その男、復讐者なり   作:雪原野兎

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何やらお気に入りが100を超えていた…!?

いや、ほんとありがとうございます。

これからも頑張りますよー!


第7話 堕天使騒動その3

再度、リアス等と別れた玲士は教会がある公園の全範囲が見られるビルの屋上へと来ていた。

 

玲士「…で、今は別の依頼を受けているがどうした?」

 

仲介者『多分だがそっちが今受けてる依頼と同じ町での依頼だから掛け持ちするのはどうかなと思ってな、内容は聞くかい?』

 

玲士「ふむ…まぁ、内容だけでも聞こう。」

 

仲介者『おっけぃ!今回の依頼は堕天使からだな、名はシャムハザイで依頼内容は堕天使一人の連れ戻しだ。』

 

玲士「ふむ、対象はどんな奴だ。」

 

仲介者『名は…ミッテルトっていうやつだな、堕天使としてはまだ若いが事務仕事の出来が良かったから死なせるには惜しいそうだ。容姿は金髪の少女、何やらフリフリとした黒と白の服を着ているらしい、確かゴスロリとか言う奴だな。』

 

玲士「…ゴスロリか、よく分からんが金髪で白と黒のフリフリした服を着た女だな?」

 

仲介者『そういうこった、今受けてる依頼と被ってるか?』

 

玲士「いや、被っていない、今受けてるのは監視だからな、タイミングが良かった感じだ。」

 

仲介者『おぉそうかそうか!良かったぜ、じゃあ依頼については了承したって事を伝えておくぜ!』

 

玲士「ああ、頼むぞ。」

 

仲介者『そういえばゴースト、お前さん、悪魔陣営になったのに堕天使から受けても良いのか?』

 

玲士「悪魔の奴が何を言おうと知った事ではない、俺は『人間』で『傭兵』なんだからな。」

 

仲介者『ははは、そうかそうか、まぁ、お前さんのお陰で俺も報酬ウハウハだからな、お前さんの担当でほんと良かったぜ。』

 

玲士「それはこっちの台詞だ、お前の情報にはいつも助けられてる。」

 

仲介者『俺は仲介してるだけさ。さて…じゃあ頑張れよ、ゴースト!っと、その金髪の子にはこの紙を渡してくれって事らしい、通信が切れると同時にそっちに送るからな。』

 

玲士「ああ、分かった。」

 

そう言い、通信を切る。

 

それと同時に紙が落ちてき、玲士はそれを拾って懐へとしまう。

 

玲士【…さて、一誠を殺したチームの奴だが…更生させてから再利用するというなら依頼を優先させてもらう。】

 

そう1人、思っているとグレモリーから通信が入る。

 

玲士「…どうした?グレモリー。」

 

リアス『堕天使への攻撃が決まったわ、あなたにも手伝ってほしいけれど構わないかしら?』

 

玲士「構わん、だが、少し前に堕天使関連で一つ依頼が入った、あっちが先だからそっちを優先させてもらうぞ。」

 

リアス『え、ちょっと待って!?なんで堕天使から依頼が!?』

 

玲士「どうせ悪魔から依頼を受けてるとかいう話がどっかから漏れて俺に依頼が来たんだろうな。」

 

リアス『…悪魔が堕天使の』

 

玲士「俺は『人間』だ。」

 

リアス『うぐ…そう、それでどんな依頼なの?』

 

玲士「…本来依頼は誰であろうと漏らすものではないが…話しておかないと間違ってやられても面倒だしな。堕天使1名の保護、見逃せという話だ。」

 

リアス『私の領地で好き勝手した堕天使を逃がすわけ』

 

玲士「あ゛?」

 

リアス『な、なんでもないわ…それでその堕天使は一誠を殺した堕天使なのかしら?』

 

玲士「いや、金髪の少女だから違うな、一誠が出会ってたアーシアという少女でもない。」

 

リアス『…そう、分かったわ。先にあっちが依頼したならしょうがないわね。』

 

玲士「ああ、それで俺はどいつを攻撃すれば良い?」

 

リアス『教会の外にいる奴等をお願いするわ、私と朱乃があなたと合流、一誠達が教会の内部に突撃すると言った感じだわ。』

 

玲士「了解した。一誠達が教会内部に突撃するのに合わせて外にいる敵へ接敵する。」

 

リアス『ええ、お願いするわね。』

 

そう言い、通信を切る。

 

玲士「…はぁ、シャドウ。」

 

そう言った瞬間、玲士の影の肩に猫の影が映る。

 

使い魔『ニャフ?』

 

玲士「小猫、木場達の動きと外にいる堕天使チームの位置を随時俺に知らせろ。」

 

使い魔『ナァーオ。』

 

