この世界でのツナの1日はボンゴレボスの時と比べると穏やかに始まる。
目覚ましが爆発音や銃声ではないため寝起きも最高に良い。ナッツは常に動物モードにされており、ナッツがツナの頬を舐めて起こす。
起きてからはお店の前を掃除する。その際にご近所さんとのコミュニケーションを忘れない。ツナの他にも数人が家の前を掃除している人がいる。
その人達は昨日の朝、ツナが掃除しているのを見て、同じ時間に掃除をすればお近づきになれるのでは?と考えた主婦の皆様だったりする。
掃除と世間話が終わると花壇の世話を始める。ちなみにまだ7時過ぎである。
花壇の世話をしながらナッツが庭で遊んでいる。御伽噺に出てくるような光景にウットリする奥様たち。
余談だが、ツナの髪型は掃除時は後ろ髪をそのままにしているが、花壇の世話をする際には髪を上げて地面につかないようにしていた。つまりうなじが丸見えで色気を醸し出しているのである。
花壇の世話が終わると朝食を食べながら新聞を読み、少し休憩した後に仕込みや開店準備を始める。
10時になるとお店が開く、店を開いて少しすると近所の奥様方が来店し、コーヒーとケーキを注文する。
ツナはお客さんと雑談をしたり、ケーキを追加で作ったりして、ゆっくりと店をまわす。お客さんも一人だとわかっているため急かしたりせずに静かに話しながら協力してくれていた。
お昼になると奥様方は帰り、近くにある会社のOL達がランチを食べに来た。
宣伝自体はしていないが、イケメンがいると噂になっているようで確認をしに来たという感じだ。
ランチはサンドイッチやサラダ、カレー、などの当たり障りがないメニューだが、サービスでコーヒーがおかわり無料になっている。種類の豊富さはないが、作り置きもできるメニューなため、待たせる時間も少なく一人で切り盛りする上でのチョイスである。
OL達は料理の味と可愛い系イケメンに満足して帰って行った。
お昼をすぎると暇になり、夕方に向けた軽食の作り置きを作っていた。
夕方になると木乃香がやってきて二人体制になる。木乃香は土曜日と月〜木曜日の夕方からの勤務であり、お店は金曜日と日曜日が休業日になっている。
木乃香と一緒に明日菜・夕映・のどかも来店した。他には噂を聞きつけた女子高生も数人きていた。
女子高生はツナに対し、
「アルバイトを増やす気はないのか」や「一緒に写真を撮ってほしい」
とお願いしていた。
勢いに押されながら写真を一緒に撮り、
「ごめんね。アルバイトは考えてないんだ。」
断りを入れた。女子高生は残念がるが写真を撮れたことに満足しコーヒーとケーキを食べて帰宅した。
他にお客さんがいないため
「木乃香ちゃん。他にお客さんもいないし、宿題をしてて大丈夫だよ。」
と木乃香に言い明日菜は達のテーブルに行くよ促す。木乃香は
「アルバイト中やし、悪いですよ。」
「遊んでるよりかは全然いいよ。勉学優先だから気にしないで。戻ってきてほしい時は声をかけるから」
木乃香はツナに説得されそれならとテーブルにつく。
「どうしたの木乃香?」
三人は不思議そうに木乃香を見ると
「お客さんが来るまで宿題をしてていいって言われたんよ」
と説明した。せっかくならと四人で宿題をすることにする。