家に帰ると、妹はアイスを待ちくたびれたのか、既に眠ってしまっていた。
妹のすぅすぅと眠る寝顔を見ていると、素の妹が見られたようで、なんだか自然と笑みが溢れてくる。
風邪をひいては困るので、リビングで寝ていた妹に毛布を掛けてやる。
もうこれから夏になるというのに、夜はやっぱり肌寒い。
昼間でも肌寒いため、薄手のカーディガンが必要な日があるって、お天気のお姉さんも言ってたっけ。
いや、まあ俺はそんなお洒落なもの持ってないんだけどな。
寝ている妹を気にしつつも、犯人の証拠を見つけた俺としては、一刻も早く整理してしまいたい問題のため、深く考える必要がある。
長風呂を覚悟して、風呂へと向かった。
風呂には、妹の下着からなにから、妹を感じられるブツが無防備にも置かれていた。
しかし妹の下着は先ほど十分に楽しんでいる。
続いて俺は、自身の服を脱ごうとして、手を止めた。
「あれ、いいこと思いついちゃった」
俺は証拠の整理などすっかり忘れて、思いついたいいことを、実行に移すのだった。
訪れたのはリビング。
ーーーそう。妹が熟睡しているリビングである。
変態紳士諸君は既にお分かりだろうが、俺はとんでもないことを思いついてしまった。
さあ、妹の前で服を脱がさせて頂こうじゃないか!
まずは、小手調べにTシャツを脱ぐ。
Tシャツを脱いだだけだというのに、なんだこの背徳感は!
これから起こる凄く卑猥なことを想像して、早くも俺の息子はいきりたっている。
文字通り、イキり勃っている。
次いで俺は、ベルトを勢いよく引き抜いて、ズボンに手を掛けた。
と、そこで目の前のかわいい生き物がモゾモゾと動いた!
そこで俺はパンツを脱ぐのをやめ、音が響かないよう、固まった。
目の前では、一頻りモゾモゾと動いたあとの妹が、固まった。
ーーー俺の目を見て。下を見て。俺を見て。
その時、今年一番の絶叫が、我が家にこだました。
「お、おお、お兄ちゃんっ! あ、あの、何をしようとしてたんですか変態っ!」
顔を真っ赤にして妹は激昂する。
それは怒りからなのか、羞恥からなのかは分からないが、とってもかわいい。
「いや、勘違いするな。絵だけ見るとお前を襲ってるようにしか見えないが誤解するな」
「じゃあなんだってんですか! 妹の前でズボンを下ろそうとすることに他になんの意味があるっていうんですか!!」
ああ。これは言い逃れできなそうだ。
でも、なぜだろう。
襲おうとしたほうが、背徳感を楽しんでいたよりも罵られない気がする。
そこで俺の機転を活かす。
「お前が寒そうだったから、毛布だけじゃ足りないと思って、俺のズボンをだな……」
ーーー殴られました。
まあそんなこんなで、風呂に入ってアイス食って寝た。
涼菜は風呂から出たらまたリビングで寝てたので、そのまんまにしといてやった。
ああ、一緒に寝なかったから、明日怒られるんだろうな。
続く。