その男、復讐者なり   作:雪原野兎

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第10話 格付遊戯VS不死鳥その2

突如強襲してきたケバい女、その女を警戒しながら3人は相対する。

 

一誠「お、お前はあの時あのホスト野郎とあんなことをしてた女…!降りてきやがれ!」

 

女「ふふ…相手の得意な場で戦うわけないじゃない、あなた達二人は地に足がつかないと力が上手く出せない格闘術が武器なら空中で戦うのが普通よねぇ…?」

 

玲士「…グレモリー、運動場では無いから戦えん、あいつはどうすれば良い?」

 

そう言い、リアスへと通信を掛けながら言うが…。

 

通信機『ザ…ザザザ…ザザ…』

 

通信が繋がらず、ノイズのみが聞こえてくる。

 

玲士「グレモリー?…ちっ、ジャミングされているだと…?」

 

小猫「…投擲物になる物も近くに無い…厳しいですね。」

 

女「ゴーストはここで戦闘行為をしない指示を受けてるみたいだし…さぁ、行くわ…ッ!?くっ…!」

 

そう言いながら右手を構えた瞬間、電撃が飛んできてそれを回避する。

 

朱乃「あらあら、私を忘れてもらっては困りますわ?」

 

その声と共に朱乃が4人の間に入り、電撃が走る右手を構える。

 

一誠「朱乃さん!」

 

朱乃「3人とも、ここは私に任せてくださいな。」

 

玲士「行くぞ、兵藤、小猫。」

 

小猫「…はい。」

 

一誠「は、はい!朱乃さん!木場と慎士の仇、お願いします!」

 

その言葉とともに3人は運動場へと走り出し、朱乃と女は空中を移動しながら戦闘を開始する。

 

 

 

3人が運動場の中心へと来た瞬間、外周が炎に包まれる。

 

一誠「え、な、なぁ!?」

 

玲士「…やはり待ち伏せされていたか。」

【…ジャミングされていたとなると敵の目的は…グレモリーとフェニックスの…。】

 

レイヴェル「ふふ、ええその通りよゴースト。」

 

その声と共に6人が一誠らの周りに降り立ち、レイヴェルを含めた4人が周囲に滞空する。

 

小猫「…囲まれた…!」

 

玲士「10人…残りの戦力全員か。」

 

レイヴェル「ええ、足止めをする為に今いる全戦力を以て対峙させてもらいますわ。私は観戦してるだけだけれどね。」

 

一誠「足止め…?まさか、部長!」

 

玲士「なるほどな…ライザー本人をグレモリーにぶつける作戦か。」

 

レイヴェル「ええ、そうですわ…さぁ、総員、構え!」

 

ライザー眷属`s「「「はっ!」」」

 

玲士「…ちっ、流石にそう易々とは…やらせん!」

 

そう言い、ドリルのような剣を投影、銃と一緒に球体へと改造して校舎側の炎へ投げつける。

 

玲士「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!」

 

炎の壁の中心ぐらいに来た瞬間に爆発し、その爆風が炎を吹き飛ばす。

 

玲士「時のある間に」

 

一誠「よしっ!炎が消えた!待っててください部長!行こう小猫ちゃん!ゴーストさん、すみませんここはお願いします!」

 

小猫「…はい!」

 

玲士「ッ!?待て、お前らくっ…!」

 

炎が消えた瞬間に一誠は小猫を引き連れて走って行き、玲士がそれを制しようとするが炎が飛んできて妨害される。

 

玲士「…ちっ、やらかしたな。ライザーを倒す手段を持っているのは俺だけだというのに全く…。」

 

レイヴェル「ふふふ、理解してるみたいですわね。あの二人が行った所でお兄様を倒す手段は無い。誰も3人を足止めするだなんて言ってませんもの、あなたさえ足止めすればこのゲームは勝ったも同然ですわ。」

 

玲士「…はぁ、なら指示通りお前らを倒すだけだ、レイヴェル、貴様は観戦するだけだな?」

 

レイヴェル「ええ、指示は出しますけれど基本観戦しているだけですわ。」

 

玲士「そうか…お前以外を倒させてもらうとしよう。」

【…持ち前の爆弾は2つ…2人は倒せるな。】

 

レイヴェル「近接戦闘の6人は高速移動に気を付けなさい!美南風、マリオン、ビュレントは6人の援護を!」

 

玲士「まずは空中にいる奴を倒させてもらう!」

【アンカーセット…!この中で防がれずに倒せるのは…あいつらか。】

 

そう言い、腰に付けた手榴弾二つをアンカーを付けながら取り外し、ピンを取って空中にいるメイド2名に向けて投げつける。

 

ビュレント「その程度の手榴弾を喰らうわけないでしょう!?」

 