玲士「…そうか、あっちは数が多いが何とかなるだろう。頼んだぞ?」

 

使い魔『ニャッ。』

 

その言葉と共に猫の影がほかの影に溶け込んでいく。

 

玲士「…既に突撃準備は完了していたか、こちらも接敵するとしよう。『時のある間に薔薇を摘め』…!」

 

一旦屋上の端に移動してから教会へ向けて走り出し、そのまま屋上から跳んでいく…。

 

 

 

場所は教会近くの公園…そこで3人の堕天使が教会の方から聞こえた音に反応している。

 

コート男「今の音は何だ?グレモリー共が攻め込んできたのか?」

 

青髪「分からん、だが、敵襲というのは確実だろう、儀式は悲鳴以外聞こえるはずがないのだからな。」

 

金髪「じゃあ急いで向か…っ!?な、なにか風切り音が聞こえるっす!」

 

その言葉と共に、3人の近くに一つの影が着地し、滑ってくる…。

 

玲士「…堕天使3人か、俺の相手をしてもらうぞ?」

 

コート男「はっ、まさか悪魔が一人で来るとはな?」

 

青髪「赤いフードに仮面…なるほど、貴様がフリードが言っていたゴーストか。」

 

玲士「ああそうだ、ドーナシーク、カラワーナ、そしてそこの金髪がミッテルトで合っているな?」

 

ミッテルト?「ふっふーん、そうっすよ!名前を知ってるだなんて勉強家な悪魔っすね!」

 

ドーナシーク「ふん、相手が誰であろうと我ら堕天使の相手ではない。」

 

玲士「御託は良い、行くぞ。」

 

その瞬間、玲士の姿が消え側面より双剣を構えてカラワーナと呼ばれた女へと斬りかかる。

 

カラワーナ「ッ!?くっ…!この速さ…神器か!」

 

それに対し咄嗟に光の剣を出し、防ぐが強烈な一撃に弾かれ、後ずさる。

 

玲士「答える筋合いはない。」

 

ドーナシーク「だが隙だらけだ!死ぬがいい!」

 

そう言い、背後の上空より光の槍を展開し、玲士へと攻撃を仕掛ける。

 

玲士「貴様がな。」

 

そう言った瞬間、玲士の姿が武器を投げ捨てながら消え、ドーナシークは地上に降り立ちながら空振り、態勢を立て直そうとする。

 

ミッテルト「う、後ろっす!」

 

ドーナシーク「しまッ…ガハッ…。」

 

玲士「まずは一人…。」

 

しかし、即座に背後に現れ、双剣と同じ柄の両刃剣を以てドーナシークを上下に真っ二つにする。

 

カラワーナ「ドーナシーク!くそっ!」

 

ミッテルト「そこっす!あぐぅぁ!?」

 

玲士「遅い…!」

 

ドーナシークが斬られた事に驚き、即座にミッテルトが突撃するが槍を振る直前に掌底で反撃し、突き飛ばす。

 

カラワーナ「ミッテルト!くっ、ただ好き勝手やられている我らでは」

 

玲士「…終わりだ。壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!」

 

カラワーナ「なに…ッ!あぶな『ドォン』」

 

側方より最初に持っていた双剣の片方が飛んできたのを確認し、即座に後ろに下がって回避するが顔面目の前にきた瞬間に爆発し、飲み込まれる。

 

ミッテルト「う、うう…っ!か、カラワーナまでやられたっす!?」

 

玲士「そうだ、残りは貴様だけだ。」

 

ミッテルト「う、うう!や、やってやる!私一人でもやってやるっすよ!?」

 

明らかに恐怖しても武器を構え突撃しようとしているミッテルトの姿を見て溜息を吐く。

 

玲士「…はぁ、貴様と敵対するつもりは無い。」

 

ミッテルト「…へっ?ド、どういう事っすか?」

 

玲士「一度確認するために聞くぞ?貴様の名はミッテルトで、その服はゴスロリというもので合っているか?」

 

ミッテルト「そ、そうっす、自分はミッテルトって名前でこの服もゴスロリってファッションスタイルっす。」

 

玲士「そうか、お前には連れ戻しの依頼が出ている、名は明かさぬが…この紙を見ればわかるだろう。」

 

そう言い、懐から取り出してミッテルトに近づいて手渡す。

 

ミッテルト「え、えっと…ッ!?え、え!?こ、これは本当っすか!?」

 

玲士「知らん、その紙を渡してお前を見逃す、それがこの依頼を達成する条件みたいなものだ。グレモリーには既に報告してある、あっちが攻撃してきた場合貴様を撤退させるまでグレモリーと敵対してでも逃げるのを手助けしてやる。」

 

