ステーキを腹いっぱい食べた俺たちは、俺と涼菜の家へと戻る。
その間も、俺のプレゼントについては忘れてくれないらしい御一行。
みんなの言動に翻弄されている乙葉を見ると、言い出しっぺが酷い目にあっていてざまぁみろと思う。
それに、普段は斜に構えている乙葉がオロオロしている姿が見ていてかわいい。
家に着くと、俺は家の周りで何か変わったことがないかを確認する。
どうやら、まだ両親はこの家に訪れてくれてはいないようだった。
家に入ると、リビングに着いた俺は、既に決まったらしい全員のお願いを聞くことになった。
名前の順で言いに来るらしいから、まずは「か」 から始まる夏波莉華だ。
莉華はおずおずと前に出ると、申し訳なさそうに俺の耳元に囁いた。
「また、小説の執筆に付き合って下さいね……?」
囁くと、ギャラリーの方へ戻っていく。
囁くように言った理由は、涼菜に話の内容を聞かれないためだろう。
ギャラリーに混ざってこっちを見ている莉華に、俺は静かに親指をたてた。
この分で行くと、あまり過激な内容は無いのだろうか。
審判はきちんと仕事をしてくれていたらしい。
続いてこちらに向かってきたのは、「さ」 から始まる笹原桜子。
ある程度近くまで来ると、大きな声で言った。
「千秋くんをそこに十分縛りつけるわ!」
…………いやいやいやいやいや。
何でさっきのあんなにマイルドなお願いの後にそんな過激なものが!
審判は何をやってるんだ!
「嫌ですよそんなの! っていうかよく乙葉が許可しましたね」
乙葉の方をみると、彼女はニヤニヤ笑って言った。
「さあさあ、審判が許可した以上、千秋に拒否権は無いよ!」
マジかよ……。
お父さん、お母さん。これから俺、縛られます……。
縛られてから何もされない訳は無いと、警戒しながら壁に縛り付けられる俺だったが、ドSな先輩からの仕打ちは、警戒していても全く関係無いとばかりに俺を攻めてきた。
彼女のお願い内容は、くすぐることだった。
人は十分間くずぐられ続けるとどうなるのかを見てみたいらしい。
何故か手足を固定する器具を持ち歩いていた先輩に壁に手足を縛り付けられた俺に、莉華を除く全員が俺に近づいてくる。
すると、手をわきわきさせて近づいてきた全員が、莉華の合図とともに俺の身体をまさぐり始める。
乙葉は、土踏まずや膝を含む脚部分。
涼菜は、脇の下や乳首を含む上半身部分。
そして桜子は、俺の股間部分を執拗に攻めてきた。
乙葉のすべすべの細い指が脚をくすぐってこそばゆい。涼菜は俺の首に顔を近付けたり耳に息を吹きかけたりと、精神的にもこそばゆいような事をしてくる。それに、涼菜は顔が見える位置にいるため、彼女のかわいさにずっとドキドキしてしまっている。
更には、俺の腰あたりを掴んで俺の下腹部を自身の大きなおっぱいにムニムニと押し付けている先輩。
たまに乳首と擦れて死ぬほど気持ちがいい。
……これなんてエロゲ?
しかし、俺から何もこいつらに反撃できないというのは大きい。
本来なら気付かないふりをして乙葉のおっぱいをつま先でつついたり、顔を近づけてきた涼菜にキスをしたり、おっぱいを押し当ててくる先輩に俺のマグナムを挟ませてパイズリを強要したりできるのだが、手足を縛られているため、ゲラゲラと声を上げながら勃起させることしか俺に出来ることは無い。
もうどれ位経っただろうか。
体感では四十分くらいが過ぎたころ、俺の身体は急にくすぐったくなくなった。
くすぐったさは微塵もなくなり、気持ちよさだけを感じる俺の身体。
この時点で七分だったらしいのだが、俺はくすぐったいふりを続け、三分間風俗並みのエロスを楽しんだ。
……映像を撮影していたらしい莉華によって全て後でバレたのだが。
続く。