まっしろレポートとふたつの炎   作:アリィ

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Report1-3 [初バトル!]

[Report1-3 初バトル!]

 

               研究所 入口

 

スゥ「よしっ、それじゃあ家に帰って出発の準備だ!それと母さんにもファルナを紹介しないとね。あとフシギダネ、君もお母さんに会うんだろ?一緒に来なよ。」

ファルナ「スゥのお母さんてどんな人だろね?ふーちゃん。」

フシギダネ「優しい人だったらいいな~。」

スゥ「・・・(オタマで叩き起こされたり頬引っ張られたりするのは言わないでおこ・・・)

  さて、行こうか。」

 

ノン「ちょっと待てよスゥ!」

スゥ「?どうした、ノン?」

ノン「せっかくオヤジにポケモンもらったんだ。早速戦ってみようぜ!」

スゥ「!!おいおい、そんな急に言われても・・・」

ノン「問答無用だ!早く準備しろよ。もうアクアは今すぐでもバトルできるぜ。」

スゥ「・・・しょうがない。やってみるか、ファルナ!」

ファルナ「はいっ!指示よろしくね、スゥ!

  ぜにちゃん・・・じゃなかった、アクアちゃん、勝負!」

アクア「・・・負けません、ファルナちゃん。

  ノンさん、頑張りましょう。」

ノン「よし!行くぜ、アクア!」

 

博士「やれやれ、二人とも仕方無いのう。

   まあえぇ、初めてのバトルじゃな。

   ファルナとアクアが今使える技は知っておるか?図鑑の機能で見れるから使ってみなさい。出来ない行動を指示しても仕方ないぞ。

   あとは戦いの最中にワシがアドバイスをしてやるから、やってみなさい。」

スゥ「図鑑ってそんな事もできるんだ。えーと、ファルナの使える技は・・・

 

               [ひっかく][なきごえ]

 

  か。なきごえって何だろ・・・?」

ノン「アクアは・・・

 

               [たいあたり][からにこもる]

 

  ・・・まあ、どんな技なのか分かりやすいかな。」

ノン「それじゃあオヤジ、バトル開始の合図まかせたぜ。」

博士「うむ。それでは両者準備は良いかの・・・

                 

               ・・・はじめぃッ!!」

スゥ「とにかくまずは攻撃だ!ファルナ、[ひっかく]!」

  指示と同時にファルナは勢いよくアクア目掛け飛び出す

ノン「アクア、[からにこもる]だ!」

ノンがファルナの突撃に合わせて指示する。

するとアクアの背負っていた甲羅から光の壁のようなものが作り出され、アクアを包むように形どられた。

ファルナ「せいっ!」

               ガギィッ!

ファルナ「っつう~、堅いっ」

アクア「あうぅ、甲羅ごしなのにジンジンする・・・」

ファルナは光の壁で出来た甲羅を引っかいた。

するとその壁は大きく歪み、衝撃がアクアへと伝わった。

 

博士「ノンよ、防御を高める[からにこもる]はいい判断じゃった。じゃが、ファルナの攻撃のダメージを防ぎきれていないようじゃな。

   バトルは戦闘不能になった時点で負けじゃ。防いでばかりでは勝てないぞ、反撃じゃ。」

 

ノン「っし、今度はこっちからだ!アクア、[たいあたり]だ!」

アクア「やあっ!」

アクアがファルナへと突っ込んでいく

スゥ「え、えっと・・・ファルナ、今度は[なきごえ]だ!」

ファルナ「ギャウゥッ!ガウガウ!!」

スゥ「!?な、何だあ・・・?」

アクア「ッ!!」

アクアはファルナのなきごえ(叫び?)に驚き、たいあたりの勢いが削がれる

スゥ「ああ、そういう技なのか。びっくりしたぁ・・・」

               ドンッ!!

