縁談からの10日後…レーティングゲーム当日に玲士は一人、ある場所へ来ていた。
玲士【…この場所へ来るのは10年ぶりかな…懐かしいですね…。】
そこは何一つない空き地、玲士はそこで一礼し、ただ空き地を見続ける。
そしてそうしている時、不意に話声が聞こえてくる。
一誠「もうそろそろで着くよアーシア。」
アーシア「はい、昔の幼馴染さんの場所なんですよね?」
一誠「ああ、仲良かったんだけど…10年前にな…。」
アーシア「一誠さん…。」
玲士【一誠…覚えていたのですね。だけど、今は会うわけにはいかない…。】
そう思い、空き地へと入って行って向かい家の塀へと魔法陣を展開し、その中へ入って消えていく…。
そして時間は経ち…前日に言われていた時間に近くなりオカ研部室へと転移する。
リアス「っ!来てくれたのね、ゴースト。」
玲士「ああ…それで、強くなったか?」
そう言い、他眷属達の方へ顔を向けるが約2名、顔を逸らす。
リアス「ええ!みんなで修行してとても強くなったわ!一誠も魔力を扱えるようになったんだから!」
玲士「…そうか、で、作戦はどうするんだ?」
【…トラウマ、プライドは克服出来なかったようだな、お前の人生が懸かった試合だというのに全力を出さない眷属が二人…眷属の事すら把握できないのか無能め。】
リアス「そうね…とりあえずそれはゲームの場へ移った時に決めるわ。」
玲士「…分かった。」
【…戦いとは始まる前から決まる、もはや何も言えんな。】
慎二「はっ!てめぇの出番はねぇぜ。俺が全て倒してやるからよ!」
一誠「任せてくれゴーストさん!俺たちも強くなったんだ!」
玲士「…ああ、頑張れよ。俺は俺で指示通り動く。」
リアス「ええ!絶対に倒して見せるわ!」
そう話していると、白い魔法陣が展開されてグレイフィアが現れる。
グレイフィア「皆さま、準備は出来ましたか?」
リアス「ええ、いつでも良いわ。」
グレイフィア「開始時間になりましたら、この魔法陣から戦闘用フィールドへと転送されます。」
一誠「戦闘用フィールド…?」
朱乃「ゲーム用に作られる異空間ですわ。使い捨て用のフィールドですからどんな派手な事をしても大丈夫、うふふ…。」
一誠「は、はぁ…。」
グレイフィア「ちなみにこの戦いは、魔王ルシファー様もご覧になられますので。」
リアス「…そう、ゴーストについては何か言ってたかしら?」
グレイフィア「はい、『今回のゲームでは彼の行動はリアスに任せる』との事です。」
リアス「っ!そう、分かったわ。」
そう話していると白い魔法陣は赤く変わり、光り始める。
グレイフィア「そろそろお時間です。」
リアス「行くわよ、みんな。」
その声を聞き、リアスとその眷属達、そして玲士は魔法陣に乗る。
全員が乗り、静止した瞬間、一人ずつ転送が始まる。
一誠「…あれ?」
アーシア「なにも、変わってませんね…。」
玲士「外の空を見てみろ、二人共。」
一誠&アーシア「えっ?」
その言葉を聞き、二人は窓の方へ行き、外を見る。
一誠「そ、空の色が!?」
空の色に驚いているとどこからともなくグレイフィアの声が聞こえてきて、現在の世界について、ルールを説明していく。
説明が終わり、リアスらは作戦会議へと移る、眷属の6人との会議を部屋の端で玲士はただ見つめてる。
そうしていくうちに眷属のうち、朱乃、木場、小猫、慎士が部屋を後にし、リアスはゴーストへと目を移す。
リアス「さて…ゴースト、あなたも出来る限りの範囲でこの学園を把握しておきなさい。」
玲士「了解。」
そう言い、玲士は窓より部屋を後にし、屋上へ向かっていき、そして一番高い木へと跳び移り頂点に立って全体を見回していく。
玲士【…これが一誠が通う学校か…綺麗な所だな、朴浴も出来る…。】
そう思っている時、朱乃が近くを滞空する。
