その男、復讐者なり   作:雪原野兎

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第2章 戦闘校舎のフェニックス
第8話 不死鳥の縁談


堕天使騒動から数日が経ち、特に依頼が来ることも無く、バイサーがいた廃墟に滞在して己の鍛錬に励んでいた。

 

玲士「…で、何の用だ?グレモリー、俺は鍛錬をしているんだが?」

 

リアス『ごめんなさいゴースト、実は明日オカ研部室に来てほしいのよ…。』

 

玲士「…はぁ、俺は貴様の眷属であるつもりは無いんだがな…で、縁談の日程が明日という事か?」

 

リアス『え、知っていたの!?』

 

玲士「シャドウにこの町全体を見張ってもらっているからな、お前が呟いているのを聞いて報告されている。」

 

リアス『…そう、貴方の予想通り概ねそういう事よ、相手はフェニックス家の三男、ライザーよ…でも私はあんな奴と』

 

玲士「お前の気持ちなど知った事ではない、政略結婚が嫌なら名を捨てて夜逃げでもしてろ。」

 

感情に任せ、リアスが愚痴を言おうとした時に割り込み、言い捨てる。

 

リアス『ッ…!私は、私はリアス・グレモリーよ!名を捨てるなんてしないわ!』

 

玲士「知った事ではない、政略結婚なんぞ貴様ら貴族の『普通』なのだろう?元よりそうなった際への対処法を作らなかった貴様の責任だ、シトリーはしっかりチェスという自衛手段を用意していたのだからな。」

 

リアス『うっ、ぐ…。』

 

玲士「そういえばあいつがライザーとやらの眷属にいたな…。」

 

ライザーという単語に反応し、通信に声が入りきらない程度に呟く。

 

リアス『…どうしたのかしら?』

 

玲士「気にするな、明日そっちへ向かえば良いんだな?キッチンを借りるぞ。」

 

リアス『え、ええわかったわ。』

 

玲士「ではな。」

 

そう言い、通信を切る。

 

玲士「…自業自得だというのにまったく、自分勝手なやつだ…。」

 

そう言い、投影の鍛錬を続けていく…。

 

 

 

次の日、オカ研部室に一度顔を出し、その後は玲士は一人、別室にあるキッチンにて料理を開始する。

 

料理をしていく途中、時間になったのか口論の声が聞こえ始めてくるが気にせず作った料理をデコレーションしていく。

 

玲士「…ふむ、完成したな。さて…持っていくとするか。」

 

出来た料理のケーキを切り分け、1ホールのまま持ってキッチンを後にする。

 

兵藤「…なんざ必要ねぇ!この場で全員倒してやる!『Boost!』。」

 

ライザー?「…ミラ。」

 

玲士【…うるさいな、全く。】

 

部屋の前まで到達すると女性たちの罵詈雑言が聞こえ、それに対し聞き覚えの無い男の声とそれに反応した一誠が突撃しようとしていることを悟る。

 

玲士「失礼するぞ、あとうるさいぞ貴様ら、ここで暴れるな大馬鹿共が!」

 

ドアを蹴り開きながらそう言い、開いている右手に銃を出して中心で構えている二人の間に向けて構える。

 

一誠「ゴ、ゴースト!?」

 

ライザー?「…ちっ、下がれミラ。」

 

ミラ「はっ。」

 

玲士「…はあ、グレイフィア、ルシファーから言われてここに来ているんじゃなかったのか?なんだこの騒ぎは、悪魔の縁談というのは眷属同士で戦わせるのが常なのか?」

 

グレイフィア「…いえ、そういうわけではございませんが互いに矛が収まらないご様子でしたので静観していたのです。」

 

玲士「…はあ、1,2回程度しか戦闘したことが無い素人が戦闘を経験した事があって構えてるやつに勝てるわけないというのに…まぁいい、俺のいる理由は別だ、レイヴェル、いるか?」

 

そう言いながら金髪ドリルの娘に近づいて行き、左手に持っていたケーキを差し出す。

 

レイヴェル「あら、いつもありがとう、ゴースト。」

 

玲士「気にするな、お前が時々注文してきているからな、最近そういう依頼が来なかったから作っただけだ。」

 

