俺が妹とらぶらぶする話。   作:雨宮照

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書いてたら何故か無性にチーズが食べたくなってきた。

莉華を家まで連れていく道中、俺は今日来ているメンバーについて、軽く莉華に紹介しようと試みる。

……まあ、あの人たちを紹介しようとすると、絶対長くなってしまうのだが。

 

まずは、うちの妹、涼菜について紹介する。

彼女の境遇や、小説について、それから性格など、その他諸々。

すると莉華が鼻息を荒くした。

 

「あの小説を書いてたのって、先輩の妹さんだったんですか! そ、そんな偶然が……」

 

一瞬莉華は驚いてみせたあと。

 

「私、涼菜ちゃんに弟子入りしたいです!」

 

爆弾発言を爆発させてしまった。

 

「……やめといた方がいいぞ」

 

「なんでですか?」

 

不思議そうに莉華。

 

「あいつは結構負けず嫌いでな、お前の小説を勝手にライバル視して敵対してるんだ。だからお前があの小説を書いてるって知ったら多分敵対視されるぞ」

 

「……マジですか」

 

残念そうな莉華。

……まあ、いずれ仲良くなってから正体を明かせば、涼菜もそのまま仲良くやっていくだろう。

 

「それで、涼菜ちゃんに友達がいないという件ですが」

 

莉華が言う。

 

「それなんですが、私もお恥ずかしながら友達と呼べる人がいなくて……。私も、涼菜ちゃんと友達になりたいなぁ、なんて思います」

 

おっ、莉華が俺を友達に含めていないのは先輩だからだろう。うん、そう思おう。

 

「そっか。じゃあ、仲良くしてやってくれ」

 

俺がニコッと笑ってみせると、莉華も微笑む。

 

「先輩って、ほんとに妹思いなんですね」

 

……シスコンって言われなくてよかった。

 

 

続いて、乙葉について軽く説明する。

 

「乙葉のことは知ってるだろ? 生徒会長副会長の」

 

「ああ! 滝沢先輩ですね! たまに本を借りに来てくれる常連さんですよ!」

 

そうだったのか。

俺が当番のときは一度も借りに来たことがないのに。

 

それから、笹原先輩についても。

 

「笹原先輩も知ってるだろ? 留学から帰ってきた」

 

「もちろんですとも! だって桜子先輩って、超有名人じゃないですか! 一年留年してでも留学には行く価値があるって言って一年間留学してきて! みんなの憧れですよね!」

 

うん。先輩が俺と一年多く同じ学校に在籍していたかったから留学したとか、言わない方が良さそうだな。

知らぬが仏ってやつだ。

 

「それが取り敢えず今いるメンバーだ。みんな良い奴だから、すぐ仲良くなれると思うぞ?」

 

まとめるように言うと、莉華が激昂する。

 

「思うぞ? じゃないですよ先輩! なんなんですかその綺麗どころ二人は! どうやって知り合ったんですか! その二人は先輩如きが気軽に家に呼んでいい人達じゃないんですからね!」

 

……酷ぇ。

先輩如きって言われたぞ、如きって。

 

その後あの二人と幼馴染だってことを話すと、後輩は。

 

「……何でそんなに先輩の周りには、そんなにゴキブリホイホイみたいに女の子が集まってくるんですか……」

 

と、消え入りそうな声で呟いた。

……そしたらさっきまで熱く語ってたあの二人はゴキブリになるんですが、それは。

 

一通り紹介を終えたところで、目的地についた俺たちは、部屋へと入る。

 

すると、リビングでは料理やケーキの準備が整っており、俺たちの到着を待っていたらしい三人が、歓迎する。

 

莉華は始め、特性の人見知りを発動させていたが、他の三人の柔らかい態度ですぐに馴染んだようだ。

涼菜の人見知りが解けていないのが見ていてとても可愛いのだが。

 

ケーキについたロウソクを涼菜が六回かけて吹き消すと、電気をつけて、ケーキを食べながら暫し談笑する。

俺的にはチキンを食べてからケーキを食べたかったのだが、誕生日を迎えた主役本人がケーキを前にして待たされ、待ちきれなかったようだ。

未だにケーキの上の砂糖菓子の動物を食べられる幼い舌を持った人物がいなかったので、一番年齢の若い涼菜が食べることに。

料理を良くするため涼菜の舌は肥えているが、砂糖菓子は意外にも受け付けられるらしかった。

 

それからチキンやトマトとチーズのスープやピザを食べながら、昔の話とか学校での話などをした俺たちは、のんびりとした時間をゆっくりと過ごした。

涼菜と莉華と桜子は家庭用ゲーム機で格闘ゲームをしており、乙葉と俺は食器やテーブルの片付けをしている。

 

これからのプランとしては、みんなで涼菜へのプレゼントをことになっているのだが、未だに俺からのプレゼントは届いていない。

……もし、プレゼントタイムまでに両親が到着しなかった場合、俺からのプレゼントは無い。

 

人知れず焦る俺に、乙葉が耳打ちをしてきた。

俺は食器を洗っている乙葉に軽く会釈し、残りの食器を運んでくるのだった。

 

 

続く。

 


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