ツナま!   作:ばすけばすけ

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第65話

四人はお店に戻り、二階にある和室へと移動をする。さすがのエヴァンジェリンも明日菜に気を遣っており、ツナと明日菜を二人残して茶々丸と違う部屋へと移動をした。

 

「ツナさんすいません。でももう大丈夫ですから。ありがとうございます。」

 

「明日菜ちゃん。・・・ここには俺しかいないから泣いてもいいんだよ。泣きたかったら・・・泣いていいんだよ。我慢なんてしなくていい。無理して笑わなくたっていい。一人で泣きたくなかったら俺の胸であればいくらでも貸すから。」

 

その言葉をきいた明日菜は声をあげながらツナの胸の中で泣いて泣いて泣き叫び、泣き疲れたのかそのまま寝てしまった。

眠ってしまった明日菜を布団に寝かせたツナは、静かに部屋から出ていき、一階の喫茶店まで下りていく。

 

「ん?ツナか。」

 

「明日菜さんはどうですか?」

 

「エヴァに茶々丸ちゃん。気を遣ってくれてありがとね。明日菜ちゃんは落ち着いたのか眠っているよ。」

 

「そうか・・・・それにしてもあいつには困ったものだ。じじいから連絡があった。タカミチはあの後麻帆良から出ていった。じじいが空港まで見送ったそうだ。」

 

「マスター、沢田さんにもお酒と軽食を用意してきます。」

 

「助かるよ茶々丸ちゃん。学園長は他になにか言ってた?俺が裏の事について知っていることをばれた気がするんだよね。」

 

「他にはなにも言ってなかったぞ。・・・・大方、はぐれ魔法使いか東洋系統の隠れ術師という認識ぐらいはしているかもな。あいつも長年ここを支えてきているからな。わざわざ敵を作るような動きはしないだろう、藪をつついて蛇を出すほど馬鹿ではないぞ。ところでじじいと話していた夏休み明けの件とはなんことだ?」

 

「そうだよね。ミスったな~。でもそういう考えならいいか。その時がきたら必然的にばれるでしょ。夏休み明けの件はまだ内緒。危ない事ではないから大丈夫だよ。楽しみにしてて。」

 

喫茶店にはカウンター内には茶々丸がおりエヴァに軽食とお酒を提供していた。ツナの姿を見ると茶々丸は勝手に使ってますと会釈する。エヴァは酒を飲む手を止めずに学園長からの連絡をツナにも共有するが、一番の興味は夏休み明けのことであった。ツナは笑顔でエヴァの追及を躱すと茶々丸が持ってきた食事に手を伸ばす。

 

「明日、魔法世界に用事があるから朝から不在にすると思う。明日菜ちゃんのこと頼んでもいいかな?」

 

「魔法世界にか?関わりたくないと言っていたはずだが何をしに行く?」

 

「ちょっと野暮用かな。夜には帰ってくるよ。」

 

「ふん いまの神楽坂明日菜を一人にもできんか。仕方ない。夏休み明けの件はともかく、この件は帰ってきたら説明してもらうからな。今夜は私も泊まらせてもらうぞ。」

 

 

翌朝、明日菜は目が覚めると横にはエヴァと茶々丸がおり、時間を確認すると新聞配達の時間を大幅に過ぎていることに気が付き慌てて布団から飛び出す。

 

「朝から騒がしいなお前は、新聞配達なら安心しろ。ツナが事情を説明してお前の代わりに配達をしに行ってすでに帰宅している。いまはシャワー中だがな。」

 

「おはようございます。マスターは明日菜さんが心配で添い寝をすると言うので「お前は!」・・・ぁぁぁあlいけませんマスターそんなに巻いては・・・・」

 

「あはははは 私は大丈夫。昨日のですっきりしたから。でもエヴァちゃんにもそんな優しい一面があるんだね。」

 

「ふん!ツナは用事があって外出をするらしいがお前はどうする?ここに居てもいいそうだが。」

 

「そうなんだ。じゃあこのまま夏休みの宿題でもしてようかな・・・。」

 

「それなら私も付き合おう。わからないことがあったら茶々丸にでも聞け。」

 

「そっか。うん 二人ともありがと。ツナさんにもお礼を言わないと。」

 

エヴァに事情を茶々丸からは隣にいた理由も聞いた明日菜は笑顔を浮かべながらもう大丈夫だと説明し、出てきたツナにもお礼を言って四人で朝ご飯を食べツナは外出をした。 


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