レイヴェル「ふふ、そうでしたわね。」

 

ライザー「レイヴェルの奴が時々ケーキを届けてもらっていたがお前がその出どころだったのか、ゴースト。」

 

玲士「ああ、そうだ。」

 

ライザー「…ほう、レーティングゲームで勝ったら貴様を我が家のパティシエとして雇ってやろうじゃないか。」

 

リアス「な!?ゴーストは私の眷属よ!好き勝手言わないで頂戴!」

 

玲士「お前の眷属になったつもりも無いがパティシエについても断る、こういうのは毎日食べるよりも日を置いた方が飽きないからな。」

 

ライザー「…そういうものなのか?まぁ良い、レイヴェルが気に入っているのだからそうなのだろうな。だが、リアスの眷属では無いのか?」

 

玲士「自分から望んで転生したわけでも無いのでな、俺はこいつの眷属だとは微塵も思っていない。」

 

リアス「ゴースト…。」

 

ライザー「ふ…ははははははは!眷属からそう言われるとは次のレーティングゲームも勝ったも同然だな、ゴーストだけが懸念材料だったが主と認識すらしていないとはな。」

 

リアス「うっ…ぐ…。」

 

ライザー「さて、帰って10日後を楽しみに待っておくとしよう!はははは!」

 

そう言い、炎を放つ魔法陣を展開しながら自身の眷属と共に部屋を後にする…。

 

グレイフィア「…では、今回の件をサーゼクス様に報告するために戻らせてもらいます。リアス、頑張ってくださいね。」

 

そう言い、グレイフィアも部屋を後にする。

 

リアス「ええ、頑張るわ…それとゴースト…。」

 

玲士「安心しろ、お前を主だとは認めていないが依頼主ではある、レーティングゲームで決着をつけることに決まっていたみたいだが欠席することはない。」

 

リアス「…そう、合宿をするけどあなたは来るかしら?」

 

玲士「いつ依頼が来るかもわからないから行かん、だがアドバイスぐらいはしてやる、姫島、小猫は自身のプライド、恐怖から目を逸らすな、それと木場…セオリー通りに動かないようにすることと創造する際は見た目ばかり重視するな。鎌瀬と兵藤、グレモリーは基礎と戦法を鍛えろ。アーシアは…すまん、特に思いつかない。」

 

その言葉に朱乃と小猫は顔を曇らせ、木場と兵藤は苦笑いをする。

 

慎士「うるせぇ!てめぇの指図は受けねぇんだよ!」

 

玲士「それならそれで別にかまわん。」

 

リアス「私だって滅びの魔力があるから問題は無いと思うのだけれど…。」

 

玲士「自身の才能だけで慢心して背中に木をぶつけられた馬鹿はどこの誰だったか…。」

 

リアス「うぐっ…。」

 

兵藤「え、えーと…基礎は分かるんだが戦法って…?」

 

玲士「それについては木場らへんに聞けば良い、簡単に言うなら愚直に突撃しようとするなたわけ、俺が止めなかったらお前直進して殴りに行こうとしていたな?」

 

兵藤「な、なんでわかった!?」

 

玲士「…単純すぎるんだ、お前は。」

 

アーシア「え、えっと私は…?」

 

玲士「…すまんな、お前は性格的に戦闘に向いてなさすぎるんだ、そう言うタイプへのアドバイスをどうすれば良いか分からないんだ…。」

 

リアス「ま、まあゴーストは基本単独の傭兵だもの、この子についてはもう考えているから大丈夫よ。」

 

玲士「そうか、10日後どこに行けば良いかぐらいは連絡しろ、それじゃあ俺は帰るぞ、ではな。」

 

そう言い、玲士は部屋を後にする。

 

慎士「くそっ、なんだよあいつは…!人の気持ちを考えずに!部長!あんなこと言うんですから自信があるんでしょ!?ならあのホスト野郎に特攻させてやれば良いでしょう!?」

 

リアス「…正直それが一番良い戦法なのよね、彼がレイヴェルと知り合いだったのは驚いたけどそれなら対処法を知っているはず…でも、ワンマンゲームは評価が下がるのよ。」

 

兵藤「えっと、そうなんですか?」

 

