それからしばらく経って。
異例の速さで小説を出版した涼菜は、期待の新人として巷で話題になっていた。
そんな中メイリオ文庫では、メイリオ文庫大賞という、ラノベ新人賞が開催されていた。
今日は、新人賞の授賞式に呼ばれ、俺と涼菜は都内の超有名ホテルに来ていた。
「うわぁ……たくさんの作家さんたちがいますね……」
「そうだな、涼菜も他の作家さんと仲良くなれるといいな」
「……うぅ。さらっと言わないでください」
「悪い悪い。でもたしかに、同年代の作家さんは見当たらないな」
そうやってせっかくの機会なのに兄妹で固まって話していると、照明が暗くなり、司会の人にスポットライトが当たった。
授賞式は、編集長あいさつ、審査員あいさつとスムーズに進行した。
続いて、受賞者の発表に移る。
わくわくするようなSF小説を描いた、三十代くらいのお兄さん。
胸がきゅんきゅんするラブコメディを描いた、大学生くらいの女の人。
そして、熱い学園バトルを描いた四十代くらいの男性。
その中に、見覚えのある顔があった。
ーー莉華だ。
なんと、莉華はあの俺に対してのラブレターみたいな小説を新人賞に投稿し、見事賞をとったのだった。
こうして、涼菜と莉華は、また同じ舞台に立った。
ライバルとして、友達として。
それは小説だけなのか、それとも他の何かでもライバルなのか、それは分からない。
でも涼菜にとって、今がとても素晴らしい環境であることには、なんら変わりはないのだった。
妹は、ステージの上を見上げながら、口元を弛めて小さく呟く。
「お兄ちゃんは、誰にも渡しません。…………だって、この物語は、私がお兄ちゃんとらぶらぶする話なんですからっ!」
【完】
※文字数の関係でもう一度同じ小説を繰り返させていただきます。
それからしばらく経って。
異例の速さで小説を出版した涼菜は、期待の新人として巷で話題になっていた。
そんな中メイリオ文庫では、メイリオ文庫大賞という、ラノベ新人賞が開催されていた。
今日は、新人賞の授賞式に呼ばれ、俺と涼菜は都内のホールに来ていた。
「うわぁ……たくさんの作家さんたちがいますね……」
「そうだな、涼菜も他の作家さんと仲良くなれるといいな」
「……うぅ。さらっと言わないでください」
「悪い悪い。でもたしかに、同年代の作家さんは見当たらないな」
そうやってせっかくの機会なのに兄妹で固まって話していると、照明が暗くなり、司会の人にスポットライトが当たった。
授賞式は、編集長あいさつ、審査員あいさつとスムーズに進行した。
続いて、受賞者の発表に移る。
わくわくするようなSF小説を描いた、三十代くらいのお兄さん。
胸がきゅんきゅんするラブコメディを描いた、大学生くらいの女の人。
そして、熱い学園バトルを描いた四十代くらいの男性。
その中に、見覚えのある顔があった。
ーー莉華だ。
なんと、莉華はあの俺に対してのラブレターみたいな小説を新人賞に投稿し、見事賞をとったのだった。
こうして、涼菜と莉華は、また同じ舞台に立った。
ライバルとして、友達として。
それは小説だけなのか、それとも他の何かでもライバルなのか、それは分からない。
でも涼菜にとって、今がとても素晴らしい環境であることには、なんら変わりはないのだった。
妹は、ステージの上を見上げながら、口元を弛めて小さく呟く。
「お兄ちゃんは、誰にも渡しません。…………だって、この物語は、私がお兄ちゃんとらぶらぶする話なんですからっ!」
【完】
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!