一緒に来た面々と自己紹介を終えたツナはコーヒーを作りにカウンターにはいる。
「ツナさん。うちこんな服始めて着たえ。」
と更衣室からウェイトレスの格好をした木乃香が出てきた。(ごちうさのラビットハウスの制服である)
「木乃香可愛いじゃん」
「似合ってるよ。可愛いね。」
明日菜とツナが褒める。木乃香は恥ずかしそうにしながらも嬉しそうだ。
こっちを持ってくれるかい?とケーキがのせられたお盆を持ってもらい。ツナはコーヒーの方を持ちテーブルに持っていく。
「これはサービスだよ。初めてのお客さんだから。」
とコーヒーとケーキを置きカウンターに戻る。
朝倉は取材を申し込んだが、
「お客さんが増えるとお店を回せないから遠慮させて。」
とやんわりと言われ断られていた。さすがに勝手に記事にはできないので朝倉は引き下がるが、もしも必要になったら絶対に私に連絡してほしいと頼みこみ帰っていた。
美砂達はガチなイケメンに顔を赤くしており、いつものテンションを維持できなくなっていた。
あやかと千鶴は店のコーヒーやケーキも確かに他ではない美味しさだと感じたがお店の雰囲気とツナから感じる暖かい印象を気に入っていた。
夕映とのどかはゆったりと本を読み、明日菜は木乃香や美砂達と静かに話している。
そんな中「ガゥッ」という声が店内に響いた。
二階にある住居スペースに繋がる階段からナッツが降りてきてしまった。
「ちょ!ナッツ!降りてきたらダメだよ。ほら、おいで。」
ツナはナッツを抱えて二階に戻ろうとする。
「可愛いいー」
といいながら木乃香・明日菜がツナに近づく、ツナは苦笑いになるが、
「ごめんね。ナッツもいて大丈夫かな?」
とナッツを木乃香に託し、木乃香はナッツを抱いたままテーブルに戻った。
「ナッツちゃんっていうのですね。猫ですか?」
「ライオンと猫の雑種なんだ」
夕映にナッツについて聞かれるが嘘を混ぜて答える。
ナッツは九人から撫でられたり抱かれたりしており、美砂達三人はいつものテンションになりツナに質問を飛ばし始めた。
「ツナさんは彼女はいるんですか?」から始まり「好きなタイプは?」など恋バナ中心な質問が多かった。
さすが女子中学生だなと思いながらも
「彼女はいない。好きなタイプは一緒にいて安心できる人かな」
とはにゃりと照れ笑いをした。その笑顔を近くでみた九人は顔を赤くしてしまう。
ナッツはテーブルの上で丸くなり寝てしまっていた。
お店は20時で閉店となり木乃香は19時に明日菜達と一緒に帰宅してもらった。閉店間際、一人の老人が来店した。
「木乃香がお世話になっておる。祖父の近衛近右衞門じゃ。」
と挨拶をしてきた。ツナも挨拶をし学園長はコーヒーを二杯飲み雑談をして帰って行った。
ツナは、あれが魔法協会のトップか。監視ではなく、孫のバイト先を確認しに来たって感じかな。スパイなら抑止にもなるからいい手だね。と学園長に感心していた。