マリオン「遅すぎます!」

 

手榴弾の進行ルートから避けるように飛んで手榴弾を回避し、玲士へと向けて炎を出した右手を構える。

 

玲士「言葉を信じすぎだ、たわけ。」

 

そう言いながら腕をクロスし、伸びているアンカーで引っ張られて別の二人へと高速で飛来する。

 

レイヴェル「なっ!?あのコースは…ニィ、リィ!避けて!」

 

ニィ&リィ「え!?うに゛ゃ…ッ!しま『ドォン』」

 

手榴弾がニィ、リィの顔面に命中し、怯んでいた隙に爆発して二人を顔面から爆風が飲み込む。

 

それによって二人は光となって消えていく。

 

玲士「まずは二人を撃破…『時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ)』!投影(トレース)開始(オン)!」

 

そう言って手に銃と短剣を、他沢山の武器を空中に投影する。

 

レイヴェル「気を付けなさい!武器が飛んできますわ!」

 

玲士「そこだ…!工程完了、全投影、待機!」

 

美南風「させません!矢よ!剣を穿て!」

 

ビュレント&マリオン「私達も剣を弾きますわ!炎よ!」

 

カーラマイン「1対多は騎士道に反するが…イザベラ!シュリヤー!シーリス!」

 

3人「「了解!」」

 

地上戦の4人が連携しながら玲士を攻撃し、空中の3人が投影された武器を弾いていく。

 

玲士「…やはり連携がとれているな…だが、これならどうだ?」

 

銃をリロードすると同時に体を回転させながら連射し、シーリスと呼ばれた女へ向くと同時に銃を固定し突撃する。

 

シーリス「グッ…!だがその程度この大剣で防げる!」

 

玲士「足止めが目的だからな…!」

 

シーリス「何っ!?『ドスッ』…ゴフッ…短剣だと…!?出すところは見ていたはずなのに…見えなかった…!?」

 

そう言い、光となって消えていき、場には武器が残される。

 

イザベラ「背中ががら空きだ!動きさえ止めてれば」

 

玲士「速度が二倍速だけだと思うなよ?」

 

後ろからイザベラが蹴りかかるが玲士は前方へと跳び、振り返りながらイザベラへと向かっていく。

 

玲士「人数が3人になればこっちの出番だ、緩急ある動き、貴様らはどこまで捉えられる!」

 

加速、減速を含めた動きで移動し、それぞれ3人を攻撃していく。

 

イザベラ「う、ぐっ…敵の攻撃が、動きが…見えているはずなのに…!」

 

シュリヤー「反応、出来ない…!」

 

カーラマイン「何故だ…緩急ある動きだけなのに…!」

 

マリオン「レ、レイヴェル様!ど、どうやって狙えば!?」

 

レイヴェル「ご、誤射しないように放ちなさい!そうすれば動きぐらいは制限できるはず…!」

 

玲士「1つ、2つ…!適当に撃ちすぎだ、だからこうなる!」

 

シュリヤー「ライザー様…すみません…!」

 

イザベラ「早すぎる…!」

 

カーラマイン「あっ…矢の射出を止め…。」

 

シュリヤーとイザベラを背後から刺し、カーラマインを足払いして矢が向かってきている方へと背負い投げる。

 

それにより二人は光となって消え、カーラマインも複数の矢で射抜かれて同様に消えていく。

 

美南風「し、しまった…!」

 

レイヴェル「動揺しないで!一瞬でも隙を晒したら」

 

玲士「こうなるという事だ。」

 

3つ、コンテンダーを投影し3人へと撃ち込む。

 

3人は避けるのは遅れたが防ぐことはでき、腕で防ぐ…が。

 

ビュレント「ゴブッ…防いだ、ハズなのに…。」

 

美南風「どう、して…?」

 

マリオン「ライザー、様…。」

 

3人は吐血し、吹き飛びながら墜落して光となりながら消えていく。

 

レイヴェル「…まさか9人全員が傷を与える事も出来ずに倒されるなんて…。」

 

玲士「連携は良かったが…同士討ちぐらい考えておけ。」

 

そう話していると、アナウンスが流れる。

 

グレイフィア『ライザー様の僧侶1名、戦車1名、騎士2名、兵士5名リタイア。リアス様の女王1名、戦車1名リタイア。』

 

玲士「…小猫と朱乃もやられたか…女王が来ないのを見るとグレモリーの所に向かって不意打ちで小猫を撃破したって所か…。」

 

レイヴェル「…行きますの?」

 

玲士「…時間が足りん、貴様らの作戦勝ちだ。」

 

そう言った瞬間、再度アナウンスが流れる。

 

グレイフィア『…リアス様の降参(リザイン)を確認。このゲームはライザー・フェニックス様の勝利です。』

 