朱乃「…ゴーストさん、今回の戦い、勝てますか?」
玲士「姫島か…はっきり言って無理だな、人の人生が懸かった戦いなのに全力を出さないやつが二人、そして鎌瀬と兵藤は強くなったが所詮つけ焼き刃だ、木場は確かに戦法が微妙に変わったが言葉通り微妙に、だ。」
その言葉に朱乃は顔を逸らす。
朱乃「…あなたは、リアスを助けたいとは思わないのですか?」
玲士「思わんな。だが、傭兵として依頼されれば助けるつもりでいた…いたんだが。」
朱乃「…?」
玲士「魔王ルシファーは欲張りすぎてほぼ確実に縁談を破棄できる道を潰した。」
朱乃「えっ…?」
玲士「グレモリーはプライドが高くてこの戦いも評価を良くしながら縁談を破棄したいなどと欲張った、そしてルシファーもだ、妹の評価を良くして破棄したいと思ってやがる。『二兎を追う者は一兎をも得ず』、奴らが選んだ道はこれだ。俺はフェニックスを殺せる手段があるが…グレモリーは俺にフェニックスを倒させるという考えが一切無い、俺はあの女の指示通り動くだけだ。あの女には王としての心構えも戦術も足りない、エンターテイナーになろうとしている三文役者だ。」
朱乃「…あなたは、リアスが嫌いなのですか?」
玲士「ああ嫌いだ、大っ嫌いだ。だが傭兵は好き嫌いなどしてはいけない、自害や無理な特攻以外の依頼主の要望に応える、それだけだ。」
そう会話しているとリアスから通信が入る。
リアス『全員準備は出来たかしら?』
眷属`s『『『はい!』』』 朱乃「ええ、出来ましたわ。」
玲士「地形の把握も終えた、いつでも行ける。」
リアス『分かったわ、なら、作戦通りライザーを叩き潰しなさい!』
その言葉と共に各眷属は所定位置へと移動を開始する。
リアス『ゴースト、あなたは小猫と一誠について行ってあげて。彼らに頑張らせてあげてちょうだい。』
玲士「了解した。」
そう言い、木から跳び下りて一誠達と合流する。
朱乃「…ゴースト、あなたは変わりましたわ…最初に出会った時と違い、リアスへの感情が私が父に対する感情と同じに…何故…?」
そう呟き、朱乃は体育館の方へと向かっていく…。
場所は体育館、小猫、一誠、ゴーストの3人は舞台裏から慎重に進んでいた。
小猫「…います、数は4人…。」
玲士「あっちは既に気づいているようだな。」
そう小声で話している時、体育館の明かりがついていき、声が聞こえてくる。
??「そこに隠れているのは分かっているわ、出てきなさい!」
その言葉を聞き、3人は姿を隠すのをやめて姿を現すとそこには4人、敵であるライザー眷属が立っているのが目に映る。
チャイナ女「…まさかゴーストも一緒だとは予想外ね。」
玲士「安心しろ、俺はワンマンゲームをする為に来たわけでは無い、お前らの相手はこの二人だ。」
ミラ「えっ?そんな私に簡単に負けたやつと小柄なルークが相手ですって?」
チャイナ女「舐めているのかしら…?」
玲士「舐めてるのだろうな、お前らなんぞ俺一人でライザー含め殲滅するのはたやすいのにも関わらずワンマンゲームをするなって言ったからな。」
双子A「生意気だー!」
双子B「ライザー様を倒せるわけないよ!」
玲士「俺については聞いているだろう?…なら、『
ライザー眷属`s「「「「ッ!」」」」
その言葉にその場にいた玲士以外の6人は驚愕の表情を浮かべる。
一誠「ほ、本当なのか!?ゴーストさん!」
小猫「…初耳です。」
玲士「さて、どうだろうな?」
そう言い、杖の様な、鎌の様な剣を投影し、くるくると回転させる。
玲士「まぁ、グレモリーからは俺に活躍しすぎるなと言ったからな、言われた通りにするだけだ。…倒せるな?二人共。」
小猫「…行けます。」
一誠「ああ!任せてくれ!」
そう言って二人は舞台より跳び下り、玲士は舞台の端の柱に身をゆだねる。