ミッテルト「レ、レイナーレ様は…。」

 

玲士「そいつについては何も言われてない…が、既にこの町でこんな企てをした事、脅威になるかもしれないという理由で一般市民を殺した事で既に見逃すことは出来んしグレモリーも見逃すつもりは無いだろうな。」

 

ミッテルト「うう…そうっすか…。」

 

玲士「裏切ったと思われると思っているのか。」

 

ミッテルト「そ、そうっす…。」

 

玲士「…割り切れ、としか言えんな、貴様を評価してくれている奴がいる、そいつの評価を裏切らぬように頑張る事だ。」

 

ミッテルト「…レイナーレ様、ごめんっす…。」

 

そう言い、ミッテルトは羽を広げて飛び始める。

 

ミッテルト「あ、悪魔に礼は言わないっす…でも、あの御方からのこれを届けてくれた『人間の傭兵』であるお前には感謝するっす。」

 

そう言い残し、飛び去って行く。

 

玲士「…誰かの為にという想いは良い、だが、過程を誤ればそいつらのようになる…お前はまだ取り返しのつく範囲だからな、次はまともな生き方をすることだ。」

 

そう言うと同時にリアスと朱乃が空から降りてくる。

 

リアス「終わったかしら?」

 

玲士「ああ、目的の奴は既に逃がした、堕天使の2名も処刑済みだから残りは兵藤を殺した堕天使のレイナーレとはぐれ悪魔祓いフリード、その他はぐれ悪魔祓い複数のみだ。」

 

朱乃「あらあら、そうでしたか。」

 

リアス「っ!この力は…!」

 

玲士「…兵藤、か、急ぐぞ。」

 

リアス「私は地下に、ゴーストは教会正門から、朱乃は羽の処理を頼むわ。」

 

玲士「任せろ。」朱乃「任せてくださいな。」

 

リアスは魔法陣を展開して祐斗たちの場所へ、玲士は足で教会へ向かっていく。

 

 

 

場所は教会…玲士が到着した時には既に終わっており、玲士は現在レイナーレを引きづってきている。

 

玲士「今到着した、こいつがぶっ飛んできたから引きづってきたがそれで良かったか?」

 

そう言ってリアスの前へ投げる。

 

リアス「ええ、ありがとう。ゴースト。…さて、初めまして、堕天使レイナーレ。私はリアス・グレモリー、グレモリー家の次期当主よ。」

 

レイナーレ「グレモリー一族の娘か…!」

 

リアス「どうぞお見知りおきを、短い間でしょうけれど…それとゴースト?」

 

玲士「…はぁ、レイナーレだったな?貴様の配下である堕天使3人は既に処刑してある、助けが来るとは思わない事だな。」

【…ウソではあるが、アフターサービスだ、ミッテルト。】

 

そう言って羽根を3枚、レイナーレに向けて放り投げる。

 

レイナーレ「幽霊風情が…よくも…!」

 

玲士「ふん…しかしグレモリー、兵藤の籠手の形が変わっているがそれは本当にトワイス・クリティカルなのか?」

 

リアス「あら?…へぇ?赤い龍…そういうことなのね。」

 

レイナーレ「赤い、龍…ッ!?ま…まさか…!」

 

リアス「貴方も気づいたみたいね?この子、兵藤一誠の神器は14種の神滅具の一つ…赤龍帝の籠手、ブーステッド・ギアよ。」

 

レイナーレ「そんな…そんな子供なんかに…!」

 

リアス「…さて、あなたには消えてもらうわ、好き勝手しすぎた代償よ?」

 

その言葉を聞いた瞬間、レイナーレは姿を変える。

 

レイナーレ「い、一誠くん…た、助けて…あ、あんなことを言ったけれど堕天使の役目を果たすため仕方無かったの…!」

 

その姿を見た一誠は動揺し、後ずさる。

 

一誠「ゆ、夕麻ちゃん…。」

 

レイナーレ「ほ、ほら、その証拠にこれ…捨てずに持っていたの…!忘れてないわよね…あなたに、買ってもらった…!」

 

一誠「なんでまだ…そんなもの持ってんだよ…!」

 

レイナーレ「どうしても、捨てられなかったの…!だって、あなたが好きだから…!」

 

その言葉を聞いて、一誠はレイナーレの近くへと歩いていく。

 

木場「拙い…小猫ちゃん!」

 

小猫「…うん。」

 

そう言って二人は駆けだそうとするがリアスに制される。

 

レイナーレ「私を助けて!一誠くん!」

 

一誠「お前…どこまで…!」

 

そう言った後、背中を向け…。

 

一誠「部長、頼みます…。」

 

玲士「そこまでだ、何をしている?兵藤。」

 