玲士「…全く、兵藤のリタイア宣告がされてないのに降参するとはな…。」

 

レイヴェル「確かに、『王』としてはしてはいけない行動ですわね。ねぇゴースト、あなたは結婚披露宴には来るのかしら?」

 

玲士「行くわけないだろう?俺は雇われ傭兵なんだからな。」

 

レイヴェル「そう、残念…あなたの料理を楽しみにしていたのだけれど…。」

 

玲士「…俺はシェフか、いや傭兵は何でも屋でもあるがな…特別な行事以外の時に依頼でもしてくれ、そうすれば俺の料理で良ければいくらでも振る舞ってやる。ではな、レイヴェル。」

 

そう言い、玲士は魔法陣を展開しフィールドを後にする…。




ライザー「ふはははは!今回はここまでだ!」

レイヴェル「今回の担当は私達、フェニックス兄妹が担当させていただきますわ。」

ライザー「さて、最初のジャミングだがこれはもちろん俺らの作戦だ。」

レイヴェル「リアス様は敵を見下す傾向がありますからわざと隙がある状況を作り、お兄様の元へ向かわせる様にしてそこを通信妨害して連携を取れなくする。」

ライザー「そうすれば私一人でやってやるわーみたいに思って突撃して1対1で戦えるというわけだ。僧侶を連れているが実質戦力外だしな。」

レイヴェル「次にゴースト、もとい玲士さんが投影した武器ですがこれはカラドボルグですわ、詠唱をしていない為にそこまで精度は良くないですけれどハルペーと一緒に球体に改造した為内包する神秘量敵に片側の炎すべて吹き飛ばすぐらいの爆風になりますの。」

ライザー「その後はゴーストがリアスの元へ向かうつもりであったが…焦ったあの小僧が戦車を連れて先走り、追おうとした所を我が愛する眷属達に妨害されたという事だ。」

レイヴェル「戦闘に関しては初手で手榴弾を投げた感じですわ、モデルはそこまでリアルじゃないゲームに使われるような凸凹したタイプの手榴弾でそれにリング型のアンカーを取り付けて引っ張った感じですわ。」

ライザー「言葉で狙っている奴を誤認させて爆発までの時間を稼ぎながら隙を作り、猫娘型悪魔であるニィとリィへと向かう様にアンカーを引っ張った感じだな。」

レイヴェル「空中に投影された武器はただのダミーで、攻撃を拡散させる為の手段ですわ。」

ライザー「シーリスを倒したときの動きはガンダムサンダーボルトのサイコ・ザクがマキシブーストONにて覚醒技での回転しながらマシンガンを打つ動き、そしてそのまま突撃しながら撃つのはキマリストルーパーの覚醒技の途中、そしてナイフで刺したのは…コロコロコミックだかで見た気がする動きなんだが…作者本人が作品を忘れてしまっていてな。」

レイヴェル「動き的には左手で敵の視界を遮ってナイフを見えなくして刺すという視覚を用いたトリックですわ。」

ライザー「その後の動きはエミヤアサシンのクロノス・ローズの本来の動きだ、緩急ある動きで敵に動きを読ませなくしてからトドメを刺すと言った感じだ、問題があるのは時間制限がある…今回の相手なら4人以上いる場合時間が足りなくライザーを倒せなくなると思い3人まで減らした感じだ。」

レイヴェル「コンテンダー投影に関しては起源弾ごと投影していますわ。一発限りですが神秘轢断のように対魔力使う奴に特効を持ちますわ。吹っ飛んでいるのはコンテンダー自身の実力、正直悪魔じゃなかったらちぎれ飛んでいるんじゃないかしら…。」

ライザー「ただし消費魔力量はとてつもないな、エミヤアサシンの特典を持っているから投影できるが剣でない為に精度を高める代わり消費魔力がってな。」

レイヴェル「1日1発分回復するのですが玲士さん自身の魔力保有限界では5発までが限界ですの。クロノス・ローズが1時間で大体1発分ぐらいですわ、速度を切り替えながらですと20分で1発分になってまいますが。」

ライザー「アナウンスに関しては戦闘がちょうどいいタイミングになったから流した感じだ、戦闘途中にアナウンス流れたら集中が途切れるだろうしな。」

レイヴェル「では、今回はここまでですわ。」

ライザー「次回なのだが俺は一切登場せんまま第2章の〆だ、あの小僧の元へはグレイフィアの代役として玲士が行く事になる。では、次回もお待ちくださいませせせせせせせせせせせ。」

レイヴェル「さて、私は玲士さんのケーキを食べると致しましょう。」

ライザー「先ほどリアスの戦車が沢山食っていたが残っているのか?」

レイヴェル「大丈夫ですわ、ちゃんと取り置きしてくださいましたの。」

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