ファルナ「あぅっ!」

スゥ「大丈夫かファルナ!」

ファルナ「うん、そこまで痛くないよ。どんどん指示おねがい、スゥ!」

 

博士「今のように、相手の攻撃力を落としたり、動揺させる技も効果的じゃな。

   じゃが、何度もは通用しない技もあるから気をつけるんじゃ。」

 

ノン「今度はもう驚かされねぇぞ!アクア、もう一度[たいあたり]!思いっきりいけ!」

アクア「はいっ!」

スゥ「こっちもだ!ファルナ、全力で[ひっかく]だ!」

ファルナ「ハァッ!」

 

指示通り両者全力でぶつかり合い、双方来た方向へと弾け飛ぶ。

 

アクア「くうぅっ!」

ファルナ「うあぁっ!」

スゥ「ファルナ!」

ファルナ「うう・・・げほっ。今のは効いたぁ・・・」

 

かなりのダメージだったのかファルナの足取りがフラフラしている

 

ノン「アクア、大丈夫かっ!?」

アクア「ノ、ノン・・・さん、ごめんなさい、もう無理・・・です・・・。」

 

アクアは体力が尽き、その場に倒れこんだ。

 

ノン「ア、アクアっ!!」

 

博士「そこまでじゃ。アクア戦闘不能!ノンの手持ちが尽きた為、スゥの勝ちとする!」

  「全力の[たいあたり]がどうやらアクア自身に対してもダメージが有ったようじゃな。そこが勝負の分かれ目じゃったな。」

 

スゥ「勝った・・・!ファルナ、よくやった!!」

ファルナ「え、へへっ。やった~!

   ・・・でも疲れたよぅ、スゥ・・・」

スゥ「お疲れさま、ゆっくり休みな。ありがとう、ファルナ。」

スゥはファルナの頭を優しく撫でて労ってやる

ファルナ「んぅ・・・スゥ、気持ちいい~。もっとやって~」

スゥ「はいはい。これでいいか?」

ファルナ「ん~。」

 

ファルナとスゥはノンとの対戦を通じてよく打ち解けたようだ。

一方、アクアとノンは・・・

 

アクア「ごめんなさい、ノンさん・・・」

ノン「いや、よくやったよ。お疲れさま。」

アクア「でも、負けちゃいました・・・

  ・・・グスッ、

  ・・・ごめんっ・・・なさい。」

ノン「ああ~、泣くな、謝るなっ。俺の指示が良かったら勝ててたかも知れないんだし。

  それに、これからもっと強くなればいいだけじゃないか。違うか?」

アクア「グスッ・・・怒ってないですか?」

ノン「怒ってないって。ほら、こっちおいで。」

 

泣き止まないアクアの頭を撫で、それで安心したのかアクアは泣き止む。

 

アクア「・・・もっと強くなりますね、ノンさん。」

ノン「おう。期待してるぜ。俺も頑張るからな。

  スゥ、次は負けないからな!今度バトルするまでにはアクアはずっと強くなってるから覚悟しろ!」

スゥ「ん、こっちだって絶対強くなってるから分からないよ。また勝負しような!」

ファルナ「アクアちゃん、ひっかいた所だいじょうぶ?」

アクア「うん・・・。傷薬塗ってもらったらすぐ治ると思います。

  ファルナちゃん、次は負けません。また勝負してください。」

ファルナ「うん!私も負けないよ!一緒に強くなろうね!」

 

博士「うむ、ノンもスゥも初めてのバトルの割には良い戦いじゃった。これからが楽しみになってきたわい。

   バトルの後はポケモンは疲れ切っておる。ちゃんと傷薬を使うか、休養をとらせてやることじゃ。」

 

博士「さて今日は二人とももう帰りなさい。旅立ちの準備も必要じゃろ。

   荷造りの事だけじゃない。気持ちの準備、整理、旅立つ前にやり残した事もちゃんと終わらせておくことじゃ。」

 

スゥ「はい!博士、今日は色々とありがとうございました!」

ノン「サンキュ、オヤジ。じゃあ、今日は帰るぜ。」

 

博士「やれやれ、今日は疲れたわい。

   じゃが、これからはあの騒がしい二人にも会うことが減る思うと中々寂しいのぅ。」

   ・・・

 

 

   ・・・スゥがヒトカゲを選んだか。スゥならあの子の[病気]を何とかしてやれるじゃろうか・・・」

 

 


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