旅館に着いた一行は温泉に入り、食事をした後に部屋へと戻る。
「それにしても今回の旅行はツナさんと岸さんに感謝しなければなりませんわね。」
「そうね。この旅館もそう簡単に泊ることができないはずですもの。」
「そうなの!?」
「ここは私でも知ってるです。たしか政府関係者や他国からの来賓が来た際に使用されている旅館です。」
「宮崎さん。椅子から降りて床に座らないでも大丈夫だから。」
「でも先生、壊したらと思うと怖くて。」
「大丈夫やでー。そんな簡単に壊れたりしないやろ。」
「作りがしっかりしていますから大丈夫ですよ。」
「ふう。庭にある日本庭園も素晴らしいな。中々見ることができるものではないぞ。ちゃんと見ているか茶々丸?」
「そうですねマスター。記録に残しております。」
部屋に戻ると備え付けの椅子とソファーに腰かける。するとあやかがポツリと呟き、千鶴もそれに同意した。その内容に明日菜が目を見開くと夕映が補足し、のどかがいつの間にか床に座っており刀子に心配されていた。また、エヴァンジェリンは窓から見える庭に目を奪われており、お茶を飲みながら椅子に身を任せていた。
「そういえばツナさんはどこに行ったんやろ。」
「ツナさんなら岸さんにお礼を言い行くと言って出て行きましたが。」
「刹那さんにだけ言うあたり、邪魔されたくない話なのかもしれませんわね。」
「どういう意味?」
「明日菜さんやエヴァンジェリンさんに言ったら着いて行きたがると思われたです。」
「納得行かない!!」
少女達が部屋でまったりしている最中、ツナは別館にある一室で幻騎士とあっていた。
「まず白蘭様とユニ様からはお前のサポートをしてほしいとは言われているが、お前と一緒に行動しろとは言われていない。俺は俺で好きに動かさせてもらう。」
「いきなりだと連携も取りにくいだろうし構わないよ。でも対象の情報共有だけはしたいかな。」
ツナと幻騎士の会話は和やかなものではなく、幻騎士は馴れ合うつもりはないという雰囲気を隠すつもりはなく事務的な会話のみをしていた。
「対象は犬上小太郎、月詠、天ヶ崎千草の三人。生死は問わないと言われているけど俺は捕縛を優先したいかな。」
「相変わらず甘いなボンゴレは。捕縛したいなら勝手にすればいい、だが俺が先に見つけた場合は抹殺させてもらおう。」
書類と写真を見ながら話を進めていく二人だが対処法にて考え方の違いが出てきてしまう。ツナは幻騎士から抹殺するという言葉を聞くとニコリと笑いながら幻騎士を見るが、幻騎士は涼しい顔をしてツナからの怒気を受け流していた。
「ハァ・・・・わかりました。」
「俺はお前みたいに甘くはないのでな。」
ツナはこれ以上しても無意味だと理解して溜息を吐く、幻騎士はそれに満足そうに頷くと霧となって消えていった。
「あの人は相変わらずか・・・。しょうがない・・・・この二人は諦めないといけないけど・・・・この人は助けられるかな。」
ツナはもう一度写真を見た目後に瞑った。超直感では写真に写っている二人に警報が出ていたが、助けられないと知ると眉間に皺を寄せてお酒を口に入れた。