東方神影録   作:如月という者だったやつ

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#23 宴会と神々の過去

織冥と五月雨の悪夢が終わってから、数時間後、時刻は夕暮れ時、幻想郷の住民たちは宴会の準備に勤しんでいた

その最中・・・

 

『『お久しぶりです!カグツチ様!!』』

『・・・・・・・・・(やっぱりこうなったか)』

 

なぜか跪いている二人の神がいた

なぜこの状況になっているかわからない人のために時間を30分ほど巻き戻そう・・・

 

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

 

『やっと回復したか、二人とも』

『・・・まだ傷は残ってるが、まともに動けるぐらいには』

『・・・・・・・・・』

『・・・織冥はもう少し時間かかりそうだな』

 

そんな会話の中、宴会の準備は着々と進んでいく、 

そして、後は全員集まればもう宴会が始めれるというところまで来た時にそれは起きた

 

『神奈子様と諏訪子様を連れて来ました〜』

『おぉ〜お疲れ早苗、二人は好きなとこに座って待っていてくれ〜』

 

依然、気を失っていて目覚めない霊夢に変わって魔理沙がそう答える

二人の神様は、頷くと近くの茣蓙に腰掛ける

 

『・・・なぁ、まさかとは思うがあの二人って・・・』

『間違いないな、八坂神奈子と洩矢諏訪子だな・・・面倒なことになるぞお前』

『絶対そうなるわ』

 

どうやら、アルトたちはあの二人を知っているようだった

しかも、何やら、結構面倒な関係らしい

それを見て、静かにその場を離れようとした時、

 

『すいません!アルトさん?であってますよね?お酒をこっちに運び込むのを手伝ってくれませんか?』

『・・・・・・・』

 

早苗の、全く空気を読んでいない発言が、神社にこだました

 

その瞬間、神奈子の視線がアルトの方を向いた

その瞬間の神奈子の行動は早かった

 

『こ、こら!早苗!?誰にお願いしてるんだい!?私がやるから!』

『え!?そんな!悪いですよ!私がやりますから!』

『じゃあカグツチ様にさせるのはもっと悪い!自分一人でやるのか!私が手伝うか!どっち!』

『ひ、一人でしますから!一人でしますから!神奈子様は待っててください!』

 

そういうと早苗は首を傾げながら、酒を取りに神社の中に入っていった

早苗の姿が見えなくなったのを確認した神奈子は

 

『なぁ、諏訪子、カグツチ様がいたぞ』

『え!?嘘ぉ!確かカグツチ様って修行の旅とか言って神界に帰ってないんでしょ?ここにいるわけが・・・』

 

そういって諏訪子はアルトの方を見る、そこにはバッチリとアルト、、もといカグツチがいた

 

『いたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

『よ、よう、久しぶり、神奈子に諏訪子、げ、元気にしてたか?』

『『お久しぶりです!カグツチ様!!』』

『・・・・・・・・・(やっぱりこうなったか)』

 

これが最初の時の状態になるまでの流れだ、

さて、ここから先を紡いでいくとしよう・・・

 

 

ー*ー*ー*ー*ー

 

 

『お前たちはなぜこの幻想郷にいる?』

『私たちはちょうど二年ぐらい前にこっちに引っ越して来まして、さっき話してた早苗、そして、諏訪子と3人で妖怪の山にあります、守矢神社に住んでいます』

『そうか・・・今ぐらい敬語外してくれるとありがたいんだけどな』

『そ、そうは言われましても・・・神位がここまで離れているとそういうわけには・・・』

『じゃあこうさせてもらおう、かつての上司として、命令だ、幻想郷にいる間は俺に対して敬語は外せ』

『ま、まぁそういうのなら、外させてもらうよ』

 

神奈子はそういうとたち上がる、諏訪子も一緒に立ち上がり

 

『そういえばお前たち昔はあんなに仲悪かったのにいまは随分と打ち解けてるんだな』

『まぁ色々あったからね〜』

『こっちに来た時に再開して、一悶着あったけど今は普通に生活してるよ』

『そういえばカグ『ちょい待ち』・・・なんでしょう?』

『今俺の名前はアルトってことになってるからそっちに統一してくれ』

『わかったよ・・・アルト』

『まぁしばらくなれないだろうが頼むよ』

『・・・あの〜1つお聞きしていいでしょうか?』

 

いつからか、今の会話を聞いていた早苗が口を挟んだ

その言葉を聞いた神様達とアルトは早苗の方を振り向く

その視線を感じながら、早苗は一呼吸置いてから

 

『神奈子さま達とアルトさんはどんな関係なんですか?』

『・・・やっぱ気になるよなぁ・・・』

 

アルトはそういうと考えるような仕草をし、周りを見渡す

そこには何の騒ぎだと言わんばかりに、今回の宴会に参加する人達ほぼ全員が、こちらの話を聞いていた

その中には、先ほどまで気絶していた霊夢も含まれていた

 

『霊夢、どこから聞いてた?』

『色々あった、のあたりからよ』

『・・・知りたいか?』

『まぁね、ここまで聞いちゃったらね、それになぜあなたがカグツチって呼ばれてるかってことも話してもらわないと』

 

