終業式も終わり夏休みに入ると木乃香、明日菜、夕映、のどか、あやか、千鶴、刹那はツナ宅にお邪魔して一緒に夏休みの宿題に取り掛かっていた。
「ツナさんは夏休みにどこかにでかけるん?」
「人に会いに京都に行くくらいかな。」
「京都!ならうちとせっちゃんと一緒に行かへん?」
「このちゃん流石にそれは迷惑かと・・・」
「夕映ちゃん達は?」
「私は実家に帰るくらいです。」
「私もです。」
「京都かーいいなー。いいんちょと那波さんは海外に行くのよね?」
「そうですわね。いつも家族で海外に行っていますわ。」
「夏休みを口実にしか家族サービスができないだけですよ。」
千鶴の辛口な発言に一同が苦笑いになると
「ツナ!京都に行く日程は決まったか?なんなら明日からでもいいぞ!」
エヴァンジェリンが部屋に入ってきて、流れるようにツナの膝の上に座った。
「行くとしたら来週からかな。」
「来週だな!待ちに待った京都だ!楽しみだな!」
「ちょっと待って!!ツナさんエヴァちゃんと京都に行くんですか!?」
「ならうちとせっちゃんも大丈夫やな!」
「そうですねこのちゃん!」
「エヴァンジェリンさん貴女いつの間にそんな羨ましい約束を!」
「あらあら〜ツナさん。この日程を空けといてもらえますか?パスポートはお持ちですよね?」
「む・・・なら私も京都に行くです。」
「夕映?なら私も行きます。」
ツナとエヴァンジェリンとのやり取りを聞いた一同は一瞬呆気にとられて固まるが明日菜がいち早く復活して声をあげた。それを合図に木乃香と刹那は目的地が同じなら一緒に行くのは問題ないはずだと言い張り、あやかは羨ましいと叫び、千鶴はスケジュール帳をツナに見せながらこの日は家族と海外に行く日ですので一緒に行きましょうと詰め寄り、夕映とのどかまでもが一緒に京都に行くと言い出した。
「羨ましいか?うん?」
エヴァンジェリンはその光景を愉快そうにしていたが、勝ち誇った表情をしていた。
「あ〜〜それなんだけど、エヴァちゃん、みんなも誘っていいかな?」
「むっ 私だけだと不満か?同じ部屋で温泉に入る約束はどうする?」
「「「「「「「え!?一緒にお風呂!?」」」」」」」
「そんな約束してないよね!?みんなも誤解だからね!」
「ツナさんはペッタン子が好きなのですか?」
「那波千鶴!またお前は私に喧嘩を売るのか!?」
「エヴァンジェリンさんの相手は千鶴さんに任せて、ツナさん!!どういうことか説明をお願いしますわ!!」
エヴァンジェリンがツナを困らせる為にした発言に7人は動揺する。しかし、千鶴とあやかが目配せをし頷きあうと千鶴はエヴァンジェリンの関心を引く発言をしてツナから引き離す。そのタイミングですかさずあやかがツナに詰め寄り説明を求めた。
ツナの説明により一緒にお風呂は誤解だと判明したが京都に行くことには変わりなかった。
「エヴァンジェリンさんの保護者として京都旅行に付き合うのは納得いたしますが、それなら私達も一緒に行って大丈夫ですわよね?」
「京都案内ならうちとせっちゃんに任せといてや!」
「いえ、私は山育ちなので名所などは。」
「エヴァちゃんは俺が説得するよ。」
「京都旅行ってどれくらいするのかな?」
「そうですね。泊まる場所にも寄りますが、交通費だけでも麻帆良から京都まで往復3万円はかかるかと思うです。」
「学園祭のお金はあるけど・・・使いたくない・・・でもツナさんとの旅行・・・一夜の過ち・・・そして二人は・・・」
あやかはこの場にいる全員で行くべきだと提案した。ツナも了承しエヴァンジェリンを説得すると約束する。木乃香と刹那は帰省のため問題はないが、明日菜と夕映、のどかは旅費の心配をしていた。
「お金は気にしないでいいよ。全員分俺が出すから。あやかちゃんや千鶴ちゃんもお店を手伝ってくれるし、夏のボーナスってことにしてね。」
「え!それは悪いですよ!」
「気にしないで。泊まるホテルは知り合いのホテルでタダで泊まれる約束をしてあるから。」
ツナからの申し出に話を聞いていた6人は必死で断りを入れたがツナも一歩も引かなかった。
「お前達。せっかくだから甘えておけ。そうやって甘えられるのも今のうちだけだ。そんなに気になるなら身体で払えばいいだろう。」
「男性の場合、見栄とかもありますから。ましてやツナさんは年上ですし時には素直に甘えるのも必要ですよ。」
「そうですわね。ツナさんありがとうございます。」
千鶴とのじゃれ合いが終わったエヴァンジェリンと千鶴が話に入ってくる。エヴァンジェリン、千鶴の発言にあやかは納得し他のメンバーも渋々だがツナからの提案に頷いた。