そして戦いは始まり、小猫がチャイナ服の女性、『戦車』の雪蘭と。
一誠が『兵士』のミラ、双子のイルとネルの3人との戦闘を開始する。
その姿を見ながら玲士はリアスへと通信を掛ける。
玲士「こちらゴーストだ、体育館にてフェニックス眷属と戦闘に入った。」
リアス『分かったわ、引き続きお願いするわね。』
玲士「了解。」
通信を切り、戦闘に目を移すと一誠が3人の攻撃を避けながら体にタッチしているのが目に入る。
玲士【…ん?タッチした場所に魔法陣が…何をする気だ?】
一誠「行くぜ!俺が考えた必殺技!『
その言葉と共にパチンッ!っと指を鳴らすと同時に『兵士』の3人の服が弾け飛び、裸体が展開される。
3人「イ、イヤァアアアアアアアアアッ!」
3人は叫びながら咄嗟に手で裸体を隠し、うずくまる。
玲士「…は?」
【…は?】
その光景を見てゴーストは素っ頓狂な声を上げながら唖然とし、持っていた剣を銃へと改造する。
一誠「ふっはっはっは!どうだ見たか!脳内で女の子の服を消し飛ばす妄想を延々と、そう延々と妄想し続け!俺は持てる魔力の才能全てを女の子を裸にする為だけに使ったんだ!これが俺の必殺技!
必殺技の名前を叫ぼうとした時足元へ銃撃され、遅いながらも避ける行動をする。
玲士「…兵藤、とりあえずこっち向いて正座しろ。」
一誠「ゴ、ゴースト!?ま、待ってくれまだこの子たちの裸を脳内メモリーのフォルダに」
玲士「二度は言わんぞ?」
一誠「は、はははははいーーー!」
銃を向けられている事を察した一誠は振り向きながら即座に正座する。
玲士「…兵藤、作戦としては、戦いとしてはその行動は合っているだろうな、敵を羞恥心で動けなくするのは良い方法だ、だがな…そのまま倒さずに裸のままにしておくのは人として流石にそれはどうかと思うぞ…?」
そう言いながら左手に数枚マントを投影し、3人へ投げる。
3人「「「…えっ?」」」
玲士「そこの3人、それでも纏っておけ。」
3人「「「え、えっと…ありがとう?」」」
玲士「そして兵藤、この戦いはグレモリーの人生が懸かった大切な試合なのに…『くどくどくどくど』。」
そう説教している間に既に小猫は敵の戦車、雪蘭を倒し、一誠へ軽蔑の視線を送る。
その時3人へグレモリーから通信が入る。
リアス『小猫、一誠、ゴースト、状況は?』
小猫「…はい、ライザー眷属の4人と戦闘、全員倒しました…が。」
リアス『っ?どうしたの小猫?他の二人から返事がないのだけれど。』
小猫「…現在先輩は必殺技が酷かった為にゴーストさんから説教されています。」
リアス『え、ええ…?と、とりあえず朱乃の準備が整ったわ、作戦通りお願いね。』
小猫「…分かりました。ゴーストさん、説教はそこまででお願いします。」
玲士「ああ、聞こえていた。立て兵藤、行くぞ。」
一誠「え、まだ脳内メモリーに」
玲士「行くぞ、小猫。」
小猫「…はい。」
そう言って二人は出口へ走り出し、一誠も遅れて二人の後を走り出す。
一誠「ま、待っておいてかないでくれーーー!」
雪蘭「に、逃げるの?!重要拠点を捨てる気!?」
そして一誠が外へ出ると同時に特大の雷が体育館へと落ち、消滅させる。
一誠「うおぁあああ!?わっぷ…。」
玲士「大丈夫か?」
【…爆発音が二つ聞こえた?…まさか。】
雷の着弾による爆風で吹き飛ばされた一誠を玲士は受け止める。
一誠「あ、ありがとうございます。」
そして立たせている時にグレイフィアより連絡が入る。
グレイフィア『ライザー様の兵士3名、戦車1名戦闘不能。リアス様の騎士1名、兵士1名戦闘不能。』
小猫&一誠「…「えっ?」」
グレイフィアのアナウンスにはライザー側の4人以外にもこちら側の二人がリタイアした事が伝えられ、一誠と小猫は唖然とする。