アルトは大きくため息をつき、織冥と五月雨の方をむく

二人は何のことか察したらしく、小さく頷く

 

[過去の事、少し話すぞ]

[ここまできたらしょうがない、隠さないとやばいとこは隠しといてくれよ]

[そこは大丈夫だ]

 

アルトは何か考え込むような表情を見せてから、一呼吸置いてから、口を開いた

 

『俺の名前はみんなの中で親しみがあるのは影斗の方だと思うが、これは本名ではないんだ』

 

幻想郷住民の視線を一点に感じながら、アルトはさらに続けた

 

『俺の本名は「アルトメア・ヴァン・カグツチ」元、こいつらの上司って感じかな、種族は神なんだが諸事情で、神以外の種族が少しずつ入り混じってるんだ』

『た、例えば、どんな種族が?』

『確か、神が7割ぐらい、人が2割、後は把握してる範囲だと吸血鬼とか、妖怪だとかも混じってるはずだ』

『え!?ちょ!ちょっと待ってくださいよ!』

 

ここで声を発したのは妖夢だ、アルトは『なんだ?』といい、妖夢の方を向く

 

『確か私の記憶が正しければですけど他種族が3種類以上混じってしまうと、その種族が拒否反応を起こして、何かしらの障害が起こる可能性があるはずですよ!?大丈夫だったんですか!?』

『・・・それは今から話すよ』

 

アルトは一つ深呼吸を挟むと

 

『幻想郷にも神力はいるよな?紫のメメントだったり、俺達の天使達がよくわかる例だろう』

『呼びました?』

『・・・いや、なんでもないよ、少し過去の事を話してただけだから』

『なら、私は聞かなくていいですよね?全部聞きましたから』

 

突如ウリエルが現れるが、アルトと少し話しただけでまた消えてしまう

アルトはそれを確認すると

 

『神の世界にもやはりというか戦争が存在している、その中でも最大規模って言われているのが今から300年ほど前に起こった第三次神界戦争って俺らの世界で呼ばれてるものなんだけど』

 

その名前がアルトの口から発せられた時、諏訪子と神奈子の表情が硬くなった

それほどまで、その戦争はやばいものだったのだろう

 

『それの最終決戦の時に、俺は神達を嫌悪している者たちが集まっている神界とは正反対の場所、暗黒郷(ディストピア)の王、黄泉に嵌められた、俺の体を分解して、無理やり他の種族を合成し、拒否反応を利用して、俺を殺そうとした』

 

アルトは少し表情が暗くなったが、そのまま続ける

 

『ところがその作戦は失敗に終わったが、俺はその影響で記憶を失った』

『アルト、その作戦って?』

『・・・神力っていうのは純粋な神には憑依することができないんだ、神力も元を正すと、俺たちと同じ神だからな』

『え?じゃあ何でアルトはウリエルとパンドラが?』

 

『・・・俺が黄泉に他種族を無理やり合成されたのを応用して、俺の一部に人の部分を合成してその部分に憑依していたウリエルを俺の神力として認識させたんだよ』

 

一瞬にして周りの空気は凍りついた、時が止まったように誰も話さず、驚きの表情でアルトを見ていた

アルトは少し間を開けるとまた話し始めた

 

『そのあとは大変だったらしい、神と人間は相いれたが、他の種族が猛烈な拒否反応を起こしてな、内臓はボロボロになり、神経もボロボロになったらしい、だが、理由はわからないが、1ヶ月ほどすると拒否反応がなくなった、その後、俺は死んだように眠ったらしい、3日ほど寝ていたらしいが、俺は目覚めた、その時、俺は依然と比べ物にならない潜在能力を手に入れたが、記憶を無くし、完全な神ではないからか、神界に入れなくなってしまい、ここ、幻想郷の霧の湖に、記憶は何もなく、能力も全部眠っている状態で落ちてきた、ここからはみんなが知ってる通りだよ』

『そういえばですけど』

 

今度はさとりが口を開いた

アルトはさとりの方を向くと、『どうぞ』といった

 

『何で記憶を失っていることに気付いたんですか?』

『ある時にアルバートに呼ばれてね、その時に一部を話してくれて、それが妙に説得力があってね、調べてみたり、ウリエルに問いただしたりして、真相にたどり着いたってわけ』

『そう・・・だったんですか・・』

 

アルトが話し終えた時、あたりは静寂に包まれた、重苦しい空気の中、アルトは

 

 

『こんな空気の中、酒なんか飲んでもうまくないだろ、ほら、もう忘れて宴会をしようぜ』

『そ、そうだな!みんな!宴会を始めるぞ〜!』

 

 

魔理沙の掛け声で我に返ったのか集まっていた人たちは好み好みの人と席に座り、宴会を始めた

 




今回は主人公の過去に一部触れました
こういうのをシリアスって呼べるのかはわかりませんが自分なりにはまぁまぁできてる・・・と思いたいですw
次回は宴会ですかね、なるべく早めに投稿できるようにします

ということで今回はここまでとなります
また次回、お会いしましょう〜

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