東方神影録   作:如月という者だったやつ

11 / 24
#10 見た目に変化はないのにね

『見た目に変化は・・・ありませんけど・・・何が起こってるんですか?』

 

椛は織冥と影斗の方を見ながら聴いた

影斗が唱えたスペカの効果が全く作用してないと思ったからだ

だがそんな椛には見向きもせず静かに戦闘モードに入った

 

『ねぇ、質問にこた・・・!?』

 

椛は織冥に質問しようとしたが開いた口を閉じた

なぜなら、織冥の表情は完全にガチで戦闘モードに入っていて

ラーメンを食べながら戦っていたさっきとはまるで別人だ

 

椛も場の雰囲気を感じ取り織冥に向けて剣を構えようとしたその時・・・

 

 

初めて自分の体の異変に気付いた

 

 

自分の思った通りに体が動かないのだ

しかも勝手に体が動き戦闘態勢に入った

椛は自己流の剣術を持っている

その構えと、明らかに違う構えで、しかも・・・

 

 

私の全く知らない、スキが一切感じられない

攻防一体とも言い切れる構えだった

 

 

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

 

あいつ・・・マジでやりやがったな

 

織冥は心の中でそう言い放った

何を隠そう俺たちは複数の能力を保持している

そして影斗が使ったスペルカードは・・・

 

「ありとあらゆる数字を操る程度の能力」

 

で習得したスペルカード・・・

それに影斗は本気で眼を出現させていた

 

 

死神の瞳(グリム・リーパー)

 

この眼で見たものの情報を全て自分の持っている情報として記憶する

しかも見れる情報に制限はない・・・はず

おそらく影斗は椛の脳から発している電気信号の情報を手に入れたのだろう

影斗のことだ、もう椛がこの先どういう風に行動するかの予測も立てたのだろう

相手の戦いのくせ、感情までもを情報として引き出す・・・

影斗が情報として定義(・・)したものは全てグリム・リーパーから逃れられない・・・

そう、それが脳の発する電気信号だとしても

 

 

命天の瞳(プラネット・ソウル)

 

この眼は確か自分に対して効果を発揮する眼・・・

確かこの眼の発言時は自分の持っている情報を自由に変換する

脳の情報処理速度も格段に上昇、

これで影斗は椛の電気信号を数字に変換したんだろう

それにより、影斗は椛の脳の電気信号を数字として操った

 

 

変幻自在と自由自在(オールマイト・オブ・ファンタズマ)

 

のスペルカードで、

確かこのスペカが影斗が数字を操る時の最上級スペカのはずだから

 

 

 

で、ここまでが俺の経験から予測した、影斗のさっきまでの様子だろう

多分手加減はしないだろう

椛の体に負担がかからない程度に

 

ここまでして影斗は強敵を誕生させたんだ

ならば俺も・・・

 

全力で相手をする!!

 

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

 

織冥・・・正解だ

 

影斗は死神の瞳(グリム・リーパー)で織冥の思考を情報として手に入れ、心で思った

織冥の予想したことは正解だ・・・

だが、少し抜けているとこもあった

 

死神の瞳(グリム・リーパー)は全ての情報を入手できるわけではない

実際は本人が本当に、心の底から知られたくない情報だけは入手することはできない

 

この「死神の瞳」本当の言い方をすると・・・

 

 

相手の持つ本当に隠しておきたいこと以外の情報を奪い取る

 

というものだ

奪うとは言ったが情報をコピーしているのと大差はないので相手の情報が消えることはない

たいていの人は自分の電気信号までを意識してまで隠そうとはしない

 

影斗はそこをついた

 

 

そして命天の瞳(プラネット・ソウル)

 

これはすべての情報を変換する眼

あとは簡単だ

 

奪い取った情報を元に椛の行動パターンを予測

あとは電気信号を数字情報として変幻自在と自由自在(オールマイト・オブ・ファンタズマ)で操作する

 

こうすると言葉、スペカの効果、戦闘パターンまでも変更できるというものだ

 

 

『さてさて、どういう風に遊ぼうかな』

 

この声は誰にも聞こえず心の中で反響した

 

影斗の能力

 

「ありとあらゆる数字を操る程度の能力」

 

これには他の能力にはない要素がある

それは・・・

 

 

ーーーー自分で能力の適応範囲を定義することができる

 

これ関してはここで話すとややこしくなるから割愛しよう

 

 

 

 

さてと・・・試合の始まりだ

 

 

影斗の心の声を引き金に椛は織冥に斬りかかる

織冥はそれをいとも簡単に打ち返す

そして俺は椛の思考をすべて読み切り、椛に負担がかからない程度に本気で

織冥に斬りかかる、自分の剣技で

 

椛の剣技だけで勝てるほど織冥は弱くない

なら、少し危険だが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー絶剣(・・)の剣技、見せてやるよ

 

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

(クッソあの野郎完全に本気だぞ)

 

俺の心の声はミカエルにしか聞こえていないはずだ

俺はミカエルに確認も兼ねてそう話しかけた

 

(そりゃ、影斗さんのことですよ

   あなたの思考なんて丸見えなんですよ)

 

あるぇ?気のせいかな?

