その男、復讐者なり   作:雪原野兎

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第3話 傭兵稼業と出会い

別れから1年が過ぎた時、玲士は若くも有名な傭兵(何でも屋)となっていた。

 

依頼に正当性があれば絶対に引き受け、必ずこなすルーキーとして注目を集めている。

 

世界にある傭兵組織から仲介されて、今日もまた彼へと依頼が来る。

 

仲介者『へーいお疲れさんよ!ゴースト!報酬は既に銀行に振り込んであるぜぇ~。』

 

玲士「ああ…で、お前がそんなにハイテンションって事は変な依頼でも来たのか?」

 

仲介者『応ともさ!今度のターゲットは魔法使いだってよ!』

 

『魔法使い』その単語を聞くがふざけているのかと唖然する。

 

玲士「…は?」

 

仲介者『ふざけているわけでもないんだわこれが!依頼者は2名、片方はその魔法使いに娘を辱められた親御さん、もう片方は存在を一般人に露呈させた事を罰したい自称魔法使いのお偉いさんからだ!』

 

玲士「…ふむ、だがその依頼をこなした後お前も危険じゃないのか?」

 

仲介者『問題ない問題ない!既に呪いの契約は済ませてあるからな!俺やお前を口封じに消そうとしたらそいつらの組織全部が消え去るからな!』

 

玲士「それを相手はよく受け入れたな。」

 

仲介者『まあな!だが依頼後に俺から記憶を消す、という条件付きだがなーちぇ~。』

 

玲士「なるほどな、まあ良い、親御さんの恨みは分かったから受けてやる。」

 

仲介者『オーケィ!じゃあいつも通り情報料を報酬から差し引いて情報を送るぜー。』

 

その言葉と共に端末へと写真が送られてくる。

 

玲士「…なんだこのふざけたやつらは。」

 

そこに映っているのは3人組の女、デブ、ノッポ、チビと個性的な面々だ。

 

仲介者『俺に聞かれても困るぜ!名前はドグ、マグ、ラグ、どれがどれだかは知らんがまぁ問題ないだろう!』

 

玲士「おいおい…まあ良い、こいつ等を処分すれば良いんだな。」

 

仲介者『イエス!奴らが最近の行動をする予定の場所はここの泉だそうだ、何をするのかは分からないがまあ次の犠牲者が出る前にやった方が良いだろうな!『正義の味方』!』

 

玲士「その呼び名じゃなくゴーストと呼べと言っているだろう。」

 

仲介者『ははは!ふざけたやつらだが強さは本物らしい、真正面から戦わないように気を付けろよ!』

 

その言葉と共に通信が切れる。

 

玲士「魔法使い…か、まあ良い、どんな相手だろうと殺す、それだけだ。」

 

そう言い、男はバイクに乗り、走り始める。

 

 

 

場所は森の前、樹が鬱蒼と生え、これ以上バイクでの移動が出来ないと分かりバイクを下りる。

 

玲士「…ここか、だが、なんだこの感覚は?何か変な気配がすると共にここに立ち入るなと脳に語りかけるような感覚があるな。」

 

そう言いながら、森の中へ足を進めていく。

 

玲士「しかし樹が邪魔過ぎるな、これでは射線が通らん。」

 

愚痴をこぼしながら歩いていくと、声が聞こえ始めてくる。

 

それは女の声で何か揉め事であることは即座にわかる。

 

玲士【…グググの3人組か?だが声の数は8近く、争っているから敵対しているのだろうが…『パキッ』しまった…。】

 

木の陰に隠れて近づいて行くが、声に気を取られすぎて足元にあった小枝を踏みつけてしまい、音が出る。

 

??「誰だい!隠れてないで出てきな!」

 

その声に小さく舌打ちをし、両手を上げて泉の広場へと出る。

 

そしてそこで目に映った光景、3人の女が4人の白い羽が生えた女を人質にしているであろう姿とその反対側に人質と似て白い羽が複数枚生えている言葉通り絶世の美女が下着姿でいる光景だった。

 

一瞬だけだがその完璧な肉体に目を奪われるが即座に3人組の方へ目を移す。

 

デブ「あはは!男かい…男、よね?」

 

玲士「ああ、顔つきは女に見えるとよく言われるが男だ。」

 

その言葉を聞き、絶世の美女である女性を除き人質の女性たちは顔を青ざめ、「そんな」という言葉が聞こえてくる。

 

それに対し3人組の歓喜に極まった顔をしてこちらを見ている。

 

ノッポ「ふふ…ねぇそこのあなたサ?私たちのお願いを聞いてくれるサネ?」

 

玲士「…なんだ?」

 

ノッポ「そう警戒しなくても良いことサ、むしろお前にとってメリットしかない相談だからサ。」

 

その言葉を聞くと共に人質の女性たちが暴れ始める。

 