玲士「…さっきの爆風の時、別の音が聞こえた気がしたがやはりか…。」
一誠「ど、どういう事だよ!?あの二人がやられただって!?」
そう話している時、リアスから通信が入る。
リアス『…今のアナウンスは聞いたわね?一誠と小猫とゴーストは運動場へ移動して。木場たちが遭遇した眷属がそっちに移動しているわ、恐らく集まっている…ゴーストあなたにも戦ってもらうわ。』
玲士「了解した。」 小猫「…了解。」 一誠「りょ、了解っす。」
そう言い、3人は運動場へ向けて走り出し。
玲士「…ッ!跳べ!」
小猫「ッ!」 一誠「うぇっ!?」
そしてすぐさま3人はそれぞれ別方向へと跳び、小猫と玲士は前転し、一誠は滑る。
??「あら残念…やはりゴーストがいては奇襲は無理みたいねぇ?」
3人はその声がした方へと向き、構えると。
そこには…青い服を身にまとったケバい女が飛びながら妖艶な笑みを浮かべていた…。
玲士「今回はここまでにしておこう。」
小猫「…今回の解説はゴーストさんこと玲士さんと私、塔城小猫が担当させていただきます。」
玲士「さて、最初のシーンだがこの空き地は子供の頃に俺が棲んでいた家があった場所だ。」
小猫「…そっちですか?てっきり口調について解説をするのかと。」
玲士「ん、ああ、口調や思考については私服だから温和になっているんだ。ちなみにこっちでの服装はまだ章が進んでない為に仕事着スタイルだ。」
小猫「…章が特定まで進めば普段着スタイルのやさしい口調でこっちを担当するようになるそうです。」
玲士「俺の依頼主だがこれは魔王ルシファーだ、リアスの言う事を聞いてほしいと言われている為に代理依頼主として従っている。」
小猫「…グレイフィアさんからのゲームに関する説明のうち、玲士さんの使い魔は使用禁止という話もありました。」
玲士「どこまでも見張れるなんてゲーム的にチートも良い所だしな。」
小猫「…朱乃さんとの会話の時は質問されたからはっきり答えた感じだ、リアスへは通信していない状態で、ですね。」
玲士「まあ、観戦されているので観客には全部聞かれているがな、それを知ったうえでわざとあんな発言をしている。」
小猫「…では、体育館で出した武器はハルペーの投影品、もちろん剣の為に不死殺しの特性付きです。モデルはメドゥーサリリィのではなくFGOのOVA版の方です。」
玲士「その後戦闘で一誠が洋服破壊した際に説教した理由はすぐにリタイアさせなかったからだ、敵に対しては容赦はしないが流石にすぐに殺し、体を消し飛ばして恥を残す真似はしないからな。」
小猫「…それとマントを渡していますがメインヒロインにはなりません。」
玲士「さて、敵についてだがサクリファイスのやり方を変えた、簡単に言えば囮ごと爆破しなくなった、木場らがやられたのもこれだな。」
小猫「…味方に探知術式、もとい魔力版GPSを付けておいて魔力が消えた地点へ向けて飛んでいき敵を発見し爆破、青い服のケバい女がとった戦法がこんな感じです。」
玲士「全ては俺に対する警戒、俺がいるせいでリアス側の難易度は上がり、更に原作と似た作戦展開だった為に被害として殲滅力を持つ木場が退場するハメになった。」
小猫「…私が生き残りましたが木場さんとは違って殲滅力に乏しいですから…。」
玲士「運動場での戦いに関しては人数が増えている状態での戦いになる、木場側に向かった3人が生き残っている為にな。」
小猫「…では、今回はここまでにしましょう。」
玲士「次回は負け戦だ、俺が大変になるのは確実だろうな。」
小猫「…次回もお待ちくださいませせせせせせせせせせ。そういえば玲士さんも3人の裸を見てましたよね…?」
玲士「…不可抗力だ、一誠の所に向かう時には目を瞑っていたからその握り拳を解いてくれ。」
小猫「…ふふ、冗談です。」