一誠がそう言い切った時、剣を投影、銃へと改造し、一誠へと向ける。

 

一誠「ゴ、ゴースト…?何を?」

 

レイナーレ「ゴ、ゴースト!あなた私を助けガフッ…!」

 

レイナーレがゴーストの方へ向き直ると同時に顔面を踏みつける。

 

玲士「貴様の因縁を他人に任せるつもりか?たわけが。」

 

そう言って一誠の足元に銃を投げ捨てる。

 

一誠「えっ…?」

 

玲士「それを拾ってこいつを撃て。」

 

リアス「ゴースト!一誠はまだそんなことをした事が。」

 

玲士「黙っていろ、悪魔になったからにはいつかこうする事になる。」

 

一誠「う、うう…。」

 

そう唸り、銃を手に取ろうとするが手に取ることが出来ず、握りこぶしを作る。

 

一誠「ごめんゴースト…俺には出来ない…。」

 

玲士「…そうか、だがいつか、こうしなければならない時が来る…それだけは覚えておけ。」

 

そう言い、もう片方の銃で左胸に銃弾を撃ち込む。

 

それと同時にレイナーレは絶命し、体は消えて羽だけが残る…。

 

一誠「…ごめん、ゴースト…。」

 

玲士「…気にするな、汚れ仕事は慣れている。グレモリー、俺は先に戻らせてもらう。」

【…一誠、お前がその選択をして安心もしている。お前は俺の様にはなるな。】

 

リアス「分かったわ、ありがとね、ゴースト。」

 

玲士「…ああ。」

 

そう言い、玲士はその場を後にする…。




一誠「よっす、今回はここまでだ…。」

玲士「今回は主人公`sである俺らが担当させてもらう。」

一誠「…うう、夕麻ちゃん…。」

玲士「トラウマを緩和させようと思ったがなったばかりだし無理だと思ったからこんな展開にした。」

一誠「で、でも俺銃を持ったことないし間違って玲士を撃っちゃう可能性があったんじゃ…。」

玲士「…有り得るだろうなぁ、銃で思い出したがフリードに関しては完全に出番を無くした、展開的にはやられた後に俺も追加で来るだろうという事で人質も取れそうにないし逃げた方が良いなという感じにとんずらした。」

一誠「そういえば最初の方で玲士に依頼した相手って誰だ?」

玲士「堕天使副総督のシェムハザだ、偽名はシェムハザの別の読み方だ。」

一誠「というかミッテルトって優秀なのか?」

玲士「それはこの小説での独自設定だ、これ以降出番は少ないが出す予定はある。助けた理由も若そうな見た目だったからだ。」

一誠「へぇー、慎士が黙ってたけどあれはどうしてだ?」

玲士「俺をずっと睨んでいた、余計な口出しして殺されたくないというのもあるな。…口出しされてむかついたから殺すみたいなことは流石にしないんだがな。」

一誠「そ、そうか…。」

玲士「屋上から跳んだ際に関しては一切羽を広げていない、だからこそ滑りながら着地していると言った感じだ。」

一誠「屋上って事は高いんだよな…?脚は大丈夫なのか?」

玲士「…とっても痺れたな、身体能力向上が悪魔化の恩恵にある為に問題はない感じだ、はっきり言って使いたくない。しかしロープ投影して降りてからの固有時制御だと教会での乱戦になってしまい一誠が危険になる為にこの様な方法を取った。」

一誠「…すまん、玲士。」

玲士「気にするな、お前は大切な幼馴染だからな。次に堕天使3人との戦いについてだがドーナシークの攻撃を避けた際に左右に干将莫邪を投げている。そして干将莫邪は互いに引き合う性質を持つからな。」

一誠「あ、それであのボディコン姉さんの眼前に飛んできてたんだな。」

玲士「ああ、だが片方しか飛んできてなかった理由はもう片方が木に突き刺さってたからだ。」

一誠「…わざと、だよな?」

玲士「いや、たまたまそうなっただけだ…共同作戦なんてやったことがほんと少なすぎたから焦っていてな…。さて、解説はこれくらいだ、次回は…今日の夜らへんに一度俺とかについての設定紹介をあげた後にフェニックス編突入だな、悪魔稼業、使い魔騒動兼シトリーとの邂逅はまた今度だ。」

一誠「フェニックス編の場面はもう縁談での邂逅だな。」

玲士「では、次回もお待ちくださいませせせせせせせせ。」

一誠「そういえばフェニックスを倒す手段ってあるのか?」

玲士「ああ、あるぞ、ハルペーやゲイ・ボウとかで傷つけ続ければいずれリタイアだ。…まぁ、ゲイ・ボウは投影精度が下がるから特殊能力があるかが不安なんだがな。」

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