ツナま!   作:ばすけばすけ

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54話

時が少し遡りツナが紫の呪いを解呪した後。

 

ツナは寝ている紫の上に一つの指輪置くと部屋に戻ろうとしたが、詠春に紫が目覚めるまではいてほしいと頼まれ、それならばとエヴァや高音達にしたのと同じ話を詠春にしていた。詠春は木乃香がナギの息子であるネギの運命に巻き込まれるであろう可能性に顔を青くし頭を抱えていた。また過去を忘れて幸せに暮らしている明日菜に関しても魔法世界のことに巻き込むべきではないと思っている。魔法世界の崩壊は危機的状況では、やるならば大人たちと魔法世界の住人が立ち上がるべきだと考えツナの計画に賛同することにした。

 

「ツナヨシくんには助けられてばかりだね。ハハハ ボクも腕が鈍っているだろうから修行し直さないと。ツナヨシくんが動くときには力を取り戻しているようにするよ。」

 

「それでお前と幻騎士とやらが追っている残りの一人はどうするんだ?居場所が掴めていないなら私も手をかすぞ。」

 

「詠春さんありがとうございます。修行相手に関しては此方にもあてがありますので。残りの一人の居場所もわかっています。月詠ってわかりますよね?明日の朝一番に神明流の道場にお邪魔せてもらいます。」

 

「月詠・・・確か鶴子さんと素子くんから危うい子がいるという報告で名前をきいた気が・・・紹介状と鶴子さんに連絡を入れておくよ。」

 

「データベースには京都神明流の若手で実力はトップクラスとなっております。」

 

「なるほどな。今回は私も行くからな!!」

 

詠春は自身の衰えを自覚しており、全盛期の力を取り戻すために修行をし直すことを心に誓い愛刀を強く握りしめた。エヴァは京都で暗躍する三人の情報を聞き残りの一人については私も全面的に協力するとツナの膝の上に座りながら寄りかかった。ツナはすでに居場所は掴んでいることを告げて詠春に確認すると怪しまれないように道場の責任者に対し事前に連絡を入れてくれていた。

 

その後にも様々な情報を共有していたが、

 

「ン・・・」

 

「!!」

 

近衛紫が寝ているベットから声が聞こえると詠春は急いでベットを覗き込み。するとゆっくりと瞼が持ちあがり、その瞳には詠春の姿が映っていた。

 

「あぁ 詠春さん。・・・私はどれくらい寝ていたの?」

 

「ざっと5年程だよ。身体は大丈夫かい?」

 

「意識ははっきりとしているのだけど。身体は思うようには動かないわね。呪いの解いたのは詠春さん?犯人はわかったの?木乃香は?身体の機能も衰弱しているはずなのにどうしてこんなに口が回るのかしら?」

 

「ふん 相変わらずだな近衛紫。まずは感動の再会を味わったらどうだ。」

 

「まぁ!!エヴァじゃない!!相変わらず可愛いー!麻帆良から出てるってことは呪いを解いたのね。おめでとう!!じゃあエヴァが私の呪いも解いてくれたの?」

 

「ええい!うっとおしい抱き着くな! 私ではない。お前を助けたのはこの男だ。お前がさっき詠春にした質問の大半もこいつなら答えられるだろう。」

 

「はじめまして近衛紫さん。俺は沢田綱吉といいます。」

 

「はじめまして近衛紫よ。こんな格好でごめんなさいね。」

 

紫が目覚めると詠春は涙を流しながら手を握り締めるが、そんな詠春に笑顔を向けながらも紫は眠っていた時の状況を把握する様に詠春を質問責めにしていた。

さすがに詠春を不便に感じたエヴァが助け船を出す。エヴァの姿を確認した紫はエヴァを近くまで来させるとそのままベットの中に引きずり込んでもみくちゃにしていた。エヴァは口では抵抗をしているがされるがままになっており、その状態でツナを紫に紹介しツナは苦笑いになりながらも自己紹介と事の経緯を説明しだす。

 

まず身体については転がり落ちて枕元にある指輪が関係しており、回復用のマジックアイテムと説明した(本当は晴れの炎が埋め込まれている指輪であるが炎についての全容は伏せているためマジックアイテムとしていた)。

 

犯人についてももう対処が済んでいて問題ないことと木乃香の学園生活での様子も簡潔に説明し、いま帰省しているから詳しくは本人から聞いてほしいと伝えた。

 

「つまりツナくんは私と木乃香両方の恩人というわけね。ねぇ 良かったら家に婿入りしない?木乃香も貴方なら納得すると思うわ。」

 

「ちょっと待ってくれ!!まだ木乃香に結婚云々の話は早すぎる!!ツナヨシくん、いくら君でもそう簡単に木乃香をあげることはできない!木乃香と付き合いたいならば私の事を倒してからにしてもらおうか。」

 

「詠春。今のお前ではツナの足元にも及ばないぞ。私と何度も模擬戦を行っているがこいつはまだ本気を出していないからな。」

 

「えっと。本人の意見を無視して話していい内容ではないかと。申し出は辞退させていただきますね。木乃香ちゃん達は朝方に湖に行くみたいなので早く会ってあげてください。では俺はここで失礼させていただきます。」

 

それでも紫の勢いは止まることなく、ツナに対してのお礼は木乃香との結婚はどうかしらと提案すると詠春が愛刀を構えながらツナにジリジリと近づくが、そんな詠春を鼻で笑いながらエヴァが力の差を伝える。それを聞いた紫と詠春は驚くが、ツナは木乃香の気持ちが大事だからと断ると、明日の木乃香達の居場所を伝えて部屋から退室してしまう。エヴァと茶々丸もその後に続いて退室した。

 

「あら?木乃香はOKすると思うわよ。ふふ つまり木乃香が良いと言えば構わないのね。でもそうなると木乃香にも裏について話さないとダメね。」

 

と妖艶に笑う紫と違う問題が発生したことに頭を抱えている詠春の二人の姿を様子を見に来た巫女に目撃された。




近衛紫について
容姿は黒髪ロングで木乃香の外見で目の形は刹那。
第一印象ではおっとりしている木乃香と違い厳しく近寄りづらい雰囲気。
中身は気の許せる相手に対してはお喋り好きで可愛いもの好き。
特にエヴァに対しての可愛がりは半端ではない。ゴスロリ服を着たエヴァを京都に持って帰って一年中鑑賞していたいと言いエヴァをドン引きさせた過去を持つ。言葉に引いたのではなくその時の表情に引いていたのはエヴァしかしらない。

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