人質「や、やめなさい!それだけは!それだけ」

 

チビ「うるさいよ!」

 

人質「うぐ…。」

 

騒ぎ始めるが即座にチビが叩き黙らせる。

 

美女「ああ…やめてください。」

 

デブ「それはこっちが決める事だよ!こいつらが勝手に騒ぐのが悪いのよ!」

 

玲士「…俺に何をさせたい。」

 

ノッポ「ふふ…簡単な事サ、そこにいる女を狂い狂って性行為しか考えられない牝になるまで犯してほしいのサ!」

 

その発言を聞いた美女は驚き、顔を俯かせる。

 

玲士【…少し距離が離れすぎているな、近づくために乗る振りをするか。】

「ほう?」

 

ノッポ「お前にとってメリットしかないだろう?っと、お前らは騒ぐんじゃないよ?騒いだら…刺すサネ?」

 

そう言い、首にナイフを突き立てる。

 

美女「やめてください…彼に、彼に犯されるので皆さんを解放してください…。」

 

ノッポ「ふ、ふふ…!ええ良いでしょう、ガブリエル、お前が狂った牝豚になったら解放するのは約束するサ!これでも約束だけは絶対に守るのが取り柄だからサ!」

 

ガブリエル、そう呼ばれた女性は玲士の方へ振り向き。

 

ガブリエル「おねがい、します…私を、犯してください…。」

 

そう、震え声で告げる。

 

玲士「…ああ、良いだろう。」

 

そう言い、玲士はガブリエルへと近づく。

 

人質の女性たちが小声でやめてくれと呟く中、玲士はガブリエルの目の前にたどり着く。

 

玲士【まだ遠いな、もう少しか】

「…ふむ、なあ、美人な背の高い女性。」

 

ノッポ「あら?美人だなんてお世辞でもうれしいサ、どうしたサネ?」

 

玲士「そいつらを更に絶望させるために更に近い場所で性行した方が良いと思うがどうだろうか?拘束ぐらい容易いのだろう?」

 

チビ「あっはっは!良いね!良い提案だ!」

 

デブ「確かに遠めで見るのもつまらないね!近くで天界一の美女がイキ狂うのを見るのも良いね!」

 

ノッポ「ふふ、その提案に乗るサネ!ドグ、ナイフはあんたに任せるサ、ラグ、あなたは私と一緒に拘束魔法を強度を上げるサネ。」

 

そう言うとデブにナイフを渡し、チビがノッポの傍に行って手を人質にかざす。

 

玲士「ふっ、感謝する、ガブリエルと言ったな、行くぞ。」

【デブがドグ、チビがラグ、ノッポがマグか…。】

 

ガブリエル「…はい。」

 

悲しそうな目をするガブリエルと共に、7人の前へと歩み寄る。

 

人質は怨嗟の涙目で玲士を睨み、そして二人は互いに向き合う。

 

ノッポ「ふふ!はははは!さぁ、始めていいサ!」

 

玲士「ああ、始めるとしようか。」

 

そう言って腰へと手を伸ばし。

 

玲士「時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ)…真名解放!神秘轢断!(ファンタズム・パニッシュメント)

 

その言葉と共に玲士の姿が消える、瞬間。

 

ラグ&マグ&ドグ「へ?が、ぎゃああああああああああ!」

 

泉に3人組の絶叫が響く。

 

ガブリエル&人質「…えっ?」

 

特徴的な3人組は仰向けに倒れ、既に息絶えている。

 

分かるとすれば腕に刺し傷がある程度で死ぬとは思えない傷である…。

 

玲士「依頼完了…さて、帰るか。」

 

そう言い、森の方へ体を向けた瞬間、声をかけられる。

 

ガブリエル「ま、待ってくださいー。」

 

焦りもあるがふんわりとした発言、その声を聞き、玲士は歩を止めて振りむく。

 

玲士「どうした?」

 

ガブリエル「えっと…どうして助けてくれたのですか…?」

 

玲士「…そこの3人を殺すことが俺の目的だったからだ、お前らを助けたという事実はそれの副産物にしかすぎん…それと。」

 

ガブリエル「はい?」

 

玲士「…せめて服を着てから話しかけろ、さっきから下着姿で目をやり処に困る。」

 

そう、遭遇してから極上の女体が、どんな行動であろうと揺れる胸に目のやり場に困っていたのである。

 

ガブリエル「あ、あら?すみません~。」

 

人質だった女性「ガブリエル様!服!服!」

 

そう言って玲士は後ろを向き、ガブリエルは急いで服を着始める。

 

ガブリエル「着替え終わりました~。」

 

その声を聞き、再度向き直る。

 

玲士「その様だな…で、それ以外に何か用があるのか?」

 

ガブリエル「はい、お礼を言ってませんでしたので。皆さんを助けてくれてありがとうございます。」

 

