ツナま!   作:ばすけばすけ

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62話

女性陣が恋バナをしている最中、男性陣も同様の話題が詠春から切り出されていた。

 

「ハッハッハ さあ 綱吉くん。腹を割って話そうか。君は木乃香のことを、いやエヴァも含めてあの子達のことをどう思っているんだい?」

 

「ンナ!なにを言い出すんですか詠春さん!?」

 

「ウブな学生ではないんだ。彼女達からむけられている感情には気づいているのだろう?ここには私達二人しかいないから遠慮はいらないよ。」

 

「はぁ 二人というわけではないんですけどね。幻騎士いるんだろ?」

 

ツナが湯船の奥の方に目線を向けて声をかけると一人の男が姿を現した。

 

「ふ 静かに風呂にも入れないのかお前は。」

 

「いやいや幻騎士こそ なんで当たり前のように風呂に入ってるの?」

 

「返り血を流したかったのと少し汗もかいたからな。それくらい察しろ。」

 

「理不尽!!というか幻騎士とこんなふうにやりとりできるとか新鮮すぎて逆に怖い!」

 

「いい湯だろう幻騎士くん?」

 

「岸でいい。一般人の前ではそう呼ばせている。あの場に入るわけにもいかず勝手ではあるが、湯を借りていたことを謝罪させてもらう。」

 

「構わないよ。あの子達に返り血姿を見せるわけにもいかないからね。」

 

「沢田綱吉。それよりも報告だ。呪いを指示していた一味は殲滅した。その帰りに完全なる世界のフェイト・アーウェルンクスと遭遇したが、今回の対象ではないのもあり殺さず撤退してきた。」

 

「完全なる世界だと!!しかもアーウェルンクスとは・・・あの組織はいまも魔法世界に存在しているのかい?」

 

「前と同じではありませんが、残党はいますよ。今回の紫さんの件もなんらかの目的があって手を組んでいた可能性があります。倒さず撤退というけど大丈夫だったの?」

 

「必要以上にこちらの力を見せるわけにもいかないのでな。今頃、公僕と格闘している所だろ。」

 

幻騎士は今回の結末をツナ達に報告を始め、詠春が過去からの因縁のある完全なる世界の名前がでると見るからに動揺するが、ツナはこれで詠春さんも本格的に修行に力を入れるだろうと予想していた。

アーウェルンクスとの出会いは今回予期せぬことであり、チェッカーフェイスからの指示にもなかったため、幻騎士独自の判断で戦わずに撤退を選択していた。

 

 

~~~~その頃のフェイト・アーウェルンクスは~~~~

 

「そこの少年待ちなさい!!こんな夜中にゴミ箱を蹴って暴れている少年というのは君のことだね。」

 

「な!人払いはしていたはず!?しかもゴミ箱だと!くそっ!」

 

「待て!逃げるな!なんて足が速い少年だ!本部応援願います。通報があった〇〇町の路地で暴れていた少年が逃走中、服装は~~~~~~~」

 

「我々テレビ〇〇のカメラは捉えた!非行にはしる少年と熱血警察官の逃走劇を~~~~」

 

~~~~side out~~~~

 

「先ほどは面白い話をしていたな。おまえはユニ様のことはどう思っている?まさかとは思うがあのお方を悲しませるようなことは言わないだろうな。」

 

「そうだね。その話に戻ろうか。おや木乃香達の他にもいるようだね。これは詳しく聞かないといけないようだ。」

 

「話が戻った!!はぁ、別にはぐらかす気もないからいいんですけど。ユニに関しては血の問題もあるからノーコメントで、正直な話、俺は後2年も麻帆良にいる気はないんですよ。遅くてもあの子達が卒業したら元いた場所に戻る気でいます。中途半端な関係にでもなったら余計にあの子達を悲しませますし、別れにくくなりますからね。ここまでの仲になるのも俺としては想定外だったんですから。エヴァちゃんに関しては本人から着いていくとは言われていますし、身寄りもないわけですから、すべてを話した後に最終的な判断はエヴァちゃん本人に任せようかと思っています。詠春さんは木乃香ちゃんと二度と合えないと言われたら送り出せますか?」

 

「うむ。二度とあえないと言われてしまうと親としては抵抗せざるを得ないが、君たちと共にという選択をするとそういう未来になるということか。あの子達にそのことを打ち明けることはないのかい?」

 

「今の状況ではないですね。魔法世界にも関わっていませんし好き好んで裏のことは知らなくてもいいんですよ。表で生きていけるならそのままの方がいい。」

 

「わかった。もう私からは余計なことは言わないでおこう。だけどね、木乃香達が決意したときにはただ跳ね除けるのではなく向き合ってくれると嬉しい。君が思っているほど弱くはないよ。」

 

ツナは考えていることを語り始め、それを聞いていた詠春はツナの瞳に炎が揺らいでいるのを感じ、余計なことをいうのは無粋なことと判断してこの話を終わらせた。


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