ミカエル笑ってる気がするんだけど

 

(まぁ私の力は使わないでくださいね?影斗さんも使ってないんですから)

(一応それはわかってるんだが・・・この剣の太刀筋は間違い無いよな・・・)

(ええ、間違いなく影斗さんの、絶剣のそれですね)

 

おいおい・・・バレるんじゃね?まぁそん時はそん時か、俺はシーらね

 

 

織冥は集中して、椛の、いや、影斗の剣筋を読むために

 

 

(あ、ウリエルと話してきたけど)

(ん?)

(影斗さんが、『今俺は50%も力出してないから』だそうですよ?☆)

(あいつ・・・どんだけ力を隠せるんだよほんとに)

 

俺はこの会話をしながら椛の斬撃を受け流し続けている

しかもこっちの避ける先なども的確に狙ってくるので受け止めるしかないのだが

 

カン!キン!という刀と刀のぶつかる音以外、何も音が発していない

観客も誰一人として声を出さずに二人の試合を凝視している

 

『ねぇ、これって・・・』

『うん・・・もう私達とは強さの次元が別次元よ』

 

紫と霊夢がそう口を開いた

 

 

『こんな奴らがいたら幻想郷のバランスが崩壊するわよ』

 

紫がそういった時に一つの情景が浮かんできた

 

4年前、人里に特設の会場を作ってまでした前回大会、

圧倒的な力で優勝をさらった3人組

確か・・・名前が・・・

 

 

あれ?思い出せない

確かに名前はあった、そして私と同じ(・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー神力の使い手

 

 

あ、そうだ、彼女なら・・・

 

(ねぇ、メメントモリ)

 

私は一筋の希望を元に相棒の神力メメントモリを呼んだ

 

(一応寝起きなんだけど・・・何かしら)

(今戦っている人とその後ろにいる二人、見覚えないかしら?)

(う〜ん・・・覚えがないわね、能力使って調べてみるわ)

 

メメントモリの能力、それは

 

「ありとあらゆるものを検索、熟知する程度の能力」

 

能力の名だけでいうと影斗の情報を抜き出すものと似ているかもしれない

だが、この能力には制限がない

 

この世界の全ての情報が集まるデータ保管空間(データベース)

それに自由にアクセスすることができる

 

そのデータベースは世界中につながっている

データとして残っているものが全て保存されているものだ

そこには当然、影斗達の情報も載っている・・・

 

ただし、そのデータにはもちろん嘘情報がある

今回はそれが理由で大変な目にあうのを二人は知らない

 

 

(あったわよ、紫)

(彼らは自分たちの記憶を隠蔽していわ、今その隠蔽を解く鍵となる情報を言うわ

  彼らは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー前回のバトリオンの優勝者よ)

 

その途端、自分の記憶から隠蔽された無数のものが溢れてきた

その中には今回からの戦いに有利になるであろうものまで

 

(なるほど、影斗は神力を持っていて正体は闘神カルマ(・・・・・))なのね)

 

紫はそうメメントモリに話した後、椛と織冥の試合に集中した

 

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

『どうなっているんですか!?』

 

そんな椛の心からの叫びも剣のぶつかる金属音にかき消された

 

今私の体の動きは自分で捉えることもできない

何者かが私を動かしているのだと言うことはわかった

おそらく影斗という名の相手チームの人だろう

 

だけどなぜ?

 

私はそれが疑問でならなかった

なぜ、私の体を使って自分の仲間と戦わないといけないのか

まず、この3人が何者なのか

 

そして、なぜここまでの圧倒的なまでの力の差があるのだろうか

 

私はそう疑問を自分に問うた、だが答えはなにもかえってこない

こうなったらと、私は精神を集中し、

自分の使っている見ず知らずの剣技に身を任せ、体に覚え込ませることにした

 

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

 

なぜだろう・・・椛の剣技を見てからあの情景ばかり頭に浮かぶ

 

3年前の大異変それを境に幻想郷から消えてしまった、名も思い出せない・・・

私の恋しているらしい相手

 

今の椛の剣技があの人と重なる

 

私はそのうっすらと思い出せそうで思い出せないこの記憶に今の意識をゆだねることにした

 

フランが暴走した時にかばってくれた、死にかけていた私を助けてくれた

でも、なぜか恥ずかしくてお礼も言えなかった

 

私は無意識に誰かの名前を呼んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー『(キリト・・・)




今回は比較的に長めです

にしても暑いですね、皆さん水分補給を忘れずに
音楽を聴きながら小説をゆっくりと書いていきますよこれからも

それではまた次回お会いしましょう〜

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。