そう言い、丁寧にお辞儀をする。

 

玲士「…副産物と言っただろう。」

 

ガブリエル「それでもです、もし、私が出来ることでよろしければ何かお礼がしたいのですが駄目でしょうか?」

 

女性達「「「ガ、ガブリエル様!?」」」

 

玲士「…そうか、なら話を聞いていてくれないか?」

 

ガブリエル「はい?構いませんが…。」

 

玲士「ああ、では…。」

 

玲士はガブリエルの前まで行き…両手を頭の両端に当てて回転させ始める。

 

ガブリエル「あう!痛い、痛いです!」

 

女性「き、貴様ガブリエル様に何をする!」

 

玲士「黙ってろ!貴様はバカか!俺は貴様らがなんなのかは知らん!だがお前はそいつらの上司なんだろうが!あんな風に言いなりになって馬鹿なのか!無理をしてでも、犠牲が出ても助けやがれ!」

 

ガブリエル「で、ですがわ、私が犠牲になれば」

 

玲士「お前が犠牲になって牝に成り下がればそいつらは自分らのせいでそうなってしまったと後悔するだろうが!ああいう悪人共は約束を果たしたとしても正しい意味で解放するとは限らねぇんだよ!殺して生から解放したなどと抜かされてしまいだ!」

 

ガブリエル「う、うう…。」

 

玲士「立場を考えろ!遺された者がどう思うかを考えろ!全く…。」

 

そう言って頭から手を放す。

 

玲士「俺も、お前も、そいつらも世界に一人しか存在しない、どんな存在であろうと後悔は存在する、だから、永遠に引きずり続けるような後悔だけはさせるな…。」

 

ガブリエル「うう、はい…。」

 

玲士「ふん、じゃあな。」

 

そう言って背を向けて歩き始める。

 

ガブリエル「あ、あの、あなたの名前は…?」

 

その声を聞き、一度立ち止まり。

 

玲士「俺の名前か…そうだな、近衛、玲士だ。」

 

そう告げて立ち去っていく。

 

ガブリエル「コノエ…レイジさん…。」

 

女性「ガブリエル様、あの女3人組の遺体は処理を終えましたが先ほどの狼藉者の処分はどうしますか?」

 

ガブリエル「彼は何の御咎め無しで構いません、先ほどのも、私たちの事を考えて叱ってくれたのですから。」

 

女性「了解しました!」

 

そう言い、玲士が去った方向にもう一度一礼し、ガブリエルは女性たちを連れてその場を去る…。




仲介者「へぇーい!今回はここまで!後書きメタ空間の担当はゴーストこと玲士の相方!仲介者と!」

ガブリエル「天界の四大熾天使の一人、ガブリエルが担当させていただきますね~。」

仲介者「うーん、本当に最高の別嬪だなぁ、据え膳喰わぬは何とやらってニッポンのヨジジュクゴにもあるだろうに。」

ガブリエル「そ、それをされたら私としても困るのですが…それと意味も間違っているのとそれはことわざですよ。」

仲介者「ははは、そうだったか。では解説だ、魔女三人はFFシリーズに時々出るメーガス三姉妹から見た目と名前だけを借りてきたようなものだな、俺に関しては何にもモデルはいないぜ!」

ガブリエル「ゴーストもといレイジさんが使っていた武装についてはどんな感じなのでしょう?」

仲介者「それについてはエミヤ(アサシン)が使っている武装だな、起源弾と同じ性質のナイフという事で真名開放すれば魔を使うものに対して特攻を持つ感じにしてあるぜ、クロノス・ローズと共に使えば文字通り必殺になるチートっぽい感じだ!元ネタを詳しく知りたいならエミヤ(アサシン)の絆レベルを10にすればいい!」

ガブリエル「そういえば呪いとありましたが仲介者さんにも何か神器を持っていたりするのですか?」

仲介者「おうとも!俺が持っている神器は強制自己証明、同じくFateシリーズからだ、通話越しであろうと能力を発揮できる仕様だからこういう仕事に向いているんだよ。」

ガブリエル「そうだったんですね。」

仲介者「さて、ゴーストの見た目なのだが艦隊これくしょんの矢矧がモデルになっている、服装はこの時は全てが黒い感じの殺エミヤ初期状態のフード無し包帯無しで後ろ首らへんに空洞があってそこに長い髪を入れている感じだ。」

ガブリエル「仲介者さんの見た目はどの様な感じですか?」

仲介者「あー…モデルがいないから特に考えていないんだわ。」

ガブリエル「そうでしたか…とりあえず今回はここまでに致しましょう。」

仲介者「そうだな。では、次回もお待ちくださいませせせせ。」

ガブリエル「そういえばなのですがヒロインは私という事なのですが堕天関係は大丈夫なのでしょうか?」

仲介者「未来でミカエルがとんでもない発明してるし問題ない問題ない。」

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