに指図を受けているようでおかしい。あの人が人に指図されて黙っているわけが無い。力があるものが支配できると思っているあの人なのだから。しかも、一回、なぜ私のことを知っているのか、あなたは私に訪ねた日の一日前の21時から私を訪ねた日の7時までの間にどこで何をしていたか、あなたは、なぜ私に色々教えるのですか、あなたの目的は?と聞いても

 

「さあ?」

 

 の一言。つまり、さっぱりわからない。

 

 まあ、リゼさんは、男の子と本屋デートを楽しんできた後、食事も楽しんで、今日会う予定だし、その時に聞けばいいと思った。

 

 しまった、またコーヒーが冷えてしまった。冷めたコーヒーを捨てた。この時間にコーヒーを飲むのは諦めた。




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