木場「あくまでゲームだからね、観客を魅せないといけない点もあって、ゲーム終了までの過程が重要なんだ。」

 

リアス「朱乃と小猫も、無理に気負わなくて良いわ、どう特訓するかはあなた達に任せるけれど一誠達の特訓の際は手伝いをお願いするわね。」

 

朱乃「うふふ、任せてくださいリアス。」

 

小猫「…はい、任せてください。」

 

リアス「さて、それじゃあ明日からの合宿を頑張りましょう、頑張ってライザーを倒すわよ!」

 

眷属`s「はい!」

 

そして一時解散し、次の日リアスとその眷属達はリアスの別荘へと向かっていく…。




木場「今回はここでお終いだね、メタ空間の担当はリアス・グレモリーの騎士、木場祐斗と。」

慎士「いよっ!この小説の真のしゅや『ドゴォ』うげぁ!?」

小猫「…私、リアス・グレモリーの戦車、塔城小猫が努めます。」

木場「お、思いっきり殴ったね…。」

小猫「…はい、作者さんからそういう手筈でと言われていましたので。」

木場「と、とりあえず彼は魔法少女(?)兼裏方奉仕担当の彼に任せて解説に移ろうか、ゴーストの拠点は至る所にあって基本人気のない所を拠点にしているよ。」

小猫「…最初の方、オールドと共に過ごしていた家は独りになった時に撤去し、現在はもう存在しません。」

木場「普段使うであろう家具は投影で賄えるからね、暮らしは埃が多いのを除けば問題ないらしいよ。」

小猫「…縁談については基本知った事ではないというスタイルですがどう破棄すれば良いかは考えて発言はしています。家に口出ししないという方法で。」

木場「政略結婚=貴族の普通みたいな発想は世界史や日本史で学んだ結果そういう偏った考えになっているんだ。悪魔の貴族もそんな感じだからね。」

小猫「…シトリーとは時々顔を合わせています、評価は一誠転生関連で低めですが『芯のある奴だ』と人間性と夢は嫌っていません。」

木場「次に料理関連だけれど料理好きで時々僕たちにも振る舞ってくれるんだ。」

小猫「…特に得意といえる料理は無く、甘い菓子類が好きと言った感じです。」

木場「グレイフィアさんを呼び捨てにしている理由は悪魔が嫌いだから、基本リアス部長のせいということで。」

小猫「…レイヴェルと知り合いの理由は過去、部長が高校1年の頃に冥界でのはぐれ悪魔討伐の依頼があり、そこで助けて知り合ったという感じです。」

木場「最初は高圧的な態度に辟易していたが持ち運び用のケーキを分けた所、気に入って態度が軟化し、料理を褒められたために『まあ、良いか』みたいな感じで気にしなくなったんだ。」

小猫「…大人ぶっていますが料理関連を褒められると内心嬉しがり、評価が上がるというチョロさを持っています。でも、本当に料理はおいしいです。」

木場「ライザーがゴーストに関して警戒していたのは戦闘力が未知数だからです、どこまでどのような武器を出せるかも分からない為に警戒するしかない感じでね。」

小猫「…アドバイスに関してなのですがゴーストは『兵士』の眷属以外の方たちが眷属となる場面に居合わせていたために悩みを知っています。」

木場「ワンマンゲームに関してだけれど基本的にクロノス・ローズでサーチアンドデストロイしながら敵本拠地に突撃してライザーはハルパーで滅多斬りする感じで終わります。」

小猫「…ただしその後は数日間筋肉痛に苛まれるのは確定します。」

木場「でも本編ではそれは起きないけどね、部長の慢心が炸裂するよ。」

小猫「…では、今回はここまでです、次回は合宿の過程を全て飛ばしライザーとのレーティングゲームです。」

木場「こういう合間のゴーストの行動描写は多分第4章を過ぎたあたりから描写されると思うよ。」

小猫「…それでは、次回もお待ちくださいませせせせせせせせせ。」

木場「そういえば玲士くんが色々なケーキを用意してくれてたね、食べに行こうか。」

小猫「ッ!はい!今すぐ食べに行きましょう!」『ビュンッ』

木場「は、早いなぁ。では、またね。」

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